JPH05158528A - ロボットの制御方式 - Google Patents

ロボットの制御方式

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JPH05158528A
JPH05158528A JP34170791A JP34170791A JPH05158528A JP H05158528 A JPH05158528 A JP H05158528A JP 34170791 A JP34170791 A JP 34170791A JP 34170791 A JP34170791 A JP 34170791A JP H05158528 A JPH05158528 A JP H05158528A
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JP34170791A
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Inventor
Akira Miyagawa
晃 宮川
Shiyunji Mouri
峻治 毛利
Masaru Ishikawa
賢 石川
Shuichi Takase
修一 高瀬
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 CIMのもとでの関節型ロボットのNC制御
を実現すること。 【構成】 上位計算機内に各ロボットの全ての教示(位
置)データを登録するデータベースを設け、事前に教示
(位置)データを登録しておけば、生産機種を切替る段取
り替え時に、該当教示データの存在を確認して取り出
し、もし、登録時の教示位置と現在の作業目標位置とに
誤差がある場合には、誤差分だけ演算によって教示デ−
タを補正して、該当ロボットへ供給することを行ない、
また該当教示データが無ければ、製品の設計データに基
づいてロボット位置データを演算してロボットへ供給す
る。 【効果】 従来の教示制御方式を残して、NC制御を実
現することにより、作業現場の運用体制切替の負担が大
きく軽減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はロボットの制御方式に係
り、特に、CIM(Computer Integrated Manufacturin
g) の一要素としてロボットをNC制御(数値制御)す
る場合に問題となる位置決め精度の補償方式に関する。
すなわち、ロボットの絶対位置決め精度を高めるため、
各種の誤差を補償する方式、補償に使うデータを管理す
る方式に関する。さらに詳しくは、本発明は、従来の教
示制御段階から完全NC制御段階(完全無教示制御)へ
一気に移行するのは無理がある点を考慮して、ロボット
のNC制御を段階的に実現するため、教示デ−タと数値
指令との共存を可能とするロボットの制御方式に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来技術は、製造誤差によって生ずるロ
ボットの機構が持つ固有の誤差(各腕の長さの誤差、各
関節の初期角度の誤差等)を前もって測定により求め、
そこで得られた誤差を補正して幾何計算、制御をすれ
ば、ロボット手先の位置決め精度を向上させることが出
来るといったものである。確かに、精度を向上する効果
があり、それによって実用が可能となる用途があるであ
ろう。しかし、一般には、上記した機構誤差補正だけの
NC制御ロボットの位置決め精度は、従来の教示データ
に従ったロボットの位置決め精度には達しない。この理
由は、誤差要因がその他に多数存在し、かつ補正可能な
要因がその一部でしかないことによる。
【0003】従来技術は、主要な誤差要因の補正方式を
対象としているが、NC制御を実用化するためには、ど
れだけの誤差要因を補正し、かつ、現場の運用体制をど
の様にしなければならないかを述べている報告例、すな
わち、汎用性の高い実用化のレベルに踏み込んだ実施方
法に関する報告例は無い。
【0004】なお、この種の特定された誤差要因の補正
を行う従来のロボットの制御手法としては、例えば、精
密機械49巻9号(1983年9月)第69頁〜第74
頁;「位置決めSCARAロボット諸元のティ−チング
による校正」や、特開昭63−285604号公報
(「多関節ロボットの工具位置決め方法」)が挙げられ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】製造業の組立て作業に
広く使用されている関節型ロボットは、直交型ロボット
に比べ、動作領域が本体寸法に比較して広く取れ、価格
が安い利点があるが、位置決め精度は劣る。従来のティ
ーチングプレイバック制御方式で関節型ロボットを使用
すると、教示した位置を再現する位置繰り返し精度は一
般に0.05mm以内であり、また、作業位置を人が教
示する精度は教示装置により差異はあるが、0.1mm
以内と考えられるので、目標とする作業位置へロボット
の手先を位置決める精度は、単純に見積もると±0.1
5mm以内と考えられる。この教示の利点は、実際に実
物対応で位置決めを行ない、その結果の位置を記録する
ことであり、結果として、全ての誤差要因を考慮した形
で位置決め点が求められる。各誤差要因が、同一位置で
は変らない(再現する)と仮定すると、教示位置へ繰り
返し位置決めする作業において、誤差の補正を考慮する
必要がない。
【0006】一方、CIMを構築して、上位計算機(例
えば図1の群管理ステーション)でオフライン的にロボ
ットのNCデータを演算して、LAN(ミニMAPな
ど)を介してロボットへ供給する制御方式がある。この
方式の目的は、従来の教示に代って、位置データの生成
を上位計算機にて行ない、生産機種が新しく変わる際に
発生する段取り替え作業(従来のティーチングプレイバ
ック方式では教示を行なう必要がある)を自動化するこ
とである。この手法は、今後の多種少量生産の普及には
不可欠である。
【0007】ところで、上位計算機においてロボットの
位置データを生成するには、ロボットの機構の各部寸
法、ロボットの据え付け位置、ハンド、作業対象物の寸
法、作業台など作業環境の寸法、ロボットの各関節の初
期変位角など、寸法、変位量に関する情報によって内部
モデルを作り、幾何演算によってロボットの位置データ
