JPH05159850A - 送電線用避雷装置 - Google Patents
送電線用避雷装置Info
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- JPH05159850A JPH05159850A JP32351791A JP32351791A JPH05159850A JP H05159850 A JPH05159850 A JP H05159850A JP 32351791 A JP32351791 A JP 32351791A JP 32351791 A JP32351791 A JP 32351791A JP H05159850 A JPH05159850 A JP H05159850A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】絶縁筒内で、円板状の非線型抵抗素子を柱状に
積み重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介し、絶縁筒両端
部に固定された電流電極の間に保持される構造の送電線
用避雷装置において、絶縁筒内でアークが発生したとき
の過大圧力を外気へ放出する際の放圧機能が溶融金属等
により阻害されない装置構成を得る。 【構成】ばねをコイル状圧縮ばねとするとともに、ばね
と接触する方の電流電極を、ばねの内側に絶縁筒の内部
空間側から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔されたもの
とするか、ばねと接触しない方の電流電極と抵抗積層体
との間に、少なくとも電流電極側端面が開放され周壁に
複数の貫通孔が形成された金属製筒体を介装するように
するとともに、該電流電極を、筒体内周縁の内側に前記
ばね側電流電極と同様の放圧孔を穿孔されたものとし
て、ばねあるいは筒体により、放圧孔入口側に流れの障
碍を形成する。
積み重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介し、絶縁筒両端
部に固定された電流電極の間に保持される構造の送電線
用避雷装置において、絶縁筒内でアークが発生したとき
の過大圧力を外気へ放出する際の放圧機能が溶融金属等
により阻害されない装置構成を得る。 【構成】ばねをコイル状圧縮ばねとするとともに、ばね
と接触する方の電流電極を、ばねの内側に絶縁筒の内部
空間側から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔されたもの
とするか、ばねと接触しない方の電流電極と抵抗積層体
との間に、少なくとも電流電極側端面が開放され周壁に
複数の貫通孔が形成された金属製筒体を介装するように
するとともに、該電流電極を、筒体内周縁の内側に前記
ばね側電流電極と同様の放圧孔を穿孔されたものとし
て、ばねあるいは筒体により、放圧孔入口側に流れの障
碍を形成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、絶縁筒内で、円板状
の非線型抵抗素子を柱状に積み重ねてなる抵抗積層体
が、ばねを介し、絶縁筒両端部に固定されて外部導体と
接続される電流電極の間に保持される構造の送電線用避
雷装置に関する。
の非線型抵抗素子を柱状に積み重ねてなる抵抗積層体
が、ばねを介し、絶縁筒両端部に固定されて外部導体と
接続される電流電極の間に保持される構造の送電線用避
雷装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来のこの種避雷装置構造の第１の例と
して、特開平１−１７６６８７号公報に開示された避雷
装置の構造を図３に示す。酸化亜鉛を主成分とする円板
状の非線型抵抗素子１を柱状に積み重ねてなる抵抗積層
体を収容する絶縁筒２２は、ＦＲＰ (ガラス繊維を充填
して機械的強度を増した合成樹脂成型品) からなり、該
絶縁筒２２の両端部に接着材あるいはピンを用いてそれ
