JPH0515576A - 消臭性組成物、その製造法およびこれを含む消臭性成形体 - Google Patents

消臭性組成物、その製造法およびこれを含む消臭性成形体

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JPH0515576A
JPH0515576A JP3315315A JP31531591A JPH0515576A JP H0515576 A JPH0515576 A JP H0515576A JP 3315315 A JP3315315 A JP 3315315A JP 31531591 A JP31531591 A JP 31531591A JP H0515576 A JPH0515576 A JP H0515576A
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JP
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phthalocyanine
chitosan
deodorant
metal hydroxide
deodorizing
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JP3315315A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Fujitani
敏彦 藤谷
Satoshi Sasaki
聡 佐々木
Naoto Hashimoto
直人 橋本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は式:MPc−(COOH)n [式中、Pcはフタロシアニン環、Mは水素原子または
金属原子、nは1〜8の整数を意味する]で表されるフ
タロシアニン誘導体またはその塩、あるいはこれらとキ
トサンとの縮合体と、水難溶性金属水酸化物とを含有す
る消臭性組成物である。 【効果】 本発明の消臭性組成物は、大気程度の乾燥状
態でも高い消臭活性を示す。また、高分子物質に配合ま
たは複合されて容易に各種の消臭性成形物に成型するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消臭性組成物、その製法
および該組成物を含む消臭性成形体に関する。本発明の
組成物はそれ自身粉末状、シート状、繊維状物などの形
態で、あるいはマスターバツチ的に他の材料に用いて粉
末状、シート状、繊維状、スポンジ状の成形体あるいは
膜状物などとして用いられる。また、本発明は近年バイ
オミメティックな消臭剤として用いられているフタロシ
アニン系消臭剤の改良および活性の向上をはかるもので
ある。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン(MPc)は、葉緑体中に
含まれているポルフィリン化合物などとも近縁のアザア
ヌレン化合物であり、その誘導体は顔料として用いられ
ているほか、近年、電子・電気・光機能性分子(化合物)
としても注目されており、またその誘導体中には金属錯
体触媒として種々の反応に用いられているものがある。
なかでも鉄−フタロシアニン誘導体の酸化触媒としての
機能に着目しこれを高分子素材化した消臭繊維(化学4
2巻5号(1987))や消臭性ポリウレタンフォーム(特開
昭63-54453号)、金属(鉄)−フタロシアニン誘導体をポ
リ(2−ビニルピリジン−スチレン)共重合体、あるい
はポリウレタンに共有結合させたポリマーなども知られ
ている(H.Shirai et al., J. Polym. Soc.,Polym.Le
tt.Ed.,21,157(1983);H.Shirai et al.,Makromol.Che
m.,181,691(1983)、白井汪芳ら、繊維学会誌、41,226(1
985);増田直巳ら、日本化学会第58春季年会要旨集(198
9))。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らも、既に天
然、特に甲殻類の殻に多量に存在するキチンから容易に
得られるキトサンにフタロシアニン−(モノあるいは多
価)カルボン酸誘導体を縮合させたキトサン−フタロシ
アニン化合物が優れた成型性、耐水洗性、脱臭能を有す
ることを見いだし先に特許出願(特願平2−11218
2号)を行った。
【0004】しかしながら、従来公知のフタロシアニン
担持消臭剤は、いずれも湿潤な状態では高い消臭性を示
すものの、通常の大気中の乾燥状態においては活性が不
充分であり、活性炭やその他の無機系消臭剤の消臭活性
に劣る。
【0005】また、同じ硫黄系の酸性臭気であっても硫
化水素に比べメチルメルカプタンに対しては消臭活性が
かなり低い。
【0006】本発明の目的は、通常の大気程度の乾燥状
態でも高い消臭活性を有し、さらに高分子物質に配合ま
たは複合して優れた成形性を示す消臭性組成物およびそ
の製造法を提供することにある。
【0007】また、本発明の他の目的は、従来のフタロ
シアニン誘導体含有の消臭性成形体に比べ、著しく消臭
活性に優れた消臭性成形体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討を行ったところ、フタロシアニン化合
物に水難溶性金属水酸化物を複合または組み合わせるこ
とによってこれらの課題を解決できることを知り、更に
研究を進めて本発明を完成するに至った。
【0009】本発明は、式: MPc−(COOH)n [I] [式中、Pcはフタロシアニン環、Mは水素原子または