を求めるようにされる。この演算では、作業空間内に絶
対座標系を定め、絶対座標で表わした作業対象物の位置
へ、ロボットの手先を位置付けるための位置計算を行な
う。この演算に使用するデータには多くの誤差要因が存
在し、これらの誤差要因を見付け出し、区分けすること
は難しいが、実作業で補正を行なう観点から、単純化し
て分類すると以下の様になる。
【0008】例えば、水平多関節型ロボット(スカラ型
ロボット)によりプリント基板へ部品を挿入する用途で
は、水平面作業領域内へ水平方向位置決めする誤差要因
として以下の項目が挙げられる。(図2参照) (1)ロボット機構の幾何学的パラメータの誤差(機構
誤差) 各アームの長さの誤差(Δl1,Δl2) 各関節角変位量の初期値のずれ(Δθ1,Δθ2,Δθ
4) (2)ロボット据え付け誤差 この誤差は、ロボットを据え付けた際のロボットと基板
固定位置との間の変位(距離と方向)の誤差ベクトルΔ
〔→〕r(なお、本明細書では記述の制約上ベクトルを
表すものには〔→〕を付してある)、および、姿勢の誤
差Δθ5 である。ここで、基板はコンベア上を流れて来
て、所定の位置に位置決めピンで固定されるものとす
る。
【0009】(3)ハンドに係わる誤差 ハンドに係わる誤差は、ハンド製作誤差、ハンド取
り付け誤差、部品把持誤差、などより成る。その定義
は、ハンドを取り付けるロボット手先軸心(第4軸の軸
心)を基準として、ハンドに持たせた基準の部品の基準
足(基準ピン)までの水平ベクトル(ハンドオフセット
ベクトルと呼ぶ)の誤差で表わす。設計上の水平ベクト
ルを〔→〕Hとすると、実際の水平ベクトルは、〔→〕
H+Δ〔→〕hと誤差を含んでいる。ここで、ハンドに
係わる誤差を総合してΔ〔→〕hと表わす。ただし、部
品形状には誤差が無く、また、供給機からの部品把持位
置を決めた後は部品把持誤差は一定であると仮定する。
以上は、ある測定手段によって測定が可能で、また、補
正パラメータとして管理がしやすい誤差である。この他
に、幾何学的パラメ−タだけでは表現できない誤差要因
があり、非幾何学的誤差と呼ぶ。
【0010】(4)ロボットの非幾何学的誤差要因 この非幾何学的誤差は、各関節でのたわみ、歯車間
の伝達誤差、歯車におけるバックラッシ、などであ
る。非幾何学的誤差要因は、他にも種々存在すると思わ
れる。個々には無視出来る程度であっても、積もると無
視できなくなる。ロボットへの制御量を線形に変化させ
ても、実際の挙動は、厳密には非線形の要素がある。
【0011】以上、述べた誤差要因のため、ロボットの
絶対位置決め精度は、ティーチングプレイバックの場合
と比べて劣る。従来より、主要な誤差要因であるロボッ
ト機構の幾何学的パラメータの誤差(機構誤差)、ロボ
ット据え付け誤差を前もって測定して、演算に組み入れ
る補正を行なう方式が各所より提案されており、本願出
願人も独自の測定方式を実用向きに工夫して提案してい
る。なお、前記した公知例はこれらの中の1つの測定方
式である。しかし、ここで補正を行なっている誤差要因
は上述した要因の中の一部であり、実用上、これだけで
は足りない。
【0012】ところで、ロボットの位置決め誤差を補償
する手段として、視覚を使用することが考えられる。ロ
ボットのハンドにテレビカメラを持たせれば、まず、作
業対象をカメラで撮像し、認識処理を行なって対象位置
を求め、次に、この位置が所定の位置とどれだけ誤差が
あるかを求める。この誤差だけロボットの位置決め目標
位置を補正して、ロボットの手先を位置決めると、より
精度よく位置決めが行なえる。この効果は認められる
が、視覚装置のコストが余計にかかり、認識処理のため
のロボット停止動作、認識処理の時間が作業タクトを長
くする問題が生ずる。また、作業対象製品が替った時、
認識処理プログラムに変更を加える手間がかかり、その
自動化も遅れているなど短所がある。よって、現時点で
は実現性の点で、視覚無しのロボットNC制御を考える
方が妥当である。
【0013】上述した理由により、種々ある誤差要因を
経済的に見合う測定手段を使用して事前に測定し、結果
データに基づいて位置決め補正を行なうアプローチを対
象として考える。次に、なぜ関節型ロボットのNC制御
が普及しにくいのか、考えられる理由を述べる。 誤差要因の測定手段の多くは、経済性という観点で実
施の制約を受ける。特に、非幾何学的誤差要因などの多
くは、経済的に見合う測定手段が無い。 ロボット据え付け誤差、ハンドに係わる誤差などは、
ロボットのハンドを誤ってどこかに衝突させた場合と
か、ハンドを付け替えた場合とか、あるいは長期の作業
による振動などによって、変化する。 ロボットのハンドを、NC工作機械の工具の様に規格
化して管理することが難しい。また規格化も遅れてい
る。 などが挙げられる。
【0014】そこで、関節型ロボットのNC制御を実用
化するためには、教示の並用方式が有効だと考える。教
示を、経済的に見合う測定手段と考える。上位の計算機
は、ロボットの位置データを演算して供給するだけでは
なく、教示データを重要な測定データとして管理し、教
示データを基にした補正パラメータの修正を行なう。3
次元位置(設計値)を正確に指定できない場所、また
は、位置演算の精度が得られそうもない場所は、事前に
登録した教示データを使用する。
【0015】本発明の目的を整理する。前記した従来技
術は、ロボットのNC制御を実現するための部分的な解
決手段であり、実際に実施するための方法を確立する配
慮に欠けている。また、現状の技術レベルを考慮する
と、ティーチングプレイバック制御方式に替ってNC制
御方式を実施する、すなわち、方式を完全に切り替える
といった考え方では成功しないと思われ、中間段階の制
御方式にスムーズに移行できる様に支援するシステムを
作る必要があると考えられる。よって、本発明の目的と
するところは、CIMを実現するため、最終目標は完全
なNC制御であるが、作業対象の状況に合わせて、より
ティーチングプレイバック制御方式に近いレベルまで自
由に戻すことができ、また、新しい測定手段が開発され
れば、随時取り入れてNC制御へより近づけることを可
能とするロボットの制御方式を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は上記した目的を