ぞれ固定された電流電極２３, ３３の間に、ばね２４を
介して前記抵抗積層体が保持されている。上部の電流電
極２３は、ばね２４との接触面を有する中央の台座部２
３ｄと、台座部２３ｄをギャップをおいて同軸に囲む円
筒部２３ｅと、絶縁筒２２の上端面に当接するフランジ
部２３ｆとを備えてなり、フランジ部２３ｆに放圧孔２
３ｃが形成されている。また、下部の電流端子３３は、
抵抗積層体の下端面との接触面を有する中央の台座部３
３ｄと、台座部３３ｄをギャップをおいて同軸に囲む円
筒部３３ｅと、絶縁筒２２の下端面と当接するフランジ
部３３ｆとを備えてなり、フランジ部３３ｆに放圧孔３
３ｃが形成されている。放圧孔２３ｃ, ３３ｃは、絶縁
筒２２の全外周面を覆いかつリング状の襞２５ａを形成
する熱収縮性有機弾性絶縁材 (以下有機絶縁材という）
２５により閉鎖されている。
して、特開平１−１７６６８７号公報に開示された避雷
装置の構造を図３に示す。酸化亜鉛を主成分とする円板
状の非線型抵抗素子１を柱状に積み重ねてなる抵抗積層
体を収容する絶縁筒２２は、ＦＲＰ (ガラス繊維を充填
して機械的強度を増した合成樹脂成型品) からなり、該
絶縁筒２２の両端部に接着材あるいはピンを用いてそれ
ぞれ固定された電流電極２３, ３３の間に、ばね２４を
介して前記抵抗積層体が保持されている。上部の電流電
極２３は、ばね２４との接触面を有する中央の台座部２
３ｄと、台座部２３ｄをギャップをおいて同軸に囲む円
筒部２３ｅと、絶縁筒２２の上端面に当接するフランジ
部２３ｆとを備えてなり、フランジ部２３ｆに放圧孔２
３ｃが形成されている。また、下部の電流端子３３は、
抵抗積層体の下端面との接触面を有する中央の台座部３
３ｄと、台座部３３ｄをギャップをおいて同軸に囲む円
筒部３３ｅと、絶縁筒２２の下端面と当接するフランジ
部３３ｆとを備えてなり、フランジ部３３ｆに放圧孔３
３ｃが形成されている。放圧孔２３ｃ, ３３ｃは、絶縁
筒２２の全外周面を覆いかつリング状の襞２５ａを形成
する熱収縮性有機弾性絶縁材 (以下有機絶縁材という）
２５により閉鎖されている。
【０００３】落雷時に、避雷装置が吸収すべき雷エネル
ギーが避雷装置のエネルギー耐量を越えると、非線型抵
抗素子１が熱破壊を起こし、絶縁筒２２内にアークが発
生して筒内の圧力が上昇する。この圧力が所定値を越え
ると、放圧孔２３ｃ, ３３ｃを覆っている有機絶縁材が
破れ、絶縁筒２２内のガスが、電流電極２３, ３３中央
の台座部２３ｄ, ３３ｄと円筒部２３ｅ, ３３ｅとの間
に形成された円筒状の流路を通って放圧孔２３ｃ, ３３
ｃから外気へ放出され、筒内圧力が所定値以下となり、
絶縁筒２２は破裂を免れ、抵抗素子１やばね２４の飛散
が防止される。なお、図中の符号２６, ２７は、放圧孔
２３ｃ, ３３ｃから外気へ放出される高温の電離ガスを
絶縁筒２２の長手方向に向きを変えて絶縁筒２２の外部
にアークの閃絡路を形成させ、絶縁筒内部のアークを外
部へ移行させて絶縁筒内部の圧力を降下させるためのア
ークガイドである。
ギーが避雷装置のエネルギー耐量を越えると、非線型抵
抗素子１が熱破壊を起こし、絶縁筒２２内にアークが発
生して筒内の圧力が上昇する。この圧力が所定値を越え
ると、放圧孔２３ｃ, ３３ｃを覆っている有機絶縁材が
破れ、絶縁筒２２内のガスが、電流電極２３, ３３中央
の台座部２３ｄ, ３３ｄと円筒部２３ｅ, ３３ｅとの間
に形成された円筒状の流路を通って放圧孔２３ｃ, ３３
ｃから外気へ放出され、筒内圧力が所定値以下となり、
絶縁筒２２は破裂を免れ、抵抗素子１やばね２４の飛散
が防止される。なお、図中の符号２６, ２７は、放圧孔
２３ｃ, ３３ｃから外気へ放出される高温の電離ガスを
絶縁筒２２の長手方向に向きを変えて絶縁筒２２の外部
にアークの閃絡路を形成させ、絶縁筒内部のアークを外
部へ移行させて絶縁筒内部の圧力を降下させるためのア
ークガイドである。
【０００４】図４にこの種避雷装置構造の第２の従来例
を示す。図において、絶縁筒４は、ＦＲＰからなる筒体
