JPH0515803Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の目的］ （産業上の利用分野） この考案は利用者を安定した寝姿勢で支えるこ
とが出来るマツトレスに関する。

（従来の技術） 一般に、マツトレスは多数のスプリングを連結
してなるスプリングユニツトと、このスプリング
ユニツトの少なくとも上面に重合されたウレタン
フオームなどからなる弾性材及びこれらの重合体
を被覆した外装地とから構成されている。

このように構成されたマツトレス上に利用者が
上向きに横たわると、そのマツトレスが荷重に対
して変形し易い、つまり柔らかいと背面側に大き
く突出した臀部がマツトレス内に大きく落ち込ん
で利用者がくの字のような寝姿勢になる。それに
よつて、利用者の背筋が下方向に曲がり、脊椎が
圧迫を受けることになる。そのような寝姿勢を長
期間にわたつて継続すると、椎間板にずれが生じ
るということがある。更に、スプリングが柔らか
いと、使用中に横揺れが生じ、安定性に欠ける。

そこで、上記マツトレスを利用者の臀部が落ち
込むことのない硬さとすることが行われている。
しかしながら、マツトレスが硬い場合には、利用
者の臀部が落ち込むのは防止されるものの、逆に
突き上げられた状態の寝姿勢となる。そのため、
この場合には背筋が上方向に曲がることによつ
て、利用者が立つている時と同じ背筋が伸びた自
然な状態の寝姿勢を得られず、やはり脊椎が圧迫
されるから、健康上、好ましくない。

（考案が解決しようとする問題） このように、従来のマツトレスは、利用者の臀
部が落ち込みすぎて、利用者がくの字状の寝姿勢
になつたり、逆に臀部が突き上げられた寝姿勢に
なつたりして、利用者が立つている時と同じ自然
な状態、即ち脊椎が伸び、臀部が突き出た状態と
同じ状態の寝姿勢を得ることが出来ないという問
題がある。

この考案は上記事情に基づきなされたもので、
その目的とするところは、利用者の臀部が落ち込
み過ぎないように、また逆に突き上げられないよ
うにして利用者を安定した正しい自然な状態と同
じ状態での寝姿勢を得ることが出来るようにした
マツトレスを提供することにある。

（問題点を解決するための手段及び作用） 上記課題を解決するためにこの考案は、多数の
スプリングを連結して形成されたスプリングユニ
ツトと、このスプリングユニツトの少なくとも上
面に重合された弾性材と、この弾性材と上記スプ
リングユニツトとの重合体を被覆した外装地とか
ら構成されたマツトレスにおいて、上記スプリン
グユニツトの長手方向ほぼ中央部分に位置するス
プリングは他の部分のスプリングに比較して弾性
変形しやすいもので構成することによつて、利用
者を立つている時と同じ状態で支え、正しい寝姿
勢を保つことが出来るようにした。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を第１図乃至第３図
を参照して説明する。第１図と第２図にに示すマ
ツトレスは上下に重合された下部スプリングユニ
ツト１と上部スプリングユニツト２を備えてい
る。各スプリングユニツト１，２は多数のコイル
スプリング３を行列状に配置し、隣合うコイルス
プリング２の上下端面をヘリカル線４で連結して
形成されているとともに、上部スプリングユニツ
ト２は下部スプリングユニツト１よりも硬いスプ
リング、つまり利用者の体型によつて大きく変形
することのない硬さのスプリング３で形成されて
いる。

上記下部スプリングユニツト１と上部スプリン
グユニツト２との接合面間にはたとえば合成樹脂
を網状に成形した仕切り板５が介装されている。
また、上部スプリングユニツト２の長手方向ほぼ
中央部分には幅方向ほぼ全長にわたる部分にはス
プリング３に比較してより弾性変形しやすいスプ
リング５が使用されている。さらに、各スプリン
グユニツト１，２の上下面周縁には枠線６がクリ
ツプ６ａによつて取着されている。

上記下部スプリングユニツト１の下面と上部ス
プリングユニツト２の上面にはそれぞれサイザル
や不織布などの保護材７を介してウレタンフオー
ムなどからなるシート状の弾性材８重合され、こ
の重合体は外装地９よつて被覆されている。この
外装地９は スプリングユニツト１，２の周辺部を被覆した
まち地１０と、下部スプリングユニツト１の下面
及び上部スプリングユニツト２の上面をそれぞれ
被覆した鏡地１１とからなり、これら鏡地１１の
周辺部は上記まち地１０の上下端にテープエツジ
１２によつて縫合されている。このように構成さ
れたマツトレスを利用する場合には、第３図に示
すように利用者Ｍは臀部ｄを上部スプリングユニ
ツト２のスプリング５の箇所に位置させて上向き
に横たわる。すると、スプリング５と対応する利
用者Ｍの身体の臀部だけは突出状態に応じて上記
スプリング５を変形させ、スプリングユニツト２
内に入り込むものの、臀部ｄ以外の箇所は上部ス
プリングユニツト２を形成するスプリングの硬さ
によつて支えられて落ち込むことがないから、利
用者Ｍの身体は全体として背筋が伸びた正しい寝
姿勢でしつかりと支えられることになる。つま
り、利用者 Ｍは臀部ｄが上方へ突き上げられたり、腰の部
分が下方へ大きく湾曲するなどして背筋が曲がる
ようなことがないから、自然な状態の寝姿勢を維
持することができ、しかもこのような支持状態は
利用者の体型によつて変わることがない。

また、マツトレスは上下二層のスプリングユニ
ツト１，２を積層して形成されているから、下部
スプリングユニツト１のクツシヨン性を向上させ
ることができ、また下部スプリングユニツト１を
上側にして利用すれば、異なるクツシヨン性のマ
ツトレスとすることもできる。

第４図はこの考案の他の実施例を示す。この実
施例はスプリングユニツトを上下二層とせずに、
１つのスプリングユニツト２１からマツトレスを
構成するようにしたもので、このような構成であ
つても、上記一実施例と同様に利用者Ｍを背筋が
伸びた姿勢で支えることができる。なお、この実
施例においては、上記一実施例と同一部分には同
一記号を付して説明を省略する。

（考案の効果） 以上述べたようにこの考案は、スプリングユニ
ツトの長手方向ほぼ中央部分に位置するスプリン
グは他の部分のスプリングに比較して弾性変形し
やすいスプリングを採用した。従つてこの弾性変
形いやすいスプリングに沿つて利用者の臀部を支
えることが出来るので、利用者を立つている時と
同じ状態で支えることが出来、安定した正しい寝
姿勢を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示し、第１図はマ
ツトレスの縦断面図、第２図は同じく一部断面し
た平面図、第３図は利用者がマツトレスに横たわ
つた状態の側面図である。第４図はこの考案のさ
らに他の実施例を示すマツトレスの一部断面した
側面図である。 １……下部スプリングユニツト、２……上部ス
プリングユニツト、３……スプリング、５……弾
性変形しやすいスプリング、８……弾性材、９…
…外装地。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 多数のスプリングを連結して形成されたスプリ
   ングユニツトと、このスプリングユニツトの少な
   くとも上面に重合された弾性材と、この弾性材と
   上記スプリングユニツトとの重合体を被覆した外
   装地とから構成されたマツトレスにおいて、上記
   スプリングユニツトの長手方向ほぼ中央部分に位
   置するスプリングは他の部分のスプリングよりも
   弾性変形しやすいものでなることを特徴とするマ
   ツトレス。