達成するため、LAN(Local Area Network) により、
ロボットコントローラと上位の管理計算機とを接続した
システムに以下の機能を設ける。 上位計算機に、全ロボットの位置(教示)データを記
録するデータベースを設ける。 上位計算機には、可能な限りの測定手段によって測定
した、ロボットの位置決め誤差要因の測定値より求めた
補正データを記録するデータべースを設ける。 演算よりも教示をした方が有利と判断した場合、例え
ば演算に必要なデータを入力する労力が大きく、また、
高頻度に長い期間使用する位置データは教示をした方が
有利と考えられる。その場合は、教示を行ない、その教
示データをアップロードして、上位計算機のデータベー
スに、識別データを付けて記録する機能を設ける。 上位計算機は、段取り替え時に既に教示データが登録
されている場合は該当教示データを、また、未登録なら
ば演算をした位置データをロボットに供給する。
【0017】ハンドに、例えば、基準となる部品を掴
ませ、作業時と同条件で測定位置に位置決めした場合の
教示デ−タを使用して、ハンドに係る誤差を求める。 上位計算機において、データベース内の教示データを
使用して、演算誤差補正データを更新する機能を設け
る。 生産の段取り替えは、上位計算機で編集・準備した制
御データ(位置データも含む)を各ロボットにダウンロ
ードして制御データを更新することにより、自動的に行
なわれる。段取り替え後、作業の試運転を検査者が確認
をする。もし、ロボットの位置決めに誤差があり、作業
に支障がある場所は、教示によって位置データを更新す
る。その教示データを直ちにアップロードして、上位計
算機のデータベースに記録する機能を設ける。 ロボットの非幾何学的誤差要因の補償は有効な測定手
段が無いので、次の対策を行う。ロボットの作業領域を
複数の部分領域に分け、各部分領域ごとに、その領域内
にロボットを位置決めする測定点を設定し、その測定に
よって得られたデ−タより、1組の機構誤差補正デ−タ
を求める。この処理を全ての部分領域ごとに行う。求め
た全ての機構誤差補正デ−タを、各部分領域の位置を表
わすデ−タを付けて、上位計算機のデ−タベ−スに登録
する。位置デ−タを演算する場合には、目標位置がいず
れの部分領域内に含まれるかを判定した後、該当部分領
域に対応する機構誤差補正デ−タをデ−タベ−スから選
び出し、演算に使用する。 以上の機能を有機的に働かすことによって、ロボットの
NC制御を実現する。
【0018】
【作用】本発明は、従来の個別の機構誤差測定手段によ
って演算補正データを得るだけでは実用化が解決しない
ロボット(特に関節型ロボット)のNC制御を実現する
ため、従来の教示手段を並用して使用することを認め、
かつ教示データの記録手段、並びに、教示データを有効
な測定データと見做してハンドに係る誤差の測定や誤差
補正パラメータを更新する手段を設けることにより、教
示制御とNC制御の中間段階を全てカバー可能とするシ
ステムを構築している。
【0019】上位計算機の位置データベースに、接続す
る全てのロボットの教示データを登録する。もし、位置
決め精度を必要とする作業を行なう場合は、全ての位置
を教示して、これらのデータをデータベースに登録す
る。そして、段取り替えの場合には、登録済みの位置デ
ータを各ロボットへ供給して作業を行なう。この場合、
ユーザは従来のティーチングプレイバックと同様の教示
操作を行ない、最後に登録コマンドを入力すればよい。
【0020】一方、ユーザが前もって教示を行なわない
で、段取り替えを行なうと、上位計算機は設計データに
基づいて作業位置データを演算して、各ロボットへ供給
する。ユーザは、段取り替え後、最初の製品の組立て作
業を試運転で確認する。この試運転動作は、通常の作業
速度より遅く設定することが可能であり、作業位置直前
で停止させて、位置ずれを目視にて確認することが可能
である。もし、位置ずれを確認したら、ユーザは直ちに
作業位置を教示によって微修正する。位置ずれが無い
か、許容できる場合はそのままとする。全ての確認、修
正が終了したら、登録コマンドを入力して、微修正した
教示データをデータベースに登録し、本作業へ移る。
【0021】以上はユーザの操作に係わる機能である
が、従来のティーチングプレイバック制御の場合と同様
の教示作業と、登録コマンドの入力操作を必要とする
が、特別新しい操作を要求せずに、従来の感覚で操作す
ることが可能であるのでユーザに受入れ易く、また、演
算によって教示作業量を大幅に減ずる効果が見込まれ
る。
【0022】さらに、本システムの特徴として、登録し
た教示データを測定データと見做し、これらのデータを
使用して、位置データ演算の誤差補正パラメータを更新
する機能を設けて、演算の精度を保持するようにしてい
る。以下、詳細は実施例にて述べる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。ロボットは、図4に示す様なロボットワークセル
の一要素として組み込まれている。例えば、プリント板
組立ロボットワークセルは、部品挿入ロボット、部品の
ピンを曲げるクリンチロボット、基板を搬送するコンベ
ア、部品供給装置、プログラマブルコントローラなどか
ら構成されている。このロボットワークセルを複数台連
結して、プリント板組立ラインを構成する。
【0024】本発明の処理を受け持つ上位計算機は、こ
こでは、役割りの異なる2種の計算機(階層を成す)を
使用する。1つは、群管理ステーションと呼び、各種デ
ータの管理および、制御データの作成、編集を行なう。
この群管理ステーションの下位に、各ロボットワークセ
ルごとにもう1つの計算機(セルコントローラと呼ぶ)を
設ける。セルコントローラは、ロボットワークセルの各
構成機器へ情報を伝達する役割りと、ロボットの機構誤
差測定などを受け持つ。ただしセルコントローラは、ロ
ボットワークセル複数台に接続することも考えられ、生
産ラインの規模によって、種々の構成が考えられる。そ
の一例を図1に示す。群管理ステーション〔1〕、セル
コントローラ〔2〕、ロボットワークセル〔3〕など
は、LAN(MAP,Ethernet,RS−232Cなど)
によって接続される。さらに、群管理ステーション1
は、他の役割りの計算機(オフラインプログラミングス