の全外周面を熱収縮性有機絶縁材で覆いかつ該絶縁材か
らなるリング状襞を一体に形成してなるもので、この絶
縁筒４の上端部に接着材またはピンを用いて固定された
フランジ７に上部の電流電極８がナット９を用いてアー
クガイド２６とともに固定されている。また、下部の電
流電極２は、抵抗素子１からなる柱状の抵抗積層体を支
える中央の台座部２ｄと、絶縁筒４との間で気密を保つ
ためのフランジ部２ｆとを備え、ピン５を用いて絶縁筒
４の下端部に固定される。この電流電極２には、台座部
２ｄの横孔と、台座部２ｄからフランジ部２ｆに到る縦
孔と、フランジ部２ｆの横孔とで放圧路３が形成されて
いる。この放圧路３の放圧端は、熱収縮性有機絶縁材か
らなる絶縁チューブ６を絶縁筒４と電流電極２とに被せ
て加熱することにより気密に覆われる。落雷時に、絶縁
筒４内にアークが発生して筒内圧力が所定値を越える
と、絶縁筒４内のガスが放圧路３を通り、絶縁チューブ
６を被って外気へ放出され、絶縁筒４の破裂を防止す
る。
を示す。図において、絶縁筒４は、ＦＲＰからなる筒体
の全外周面を熱収縮性有機絶縁材で覆いかつ該絶縁材か
らなるリング状襞を一体に形成してなるもので、この絶
縁筒４の上端部に接着材またはピンを用いて固定された
フランジ７に上部の電流電極８がナット９を用いてアー
クガイド２６とともに固定されている。また、下部の電
流電極２は、抵抗素子１からなる柱状の抵抗積層体を支
える中央の台座部２ｄと、絶縁筒４との間で気密を保つ
ためのフランジ部２ｆとを備え、ピン５を用いて絶縁筒
４の下端部に固定される。この電流電極２には、台座部
２ｄの横孔と、台座部２ｄからフランジ部２ｆに到る縦
孔と、フランジ部２ｆの横孔とで放圧路３が形成されて
いる。この放圧路３の放圧端は、熱収縮性有機絶縁材か
らなる絶縁チューブ６を絶縁筒４と電流電極２とに被せ
て加熱することにより気密に覆われる。落雷時に、絶縁
筒４内にアークが発生して筒内圧力が所定値を越える
と、絶縁筒４内のガスが放圧路３を通り、絶縁チューブ
６を被って外気へ放出され、絶縁筒４の破裂を防止す
る。
【０００５】この種避雷装置構造の第３の従来例とし
て、特開昭６２−１３３７０１号公報によるものを図５
に示す。図は避雷装置の下半分を示したものであるが、
この例では、ＦＲＰからなる絶縁筒２８が磁器製碍管２
７内に収納され、絶縁筒４の下端部に電流端子３０がピ
ン２９を用いて固定されている。電流電極３０は中央に
台座部３０ａを有し、台座部３０ａの上面で抵抗素子１
からなる柱状の抵抗積層体を支えるとともに、中心軸ま
わりに複数の放圧孔３１を備えている。
て、特開昭６２−１３３７０１号公報によるものを図５
に示す。図は避雷装置の下半分を示したものであるが、
この例では、ＦＲＰからなる絶縁筒２８が磁器製碍管２
７内に収納され、絶縁筒４の下端部に電流端子３０がピ
ン２９を用いて固定されている。電流電極３０は中央に
台座部３０ａを有し、台座部３０ａの上面で抵抗素子１
からなる柱状の抵抗積層体を支えるとともに、中心軸ま
わりに複数の放圧孔３１を備えている。
【０００６】落雷時に、絶縁筒２８内にアークが発生し
て筒内圧力が所定値を越えると、絶縁筒４内に封入され
たガスが放圧板３２を破って放圧口３８から外気へ放出
される。放圧口３８からの放圧だけでは放圧量が不十分
なときには、第２の放圧板３５が破裂し、ガスは下方へ
も放出される。なお、図中の符号４０はパッキンであ
り、絶縁筒２８内のアークによる圧力上昇時に、筒内の
高温,高圧の電離ガスが絶縁筒２８, 碍管２７間のギャ
ップ内に侵入するのを防止して、ギャップ内でのアーク
閃絡による碍管の破裂を防止するためのものである。
て筒内圧力が所定値を越えると、絶縁筒４内に封入され
たガスが放圧板３２を破って放圧口３８から外気へ放出
される。放圧口３８からの放圧だけでは放圧量が不十分
なときには、第２の放圧板３５が破裂し、ガスは下方へ
も放出される。なお、図中の符号４０はパッキンであ
り、絶縁筒２８内のアークによる圧力上昇時に、筒内の
