JPH0516098Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 この考案は、開口部を開閉し得る蓋部を備え、
その蓋部にて開口部が閉鎖された状態で、ちよう
着テープにより封印される包装用箱に関するもの
である。

従来技術 従来、薬品等の小型商品を収容するほとんどす
べての包装用箱には、封印又は封をするために、
セロフアン製又はポリエチレン製ちよう着テープ
等が蓋と箱本体とにまたがつてちよう付されてい
る。この封印はその商品の価値・信頼性を保証す
るものとして、生産者側にとつても、また、消費
者にとつても欠くことのできないものである。し
かし、このちよう着テープによつて封印された包
装箱の開封は、消費者にとつて、これほど不便で
開封に手間がかかるものはない。

この開封には、小刀・カツター・はさみ等の切
断器具を使用しなければならない。また、セロフ
アンテープのちよう付された包装箱の場合、手指
の爪などを用いて開封を行なえば、ときに包装箱
の開口部周縁が、指と爪との間にくい込み出血を
みることもある。また、ポリエチレン製テープち
よう付の場合には、切断器具を使用しない無理な
開封を試みるならば、包装箱の破損を生じ、その
外観を著しく損なうものである。また、近年で
は、切断器具を必要としないちょう着テープ付着
の包装箱の開封装置構造は第５図、第６図に示す
構造をとることが多かつた。すなわち、包装箱Ｃ
の側壁２に、ちよう付されるちよう着テープＰの
ちよう着箇所Ｔの外周に前もつて、側壁２の開口
部上辺縁３から底部に向かつて、長方形、半円形
又は台形をなすように延びる、直線の切り込み線
と間隙、これを繰かえす鎖様線の切り込み線１２
又は破線１３を以てかたどつたものを設け、Ｔの
箇所にちよう着テープＰを付着させ封印したもの
で、封印箇所への親指の押さえによつて開封され
るものである。これらの構造においては、開口部
上辺縁３の長さが11〜12cm程度以下の小型の包装
箱の開封に適用されるようになつている。ところ
が、開口部上返縁３の長さが13〜17cm程度の中型
の包装用箱になると、その内容品の重量に比例し
て包装用箱は紙質が厚手になり、親指の圧迫によ
る開封に際し、これらの切り込み線上にある各間
隙は側壁２の水平方向において大きな引張応力を
有し、容易に切断開封はできないが、時間をかけ
ての開封は可能である。また、引張応力を弱める
ために、紙質を薄手にすれば、親指の押えによつ
て側壁２の上辺縁３の辺りが凹み、それによつて
蓋部１が圧迫により膨れがある結果となり完全開
封とは云い難かつた。

目 的 本考案は上記の実情に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、包装用箱の封印用にちよう付さ
れた包装箱の開封に際し、切断器具などを必要と
しない親指などの圧迫によつて、予め設けられた
切り込み線切断開封装置を提供することにある。

実施例 以下、この考案を具体化した一実施例を第１〜
第６図に従つて説明する。紙よりなる包装用箱Ｃ
の開口部は、その開口部後側縁に開閉可能に設け
られた蓋部１をもつて覆われ、包装用箱前壁部２
の上辺縁３と蓋部１の解放端１１との係合部の任
意の箇所Ｔにセロフアン製又はポリエチレン製封
印用ちよう着テープＰがちよう付されている。第
２図に示すように、ちよう着テープＰのちよう着
箇所Ｔの両外側に、一定の間隔を以て、包装用箱
Ｃの上辺縁３より底部に向かつて、「〓」型を形
成するように延びる直線状の一対の垂直な切り込
み線４，５をＴ箇所の中間まで設け、この両切り
込み線の下方線端部内側より、若干の間隙ｆ，ｇ
を設けて、Ｔ箇所の底部断片下方まで延びる一対
の平行な切り込み線６，７を設ける。次いで、そ
の両切り込み線６，７の下方線端部には「ソ」型
を形成する一対の切り込み線８，９を設け、その
両切り込み線８，９の長さすなわち、両切り込み
線の合流点を中心とする先端までの同一の長さを
平行な両切り込み線６，７の外側に位置するよう
に両切り込み線８，９を設ける。

開口部上辺縁３と６本の切り込み線４，５，
６，７，８，９によつて形成される五角形様紙片
Ｈが切り離されないように、上辺縁３と垂直な両
切り込み線４，５の合流点に、それぞれ若干の間
隙ａ，ｂを設け、また、平行な両切り込み線６，
７と「ソ」型切り込み線７，８との合流点に若干
の間隙ｃ，ｄを設け、さらに切り込み線８と切り
込み線９の合流点には若干の間隙ｅを設けるとと
もに、平行な切り込み線６と平行な切り込み線７
との間隔は、ちよう付されるちよう着テープＰの
幅より若干大きめの長さとなるように、各切り込
み線を設定し、また、「ソ」型の切り込み線８，
９の合流角度を鈍角となるように切り込み角度を
設定し、ちよう着テープＰを平行な両切り込み線
６，７の内側にちよう付封印する。