テーション,CADステーション,基板穴位置測定ステ
ーション,基板生産管理ステーションなど)ともLAN
によって接続され、各種データを授受可能となってい
る。
【0025】図3に、本実施例による制御シ−ケンスが
実行される機能ブロック図を示し、これによりロボット
群のNC制御システムを説明する。ロボットのNC制御
はこの様に実施されると予想される。図3には群管理ス
テ−ションと、1組のセルコントロ−ラ,ロボット間の
制御を示してある。
【0026】図3に示すように、群管理ステーション
〔1〕内の生産計画確認機能部〔11〕は、生産計画デー
タファイル〔51〕のデータ〔101〕 を参照して、次の生
産機種を知り、次の生産機種の制御データを編集する指
示〔102〕 を、制御データ編集機能部〔12〕へ出力す
る。制御データ編集機能部〔12〕は、CAMデータファ
イル〔52〕から次の生産機種のCAM(Computer Aided
Manufacturing)データ〔103〕 (後述)を参照して、
ロボット制御プログラムファイル〔53〕から該当するロ
ボット制御プログラム〔104〕 を読み出し、また、各ロ
ボットの作業位置データとして、該当する教示データが
存在する場合は、位置データベース〔54〕より該当する
教示データ〔105〕 を読み出し、一方、該当する教示デ
ータが無い場合は、設計データファイル〔55〕から該当
する設計データ〔106〕 を読み出し、ロボット位置デー
タを演算する。この時、誤差補正パラメータデータベー
ス〔56〕より、該当するデータ〔107〕 を参照して演算
に使用する。以上のデ−タ読み出し、演算によって、次
の生産機種に対する全てのロボットワークセルの各ロボ
ット、プログラマブルコントローラに関する全ての制御
データ(動作シーケンスを表わすプログラム、位置デー
タ、各種データ全て含む)を通信形式に編集して、この
制御データ〔108〕 を制御データファイル〔57〕へ出力
して格納させる。
【0027】各ロボットワークセル〔3〕の現生産機種
の生産が終了したら、ロボットワークセルセル〔3〕か
らコントローラ〔2〕を経由して、段取り替え要求〔10
9〕が群管理ステーション〔1〕へ送られる。この段取
り替え要求〔109〕 を、群管理ステーション〔1〕の段
取り替え要求探知機能部〔13〕が検知すると、段取り替
え要求探知機能部〔13〕からの起動指令〔110〕 によっ
て制御データ分配機能部〔14〕が起動され、制御データ
分配機能部〔14〕が該当ワークセル〔3〕の制御データ
〔111〕 を前記制御データファイル〔57〕より読み出
し、セルコントローラ〔2〕を介して、該当ワークセル
〔3〕の各機器(の自動段取り替え登録機能部〔32〕)
へ制御データ〔112〕 を転送する。
【0028】制御データ〔112〕 を全て受信終了した
ら、このワークセル〔3〕は次の機種の生産に入れる。
現場のオペレータは、新しい機種の1個目の製品の生産
をワークセル〔3〕の試運転制御機能部〔32〕による試
運転で確認する。試運転制御機能部〔32〕はロボットの
試運転を制御し、この試運転では、ロボット動作速度を
遅くし、部品の把持、組付け、クリンチそれぞれの位置
決め点の直前で停止することができるようにされる。そ
して、試運転によってオペレータは、位置決めの誤差の
有無を確認して、もし、誤差がある場合には、直ちに、
ティーチングボックス〔4〕を操作して、位置微修正機
能部〔33〕に対し微修正データ(教示データ)〔117〕
を入力・登録し、位置の微修正処理を行う。位置微修正
機能部〔33〕に格納された教示データは、試運転終了時
に、セルコントローラ〔2〕のアップロード処理機能部
〔21〕を介して教示データ〔118〕 として、群管理ステ
ーション〔1〕の教示データ登録機能部〔16〕へ転送さ
れる。なお、ロボットワークセル〔3〕の稼働制御機能
部〔34〕は、微修正データ(教示データ)による修正を
加えた制御データによって本稼働を制御する。
【0029】そして、群管理ステーション〔1〕は、制
御データ〔112〕 の転送を全ワークセル〔3〕に対して
行った後、次の生産機種が何であるかの確認を行なう要
求〔113〕 を、前記制御データ分配機能部〔14〕から前
記生産計画確認機能部〔11〕へ送り、以下、同様の処理
の繰り返しとなる。
【0030】以上の処理の他に、本実施例においては次
の主要な処理がある。他のCAD(Computer Aided Des
ign )ステーションより、新しい製品に対する設計デー
タがLANを介して群管理ステーション〔1〕に送られ
てくると、設計データファイル〔55〕に入れられる(こ
の入力処理は図3では省略してある)。そして、この新
しいデータが格納されると、起動指令〔114〕 によりC
AM機能部〔15〕が起動される。CAM機能部〔15〕で
は、CAM参照データファイル〔58〕に前もって登録し
てあるロボットの性能、各ワークセルが搭載可能な部
品、ロボットハンドに関するデータなどの情報〔115〕
を参照して、どこのロボットワークセル〔3〕で、どの
様な作業順序で作業(挿入など)すれば、全体の作業タ
クトが均一に、もっとも短くなるかをシミュレーション
評価により決定して、その結果〔116〕 をCAMデータ
ファイル〔52〕へ登録する。
【0031】また、群管理ステーション〔1〕の前記教
示データ登録機能部〔16〕は、前記したロボットの教示
データをロボットワークセル〔3〕から受信すると、教
示データ〔119〕 を位置データベース〔54〕へ登録す
る。この際、もし同一位置の古い教示データがすでに登
録されていたならば、新しい教示データに更新する。ま
た、新しい教示データが規定数登録されたら、起動指令
〔120〕 によって誤差補正パラメータ更新機能部〔17〕
を起動する。そして、誤差補正パラメータ更新機能部
〔17〕は、規定数個の新しい教示データ〔125〕 と設計
デ−タ〔126〕 を参照して、新しい誤差補正パラメータ
を演算して求め、この求められた誤差補正パラメータ
〔121〕 を誤差補正パラメータデータベース〔56〕へ登
録する。
【0032】さらにまた、通常の作業を行なう以前に、
または、作業休止時に、ロボットワークセル〔3〕に測
定治具を設置して、セルコントローラ〔2〕の誤差要因
測定機能部〔22〕を起動して、ロボットに所定のパター