高温,高圧の電離ガスが絶縁筒２８, 碍管２７間のギャ
ップ内に侵入するのを防止して、ギャップ内でのアーク
閃絡による碍管の破裂を防止するためのものである。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】落雷時に雷エネルギー
が避雷装置のエネルギー耐量を越えて非線型抵抗素子が
熱破壊を起こし、絶縁筒内にアークが発生して筒内のガ
ス圧力が所定値を越えると、絶縁筒内のガスが電流電極
に形成された放圧孔を通って外気へ放出される。このと
き、ガスは、絶縁筒内の溶融した金属や熱破壊した抵抗
素子などを伴って電流電極の放圧孔へ向かう。放圧孔へ
向かう途中のガスは、前記いずれの従来例でも放圧孔の
直前まで円筒状の流れとなり、放圧孔のいずれか１つ
が、該放圧孔に付着した溶融金属や熱破壊した抵抗素子
などで塞がれると、軸方向に流れていたガスは周方向に
まわりながら残りの放圧孔へ向かう。このようにして次
々に放圧孔が塞がれ、放圧が十分に行われなくなり、絶
縁筒は破裂に至る。
が避雷装置のエネルギー耐量を越えて非線型抵抗素子が
熱破壊を起こし、絶縁筒内にアークが発生して筒内のガ
ス圧力が所定値を越えると、絶縁筒内のガスが電流電極
に形成された放圧孔を通って外気へ放出される。このと
き、ガスは、絶縁筒内の溶融した金属や熱破壊した抵抗
素子などを伴って電流電極の放圧孔へ向かう。放圧孔へ
向かう途中のガスは、前記いずれの従来例でも放圧孔の
直前まで円筒状の流れとなり、放圧孔のいずれか１つ
が、該放圧孔に付着した溶融金属や熱破壊した抵抗素子
などで塞がれると、軸方向に流れていたガスは周方向に
まわりながら残りの放圧孔へ向かう。このようにして次
々に放圧孔が塞がれ、放圧が十分に行われなくなり、絶
縁筒は破裂に至る。
【０００８】このようなガスのまわり込みを防止するた
め、例えば、絶縁筒の内側に軸方向のリブを複数条形成
すれば、こんどは、抵抗素子からなる柱状の抵抗積層体
が完全に真直ぐな柱状体ではないため、いずれか１つの
リブに着目すれば、リブの長手方向に抵抗素子が接触し
た所と接触しない所とが生じ、リブの長手方向に沿う電
圧分布が不均一となり、リブの長手方向の耐電圧値が低
下し、抵抗積層体固有の制限電圧以下で放電が起こる恐
れが生じる。
め、例えば、絶縁筒の内側に軸方向のリブを複数条形成
すれば、こんどは、抵抗素子からなる柱状の抵抗積層体
が完全に真直ぐな柱状体ではないため、いずれか１つの
リブに着目すれば、リブの長手方向に抵抗素子が接触し
た所と接触しない所とが生じ、リブの長手方向に沿う電
圧分布が不均一となり、リブの長手方向の耐電圧値が低
下し、抵抗積層体固有の制限電圧以下で放電が起こる恐
れが生じる。
【０００９】本発明の目的は、避雷装置の電気的特性を
低下させることなく十分な放圧機能を発揮させることの
できる避雷装置の構成を提供することである。
低下させることなく十分な放圧機能を発揮させることの
できる避雷装置の構成を提供することである。
【００１０】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、絶縁筒内で、円板状の非線型抵
抗素子を柱状に積み重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介
し、絶縁筒両端部に固定されて外部導体と接続される電
流電極の間に保持される構造の送電線用避雷装置におい
て、ばねがコイル状圧縮ばねとして形成されるとともに
ばねと接触する方の電流電極が、ばねの内側に、絶縁筒
の内部空間側から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔さ
れ、絶縁筒内で過大圧力となったときに外気へ放出され
る絶縁筒内のガスが、コイル状圧縮ばねの隙間と前記電
流電極の絶縁筒軸方向の放圧孔とを通って外気へ放出さ
れるようにするか、ばねと接触しない方の電流電極と抵
抗積層体との間に、少なくとも電流電極側端面が開放さ