金属原子、nは1〜8の整数を意味する]で表されるフ
タロシアニン誘導体またはその塩と水難溶性金属水酸化
物とを含有することを特徴とする消臭性組成物およびそ
の製造法を提供するものである。
【0010】また本発明は、キトサンと前記式: MPc−(COOH)n [式中、Pc、Mおよびnは前記に同じ]で表されるフ
タロシアニン誘導体またはその塩との縮合物であるキト
サン−フタロシアニン化合物と水難溶性金属水酸化物と
を含有することを特徴とする消臭性組成物を提供するも
のである。
【0011】(a)フタロシアニン誘導体 本発明組成物の原料の一つであるフタロシアニン−(モ
ノあるいは多価)カルボン酸誘導体は、一般式:MPc−
(COOH)nで表される。
【0012】前記の式中、MPcはフタロシアニン環(P
c)の中心に水素原子または金属原子Mが結合した下式:
【化1】 のフタロシアニン化合物を意味する。
【0013】金属Mとしては種々のものが用いられてよ
いが、Fe、Cu、Ni、Co、Zn、V、Mnなどが
好ましく、特にFe、Cuが好ましい。
【0014】−(COOH)nはフタロシアニンの4個の
ベンゼン環に結合したカルボキシル基を示す。
【0015】また、nは1〜8であってモノまたは多価
カルボン酸の形態のものが適宜用いられ、さらにカルボ
ン酸の塩の形態であってもよい。各ベンゼン環上のカル
ボキシル基の位置、数は特に限定されず異性体の混合物
が使用されてよい。また、結合カルボキシル基の数が異
なる化合物の混合物であってもよい。これらのうち、n
=4または8のものが、製造が容易で実用的にも有利で
ある。
【0016】該金属−フタロシアニン−(モノ−あるい
は多価)カルボン酸誘導体としては、金属−フタロシア
ニン−モノカルボン酸、金属−フタロシアニン−ジカル
ボン酸、金属−フタロシアニン−テトラカルボン酸、金
属−フタロシアニン−オクタカルボン酸などが挙げられ
る。
【0017】更に具体的には、鉄−フタロシアニン−テ
トラカルボン酸、鉄−フタロシアニン−オクタカルボン
酸、鉄−フタロシアニン−ジカルボン酸、鉄−フタロシ
アニン−モノカルボン酸、銅−フタロシアニン−テトラ
カルボン酸、ニッケル−フタロシアニン−テトラカルボ
ン酸、コバルト−フタロシアニン−テトラカルボン酸、
亜鉛−フタロシアニン−テトラカルボン酸、オキシバナ
ジウム−フタロシアニン−テトラカルボン酸、マンガン
−フタロシアニン−テトラカルボン酸などが挙げられ
る。
【0018】なお、前記金属フタロシアニン誘導体はそ
れ自体公知の化合物であり、公知の方法またはこれと類
似の方法により得られる(例えば、H.Shirai,et al.,Ma
kromol. Chem.,178,1889('77)参照)。
【0019】該化合物の塩としては、アルカリ金属(ナ
トリウム、カリウム等)の塩が挙げられる。
【0020】(b)金属水酸化物 本発明の消臭性組成物の他方の成分である金属水酸化物
は、中性付近で水難溶性であるのが好ましい。具体的に
は、25℃において、100mlの水に対する溶解量が
5mg以下の水難溶性金属水酸化物である。好ましく
は、1mg以下、更に好ましくは0.5mg以下の難溶
性のものが用いられる。この水難溶性金属水酸化物自体
は公知であり、公知の手法によって製造される。
【0021】このような金属水酸化物としては、Al、
Cu、Fe、Mn、Cr、Niなどの二価以上の金属の水酸
化物が挙げられる。なかでも、Al、Cuの水酸化物が好
ましく、比表面積の大きなものが特に好ましい。
【0022】(c)キトサン 本発明組成物のさらに他の原料であるキトサンは、 直接
自然界にて産出されることもあるが、一般には甲殻類の
殻、昆虫の外骨格、 微生物の細胞壁中に存在するキチン
をアルカリあるいは酵素(キチンデアセチラーゼ、ある
いは該酵素を生産する微生物)を用いて加水分解・脱ア
セチル化するなど公知の方法にて得られる。このように
して得られたキトサンは、粉末、 フレーク、 繊維状など
の形態で市販されている。かかるキトサンは、通常はキ
チンの完全な脱アセチル体ではなく、若干のN−アセチ
ル基が残存しているとされ、また、特に加水分解におい
てアルカリを用いた場合は、平均分子量も原料のキチン
より小さくなっていると推定されている。
【0023】本発明化合物の原料としては、それらのい
わゆるキトサンがいずれも好適に用い得る。もちろん市
販されているキトサンであれば、どのようなものも使用
可能であり、分子量等によって限定されるものではな
い。
【0024】また、本発明にて用いられるキトサンとし
ては目的に応じ親水性基、疎水基などを適宜導入した種
々の誘導体を用いてもよい。
【0025】(d)消臭性組成物の製造 フタロシアニン誘導体またはその塩と水難溶性金属水酸
化物とを含有する消臭性組成物は、両者を単に混合する
だけで得ることができる。
【0026】これら各成分の配合割合は、0.01〜1
0重量%のフタロシアニン誘導体またはその塩および9
0〜99.99重量%の水難溶性金属水酸化物である。
好ましくは、0.1〜5重量%のフタロシアニン誘導体
またはその塩および95〜99.9重量%の水難溶性金
属水酸化物である。
【0027】また、キトサンとフタロシアニン誘導体ま
たはその塩との縮合物と水難溶性金属水酸化物とを含有
する消臭性組成物も、該縮合物と水難溶性金属水酸化物
とを単に混合することによって得ることができる。ま
た、該縮合物を水難溶性金属水酸化物の製造時に混在さ
せておくことによっても得られる。具体的には、pH3
〜5の該縮合物酸性水溶液に水溶性金属塩を溶解し、次
いで、アルカリによってpH9〜11の範囲に調整す
