JPH05153017A - 衛星通信方式及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 衛星通信において、単一のスポットビームに
より、効率良くパケットデータの通信を行う。 【構成】 アンテナ指向制御部１によりスポットビーム
アンテナ１１の指向を制御し、各地球局に対してスポッ
トビームを走査させる。スポットビームの領域に入って
いる地球局から送信されるパケットデータは、受信部１
２で受信され、復変調部２で復調された後にデータ蓄積
処理部３に送信先地球局別に一時蓄積される。このパケ
ットデータは、スポットビームが送信先地球局に走査さ
れた時点で、復変調部２で変調された後、送信部１３に
より送信される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、衛星通信方式に関し、
特に通信衛星によるデジタル通信方式及びその装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来の通信衛星による通信方式は、１つ
のビームで地球上の多数の地球局をカバーする広い照射
領域をもつグローバルビームを用い、照射領域内の複数
の地球局間を周波数分割多元接続、或いは時分割多元接
続により通信を行う方式、又は複数のスポットビームか
らなるマルチビームを用い、通信衛星の中継器にマイク
ロ波スイッチマトリクスを有することによりビーム間の
接続を行い、複数の地球局間を空間分割多元接続により
通信を行う方式であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来のグローバルビー
ム方式では、ビームの照射範囲が広いため、各地球局に
対する実効放射電力が低く、大型の地球局アンテナが必
要であった。

【０００４】また、１つのビームで複数の地球局をカバ
ーするため、周波数分割及び時分割等の手段により、各
地球局間の多元接続を行う必要がある。

【０００５】また、周波数分割では各データチャネルの
周波数帯域が狭く、多量データの伝送には適さない。

【０００６】また、時分割では、各地球局が割当てのス
ロットに対してデータを伝送する制御が必要であり、や
はり多量データの伝送には適さないといった問題があっ
た。

【０００７】また、マルチビーム方式で、各ビーム毎に
中継器（トランスポンダ）が必要であり、かつ各ビーム
間で接続するためのスイッチマトリクスが必要であるた
め、通信衛星の構造も複雑であり、しかも多数の中継器
による消費電力も大きいという問題点があった。

【０００８】本発明の目的は、効率良くパケットデータ
の通信を行う衛星通信方式及びその装置を提供すること
にある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係る衛星通信方式においては、通信衛星を
用いた衛星通信方式であって、通信衛星からの単一のス
ポットビームにより複数の地球局を走査し、通信を行う
ものである。

【００１０】また、本発明に係る衛星通信方式を実施す
る衛星通信装置は、アンテナ指向制御部と、受信部と、
復調部及びデータ蓄積部と、送信部とを有する衛星通信
装置であって、アンテナ指向制御部は、スポットビーム
アンテナの指向を制御し、各地球局に対してスポットビ
ームを走査させるものであり、受信部は、スポットビー
ムの領域に入っている地球局から送信される通信データ
を受信するものであり、復調部及びデータ蓄積部は、受
信部で受信した通信データを復調し、送信先地球局別に
一時蓄積し、送信時に通信データを出力するものであ
り、送信部は、スポットビームが送信先地球局に走査さ
れた時点で、復調部及びデータ蓄積部からの通信データ
を送信するものである。

【００１１】

【作用】単一のスポットビームにより、効率良くパケッ
トデータの通信を行う。

【００１２】

【実施例】次に本発明について図面を参照して説明す
る。図１は、本発明の一実施例を示す構成図である。

【００１３】図１において、通信衛星２０のアンテナ指
向制御部１によりスポットビームアンテナ１１の指向を
制御することにより、スポットビームで地表の地球局２
１〜２４を順次走査していく。

【００１４】各地球局２１〜２４では、自局がスポット
ビームの領域に入っている間に、通信衛星２０に対し
て、パケットデータの送信及び受信を行う。

【００１５】地球局２１〜２４から通信衛星２０に対し
て送信されたパケットデータは、受信部１２で中間周波
数に変換された後に復変調部３で復調され、データ蓄積
処理部２にて送信相手局別に蓄積される。

【００１６】スポットビームが走査され、送信先地球局
の領域に入ったことがアンテナ指向制御部１よりデータ
蓄積処理部２に知らされると、データ蓄積処理部２は、
パケットデータを復変調部３に渡す。パケットデータは
変調され、さらに送信部１３でダウンリンクの周波数に
変換された後に送信される。

【００１７】図２及び図３は、スポットビーム走査パタ
ーンの実施例を示す図である。

【００１８】図２は、各地球局２１〜２８に対し順次ス
ポットビームを走査し、各地球局２１〜２８と通信衛星
２０との間でデータの送受信を行う方法であり、地球局
から通信衛星に対し複数局宛のパケットを一度に渡す方
式である。

【００１９】図３は、単一の地球局宛のみのパケットを
通信衛星に渡す方式であり、パケットを受けとった通信
衛星は直ちに相手先地球局にスポットビームを走査し、
パケットを渡す。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、通信衛星
からのスポットビームで地表を走査することにより、ス
ポットビームの実効放射電力の効率の良さから地球局の
アンテナの小型化が可能となり、しかも中継器（トラン
スポンダ）が１本でも通信が可能であるため、通信衛星
の省電力化が行なえる。

【００２１】また、スポットビームの照射領域に対して
地球局を１局のみ対応させる場合には、中継器の全帯域
を１つのデータチャネルにできる。

【００２２】さらに、スポットビームの走査パターンの
設定により、トラフィック特性に対応した通信が可能と
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す構成図である。

【図２】図１に示した実施例におけるスポットビーム走
査パターンの例を示す図である。

【図３】図１に示した実施例におけるスポットビーム走
査パターンの例を示す図である。

【符号の説明】

１ アンテナ指向制御部 ２ データ蓄積処理部 ３ 復変調部 １１ スポットビームアンテナ １２ 受信部 １３ 送信部 ２０ 通信衛星 ２１〜２８ 地球局

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 通信衛星を用いた衛星通信方式であっ
   て、 通信衛星からの単一のスポットビームにより複数の地球
   局を走査し、通信を行うことを特徴とする衛星通信方
   式。
2. 【請求項２】 アンテナ指向制御部と、受信部と、復調
   部及びデータ蓄積部と、送信部とを有する衛星通信装置
   であって、 アンテナ指向制御部は、スポットビームアンテナの指向
   を制御し、各地球局に対してスポットビームを走査させ
   るものであり、 受信部は、スポットビームの領域に入っている地球局か
   ら送信される通信データを受信するものであり、 復調部及びデータ蓄積部は、受信部で受信した通信デー
   タを復調し、送信先地球局別に一時蓄積し、送信時に通
   信データを出力するものであり、 送信部は、スポットビームが送信先地球局に走査された
   時点で、復調部及びデータ蓄積部からの通信データを送
   信するものであることを特徴とする衛星通信装置。