ンの動作、位置決めを行なわせ、測定した位置デ−タ
〔122〕 をロボットワークセル〔3〕から誤差要因測定
機能部〔22〕に取り込む処理が行われる。そして、誤差
要因測定機能部〔22〕は測定した位置データ〔122〕 に
基づいて、誤差補正パラメータを演算して、この誤差補
正パラメータ〔123〕 を群管理ステーション〔1〕の誤
差補正パラメータ登録機能部〔18〕へ送出する。誤差補
正パラメータ登録機能部〔18〕では、送られてきたデー
タ〔124〕 を誤差補正パラメータデータベース〔56〕へ
転送して登録する。
【0033】ここで、図3のブロック図には、各種デ−
タを他の計算機から受信して登録する処理機能、およ
び、ロボットワ−クセル群の生産実績、稼動情報を収集
して、生産管理ステ−ションへ報告する処理機能などは
省略してある。
【0034】以上の機能を備えた上位計算機により、本
実施例によるロボットワークセル群のNC制御が実現さ
れる。ただし、対象製品によっては、高い位置決め精度
を必要とするものがあり、その場合には、適宜教示デー
タを主とした制御へ移行することができる。この場合に
も、演算データに従ってロボットを作業目標位置の近く
へ位置決めすることが出来るので、教示の工数を削減す
ることが可能となる。
【0035】以下に、本実施例によるロボットの制御方
式を実現するために必要となる機能をさらに詳細に述べ
る。前記誤差要因測定機能部〔22〕は、従来の種々提案
されているロボット機構誤差測定手法による誤差測定動
作の実行などを司るものであり、いずれか一つの誤差測
定手法を実行するものに特定されるものではない。また
将来、改良された誤差測定手法を取り入れて測定手法を
交換するものであっても差しつかえない。なお、ロボッ
ト機構の幾何学的パラメータの誤差(機構誤差)を測定
する方式としては、例えば、本願出願人が先に提案した
特開平3−136780号公報(「スカラ型ロボットの
機構誤差補正方式」)が挙げられる。
【0036】上記した先願による方式または他の公知の
方式により、1組の機構誤差補正データを求めても、ロ
ボット動作領域の全域にわたって一様な補正効果が得ら
れない。すなわち、補正データを使用してロボットを位
置決めしても、補正効果が良い場所と、悪い場所があ
る。これは、前記したロボットの非幾何学的誤差要因が
原因となっていると思われる。現時点では、測定による
補正手段がないので、本実施例では以下のような対策を
行なう。
【0037】ロボットの作業領域を複数の部分領域に分
け、各部分領域ごとに、その領域内にロボットを位置決
めする測定点を設定し、その測定によって得られたデー
タより、1組の機構誤差補正データを求める。この処理
を全ての部分領域ごとに行なう。そして、求めた全ての
機構誤差補正データを、各部分領域の位置を表わすデー
タを付けて、上位計算機(群管理ステーション〔1〕)
の前記誤差補正パラメータデータベース〔56〕に登録す
る。
【0038】位置データを演算する場合には、目標位置
が、いずれの部分領域内に含まれるかを判定した後、該
当部分領域に対応する機構誤差補正データ〔107〕 を誤
差補正パラメータデータベース〔56〕から選び出し、前
記制御データ編集機能部〔12〕における演算処理に使用
する。これは、部分領域内では、非幾何学的誤差要因が
近い程度で再現するとの仮定に基づくものであり、実際
に、部分領域を小さく設定すると補正の効果が認められ
る。ただし、部分領域を多くすると、測定量・デ−タ量
が増えることになるため、分割数には制限が生じる。
【0039】前記誤差要因測定機能部〔22〕は、ロボッ
ト機構の幾何学的パラメータの誤差(機構誤差)を求め
るだけではなく、以下に述べるような手法による測定/
演算機能を持っている。ロボット据え付け誤差(ロボッ
トと、作業対象位置との相対誤差)、およびハンドに係
わる誤差を、測定するため教示を利用する。本実施例で
は、例えばロボットワークセル〔3〕がプリント基板へ
部品を挿入する用途であるため、測定用治具として、基
準となる基板と、基準部品を準備する。基準基板には基
準部品を挿入するための穴が複数箇所に正確な位置にあ
けられている。穴の位置、および基準部品の寸法は、事
前にデータが与えられる。教示は、例えば次の様に行な
われる。 基準基板を作業位置に固定する。 ロボットのハンドに基準部品をつかませて、順次3箇
所の位置へ、手動操作によって挿入する。 挿入位置を例えばティーチングボックス〔4〕により
ロボットワークセル〔3〕に教示する。 3箇所の位置データを教示した後、誤差要因測定機能
部〔22〕による演算処理をコマンド入力により起動す
る。
【0040】誤差要因測定機能部〔22〕は、教示デ−タ
をロボットワークセル〔3〕よりアップロ−ドして、誤
差を求める演算に使用する。図6に演算のモデルを示
し、次にこの演算手法について説明する。ロボット本体
に固定され、水平面上にあるロボット座標系をXR −Y
R とする。また、基準基板にも座標系XB −YB が付け
られており、基板は水平面上に設置されるものとする。
両座標系の水平面上での位置関係を(〔→〕R)で表わし
ており、基板座標系の原点OB は、ロボット座標(x
B ,yB )の位置にある。
【0041】基板座標(xP ,yP )の位置P1 に、指
定された方向に部品を挿入する場合、水平多関節型ロボ
ット(スカラ型ロボット)の第1ア−ム、第2ア−ム
は、図に例示する様に、J12 ,J24 の位置にモ
デル化できる。なお、J1 ,J2 ,J4 は、第1関節、
第2関節、第4関節の位置を示し、J1 と、ロボット座
標系の原点OR が一致している。さらに、第4軸の先に
取り付けたハンドで把持した基準部品の代表位置(基準
ピン位置)Rが部品挿入位置P1 と一致しており、ベク
トル〔→〕J41 はハンドオフセットベクトル〔→〕
Hを表わす。ハンドオフセットベクトルは、ハンド形
状、ハンド取り付け仕様、部品形状、部品つかみ方法
(ハンドのどの位置に部品をつかむか)のデータによっ
て、設計上求まる。しかし、実際には、ハンド製作誤
差、ハンド取り付け誤差、ハンド把持誤差などが存在
し、それらを含めた実測値を求める。
【0042】図6のモデルをさらに説明する。ロボット
第1アームJ12 は、ロボット座標軸XR よりθ1