る。ここで得られる沈殿を取り、水洗して乾燥すること
によって、目的の消臭性組成物が得られる。
【0028】水難溶性金属水酸化物の配合割合は、該縮
合物1部に対し、約0.01〜約100部の範囲、好ま
しくは約0.05〜約20部の範囲である。この配合量
が0.01部より少ないと、金属フタロシアニン化合物
の消臭活性の増強度が低くなることがある。また、10
0部を越えると、金属フタロシアニン化合物の消臭活性
の発現が低下することがある。
【0029】本発明の組成物においてフタロシアニン誘
導体またはその塩と金属水酸化物は、単に混合されてい
るだけでなく、物理化学的な相互作用を有し、複合体と
なっている場合を含む。
【0030】(d−1)キトサン−フタロシアニン化合
物の調製 キトサン−フタロシアニン化合物を製造するには、キト
サンにフタロシアニン−(モノあるいは多価)カルボン酸
成分を反応させる。かかる反応には該カルボン酸の反応
性誘導体を用いるのが好ましく、共有結合により誘導体
分子をキトサン分子に結合(縮合)させて所望の化合物を
得る。
【0031】かかるカルボン酸の反応性誘導体として
は、対応するカルボン酸ハロゲニド、活性エステルなど
が挙げられるが、特に酸ハロゲニドが好ましい。酸ハロ
ゲニドとしては、酸クロリド、酸ブロミド、酸ヨージド
などが挙げられるが、特に酸クロリドが好適である。フ
タロシアニン−(モノあるいは多価)カルボン酸から対
応するハロゲニドを得るには、前者をチオニルクロリ
ド、チオニルブロミド、オキシ塩化リン、五塩化リンな
どで処理する公知の方法が用いられる(例えば、H.Shir
ai,et al.,Makromol.Chem.,181,575(1980)参照)。
【0032】ついで、このようにして得られたフタロシ
アニン−(モノあるいは多価)カルボン酸ハロゲニドとキ
トサンとを反応させる。反応は、重量比で、キトサン:
フタロシアニン化合物=15:1〜1:1の範囲の原料
を用いて行われ、好ましくは8:1〜2:1である。
【0033】かかる反応は、溶媒ないし分散剤としての
媒質中にて行うのが好ましい。このような媒質の具体例
としては、ハロゲン化炭化水素(ジクロルメタン、クロ
ロホルム、ジクロルエタンなど)、芳香族炭化水素(ト
ルエン、キシレンなど)、エーテル類(ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル
類(酢酸エチルなど)、低級カルボン酸(酢酸、プロピ
オン酸、ギ酸など)、アミド類(ホルムアミド、アセタ
アミド、ジメチルホルムアミドなど)、スルホン、スルホ
キシドなど(ジメチルスルホキシド、スルホランな
ど)、芳香族第三級アミン類(ピリジン、ピコリン、キ
ノリンなど)、脂肪族あるいは芳香族のニトロ化合物
(ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼンな
ど)、あるいはこれらの混合物が挙げられる。なお、こ
れら媒質中においてキトサンは通常膨潤するか、あるい
はほとんど溶解する。
【0034】縮合反応は、適当な塩基ないし脱酸剤など
の縮合助剤の存在下に行うのが好ましい。かかる縮合助
剤としては、脂肪族第三級アミン類(例えば、トリエチ
ルアミンなど)、芳香族第三級アミン類(例えば、ピリ
ジン、ピコリン、キノリンなど)、4−ジメチルアミノ
ピリジン、4−ピロリジノピリジン、DBU、DBNな
どの有機塩基、 炭酸ナトリウム、 炭酸水素ナトリウム、
炭酸カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなど
の無機塩類、酢酸ナトリウムなどの塩類などが挙げられ
る。
【0035】反応温度、反応時間は、用いる原料フタロ
シアニン誘導体、反応媒質、縮合助剤によっても異なる
が、通常約−40〜120℃の範囲で行うのが好まし
く、より好ましくは、約−10〜70℃で行うのがよ
い。反応時間は約0.5〜48時間、好ましくは、 約1
〜20時間である。
【0036】また、別法として、それ自体公知の縮合方
法により、脱水縮合剤存在下、フタロシアニン−(モノ
あるいは多価)カルボン酸とキトサンとを直接反応させ
てもよい。
【0037】脱水縮合剤としてはカルボジイミド類、カ
ルボジイミダゾール類あるいはクロロギ酸エステル類と
三級アミン類との組み合わせなどが挙げられるが、カル
ボジイミド類が好ましい。
【0038】カルボジイミド類としては、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−
o−トリルカルボジイミド、ジ−p−トリルカルボジイ
ミドおよびジ−第三級ブチルカルボジイミドなどの脂溶
性カルボジイミド類も用い得る。
【0039】しかしながら、反応後生成する対応尿素誘
導体が水洗により容易に除去でき、また、若干量の水分
の存在下にも用い得る点で、1−エチル−3−(3−ジ
メチルアミノプロピル)カルボジイミド、1−エチル−
3−(3−ジエチルアミノ)カルボジイミドあるいは1
−シクロヘキシル−3−(2−モルホリノエチル)カル
ボジイミドなどのいわゆる水溶性カルボジイミド類が有
利に用いられる。
【0040】前記脱水縮合剤の使用量は、適宜調整され
てよいが、例えばカルボジイミド類の場合は、フタロシ
アニン−(モノあるいは多価)カルボン酸に対し、1〜
100モル当量、好ましくは約1〜50モル当量用いる
のがよい。
【0041】該カルボジイミドを用いる縮合反応は、溶
媒ないし分散剤としての媒質中で行うのが好ましい。溶
媒ないし分散剤としては、前記フタロシアニン−(モノ