れ周壁に複数の貫通孔が形成された金属製筒体が介装さ
れるとともに、該電流電極が前記金属製筒体の内周縁よ
り内側に絶縁筒の内部空間側から絶縁筒軸方向の放圧孔
を複数穿孔され、絶縁筒内で過大圧力となったときに外
気へ放出される絶縁筒内のガスが、金属製筒体周壁の貫
通孔と前記電流電極の絶縁筒軸方向の放圧孔とを通って
外気へ放出されるようにした装置構成をとるものとす
る。
め、本発明においては、絶縁筒内で、円板状の非線型抵
抗素子を柱状に積み重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介
し、絶縁筒両端部に固定されて外部導体と接続される電
流電極の間に保持される構造の送電線用避雷装置におい
て、ばねがコイル状圧縮ばねとして形成されるとともに
ばねと接触する方の電流電極が、ばねの内側に、絶縁筒
の内部空間側から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔さ
れ、絶縁筒内で過大圧力となったときに外気へ放出され
る絶縁筒内のガスが、コイル状圧縮ばねの隙間と前記電
流電極の絶縁筒軸方向の放圧孔とを通って外気へ放出さ
れるようにするか、ばねと接触しない方の電流電極と抵
抗積層体との間に、少なくとも電流電極側端面が開放さ
れ周壁に複数の貫通孔が形成された金属製筒体が介装さ
れるとともに、該電流電極が前記金属製筒体の内周縁よ
り内側に絶縁筒の内部空間側から絶縁筒軸方向の放圧孔
を複数穿孔され、絶縁筒内で過大圧力となったときに外
気へ放出される絶縁筒内のガスが、金属製筒体周壁の貫
通孔と前記電流電極の絶縁筒軸方向の放圧孔とを通って
外気へ放出されるようにした装置構成をとるものとす
る。
【００１１】
【作用】本発明は、絶縁筒内からの高圧ガスの外気放出
時に、電流電極の複数の放圧孔のうち、溶融金属や熱破
壊した抵抗素子で塞がれることのおくれた放圧孔へ向か
ってまわり込むガスの滑らかな流れが、放圧孔の入口側
に障碍を設けることにより大きく乱れ、かつ放圧孔が複
数形成されていることから、ガスが特定の放圧孔に集中
しにくくなり、放圧孔の閉塞が起こりにくくなることに
着目したものである。従って、この障碍をコイル状の圧
縮ばねで構成すれば、ばねの隙間を通過した流れは大き
く乱れ、かつ、ガスが運んできた溶融金属はばねの線材
により冷却されてこれに付着するとともに、熱破壊した
抵抗素子などの固形物は大部分ばねの内側への進入を阻
止され、しかも放圧孔は複数形成されているので、いず
れの放圧孔も閉塞が困難になる。このコイル状圧縮ばね
と同様の効果は、ばねと接触しない方の電流電極と抵抗
積層体との間に、少なくとも電流電極側端面が開放され
周壁に複数の貫通孔が形成された金属製筒体を介装して
も得ることができる。しかも、コイル状圧縮ばねも金属
製筒体も、絶縁筒内の長手方向の電圧分布を不均一にす
る作用をもたないから、絶縁筒内部の絶縁耐力を低下さ
せることがない。
時に、電流電極の複数の放圧孔のうち、溶融金属や熱破
壊した抵抗素子で塞がれることのおくれた放圧孔へ向か
ってまわり込むガスの滑らかな流れが、放圧孔の入口側
に障碍を設けることにより大きく乱れ、かつ放圧孔が複
数形成されていることから、ガスが特定の放圧孔に集中
しにくくなり、放圧孔の閉塞が起こりにくくなることに
着目したものである。従って、この障碍をコイル状の圧
縮ばねで構成すれば、ばねの隙間を通過した流れは大き
く乱れ、かつ、ガスが運んできた溶融金属はばねの線材
により冷却されてこれに付着するとともに、熱破壊した
抵抗素子などの固形物は大部分ばねの内側への進入を阻
止され、しかも放圧孔は複数形成されているので、いず
れの放圧孔も閉塞が困難になる。このコイル状圧縮ばね
と同様の効果は、ばねと接触しない方の電流電極と抵抗
積層体との間に、少なくとも電流電極側端面が開放され
周壁に複数の貫通孔が形成された金属製筒体を介装して
も得ることができる。しかも、コイル状圧縮ばねも金属
製筒体も、絶縁筒内の長手方向の電圧分布を不均一にす
