JPH0515259Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔本考案の技術分野〕 本考案は、花束の改良、詳しくは、気密性に富
んだ風船を花束の包装体とする意外な利用方法を
採用することによつて、生花の枯凋を効果的に抑
制せしめた新しい形式の花束すなわちバルーン・
ブーケ（balloon bouquet）に関するものであ
る。

〔従来の技術、および解決すべき技術的課題〕

周知のとおり、幾本もの生花を結束した花束
（以下、「生花束」と称す）は、祝賀会、演奏会な
どの贈呈に使用されたり、あるいは病院などへの
見舞品として用いられたりして、深く日本人の生
活の中に根付いている。

ところが、これまでの生花束の包装は、単に包
装紙で包んだり、花籠やコンテナーに容れたりす
るといつた包装形態しか提案されていなかつたの
が実情である。このため従来、生花束を包装紙で
包んで持ち運ぶ際には、如何に注意深く取り扱つ
ても花が何処に接触して損傷したり、また日中に
持ち運んて時間が経過したりすると花が凋んでし
まつたりするといつた問題があつたし、また花籠
やコンテナーに容れて搬送する場合には、物体と
の接触による損傷は少なくなるけれども、やは
り、乾燥による枯凋の傾向は避けられず、そのう
え取出しや引渡しの際の取扱いの不便さは如何ん
とも為し難かつたのである。

本考案は、従来の生花束の包装ないしは製品形
態に前述のごとき難点があつたことに鑑みて為さ
れたもので、物体との接触による花の損傷が少な
く、しかも長時間持ち歩いても容易に花が凋んだ
りすることがない状態に包装された生花束を提供
することを技術的課題とするものである。

また、本考案の他の技術的課題は、引き渡しの
際に手から手へスマートに授受することができる
デザイン的にも携帯性にも秀れた生花束を提供す
るにある。

さらに本考案の他の技術的課題は、外装体を然
り気なく破裂させ内部の生花束を唐突に露呈させ
て演出効果を醸し出すことができる意外性に富ん
だバルーン・ブーケを提供するにある。

〔課題解決のために採用した手段〕

本考案者が前述の技術的課題を解決するために
採用した手段を、添附図面を参照して説明すれ
ば、次のとおりである。

即ち、本考案は、膨圧状態の風船１の中に、当
該風船エア注入ニツプル部１１へ茎幹下部２１を
インサート支持せしめた状態で生花束２を封入す
るという花束包装手段を採用したことによつて前
述の技術的課題を満足できるバルーン・ブーケを
実現したのである。

〔実施例〕

以下、本考案を添附図面に示す実施例に基い
て、更に詳しく説明する。なお、第１図は本考案
の実施例を示す斜視説明図、第２図はエア注入ニ
ツプル部分を縦に切断して示した一部立断面図で
ある。

図面上、符号１で指示するものは、エア注入ニ
ツプル部１１から空気を注入して膨圧状態に膨ら
ませた透明の風船である。

符号２で指示するものは、適当な種類の生花を
取り合わせて成る生花束であり、その茎幹下部２
１は上記風船１のニツプル部１１にインサート支
持されている。なお、図中の符号３で指示するも
のは、生花束２の茎幹下部２１を被包する保護筒
である。第１図に示す如き、実施例のバルーン・
ブーケは、本考案者が別に特許出願している特開
平３−85193号公報記載の方法によつて作ること
ができる。即ち、合着させることによりチヤンバ
ーを形成する一対の半球形のボツクスピースであ
つて、その一方のボツクスピースには上記風船１
のニツプル部１１が冠着可能な筒口部を設けた装
置を用いると簡単である。この特開平３−85193
号公報記載の方法によれば、前記ボツクスピース
の筒口部から半球チヤンバー内に風船の袋部を挿
入して当該風船のニツプル部を前記筒口部の外口
縁に折り返して冠着せしめる。つぎに、この風船
ニツプル部から空気を送入して袋部を膨張させ、
膨張状態のまゝもう一方の半球形ボツクスピース
を合着させて、両ボツクスピースが形成するチヤ
ンバー内に膨張状態の風船袋部を閉じ込めると、
当該風船はニツプル部が開口していても萎むこと
なく保持される。

そこで、生花束２の茎幹下部２１を保護筒３で
束ねた状態で、当該生花束２を頭部からニツプル
部１１へ差し込むと、第１図に示すようなバルー
ン・ブーケが出来上がるのである。

本実施例生花束は概ね上記のように構成される
が、本考案は前述の実施例に限定されるものでは
決してなく、「実用新案登録請求の範囲」の記載
内において種々の変形が可能であつて、上記実施
例においては風船１として透明のものを採用して
いるが、着色不透明の風船を用いると内包されて
いる生花の種類が伏せておくことができるので、
贈られる人の前で当該風船を破裂させれることに
よつて花束授受の際に意外の演出効果を醸成する
ことができ、 また、風船１の内部に香料を封入しておいた
り、あるいは活力付与材を封入したりするといつ
た付加変更は、本考案者の当然な予見事項であ
り、本考案の技術的範囲に属する。

〔本考案の効果〕

以上実施例をもつて説明したとおり、本考案バ
ルーン・ブーケは生花束が膨圧状態の風船によつ
て被包されているので、持運びの際に物体に接触
しても風船が具有しているクツシヨン性によつて
花弁が保護されることゝなり損傷を受けることが
なく、 また、風船自体は頗る気密性に富んでいるの
で、生花の水分揮散がなく、長時間持ち歩いて水
の補給が為されなくても容易に枯凋することがな
い。

さらに本考案バルーン・ブーケは、外観的には
風船に似ているけれども、内包された生花束によ
つて適当な重みが与えられ、しかも内部の生花が
ゴム状皮膜によつて遮断されているので、引き渡
しの際に衣服類を濡らしたり汚損したりすること
なく手から手へスマートに授受することができる
のに加え、外装体を成す風船を不透明にして内部
の生花束を透視できないようにしておけば、内部
の生花束を風船破裂によつて唐突に露呈させるこ
とも可能となるので、演出用具としても興味深い
商品となろう。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す斜視説明図、第
２図はエア注入ニツプル部分を縦に切断して示し
た一部立断面図である。 １……風船、１１……エア注入ニツプル部、２
……生花束、２１……（生花束の）茎幹下部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 膨圧状態の風船１の中に、当該風船エア注入ニ
   ツプル部１１へ茎幹下部２１をインサート支持せ
   しめた状態で生花束２全体を被包封入して成るこ
   とを特徴とするバルーン・ブーケ。