あるいは多価)カルボン酸ハロゲニドとキトサンとの反
応に用いられる溶媒ないし分散剤が好ましい。
【0042】また、該縮合反応は、適当な塩基触媒、た
とえば4−ジメチルアミノピリジンないし4−ピロリジ
ノピリジンなどを添加することによりさらに効率よく行
うことができる。
【0043】反応温度は通常約−10〜120℃の範囲
で行うのが好ましく、より好ましくは、約0〜80℃で
行うのがよく、反応時間は約0.5〜48時間、好まし
くは約1〜24時間である。
【0044】反応終了後、不溶物を濾過、遠心分離など
の常法により取り出し、有機溶剤、アルカリ液、水など
で洗滌して反応媒質、未反応フタロシアニン誘導体、お
よびアルカリ液中に容易に溶離されてくるフタロシアニ
ン誘導体を除き、乾燥することにより、キトサン−フタ
ロシアニン化合物を得ることができる。これは本件の原
料として次工程において金属水酸化物との複合用にも用
いられる。また、上記縮合反応後の反応液から単に溶媒
を溜去して得られる粗反応生成物を直接同様の原料とし
て用いてもよい。
【0045】得られたキトサン−フタロシアニン化合物
中のキトサン:フタロシアニン化合物の比は100:1
〜1:1、好ましくは、50:1〜5:1、更に好まし
くは25:1〜5:1である。
【0046】(d−2)キトサン−フタロシアニン化合
物と水難溶性金属水酸化物とを配合した消臭性組成物 キトサン−フタロシアニン化合物と水難溶性金属水酸化
物とから消臭性組成物を調製するには、前者の希有機酸
水溶液に金属水酸化物の懸濁液を加えてよく混合した
後、キトサンやキトサン−フタロシアニンの成形法に準
じ、希アルカリで処理し、生成物を洗浄後適宜乾燥し、
粉末状、シート状ないしフィルム状、繊維状、不織布な
どに成形することができる。
【0047】さらに、他の天然あるいは非天然高分子、
または活性炭や適当な無機材料と混合したり、あるいは
高分子合成原料の1成分として用いて成形するなどの方
法によりそれら材料との複合材料とすることもできる。
【0048】かくして得られる生成物の物性は前記した
混合比率の範囲のなかでも、混合比により異なる。混合
比がキトサン−フタロシアニン化合物1部に対し金属水
酸化物が約0.01〜2部では、キトサン化合物として
の物性が優位であって、例えば、糸状物やフィルム状物
に成形できる。
【0049】これに対して混合比がキトサン−フタロシ
アニン化合物1部に対し、金属水酸化物が約2〜100
部では、金属水酸化物の物性が優位となり、粒状ないし
粉末になりやすく、微粉状に破砕することができ、捺染
用や他のポリマーと複合するための消臭マスターバッチ
として使用に適する。
【0050】(e)消臭性成形体 消臭剤あるいは消臭性成形体が高い消臭性を示すには、
その活性自体の高いことは当然であるが、さらに消臭剤
が臭気ガスと充分な接触面積を有することが必要であ
る。また、実用面からは成形体の用途に応じて強度、加
工性が求められる。
【0051】本発明の消臭性組成物および該組成物を配
合した消臭性成形体としては、該消臭性組成物を配合し
た繊維、シート、綿糸やその他天然繊維、活性炭などへ
の添着体、抄紙体、および該消臭性組成物を構成成分と
するウレタンフォームなどが好適である。
【0052】フタロシアニン誘導体またはその塩と水難
溶性金属水酸化物とを含有する消臭性組成物を含有する
消臭性成形体には、その成形体によっても異なるが、一
般に成形体に対して、該組成物5〜95重量%、好まし
くは5〜80重量%が含有されていればよい。
【0053】この成形体は、適当なバインダー(PV
A、スターチ、カードラン等)を用い、通常の粉体の成
形法によって、顆粒やペレットなどとして得られる。
【0054】該消臭性組成物からなる繊維、シートなど
の成形体の調製には、上記のごとく、キトサン−フタロ
シアニン化合物1部に対し、金属水酸化物が約0.01
〜2部の組成のものを用いることが好ましい。
【0055】このようなキトサンとフタロシアニン誘導
体またはその塩との縮合物と水難溶性金属水酸化物とを
含有する消臭性組成物を含む成形体においては、その成
形体によっても異なるが、一般に、該消臭性組成物が成
形体に対して、5〜70重量%、好ましくは5〜60重
量%の範囲で含まれていればよい。
【0056】消臭性組成物を希酸水溶液、特に希有機酸
水溶液(例えば希酢酸水溶液、希ギ酸水溶液、希プロピ
オン酸水溶液など)によく分散し、ついでこれをキトサ
ンの成形法に準じて希アルカリ固定液中(例えば0.5
〜10%水酸化ナトリウム水溶液)で粒状、糸状などに
固定する。あるいは、空気中で、例えば、シート状に成
形し、乾燥して凝固させた後、アルカリ水溶液で処理す
ることにより固定してもよい。ついで固定した含水ゲル
を適宜乾燥すると、該消臭性組成物の繊維、シートなど
が得られる。
【0057】なお、通常、含水ゲルを風乾すると成形体
の著しい収縮がみられ、それに伴い細孔表面積がほとん
どなくなる。このため凍結乾燥などにより細孔を維持し
つつ乾燥した場合に比べ、消臭活性も著しく減少する。
しかし、本発明の消臭性組成物では、風乾によって得た
繊維や糸もかなりの活性を維持し実用上優れた効果を有
する。
【0058】本発明の消臭性組成物は、活性炭や活性炭
素繊維、セピオライト、パリゴルスカイト、ゼオライ
ト、シリカゲル、活性白土、アルミナ、パーミキュライ
ト、ケイソウ土、合成アルミノシリケート(ミズカナイ
ト(商標名、水澤化学工業(株)製)、ミズカライフ(商標
名、水澤化学工業(株)製))などの多孔質担体、または
繊維(天然、合成)と複合、あるいは混合することもで
きる。かかる処理は、上記繊維状成形体の形態、あるい