る作用をもたないから、絶縁筒内部の絶縁耐力を低下さ
せることがない。
【００１２】
【実施例】図１および図２に本発明の一実施例を示す。
円板状の非線型抵抗素子１を柱状に積み重ねてなる抵抗
積層体を収容する, ＦＲＰからなる絶縁筒１２の上端部
と下端部とにはそれぞれ、本発明による電流電極１３,
１３がピン５を用いて固定され、両電流電極１３, １３
の間に抵抗積層体と，ばね２４と，以下に説明する筒体
１６とが軸方向互いに圧接状態に保持されている。筒体
１６は上端面が開放され、外径が抵抗素子１の外径より
も小さい有底筒体として形成され、周壁に複数の円形貫
通孔１６ａが形成されている。下部の電流電極１３に
は、ばね２４との接触面のばねより内側の面積内に、図
に示すように、複数 (図では４個) の軸方向の放圧孔１
３ａが形成され、絶縁筒１２ (図１) の放圧孔１２ａと
連通する放射状の放圧孔１３ｂに連通する。
円板状の非線型抵抗素子１を柱状に積み重ねてなる抵抗
積層体を収容する, ＦＲＰからなる絶縁筒１２の上端部
と下端部とにはそれぞれ、本発明による電流電極１３,
１３がピン５を用いて固定され、両電流電極１３, １３
の間に抵抗積層体と，ばね２４と，以下に説明する筒体
１６とが軸方向互いに圧接状態に保持されている。筒体
１６は上端面が開放され、外径が抵抗素子１の外径より
も小さい有底筒体として形成され、周壁に複数の円形貫
通孔１６ａが形成されている。下部の電流電極１３に
は、ばね２４との接触面のばねより内側の面積内に、図
に示すように、複数 (図では４個) の軸方向の放圧孔１
３ａが形成され、絶縁筒１２ (図１) の放圧孔１２ａと
連通する放射状の放圧孔１３ｂに連通する。
【００１３】落雷時に絶縁筒１２内にアークが発生し、
絶縁筒１２内のガス圧が所定値を超過すると、絶縁筒１
２の放圧孔１２ａの出口を塞いでいる，熱収縮性有機絶
縁材でできた外套部分が破れ、ガスが外気へ噴出する。
このときのガスの流れは、絶縁筒１２のほぼ上半分で
は、ガスが抵抗積層体と絶縁筒１２との間の円筒状空間
を通って上方へ向かい、筒体１６の周壁に当たり、それ
までのリング状断面をもつ流れから筒体周壁の貫通孔を
通った乱れた流れに変わる。一方、ガス中に含まれた溶
融金属は、貫通孔を通る際に冷却されて貫通孔まわりに
付着し、また、ガスが運んできた固形物の大半は筒体１
６内への進入を阻止されるため、筒体１６の周壁を貫通
したガス中に含まれる溶融金属や固形物の量は僅少とな
り、放圧孔１３ａの数と大きさとを適宜に設定すること
により、放圧孔１３ａの閉塞を生じることなく、常にガ
スを確実に外部へ放出することができる。
絶縁筒１２内のガス圧が所定値を超過すると、絶縁筒１
２の放圧孔１２ａの出口を塞いでいる，熱収縮性有機絶
縁材でできた外套部分が破れ、ガスが外気へ噴出する。
このときのガスの流れは、絶縁筒１２のほぼ上半分で
は、ガスが抵抗積層体と絶縁筒１２との間の円筒状空間
を通って上方へ向かい、筒体１６の周壁に当たり、それ
までのリング状断面をもつ流れから筒体周壁の貫通孔を
通った乱れた流れに変わる。一方、ガス中に含まれた溶
融金属は、貫通孔を通る際に冷却されて貫通孔まわりに
付着し、また、ガスが運んできた固形物の大半は筒体１
６内への進入を阻止されるため、筒体１６の周壁を貫通
したガス中に含まれる溶融金属や固形物の量は僅少とな
り、放圧孔１３ａの数と大きさとを適宜に設定すること
により、放圧孔１３ａの閉塞を生じることなく、常にガ
スを確実に外部へ放出することができる。
【００１４】また、絶縁筒１２のほぼ下半分でも、ばね
２４がコイル状に形成され、電流電極１３の放圧孔１３
ａは、ばねとの接触面のばねより内側の面積内に複数形
成されているため、ばね２４が上記筒体１６と同様の作
用を有し、放圧孔１３ａの閉塞を来すことなく、ガスが
確実に外部へ放出される。
２４がコイル状に形成され、電流電極１３の放圧孔１３
ａは、ばねとの接触面のばねより内側の面積内に複数形
成されているため、ばね２４が上記筒体１６と同様の作
