JPH05153985A - 脂肪酸アミドの製造方法 - Google Patents

脂肪酸アミドの製造方法

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JPH05153985A
JPH05153985A JP34018291A JP34018291A JPH05153985A JP H05153985 A JPH05153985 A JP H05153985A JP 34018291 A JP34018291 A JP 34018291A JP 34018291 A JP34018291 A JP 34018291A JP H05153985 A JPH05153985 A JP H05153985A
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reaction
fatty acid
monovalent hydrocarbon
lipase
candida
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JP34018291A
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Nobuhiro Mori
信博 森
Shingo Uemura
慎午 植村
Ryozo Iwasaki
亮三 岩崎
Kyozo Kitano
恭三 北野
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 脂肪酸アミドを酵素反応により短時間かつ高
生成率で合成する。 【構成】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、R1は炭素数5以上の一価炭化水素基、R2は低
級アルキル基を示す。)で示される脂肪酸エステルと、
下記一般式(2) 【化2】 (但し、R3は水素原子又は一価炭化水素基、R4は水素
原子又は一価炭化水素基を示す。X1及びX2はそれぞれ
水素原子又はメチル基であり、x,yはそれぞれ0〜1
0、m,nはそれぞれ1〜5である。)で示されるアル
キルモノアミン類及びエーテルアミン類並びに下記一般
式(3) 【化3】 (但し、R5は水素原子又は一価炭化水素基、pは0〜
10、qは2又は3、zは1,2又は3を示す。X1
上記と同様の意味を示す。)で示されるアルキルポリア
ミン類から選ばれる1種又は2種以上のアミンとを無溶
媒下又は極性有機溶媒下にキャンディダ・アンタークテ
ィカ、キャンディダ・ツクバエンシス、キャンディダ・
オーリクラリアエ、キャンディダ・フミコーラ及びキャ
ンディタ・ホリオルムが生産する耐熱性リパーゼを作用
させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酵素反応により脂肪酸
エステルとアルキルモノアミン類、エーテルアミン類又
はアルキルポリアミン類とから脂肪酸アミドを製造する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般的
に、リパーゼ(グリセロールエステルヒドロラーゼ)
は、グリセロールエステルを加水分解し、脂肪酸を遊離
する酵素として定義される(生化学辞典:東京化学同
人)。また、水分を制限した環境下では加水分解の逆反
応、即ちエステル合成反応(特開昭61−25719
2;特開昭62−262997:JAOCS,Vol.
61,No.4,p776〜781,1984)や、更
にエステル交換反応をも触媒することが報告されている
(特開昭61−159691;特開昭61−26089
0;特開昭62−61591;特開昭62−8149
8;JAOCS,Vol.67,No.3,p168〜
170,1990;Biotechnology an
d Bioengineering,Vol.XXX,
p258〜266,1987)。即ち、リパーゼとは、
エステル結合(−OCO−)に作用する酵素と一般的に
は理解されていた。
【0003】しかし近年になり、特定のリパーゼがアミ
ド結合(−CONH−)の形成を触媒することが報告さ
れ、エステル結合に作用するリパーゼがアミド結合をも
触媒することが明らかになった。
【0004】例えば、ムコール・マイハイ(Mucor
miehei)由来の固定化リパーゼを用いてラウリ
ルアミンとオレイン酸よりラウリルオレインアミドを合
成した例(Fat Sci.Technol.91.J
ahrgang Nr.1,p14〜18,198
9)、同じくムコール・マイハイを用いてトリグリセラ
イドとヒドロキシルアミンからヒドロキサム酸を合成し
た例(Tenside Surf.Det.27(19
90)5,p298〜301)、更に、EP02987
96A1にもムコール・マイハイを用いた脂肪酸とアミ
ンとによる脂肪酸アミドの合成例が報告されている。
【0005】以上は脂肪酸とアミンからの酵素反応によ
る例である(なお、上記のトリグリセライドを用いる方
法は、実質的にはトリグリセライドが加水分解して得ら
れる脂肪酸とアミンとの反応である)が、脂肪酸エステ
ルとアミンとの酵素反応による脂肪酸アミドの合成例と
しては、ムコール・マイハイ由来の固定化リパーゼを用
い、大豆油脂脂肪酸メチルエステルとヒドロキシアミン
からヒドロキサム酸を合成した例(JAOCS,Vo
l.67,No.10,p646〜649,199
0)、同じくムコール・マイハイ由来のリパーゼを用い
てヘキサン中で脂肪酸エステル(パルミチン酸メチル)
とアミン(n−ブチルアミン)とから脂肪酸アミドを合
成した例(JAOCS,Vol.68,No.2,p9
5〜98,1991)、更にリププロティンリパーゼを
用いてラウリルアミンとラウリルステアレートを反応さ
せた例(Biochemical and Bioph
ysical Research Communica
tion,Vol.122,No.2,p845〜85
0,1984)、ブタ肝臓由来リパーゼを用い、ブチル
アミンとメチルブチレートを反応させた例(Proc.