は粉末の形態のいずれでも行うことができる。
【0059】例えば、綿、セルロースとは強い親和性を
有する。特に、セルロースに対しては、セルロース1重
量部に対して消臭性組成物の約1.5重量部以下を混合
し抄紙して消臭紙を製造することができる。好ましく
は、0.05〜1重量部の該組成物を使用する。
【0060】このようにして得られた消臭紙は、硫化水
素やメルカプタン類の臭気に対し、優れた消臭能を示
す。
【0061】また、本発明の組成物を、例えば、前記の
合成アルミノシリケート(ミズカナイト(商標名)やミズ
カライフ(商標名))と複合した場合は、硫化水素やメル
カプタン類による臭気に対する消臭活性を損なうことな
く、さらにアンモニアなどの塩基性臭気に対する消臭能
をも保有する広範囲の臭気に有効な広域消臭剤が得られ
る。
【0062】この場合、1重量部の合成アルミノシリケ
ートのような多孔質担体に対して、消臭組成物0.05
〜2重量部、好ましくは0.1〜1重量部の割合で配合
される。
【0063】また、本発明の消臭性組成物は、反応性基
を有する消臭マスターバッチとして、他の高分子材料の
合成、成形の際に添加してもよい。
【0064】該組成物は他の高分子材料、特に反応性基
を有し縮合反応などを行うことのできる材料と複合し
て、成形体に消臭性を付与する。特に、本発明の消臭性
組成物を配合したウレタンフォームは優れた消臭性を示
す。このように本発明にて用いられるウレタンフォーム
としては、通常、市販のものがいずれも使用可能であ
り、特に限定されるものではない。
【0065】ウレタンフォームは、一般にポリオールと
ポリイソシアネート、さらに必要に応じて鎖延長剤とし
てポリアミンを用い、触媒の存在下に縮合反応を行い、
同時に発泡、硬化させて製造される。このとき金属水酸
化物は、触媒毒または縮合の阻害剤となるものと推定さ
れ、しばしば発泡を抑制しフォーム状のポリウレタンが
得られない場合が多い。
【0066】しかしながら、例えばキトサン−フタロシ
アニン化合物1部と、水酸化アルミニウム4部とからな
る本発明の消臭性組成物を水酸化アルミニウムの含量が
5〜10重量%になるようウレタンフォーム中に配合し
ても、ウレタンフォームの形成にはなんら問題はなく、
高い消臭性を有する優れたウレタンフォームが得られ
る。
【0067】すなわち、フタロシアニン誘導体を含有す
るウレタンフォーム−水難溶性金属水酸化物からなる本
発明の成形体においては、本発明消臭性組成物の水難溶
性金属水酸化物の量によって、ウレタンフォームへの本
発明消臭性組成物の配合を決定すればよい。すなわち、
ウレタンフォーム全体に対して、3〜10重量%、好ま
しくは3〜7重量%の水難溶性金属水酸化物量となる該
消臭性組成物を配合する。
【0068】その製造に当たっては、ジオール類ないし
ポリオール類、ジ−ないしポリイソシアネート類および
シアミン類(鎖延長剤)、イソシアネート縮合触媒ない
し発泡触媒などを公知の方法により反応させてウレタン
フォームを製造する際に、式[I]のフタロシアニン誘
導体および金属水酸化物を添加して反応を行う。
【0069】反応は上記各成分を室温で混合するだけで
充分であるが、反応を完結させ生成した樹脂を硬化させ
るため通常反応の後期において約50〜80℃に暫時加
熱するのがよい。
【0070】添加した金属水酸化物の一部は、得られた
樹脂の空泡内に閉じ込められ、また残りは樹脂を構成す
る官能基と配位結合して存在しているものと考えられ
る。金属水酸化物の添加量は、ウレタンフォームの形成
を阻害しない限り特に制限はない。
【0071】反応後、生成したウレタンフォームを水洗
ないし希アルカリまたは希酸で洗浄して過剰の試薬、残
存触媒、オリゴマーなどを速やかに除去した後、適宜乾
燥することにより目的物を得る。
【0072】かくして得られたフタロシアニン誘導体含
有ウレタンフォーム−金属水酸化物は、悪臭規制物質で
ある硫化水素のみならずメルカプタン類に対しても通常
の大気条件下で脱臭能を有し、単独でまた、他の脱臭剤
と組み合わせて脱臭材として用いることができる。
【0073】
【実施例】以下に実施例により本発明をさらに詳しく説
明する。
【0074】[実施例1]キトサン4.0gを240m
lのピリジンに分散し、これに鉄−フタロシアニン−テ
トラカルボン酸798mgを溶かした。この調製液にN
−エチル−N'−(3−ジメチルアミノプロピル)カル
ボジイミド(WSC)1236mgおよび4−ジメチル
アミノピリジン(DMAP)784mgを添加して一夜
室温で撹拌し、ついで80℃の油浴中にて同温度で1時
間20分加熱した。ピリジンを減圧溜去して粗キトサン
−フタロシアニン化合物6.175gを得た。
【0075】ついでこの化合物386mg(原料キトサ
ン250mg相当分)を5%酢酸水溶液10mlと水3
0mlからなる混液に懸濁した。ついで、この懸濁液に
水酸化アルミニウム125mgを水10mlに懸濁した
液を加え、室温で2〜3時間掻き混ぜた。得られた粘稠
な分散液を300mlの5%水酸化ナトリウム水溶液に
はげしく撹拌しつつ加え、加え終わってのち1晩室温に
放置した後ふるいでろ取し、水洗後凍結乾燥して134
mgのキトサン−フタロシアニンと水酸化アルミニウム
との複合物を青色の固体として得た。
【0076】[実施例2〜11]実施例1にて調製した
キトサン−フタロシアニン化合物各々386mg(原料
キトサン250mg相当)を5%酢酸水溶液10mlと
水30mlからなる混液に懸濁した。ついでこの懸濁液
に対し、後記第1表に示す金属水酸化物各125mgを
水10mlに懸濁した液を加え、室温で2〜3時間掻き