用を有し、放圧孔１３ａの閉塞を来すことなく、ガスが
確実に外部へ放出される。
【００１５】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明において
は、絶縁筒内で、円板状の非線型抵抗素子を柱状に積み
重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介し、絶縁筒両端部に
固定されて外部導体と接続される電流電極の間に保持さ
れる構造の送電線用避雷装置を、ばねがコイル状圧縮ば
ねとして形成されるとともにばねと接触する方の電流電
極が、ばねの内側に、絶縁筒の内部空間側から絶縁筒軸
方向の放圧孔を複数穿孔され、絶縁筒内で過大圧力とな
ったときに外気へ放出される絶縁筒内のガスが、コイル
状圧縮ばねの隙間と前記電流電極の絶縁筒軸方向の放圧
孔とを通って外気へ放出されるか、あるいは、ばねと接
触しない方の電流電極と抵抗積層体との間に、少なくと
も電流電極側端面が開放され周壁に複数の貫通孔が形成
された金属製筒体が介装されるとともに、該電流電極が
前記金属製筒体の内周縁より内側に絶縁筒の内部空間側
から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔され、絶縁筒内で
過大圧力となったときに外気へ放出される絶縁筒内のガ
スが、金属製筒体周壁の貫通孔と前記電流電極の絶縁筒
軸方向の放圧孔とを通って外気へ放出される構造の避雷
装置としたので、絶縁筒内に発生したアークによる過大
圧力ガスの外気放出のための放圧孔の閉塞が効果的に防
止され、避雷装置が所期の放圧機能を維持することがで
きるため、避雷装置設置場所の安全性が従来と比べ著し
く向上する。
は、絶縁筒内で、円板状の非線型抵抗素子を柱状に積み
重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介し、絶縁筒両端部に
固定されて外部導体と接続される電流電極の間に保持さ
れる構造の送電線用避雷装置を、ばねがコイル状圧縮ば
ねとして形成されるとともにばねと接触する方の電流電
極が、ばねの内側に、絶縁筒の内部空間側から絶縁筒軸
方向の放圧孔を複数穿孔され、絶縁筒内で過大圧力とな
ったときに外気へ放出される絶縁筒内のガスが、コイル
状圧縮ばねの隙間と前記電流電極の絶縁筒軸方向の放圧
孔とを通って外気へ放出されるか、あるいは、ばねと接
触しない方の電流電極と抵抗積層体との間に、少なくと
も電流電極側端面が開放され周壁に複数の貫通孔が形成
された金属製筒体が介装されるとともに、該電流電極が
前記金属製筒体の内周縁より内側に絶縁筒の内部空間側
から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔され、絶縁筒内で
過大圧力となったときに外気へ放出される絶縁筒内のガ
スが、金属製筒体周壁の貫通孔と前記電流電極の絶縁筒
軸方向の放圧孔とを通って外気へ放出される構造の避雷
装置としたので、絶縁筒内に発生したアークによる過大
圧力ガスの外気放出のための放圧孔の閉塞が効果的に防
止され、避雷装置が所期の放圧機能を維持することがで
きるため、避雷装置設置場所の安全性が従来と比べ著し
く向上する。
【図１】本発明による送電線用避雷装置構造の一実施例
を示す縦断面図
を示す縦断面図
【図２】図１におけるＡ−Ａ線に沿う拡大断面図
【図３】従来の送電線用避雷装置構造の第１の例を示す
縦断面図
縦断面図
【図４】従来の送電線用避雷装置構造の第２の例を示す
縦断面図
縦断面図
【図５】従来の送電線用避雷装置構造の第３の例を示す
部分縦断面図
部分縦断面図
１ 抵抗素子 ２ 電流電極 ４ 絶縁筒 ８ 電流電極 １２ 絶縁筒 １３ 電流電極 １３ａ 放圧孔 １６ 筒体 １６ａ 貫通孔 ２２ 絶縁筒 ２３ 電流電極 ２４ ばね（コイル状圧縮ばね） ２８ 絶縁筒 ３０ 電流電極 ３３ 電流電極
Claims (2)
- 【請求項１】絶縁筒内で、円板状の非線型抵抗素子を柱