Natl.Acad.Sci.USA82,p3192
〜3196,1985)がある。
【0006】しかしながら、以上の先行技術に係る脂肪
酸又はそのエステルとアミンとの酵素反応による脂肪酸
アミドの製造法は、いずれも反応速度が遅く、工業的応
用には不十分なものであった。また、副反応の併発によ
り実質状脂肪酸アミドのみを製造できない例も多く、こ
の点も工業的製法として問題があった。
【0007】従って、反応速度が遅く、しかも副反応の
併発を抑えて高い比率で脂肪酸アミドを合成し得る工業
上有利な酵素反応による脂肪酸アミドの製造方法が望ま
れていた。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、上
記要望に応えるため鋭意検討を行った結果、基質として
下記一般式(1)で示される脂肪酸低級アルキルエステ
ルと、下記一般式(2)で示されるアルキルモノアミン
類もしくはエーテルアミン類又は下記一般式(3)で示
されるアルキルポリアミン類とを使用すると共に、酵素
として耐熱性リパーゼを使用し、かつ酵素反応を実質的
に水の存在しない系で無溶媒下又は極性有機溶媒下で行
なうことにより、脂肪酸アミドの生成速度が速く、しか
も副反応の併発もなく、脂肪酸アミドを高い比率で合成
することができることを知見し、本発明を完成するに至
った。
【0009】
【化4】 (但し、R1は炭素数5以上の一価炭化水素基、R2は低
級アルキル基を示す。)で示される脂肪酸エステルと、
下記一般式(2)
【0010】
【化5】 (但し、R3は水素原子又は一価炭化水素基、R4は水素
原子又は一価炭化水素基を示す。X1及びX2はそれぞれ
水素原子又はメチル基であり、x,yはそれぞれ0〜1
0、m,nはそれぞれ1〜5である。)で示されるアル
キルモノアミン類及びエーテルアミン類並びに下記一般
式(3)
【0011】
【化6】 (但し、R5は水素原子又は一価炭化水素基、pは0〜
10、qは2又は3、zは1,2又は3を示す。X1
上記と同様の意味を示す。)
【0012】従って、本発明は、式(1)の脂肪酸エス
テルと式(2),(3)のアミンとを無溶媒下又は極性
有機溶媒下に耐熱性リパーゼを作用させることを特徴と
する脂肪酸アミドの製造方法を提供する。
【0013】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明で反応基質として用いる脂肪酸エステルは、下記一般
式(1)で示されるものであり、これらの1種を単独で
又は必要により2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。
【0014】
【化7】
【0015】ここで、R1は炭素数5以上、好ましくは
5〜22の置換もしくは非置換の一価炭化水素基であ
り、該一価炭化水素基は飽和であっても不飽和であって
もよく、また直鎖でも分岐を有していてもよい。具体的
にはアルキル基,アルケニル基等を挙げることができ
る。また、R2は低級アルキル基であり、これは分岐鎖
を有していてもよい。
【0016】このような式(1)の脂肪酸エステルとし
ては、カプロン酸メチル,ソルビン酸エチル,カプリル
酸メチル,カプリル酸エチル,カプリル酸プロピル,カ
プリル酸イソプロピル,カプリン酸メチル,ラウリン酸
メチル,ラウリン酸エチル,ラウリン酸プロピル,ラウ
リン酸イソプロピル,ミリスチン酸メチル,ペンタデカ