角を成す。ロボット第2アームはJ24 、第1アーム
の延長線よりθ2 の角を成す。ハンドオフセットベクト
ル〔→〕Hは、第2アームの延長線より(θ4 +θ40
の角を成す。θ1 およびθ2 は、教示データより第1関
節および第2関節の変位が求められ、さらに、機構誤差
補正データより第1関節および第2関節の初期変位量が
得られているので、既知量である。また、θ4は、教示
データより、第4関節の変位量として与えられる。θ40
は、ハンドオフセットベクトルの初期変位量であり、ハ
ンドと基準部品の組み合わせ、また把持の仕方によっ
て、全て変わる変量である。ここでは、部品の把持誤差
は変化しないと仮定し、また、部品形状にも誤差は無い
と仮定し、実測によってハンドオフセットベクトルの初
期変位量θ40を求めたら、以後、他の部品に適用する場
合には、相互の部品形状の差異分だけハンドオフセット
ベクトルに加算して使用する。測定前にはθ40は未知量
である。また、ロボット座標系のXR 軸より、基板座標
系のXB 軸までの成す角をθ5とする。
【0043】基準部品をハンドで把持して、次の3点P
1(xP1,yP1),P2(xP2,yP2),P3(xP3,yP3)に
順次挿入して教示を行なう。各点挿入時の第1関節角変
位をθ11,θ12,θ13、第2関節角変位をθ21,θ22
θ23、第1アーム長(誤差補正後)をL11,L12
13、第2アーム長(誤差補正後)をL21,L22,L23
と表わす。各値は教示データと機構誤差補正デ−タより
求められる。また、ハンドオフセットベクトルの変位
は、θ41+θ40,θ42+θ40,θ43+θ40と表わされ
る。ここで、θ41,θ42,θ43は、教示データより得ら
れる手先の回転角であり既知である。θ40はハンドオフ
セットベクトルの初期変位角であり未知量である。ま
た、未知量ハンドオフセット長は一定であり、Hf と表
わす。
【0044】以上の3点の教示データを基にして、以下
の方程式が得られる。 XR軸座標値方程式 L11cosθ11+L21cos(θ11+θ21)+Hf・cos(θ11+θ21+θ41+θ40) =xB+xP1cosθ5+yP1sinθ512cosθ12+L22cos(θ12+θ22)+Hf・cos(θ12+θ22+θ42+θ40) =xB+xP2cosθ5+yP2sinθ513cosθ13+L23cos(θ13+θ23)+Hf・cos(θ13+θ23+θ43+θ40) =xB+xP3cosθ5+yP3sinθ5R軸座標値方程式 L11sinθ11+L21sin(θ11+θ21)+Hf・sin(θ11+θ21+θ41+θ40) =yB+xP1sinθ5+yP1cosθ512sinθ12+L22sin(θ12+θ22)+Hf・sin(θ12+θ22+θ42+θ40) =yB+xP2sinθ5+yP2cosθ513sinθ13+L23sin(θ13+θ23)+Hf・sin(θ13+θ23+θ43+θ40) =yB+xP3sinθ5+yP3cosθ5 以上の方程式の中で、未知数は、Hf 、xB 、yB 、θ
40、θ5 の5個である。よって、いずれかの5つの方程
式を選び、未知数の解を求める。解を求める手法とし
て、例えばニュ−トン・ラフソン法を応用し、連立方程
式 fi(x1,x2,x3,x4,x5)=0 (i=1,・・・,5) を解く。それを以下に示す。
【0045】関数系{f1,・・・,f5}の1階偏導関数
の作る行列を、図9の(1)式とおき、その逆行列を図
9の(2)式とおく。図9に(3)式で示す初期値から
出発して、図9の(4)式により、図9の(A)を計算
すると、図9の(B)は近似解に収束する。ここで、反
復計算の停止条件は、図9の(5)式にて定める。ただ
し、図9の(5)式中のaj (j=1,・・・,5)、ε
は、経験を基にした実験値とする。
【0046】以上の演算により、誤差要因測定機能部
〔22〕は、ロボット据付け誤差を含めたロボットと基板
間の相対位置(xB ,yB)、および相対角度θ5 、ま
た、ハンドオフセット長Hf 、および、ハンドオフセッ
トの初期角度θ40を求め、これらを前記誤差補正パラメ
−タデ−タベ−ス〔56〕へ登録する。
【0047】前記制御デ−タ編集機能部〔12〕は、次の
生産機種の全ロボットワ−クセルの制御デ−タ(挿入ロ
ボット、クリンチロボット、プログラマブルコントロ−
ラの制御デ−タなど)を編集する機能をもつ。この制御
デ−タ編集機能部〔12〕による処理を図5のブロック図
で説明する。前記した生産計画確認機能部〔11〕からの
編集指示〔102〕 により制御デ−タ編集機能部〔12〕の
処理は起動し、まず、CAMデ−タ読みだし・編集処理
部〔1201〕で、次の生産機種に対応するCAMデ−タ
〔103〕 をCAMデ−タファイル〔52〕から読みだす。
CAMデ−タ〔103〕 は、どのロボットワ−クセルで、
どの部品を、どの供給機より把持して、どのハンドを使
用して、どの様な順番で挿入するのか、等を表わした情
報である。このCAMデ−タに従って、各ロボットの動
作シ−ケンスが決められる。
【0048】ロボットの制御プログラム編集処理部〔12
02〕は、オフラインプログラミングシステムにより事前
に作成されて前記ロボット制御プログラムファイル〔5
3〕に登録されているロボット制御プログラム〔104〕
を読みだすか、他の機種用のプログラムを読みだして、
一部を修正して作成するか、または、現在ロボットに入
っているプログラムの修正デ−タを作るかのいずれかを
選択して、実行する。また同時に、プログラマブルコン
トロ−ラの制御デ−タを作成する。
【0049】次に、教示デ−タ登録確認処理部〔1203〕
が、各ロボットの各作業点の位置デ−タ(教示デ−タ)
が前記位置デ−タベ−ス〔54〕に登録済であるかどうか
全て調べる。そして、もし登録してあれば教示デ−タを
読みだし、もし登録してなければ設計デ−タより位置デ
−タを演算するかの判定を行う。教示デ−タ読みだし・
編集処理部〔1204〕は、位置デ−タベ−ス〔54〕から該
当教示デ−タ〔105〕 を読みだす。教示デ−タは図7に
示す形式の識別コ−ドを付けて登録されていて、教示デ
−タの検索は、識別コ−ドの照合により行う。挿入位置
デ−タの識別コ−ド内にある基板上挿入位置デ−タは、