混ぜた。得られた粘稠な分散液を300mlの5%水酸
化ナトリウム水溶液にはげしく撹拌しつつ加え、加え終
わってのち1晩室温に放置した後ふるいでろ取し、水洗
後凍結乾燥してキトサン−フタロシアニン化合物と各金
属水酸化物との複合物を着色した固体として得た。結果
を表1に示す。
【0077】 表 1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例No. 金属水酸化物 収量(mg) 色 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2 Zr(OH)4 182 淡緑 3 Zn(OH)2 161 〃 4 Ni(OH)2 284 濃緑 5 Mn(OH)2 301 褐緑 6 Cu(OH)2 227 紫青 7 Cr(OH)6 228 青灰 8 Fe(OH)2 230 緑灰 9 Fe(OH)3 282 〃 10 Sn(OH)2 193 青緑 11 Sn(OH)4 247 緑白 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0078】[実施例12〜15]実施例1にて得られ
たキトサン−フタロシアニン化合物386mg(原料キ
トサン250mg相当)を5mlの5%酢酸と15ml
の水からなる混液に分散した。この調製液に、水7ml
に対し後記表2に記載の量の水酸化アルミニウムを加え
た懸濁液を添加し、2〜3時間撹拌後実施例1と同様に
処理してそれぞれキトサン−フタロシアニン−水酸化ア
ルミニウム複合物を得た。またそれぞれの複合物中のア
ルミニウムの含量を原子吸光スペクトルにより測定した
結果も合わせ示す。
【0079】 表 2 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例No. 水酸化アルミニウム Al 添加量(mg) 収量(mg) 含量(%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12 2.9 213 0.4 13 5.8 219 0.8 14 11.6 220 1.6 15 125 291 10.0 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0080】[実施例16〜22]実施例1に準じ、キ
トサン50.0gから粗キトサン−鉄フタロシアニンテ
トラカルボン酸80.81gを得た。得られたフタロシ
アニン誘導体404mg(キトサン250m相当)を5
%酢酸水溶液10mlおよび水10mlからなる液に懸
濁し、後記表3に記載の量の水酸化アルミニウムを水1
0mlに懸濁した液を加え、室温で数時間かきまぜた。
得られた粘稠分散液を1%水酸化ナトリウム水溶液50
0mlに激しく撹拌しながら加え、生成した沈澱を濾取
し、水洗後、凍結乾燥してキトサン−フタロシアニン−
水酸化アルミニウム複合物を得た。
【0081】 表 3 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例No. 水酸化アルミニウム Al* Fe** 添加量(mg) 収量(mg) 含量(%) 含量(%) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 16 250 450 15 0.13 17 500 610 20 0.10 18 750 760 24 0.09 19 1000 930 26 0.13 20 1500 1300 31 0.07 21 2000 1840 31 0.04 22 3000 2560 32 0.04 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *、**:原子吸光スペクトル法により測定。
【0082】[実施例23]実施例16で得た粗キトサ
ン−鉄フタロシアニンテトラカルボン酸化合物404m
g(原料キトサン250mg相当)を10.5mgの5
%酢酸水溶液と10mlの水からなる混合液に分散させ
た。この分散液に水酸化アルミニウム500mgを水5
mlに分散させた液を撹拌下に加え、30分撹拌し、つ
いでさらにミズカナイト(水澤化学工業(株)製)50
0mgを水5mlに分散させた液を撹拌下に加えて2〜
3時間撹拌後実施例1におけると同様に処理してキトサ
ン−鉄フタロシアニン−水酸化アルミニウム−ミズカナ
イト複合物を得た。
【0083】[実施例24]実施例23に準じ、ただし
ミズカナイトの代わりにミズカライフ(水澤化学工業
(株)製)500mgを用いて調製操作を行い、キトサ
ン−鉄フタロシアニン−水酸化アルミニウム−ミズカラ
イフ複合物を得た。
【0084】[実施例25]実施例1に準じ、キトサン
73.0g、鉄−フタロシアニン−テトラカルボン酸1
4.9g、WSC22.6g、DMAP14.3gを15
00mlのピリジン中室温で一夜かきまぜた後80℃に
1時間加熱し、ついで溶媒を溜去して120.74gの
粗製キトサン−鉄・フタロシアニンを得た。このもの
4.8g(キトサン3g相当)を25mlの水と30m
lの5%酢酸水溶液に溶解し、水酸化アルミニウム3g
を25mlの水に懸濁した液を加え、室温で一夜かきま
ぜ、得られた粘稠液を100メッシュのふるいで篩過し
たのち、5%水酸化ナトリウム水溶液とメタノール(1
0:3(v/v))の固定液中にφ0.2−0.3mm、8
5穴のノズルから押し出し、軽く引っ張りながら、2m
の固定液中をくぐらせた後巻取り、水洗後軽い荷重下に
風乾してキトサン−鉄・フタロシアニン−水酸化アルミ