ン酸エチル,ミリスチン酸メチル,パルミトレイン酸プ
ロピル,パルミチン酸メチル,ステアリン酸メチル,イ
ソステアリン酸プロピル,オレイン酸メチル,オレイン
酸エチル,オレイン酸プロピル,オレイン酸イソプロピ
ル,リノ−ル酸メチル,リノレン酸メチル,リノレン酸
エチル,エイコサン酸メチル,ドコサン酸メチル,ドコ
セン酸エチル,アラキドン酸メチル,リシノレイン酸メ
チル,ジヒドロキシステアリン酸メチル等が例示され
る。
【0017】一方、本発明で他の反応基質として用いる
アミン類は、下記一般式(2)又は(3)で示されるも
のであり、これらのアミン類は単独で又は2種以上を併
用して用いることができる。
【0018】
【化8】
【0019】上記式において、R3は水素原子又は置換
もしくは非置換の一価炭化水素基であり、該一価炭化水
素基は好ましくは炭素数1〜18を有し、飽和でも不飽
和でも、また、直鎖でも分岐鎖を有していてもよく、か
かる一価炭化水素基としてはアルキル基、アルケニル基
等が挙げられる。
【0020】R4は、水素原子又はアルキル基等の一価
炭化水素基であり、該一価炭化水素基は炭素数が1〜3
のものが好ましい。
【0021】R5は水素原子又は置換もしくは非置換の
一価炭化水素基であり、該一価炭化水素基は好ましくは
炭素数1〜10を有し、飽和でも不飽和でも、また直鎖
でも分岐鎖を有していてもよく、かかる一価炭化水素基
としてはアルキル基、アルケニル基等が挙げられる。
【0022】なお、X1及びX2は水素原子又はメチル基
であり、x,y,pはそれぞれ0〜10、好ましくは0
〜5、m,nはそれぞれ1〜5、好ましくは2〜3、q
は2又は3、zは1,2又は3である。
【0023】以上のようなアミン類としては、具体的に
プロピルアミン,ブチルアミン,アミルアミン,シクロ
ヘキシルアミン,ラウリルアミン,オレイルアミン,イ
ソプロピルアミン,イソブチルアミン,第2ブチルアミ
ン,第2アミルアミン等のアルキルモノアミン類、モノ
エタノールアミン,ジエタノールアミン,アミノエチル
エタノールアミン等のエーテルアミン類、エチレンジア
ミン,ジエチレントリアミン,テトラエチレンペンタイ
ミン,プロピレンジアミン等のアルキルポリアミン等が
例示される。
【0024】本発明では、上述した脂肪酸エステルとア
ミン類とを酵素反応させるものであるが、この場合脂肪
酸エステルとアミン類の混合比は、両者の化学量論的モ
ル比とすることにより双方過不足なく反応が完結する
が、必ずしもこれに限定されるものではなく、いずれか
を過剰に使用するなど、任意に設定することができる。
【0025】本発明においては、脂肪酸エステルとアミ
ン類との酵素反応を耐熱性リパーゼを用いて行なう。
【0026】この場合、耐熱性リパーゼとしては、キャ
ンディダ・アンタークティカ(Candida ant
arctica)、キャンディダ・ツクバエンシス
(C.tsukubaensis)、キャンディダ・オ
ーリクラリアエ(C.auriculariae)、キ
ャンディダ・フミコーラ(C.humicola)、キ
ャンディダ・ホリオルム(C.foliarum)など
が生産する耐熱性リパーゼを好適に用いることができ、
またこれらの微生物のDNAを組み込んで培養した宿主
が生産する耐熱性リパーゼも好適である。かかる耐熱性
リパーゼは、いずれも優れた耐熱性を有し、高温(50
〜100℃)での反応も可能である上、脂肪酸エステル