許容誤差(±ΔXB ,±ΔYB )内で一致したと判定す
る。読みだされた挿入位置デ−タ(教示デ−タ)は、そ
のまま使用されるのではなく、基板上挿入位置の誤差分
だけ演算によって修正して使用される。演算による修正
は、図8に示す様に行われる。
【0050】ロボット位置デ−タ演算処理部〔1205〕
は、前記設計データファイル〔55〕からの設計デ−タ
〔106〕 により、指定された位置と方向に該当部品を挿
入するロボット位置デ−タを演算する。この時、前記誤
差補正パラメ−タデ−タベ−ス〔56〕を参照して、所要
のパラメ−タデータ〔107〕 を読みだし、演算を補正す
る。そして、編集デ−タ格納処理部〔1206〕によって編
集した制御デ−タ〔108〕を全て、前記制御データファ
イル〔57〕に格納し、段取り替えに備えるようにされ
る。
【0051】次に、ロボット位置デ−タを演算する場合
の誤差要因が変動する問題に対処するため設けた、前記
誤差補正パラメ−タ更新機能部〔17〕の詳細を説明す
る。誤差補正パラメ−タ更新機能部〔17〕は、教示によ
って微修正した結果を手掛かりとして、誤差要因の変化
を推定し、その推定の確認を行なった後、誤差補正パラ
メ−タを自動修正する。誤差補正パラメ−タ更新機能部
〔17〕で使用する教示デ−タは、段取り換え時に、上位
計算機よりロボットへ供給された位置デ−タ(制御デー
タ)〔112〕 を使って試運転を行なった結果、位置決め
誤差が確認されたために教示により微修正を行ない、そ
の教示デ−タを位置デ−タベ−ス〔54〕に登録したもの
である。この教示デ−タは、既登録の教示デ−タを更新
する場合と、既登録デ−タが無いために新規登録となる
場合のいずれも考えられる。新しいデ−タであることを
確認するため、日時を付けて登録する。
【0052】誤差補正パラメ−タ更新機能部〔17〕は、
以下の処理を行なう。 (1)教示により微修正が行なわれたことは、位置決め
誤差要因が変動したと推測する。 (2)同一ハンドで同種部品を3箇所に挿入して、教示
したデ−タが揃った時に、次の推定を行なう。 (3)ロボットで部品を挿入している状態の平面幾何モ
デルを前記図6の様に考え、基板座標系の原点OB のロ
ボット座標(xB ,yB )、ロボット座標XR 軸より基
板座標XB 軸までの成す角θ5 、ハンドオフセット長H
f 、ハンドオフセットベクトルの初期変位角θ40、に変
化があったと仮定して、3点の教示デ−タより演算にて
求める。(演算方法は前述) (4)求めたパラメ−タと、既存のパラメ−タ(誤差補
正パラメ−タデ−タベ−ス〔56〕に登録してある)を使
用して、3点の教示点の位置デ−タをそれぞれ演算す
る。ただし、上記以外のパラメ−タ(ア−ム長、関節角
変位初期値)は変わらないと仮定する。3組の位置デ−
タ演算結果を比較して、より教示デ−タに近い結果がい
ずれも新しく求めたパラメ−タを使用して求めた結果で
ある時、パラメ−タの推定は妥当であったと判定する。
なお、教示デ−タに近いと判定するのは、手先軸心(4
軸軸心)の位置を比較することで行う。 (5)ハンドオフセットベクトル〔→〕Hは、使用ハン
ド、適用部品に依存する量〔→〕Hd と、ハンド、部品
に依存しない量〔→〕Hi との和で表される。この区分
けの識別は難しい。そこで、パラメ−タの推定には、同
種部品の教示デ−タを使用する。 (6)新しいパラメ−タが妥当であると判定したら、誤
差補正パラメ−タデ−タベ−ス〔56〕上のパラメ−タを
更新して、以後の演算には新しいパラメ−タを使用す
る。 (7)新しいパラメ−タを推定によって求めた時、演算
結果の比較において、(4)の結果が得られなかった場
合、推定は不成立と判定する。この場合は、パラメ−タ
の更新は行なわない。次に、新しい教示デ−タが得られ
た時点で、再び、登録日時の新しい順に3個の教示デ−
タを選び、パラメ−タの推定を繰り返す。 (8)新しいパラメ−タの推定が成立して更新が行なわ
れた場合、その時に使用した教示デ−タに使用済みフラ
グを設定し、以後の推定には使用しない。 (9)最新の教示デ−タによって推定が成立した時、そ
れより古い教示デ−タ(同一ハンドによる)が未使用で
残っている場合、推定パラメ−タによって補正の改善が
認められる教示デ−タは使用済みフラグを付けて残し、
補正の改善が認められない教示デ−タは破棄する。 (10)推定が不成立のため、次々と教示デ−タが累積
していくとき、3回目の不成立時点で誤差補正パラメ−
タデ−タベ−ス〔56〕内の機構誤差補正デ−タが不適切
であると判定する。判定結果は画面に表示され、再測定
が必要であると警告する。
【0053】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、CIMを
実現するためロボット群にLANを介して上位計算機を
接続した構成において、状況に合わせて、よりティーチ
ングプレイバック制御方式(従来の教示制御方式)に近
いレベルまで自由に戻すことができ、また、新しい測定
手段が開発されれば、随時取り入れて完全NC制御へよ
り近づけることを可能とする関節型ロボットの制御方式
が提供でき、状況に応じた精度の良い位置補償形態を選
択採用可能となって、作業現場の運用体制切替の負担が
大きく軽減される。総じて、実用性に富んだ汎用性の大
きい、現状技術に合わせたCIMによるロボットのNC
制御が実現でき、その価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るロボットの制御方式が適
用されるシステムの一例を示す説明図である。
【図2】水平多関節型ロボット(スカラ型ロボット)に
よりプリント基板へ部品を挿入する用途での、水平面作
業領域内へ水平方向位置決めする誤差要因を示す説明図
である。
【図3】本発明の実施例に係るシステムの機能構成を示
すブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係るロボットワ−クセルの一
例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例に係る制御デ−タ編集機能部の
詳細を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施例において挿入位置教示デ−タか