ニウム複合物の糸(φ20〜30μm)を得た。
【0085】[実施例26]実施例19に準じて調製し
たキトサン−鉄・フタロシアニン−水酸化アルミニウム
複合物の微粉末1gをパルプ分散液(パルプ1gを含む)
100mlに加え、撹拌してよく分散させた。これを抄
紙具を用いて製紙し、キトサン−鉄・フタロシアニン−
水酸化アルミニウム複合物を含有する紙を得た。
【0086】[実施例27および28]ポリエーテルポ
リオール(アクトコール79−56;武田薬品工業(株)
製)20g、シリコン油(B−8017)0.3g、2.
2%トリエチレンジアミン水溶液0.92gを混ぜ合わ
せ、これに実施例26で用いたと同一ロットの微粉状キ
トサン−鉄・フタロシアニン−水酸化アルミニウム複合
物、各々1.7g(実施例27)および3.3g(実施例
28)加え、撹拌してよく分散させた。ついでスタノク
ト(オクタン酸スズ)を5〜7滴加えてかきまぜ、これ
にトリレンジイソシアネート(TDI)11.5gをす
ばやく加えて強く撹拌した。発泡してきたところで撹拌
をとめ、静置し、発泡が終ってから乾燥機に入れ、80
℃10分間加熱した。放冷後水洗し、減圧乾燥してキト
サン−鉄・フタロシアニン−水酸化アルミニウム複合物
を含有するウレタンフォームを得た。
【0087】〔脱臭試験例−1〕内容積約925mlの
マヨネーズ瓶に実施例1〜22で得たキトサン−フタロ
シアニン−金属水酸化物各40mgを入れた。ゴム製の
ガス注入口を付けた樹脂製の中蓋をし、蓋の周囲を封
じ、その上からねじ蓋(ガス注入口の当たる部分をくり
ぬいてある)を閉めた。ついで、測定対象ガス(硫化水
素またはメチルメルカプタン)をマヨネーズ瓶中のガス
濃度がほぼ100ppmになるように注射器により注入
し、以後室温に放置した。瓶内のガス濃度を経時的にガ
スクロマトグラフィー((株)島津製作所製GC装置を使
用)により測定した。1試験期間は10日間(240時
間)とし、その間、瓶の中のガスが完全に消費された場
合には、再びほぼ100ppmになる量のガスを補給しつ
つ行い、各試料の処理し得るガスの総量を求めた。表4
に結果を示す。
【0088】 表 4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 測定対象ガス 試験時間(時) 総吸収量(mg/g試料) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例 1 硫化水素 240 29.3 2 〃 〃 7.0 3 〃 〃 7.4 4 〃 〃 15.7 5 〃 〃 34.4 6 〃 〃 25.3 7 〃 〃 22.7 8 〃 〃 17.7 9 〃 〃 34.8 10 〃 〃 9.8 11 〃 〃 9.0 12 〃 〃 7.9 13 〃 〃 8.1 14 〃 〃 12.5 16 メチルメル カプタン 〃 21.9 17 〃 〃 15.7 18 〃 〃 18.4 19 〃 〃 24.3 20 〃 〃 14.6 21 〃 〃 11.4 22 〃 〃 6.1 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 比較例 11) 硫化水素 〃 3.6 メチルメル カプタン 〃 〜0 22) 硫化水素 〃 6.6 メチルメル カプタン 〃 〜0 33) 硫化水素 〃 0.3 44) 〃 〃 6.4 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━1) (Al(OH)32) (キトサン/Al(OH)33) 市販品:フタロシアニン誘導体含浸レーヨン繊維4) 市販品:消臭用フタロシアニン誘導体
【0089】[実施例29〜31]約500ml容の紙
コップ内にポリエーテルポリオール(アクトコール79
−56;武田薬品工業(株)製)(式IIIの化合物)、 20g、鉄−フタロシアニン−テトラカルボン酸163
mg、後記所定量の水酸化アルミニウム(水沢化学
製)、シリコーンオイル0.2g、トリエチレンジアミ
ン水和物(以下TEDと略記する)、0.92g、オク
タン酸スズ、3〜5滴を仕込み混合した。これに室温で
トリレンジイソシアネート(以下TDIと略記する)1
1.5gを添加して激しくかきまぜた後、発泡が1段落
するまで室温に放置し、ついで80℃に10分間加温し
て硬化させた。生成物を水洗した後真空乾燥して消臭性
ウレタンフォームを得た。
【0090】 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例No. 水酸化アルミニウム添加量(mg) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 29 125 30 250 31 500 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0091】[比較例1]約500ml容の紙コップ中
でポリエーテルポリオール(アクトコール79−56;
武田薬品工業(株)製)20g、シリコンオイル0.2
g、TED 0.92g、オクタン酸スズ3〜5滴、鉄−
フタロシアニンテトラカルボン酸325mgを仕込み混
合した。これに室温でTDI 11.5gを加え、激し
くかきまぜた後、発泡がおさまるまで室温に放置した。
ついで80℃に10分間加熱して硬化させた。生成物を
水洗した後、真空乾燥して鉄−フタロシアニン−テトラ
カルボン酸を含有するウレタンフォームを得た。
【0092】[比較例2]比較例1と同様にして、ただ
し鉄−フタロシアニン−テトラカルボン酸を加えること
なく反応させウレタンフォームを得た。
【0093】[比較例3]比較例1と同様にして、ただ
し鉄−フタロシアニン−テトラカルボン酸は加えず、そ
の代わりに水酸化アルミニウム(水沢化学製)、250m
gを添加して反応させ、水酸化アルミニウムを含有する
ウレタンフォームを得た。
【0094】〔脱臭試験例−2〕実施例29〜31およ
び比較例1〜3にて得られた消臭性ウレタンフォーム各
762mgを用いて前記〔脱臭試験例−1〕と同様にし
て脱臭試験を行った。各試料の処理し得るガスの総量を
測定した結果を表5および表6に示す。
【0095】 表 5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サンプル 処理された硫化水素の総量(mg/g試料) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例29 0.33 〃 30 0.32 〃 31 0.43 比較例 1 0.19 〃 2 0.12 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0096】 表 6 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ サンプル 処理されたメチルメルカプタンの総量(mg/g試料) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例30 0.47 〃 31 0.60 比較例 1 〜0.0 〃 3 0.07 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0097】
【発明の効果】本発明の消臭性組成物は、通常の大気中
程度の湿潤状態でも高い消臭活性を有すると共に高分子
物質に配合または複合して優れた成形性を示す。また、
本発明の消臭性成形体は、従来のフタロシアニン誘導体
含有の消臭性成形体に比べ、著しく消臭活性に優れてお
り、例えば悪臭規制物質である硫化水素やメルカプタン
類のほか、イソ吉草酸などに対しても優れた消臭能を有
し、単独で消臭材、消臭織物、消臭シート、消臭フェル
ト、消臭ウレタンフォームなどとして、また他の消臭材
料と複合した消臭材として用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式:MPc−(COOH)n [式中、Pcはフタロシアニン環、Mは水素原子または
    金属原子、nは1〜8の整数を意味する]で表されるフ
    タロシアニン誘導体またはその塩と水難溶性金属水酸化
    物とを含有することを特徴とする消臭性組成物。
  2. 【請求項2】キトサンと式:MPc−(COOH)n [式中、Pcはフタロシアニン環、Mは水素原子または
    金属原子、nは1〜8の整数を意味する]で表されるフ
    タロシアニン誘導体またはその塩との縮合物であるキト
    サン−フタロシアニン化合物と水難溶性金属水酸化物と
    を含有することを特徴とする消臭性組成物。
  3. 【請求項3】金属水酸化物がAl、Cu、Fe、Mn、
    CrおよびNiから選ばれた少なくとも1種の金属の水
    酸化物である請求項1または2記載の消臭性組成物。
  4. 【請求項4】キトサンと式:MPc−(COOH)n [式中、Pcはフタロシアニン環、Mは水素原子または
    金属原子、nは1〜8の整数を意味する]で表されるフ
    タロシアニン誘導体またはその塩との縮合物であるキト
    サン−フタロシアニン化合物と水難溶性金属水酸化物と
    を混合し、ついでアルカリで処理することを特徴とする
    請求項2記載の消臭性組成物の製造法。
  5. 【請求項5】請求項1、2または3記載の消臭性組成物
    を含有する消臭性成形体。
  6. 【請求項6】成形体がウレタンフォームである請求項5
    記載の消臭性成形体。
JP3315315A 1990-11-05 1991-11-02 消臭性組成物、その製造法およびこれを含む消臭性成形体 Withdrawn JPH0515576A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005071397A1 (ja) * 2003-12-22 2005-08-04 Showa Denko K.K. フタロシアニン骨格が結合した多糖類粒状ポリマー
JP2006265538A (ja) * 2005-02-23 2006-10-05 Shinshu Tlo:Kk 機能性発泡体及びその製造方法
JP2014046071A (ja) * 2012-09-03 2014-03-17 Toyobo Co Ltd 脱臭剤および脱臭フィルタ
US11958033B2 (en) 2020-03-31 2024-04-16 Numat Technologies, Inc. Modified metal-organic framework (MOF) compositions, process of making and process of use thereof
US11958034B2 (en) 2020-03-31 2024-04-16 Numat Technologies, Inc. Activated amino containing metal organic framework (MOF) compositions, process of making and process of use thereof

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