に対する活性も強いものである。
【0027】なお、本発明において、耐熱性リパーゼと
は、リパーゼ50mgを0.4mlのリン酸バッファー
(0.1M,pH7)に溶解し、70℃で30分間加熱
した後の残存活性が40%以上、好ましくは80%以
上、更に好ましくは95%以上の耐熱性を有しているも
のである。
【0028】上記耐熱性リパーゼは、反応に際し、粉末
の状態で使用しても良いが、反応性の点及び反応後の回
収の点からリパーゼを担体に固定化した状態で使用する
ことが望ましい。
【0029】この耐熱性リパーゼの固定化方法として
は、担体結合法、架橋法、包括法等の方法が適用できる
が、特に担体結合法が好適に採用できる。
【0030】この場合、固定化担体として具体的には、
活性炭,多孔性ガラス,酸性白土,漂白土,カオリナイ
ト,アルミナ,シリカゲル,ベントナイト,ヒドロキシ
アパタイト,リン酸カルシウム,金属酸化物等の無機物
質,澱粉,グルテン等の天然高分子化合物,ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,フェノールホルマリン樹脂,アク
リル樹脂,アニオン交換樹脂,カチオン交換樹脂等の合
成高分子物質等を挙げることができるが、特に、物理的
形態として多孔性を有する合成高分子物質、例えば多孔
性ポリエチレン、多孔性ポリプロピレン、多孔性フェノ
ールホルマリン樹脂、多孔性アクリル樹脂が最も好まし
い。なお、酵素の活性発現を阻害しないものであれば上
記以外の数々の固定化担体を使用しても何ら差し支えな
い。
【0031】上記耐熱性リパーゼの使用量は、種々選択
でき、特に限定されないが、脂肪酸エステル100重量
部に対し、0.1〜10000重量部、好ましくは1〜
2000重量部の範囲とすることができる。
【0032】本発明の酵素反応は、無溶媒下又は極性有
機溶媒下に行なうものであり、上記耐熱性リパーゼによ
り無溶媒下又は極性有機溶媒下で上記脂肪酸エステルと
アミン類とを酵素反応させることにより、反応速度が速
く、しかも高い比率で目的とする脂肪酸アミドを生成す
ることができるものである。なお、系は実質的に無水で
あることが必要である。
【0033】この場合、一般的には無溶媒下が望ましい
が、極性有機溶媒の使用は基質又は反応物質が高融点と
なるものについて有効な手段となる。この極性有機溶媒
としては、例えば第3級ブチルアルコール、第3級アミ
ルアルコール、ジアセトンアルコール等の第3級アルコ
ール類、トルエン、キシレン、フェノール等の芳香族炭
化水素類、アセトン等のケトン類、ジメチルエーエル、
ジオキサン等のエーテル類、γ−ブチロラクトン等のラ
クトン類、イソオクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロ
ペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、四塩
化炭素、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類等が挙
げられる。これらの中では、特に第3級アルコールが好
ましい。
【0034】以上のようにして脂肪酸エステルとアミン
類を上記リパーゼを用いて酵素反応させる際、反応温度
は適宜調製し得、酵素活性が失われない範囲の温度で有
れば任意に決定することができ、通常30℃から100
℃の温度範囲で設定される。また、反応時間は通常0.