ら誤差補正パラメ−タを演算する際に用いるモデルを示
す説明図である。
【図7】本発明の実施例による教示デ−タ登録形式の一
例を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例による挿入位置デ−タの補正演
算を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例の説明中で用いられる数式など
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 群管理ステ−ション 2 セルコントロ−ラ 3 ロボットワ−クセル 4 ティ−チングボックス 11 生産計画確認機能部 12 制御デ−タ編集機能部 13 段取り替え要求探知機能部 14 制御デ−タ分配機能部 15 CAM機能部 16 教示デ−タ登録機能部 17 誤差補正パラメ−タ更新機能部 18 誤差補正パラメ−タ登録機能部 21 教示デ−タアップロ−ド機能部 22 誤差要因測定機能部 31 自動段取り替え登録機能部 32 試運転制御機能部 33 位置微修正機能部 51 生産計画デ−タファイル 52 CAMデ−タファイル 53 ロボット制御プログラムファイル 54 位置デ−タベ−ス 55 設計デ−タファイル 56 誤差補正パラメ−タデ−タベ−ス 57 制御デ−タファイル 58 CAM参照デ−タファイル 1201 CAMデ−タ読みだし・編集処理部 1202 ロボット制御プログラム編集処理部 1203 教示デ−タ登録確認処理部 1204 教示デ−タ読みだし・編集処理部 1205 ロボット位置デ−タ演算処理部 1206 編集デ−タ格納処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高瀬 修一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所栃木工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 CIM(Computer Integrated Manufactu
    ring) を実現するため、ロボット群にLAN(LocalAre
    a Network) を介して上位計算機を接続する構成におい
    て、 上位計算機内に各ロボットの全ての教示(位置)データを
    登録するデータベースを設け、事前に教示(位置)データ
    を登録しておけば、生産機種を切替る段取り替え時に、
    該当教示データの存在を確認して取り出し、もし、登録
    時の教示位置(基準となる直角座標系で表わした位置)
    と現在の作業目標位置(基準となる直角座標系で表わし
    た位置)とに誤差がある場合には、誤差分だけ演算によ
    って教示デ−タを補正して、該当ロボットへ供給するこ
    とを行ない、また該当教示データが無ければ、製品の設
    計データに基づいてロボット位置データを演算してロボ
    ットへ供給することを特徴とするロボットの制御方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載において、段取り替え時
    に、上位計算機より供給された位置データの良否を確認
    するため、検査者が第1番目の製品に対して試運転を行
    ない、位置ずれを認めたら教示によって位置デ−タを微
    修正する手段を持ち、修正した結果の教示(位置)データ
    を上位計算機へアップロードして記録するようにしたこ
    とを特徴とするロボットの制御方式。
  3. 【請求項3】 請求項1記載において、ロボット位置デ
    ータの演算誤差要因を測定する手段と、測定デ−タより
    誤差を補正する補正デ−タ(補正パラメ−タ)を演算す
    る手段と、補正データ(補正パラメータ)を記録するデ
    ータベースとを設け、この中の特に変化し易いと予想さ
    れる一部の補正パラメータを、試運転によって修正して
    登録された教示(位置)データに基づいて更新するよう
    にしたことを特徴とするロボットの制御方式。
  4. 【請求項4】 請求項3記載において、ハンドに、基準
    となる部品を掴ませ、作業時と同条件で測定位置に位置
    決めした場合の教示デ−タを測定デ−タと見做して、ハ
    ンドに係る誤差を補正する補正パラメ−タを求めるよう
    にしたことを特徴とするロボットの制御方式。
  5. 【請求項5】 請求項1記載において、詳細が不明なた
    め数式モデルで表現できない範疇のロボット位置演算誤
    差要因を補償するため、ロボット作業領域を包含する測
    定領域を任意の分割領域に分け、各分割領域ごとに、数
    式モデルで表現できる測定可能な演算誤差要因を測定し
    て、それら誤差要因を補正するパラメ−タを求める手段
    と、補正パラメータを記録する補正パラメ−タデ−タベ
    −スへ各分割領域ごとの補正パラメ−タを登録する手段
    と、分割領域内では誤差要因が同程度に再現するとの仮
    定のもとに、各ロボットの位置デ−タ演算時に、対象作
    業位置がいずれの分割領域内であるかを判別して、該当
    する補正パラメ−タを選択して演算に使用する手段を有
    することを特徴とするロボットの制御方式。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5記載において、ロボット
    のティ−チングプレイバック制御方式から完全な無人化
    NC制御へ到るまでの間の中間段階制御を、状況に応じ
    た任意のレベルで実現可能とすることを特徴とするロボ
    ットの制御方式。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001298235A (ja) * 2000-02-10 2001-10-26 Nec Corp 電子部品の搭載装置
WO2019194316A1 (ja) * 2018-04-05 2019-10-10 カワダロボティクス株式会社 多機能統合型作業テーブルおよびそれを用いた生産システム

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