なお、紙面上に設けられた各切り込み線間の間
隙ａ，ｂ，ｃ，ｄ，ｅ，ｆ，ｇは、その紙面の水
平面方向において大きな引張応力を有し、容易に
切断することはできないが、せん断応力は比較的
小さいため、間隙の表裏両側面へ向かう力を加え
れば、容易に切断することができるものである。

さて、本考案による包装用箱に封印用テープの
付着した包装箱を開封するには、ちよう着テープ
Ｐのちよう着箇所Ｔ上に親指を当て、包装箱の内
側に力を加えれば、ちよう着テープの先端に位置
する間隙ｅは、切り込み線８と、切り込み線９に
よつて誘導された力によつて、せん断破壊され、
間隙ｅは瞬時に切断される。また、加えた力の勢
いによつて、間隙ｅの切断と同時に４箇所の間隙
ｃ，ｄ及びｆ，ｇが切断され、包装用箱の蓋部１
を開くことによつて開封は完了する。なおこの
「ソ」型の切り込み線は、実用新案登録第1709208
号”包装用箱”（実用新案権者：岐阜市上川手75
−15足立忠夫）の切り込み線を応用したものであ
る。第４図は本考案による開封後の状態が示され
ている。五角形様紙片Ｈは外装箱ｃの側壁２から
完全に分断され解放端１１にぶらさがつた状態と
なり、その後の蓋部１の開閉に便利である。

従来、包装用箱に収容された状態で市販される
製品が医療用薬品の場合は、その種類も数百にも
および、品質・有効性の保証、また、改ざん防止
のため、強力なちよう着テープがちよう付されて
おり、これらのちよう付は、その必要性において
価値あるものであるが、消費者側にとつて、これ
ら数百の医薬品の開封は難事の一つに数えられ
る。特に医療機関において、切断器具を用いない
で簡単に開封できるという優れた特性を発揮で
き、しかも包装用箱の開口部上辺の長さの長短に
関係なく小型、中型の包装用箱に応用できるとい
うものは他にその例を見ない。

効 果 以上詳述したように、この考案は外装箱の封印
用にちよう付されるちよう着テープのちよう着箇
所の外側に、前もつて「〓」型の切り込み線を設
けることにより、封印用または封印のためにちよ
う着テープをちよ付された包装箱を簡単に、しか
も、切断器具を用いずに、親指で瞬時の開封がで
きるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は外装箱の密封状態を示す斜視図、第２
図は同じくテープちよう着前状態を示す斜視図、
第３図は一部拡大図、第４図は開封後の状態を示
す斜視図、第５図及び第６図は従来技術による包
装用箱の斜視図である。 蓋部……１、前壁部……２、上辺縁……３、垂
直な切り込み線……４，６、平行な切り込み線…
…６，７、「ソ」型の切り込み線……８，９、五
角形様紙片……Ｈ、間隙……ａ，ｂ，ｃ，ｄ，
ｅ，ｆ，ｇ、解放端……１１、鎖様線の切り込み
線……１２、破線……１３、ちよう着テープ箇所
……Ｔ、ちよう着テープ……Ｐ、包装用箱……
Ｃ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 開口部を開閉し得る蓋部１を備え、その蓋部１
   にて開口部が閉鎖された状態でちよう着テープＰ
   により封印される包装用箱Ｃにおいて、 包装用箱Ｃの側壁２に、ちよう付されるちよう
   着テープＰのちよう着箇所Ｔの両外側に、前もつ
   て、側壁２の開口部上辺縁３から底部に向かつて
   「〓」型をなすように延びる直線状の一対の垂直
   な切り込み線４，５を設け、この両線の下方線端
   部内側より間隙ｆ、ｇを設けて、一対の平行な切
   り込み線６，７を設け、その平行な両切り込み線
   ６，７下方線端部には「ソ」型をなすように延び
   る一対の切り込み線８，９を設け、その両切り込
   み線８，９の長さ、すなわち、形成される切り込
   み線の両線端は、平行な両切りこみ線６，７の線
   端部の外側に位置するように切りこみ線８，９を
   設ける。開口部上辺縁３と６本の切り込み線４，
   ５，６，７，８，９によつて形成される五角形様
   片Ｈの離脱を防止するために、両側の垂直な切り
   込み線４，５と上辺縁３との合流側端部に、それ
   ぞれ間隙ａ、ｂを設け、また、平行な両側切り込
   み線６，７の下方線端部と「ソ」型の両切り込み
   線８，９との合流点には、それぞれ間隙ｃ、ｄを
   設け、また、切り込み線８と切り込み線９の合流
   点には間隙ｅを設けるとともに、平行な切り込み
   線６と、平行な切り込み線７との間隔は、前記ち
   よう着テープＰの幅より若干大きめの長さに設定
   し、ちよう着テープＰを両平行な切り込み線６，
   ７の内側紙面にちよう付するようにしたことを特
   徴とする包装用箱。