5〜48時間、特に1〜24時間である。
【0035】なお、本発明方法では、反応の進行にとも
ない、低級アルコールが副生するが、これを系外に排出
することにより反応を完結させることが好ましい。低級
アルコールを除去する方法としては、例えばゼオライ
ト、モレキュラーシーブス等を用いて吸着除去する方
法、乾燥空気や不活性ガスを反応槽中に導入して気体中
に蒸発させて除去するか、或いは反応槽内を減圧にし、
蒸発させて反応層外に排出する方法等が挙げられる。
【0036】この場合、低級アルコールの重量濃度が反
応の最終段階において、0.1重量%以下となるように
することが望ましい。
【0037】
【実施例】以下、実験例及び実施例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0038】[実験例] 各種リパーゼの脂肪酸アミド合成能 ラウリン酸メチル5g(23.3mM)とジエタノール
アミン2.48g(23.3mM)との混合物に、表1
に示す各種リパーゼを多孔性ポリプロピレン樹脂に固定
化したもの(以後、固定化リパーゼと呼ぶ)200mg
を加えた。反応中に生成するメタノールを除去するため
にモレキュラーシーブス5Aを5g添加し、40℃で2
0時間撹拌反応させた。反応終了後、減圧して固定化リ
パーゼ及びモレキュラーシーブス5Aを除去した。
【0039】次に、反応液10μlを1mlのスクリュ
ー管に採り、ピリジン350μlを加え、更に内部標準
物質としてn−テトラデカンの入ったピリジン溶液(2
0mg/ml)50μlとシリル化剤としてビス(トリ
メチルシチル)トリフルオロアセトアミド200μlと
を加え、70〜80℃で30分間静置反応を行なった。
この処理液1μlをガスクロマトグラフィーにより分析
し、反応液中の未反応脂肪酸エステルを測定し、下記式
を用い、脂肪酸エステルの減少量から反応率を算出し
た。以上の結果を表1及び表2に示す。
【0040】
【数1】
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】 *キャンディダ・ツクバエンシス、キャンディダ・オー
リクラリアエ、キャンディダ・フミコーラ、キャンディ
ダ・ホリオルム由来のリパーゼについては、Ameri
can Type Culture Collecti
on(ATCC)から各種菌株(ATCC24555、
ATCC24121、ATCC14438、ATCC1
8820)を入手し、液体培養後、培養上澄を限外濾過
・エタノール沈殿し、粗リパーゼを調製し、実験に用い
た。 ** 耐熱性有り:○,耐熱性無し:×
【0043】表1,2の結果よりキャンディダ・アンタ
ークティカ、キャンディダ・ツクバエンシス、キャンデ
ィダ・オーリクラリアエ、キャンディダ・フミコーラ、
キャンディダ・ホリオルム由来の耐熱性リパーゼは、脂
肪酸エステルとアミンからの脂肪酸アミドへの変換反応
に対して、高い活性を有していることがわかる。
【0044】[実施例1]300ml容三ツ口フラスコ
に、ラウリン酸メチル107.2g(0.5M)とジエ
タノールアミン57.8g(0.55M)を採り、温度
コントローラー付ウォーターバス中に固定し、撹拌機を
取り付けた。更にフラスコ内を減圧状態とするため真空
ポンプを接続し、発生するメタノール回収のためフラス
コとの間にドライアイストラップを装着した。フラスコ
内の基質温度が50℃となるように温度コントローラー
を調整し、低温となった時点で、キャンディダ・アンタ
ークティカ由来の耐熱性リパーゼをアクリル樹脂に固定
化したもの(NOVO社製)5gを添加し、酵素反応を
開始した。開始と同時にフラスコ内の減圧度を徐々に高
め、最終的な真空度を1〜2mmHgに保持した。反応
開始後3時間毎にサンプリングし、計24時間酵素反応
を行なった。
【0045】次に、反応液10μlを精秤し、1mlの
スクリュー管に採り、ピリジン350μlを加え、更に
内部標準物質としてn−テトラデカンの入ったピリジン
(20mg/ml)50μlと、シリル化剤としてビス
(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド200
μlとを加え、70〜80℃で30分間静置反応を行な
った。この反応液1μlをガスクロマトグラフィーによ
り分析し、サンプル中の未反応ラウリン酸メチル、ジエ
タノールアミンおよび酵素反応により生成したラウリン
酸ジエタノールアミド、副生するアミドモノエステルの
重量%を測定した。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3の結果より、3時間反応後には60
%、10時間反応後には80%以上が目的とするラウリ
ン酸ジエタノールアミドであることが認められる。
【0048】[実施例2]実施例1と同じ実験装置を用
い、カプリル酸エチル88.6g(0.5M)とラウリ
ルアミン102.0g(0.55M)を三ツ口フラスコ
に採り、但しカプリル酸エチルの蒸発による損失を防止
するため、フラスコとドライアイストラップ間にパーシ
ャルコンデンサーを挿入し、キャンデダ・フミコーラ由
来の固定化耐熱性リパーゼ6gを添加し、反応温度90
℃、最終的なフラスコ内の真空度を20mmHgに保ち
ながら酵素反応を行なった。その結果、10時間後の反
応率は100%であった。
【0049】[実施例3]1リットル容の三ツ口フラス
コに、ステアリン酸イソプロピル98.0g(0.3
M)とジエチレントリアミン62.1g(0.3M)、
反応溶媒としてジアセトンアルコール500mlを採
り、実施例2と同じ実験装置を組み立てた。リパーゼと
してsp−382を10gフラスコ内に添加し、反応温
度70℃、最終的なフラスコ内の真空度を10mmHg
に保ち、溶媒を還流させながら酵素反応を行なった。そ
の結果、7時間後の反応率は100%であった。
【0050】[実施例4]50ml容三角フラスコに、
オレイン酸メチル8.90g(30mM)、ヘキシルア
ミン3.55g(35mM)、キャンディダ・ツクバエ
ンシス由来の固定化耐熱性リパーゼ0.5g、モレキュ
ラーシーブス5A9gを採り、反応温度50℃で20時
間、酵素反応を行なった。その結果反応率は99.7%
であった。
【0051】[実施例5]200ml容三角フラスコ
に、ペンタデカン酸メチル7.69g(30mM)、イ
ソブチルアミン2.56g(35mM)、キャンディダ
・ホリオルム由来の固定化耐熱性リパーゼ1g、モレキ
ュラーシーブス5A10g、反応溶媒としてn−オクタ
ン60mlを採り、反応温度40℃で20時間、酵素反
応を行なった。その結果反応率は99.3%であった。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、脂肪酸アミドを酵素反
応により短時間でしかも高い含有率で合成できる。
フロントページの続き (72)発明者 北野 恭三 東京都墨田区本所1丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1) 【化1】 (但し、R1は炭素数5以上の一価炭化水素基、R2は低
    級アルキル基を示す。)で示される脂肪酸エステルと、
    下記一般式(2) 【化2】 (但し、R3は水素原子又は一価炭化水素基、R4は水素
    原子又は一価炭化水素基を示す。X1及びX2はそれぞれ
    水素原子又はメチル基であり、x,yはそれぞれ0〜1
    0、m,nはそれぞれ1〜5である。)で示されるアル
    キルモノアミン類及びエーテルアミン類並びに下記一般
    式(3) 【化3】 (但し、R5は水素原子又は一価炭化水素基、pは0〜
    10、qは2又は3、zは1,2又は3を示す。X1
    上記と同様の意味を示す。)で示されるアルキルポリア
    ミン類から選ばれる1種又は2種以上のアミンとを無溶
    媒下又は極性有機溶媒下に耐熱性リパーゼを作用させる
    ことを特徴とする脂肪酸アミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 耐熱性リパーゼがキャンディダ・アンタ
    ークティカ、キャンディダ・ツクバエンシス、キャンデ
    ィダ・オーリクラリアエ、キャンディダ・フミコーラ及
    びキャンディタ・ホリオルムが生産する少なくとも1種
    の耐熱性リパーゼである請求項1記載の製造方法。
JP34018291A 1991-11-29 1991-11-29 脂肪酸アミドの製造方法 Pending JPH05153985A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1999024599A1 (de) * 1997-11-10 1999-05-20 Cognis Deutschland Gmbh Enzymatisch-katalysierte n-acylierung von aminosäuren, proteinhydrolysaten und/oder deren derivaten
WO2021239335A1 (en) * 2020-05-26 2021-12-02 Rhodia Operations Method for preparing a fatty amidoalkyldialkylamine

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