状に積み重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介し、絶縁筒
両端部に固定されて外部導体と接続される電流電極の間
に保持される構造の送電線用避雷装置において、ばねが
コイル状圧縮ばねとして形成されるとともにばねと接触
する方の電流電極が、ばねの内側に、絶縁筒の内部空間
側から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔され、絶縁筒内
で過大圧力となったときに外気へ放出される絶縁筒内の
ガスが、コイル状圧縮ばねの隙間と前記電流電極の絶縁
筒軸方向の放圧孔とを通って外気へ放出されるようにし
たことを特徴とする送電線用避雷装置。 - 【請求項２】絶縁筒内で、円板状の非線型抵抗素子を柱
状に積み重ねてなる抵抗積層体が、ばねを介し、絶縁筒
両端部に固定されて外部導体と接続される電流電極の間
に保持される構造の送電線用避雷装置において、ばねと
接触しない方の電流電極と抵抗積層体との間に、少なく
とも電流電極側端面が開放され周壁に複数の貫通孔が形
成された金属製筒体が介装されるとともに、該電流電極
が前記金属製筒体の内周縁より内側に絶縁筒の内部空間
側から絶縁筒軸方向の放圧孔を複数穿孔され、絶縁筒内
で過大圧力となったときに外気へ放出される絶縁筒内の
ガスが、金属製筒体周壁の貫通孔と前記電流電極の絶縁
筒軸方向の放圧孔とを通って外気へ放出されるようにし
たことを特徴とする送電線用避雷装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32351791A JP3175244B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 送電線用避雷装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32351791A JP3175244B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 送電線用避雷装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05159850A true JPH05159850A (ja) | 1993-06-25 |
| JP3175244B2 JP3175244B2 (ja) | 2001-06-11 |
Family
ID=18155575
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32351791A Expired - Fee Related JP3175244B2 (ja) | 1991-12-09 | 1991-12-09 | 送電線用避雷装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3175244B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113345666A (zh) * | 2021-06-17 | 2021-09-03 | 安徽知凸凸科技服务有限公司 | 一种110kv的避雷器及其避雷系统 |
-
1991
- 1991-12-09 JP JP32351791A patent/JP3175244B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN113345666A (zh) * | 2021-06-17 | 2021-09-03 | 安徽知凸凸科技服务有限公司 | 一种110kv的避雷器及其避雷系统 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3175244B2 (ja) | 2001-06-11 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |