JPH05142289A - ガス封入電気機器の異常検出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガス封入電気機器の異常検出として電気的検
出方法と分解生成物の濃度の測定による方法を同時に自
動で行い精度の高い監視をする。 【構成】 構成部品１１を内部に収容した六フッ化硫黄
ガス封入電気機器の密閉容器１０にガス採取路１３と弁
１４と、弁１４の出口にガス検知部１５を取り付ける。
ガス検知部１５は、呈色反応法を利用した検知管などを
用いる。一方密閉容器１０の内部で部分放電や過熱が発
生すると接地線２０には正常時と異なる電流が流れる。
この電流を電流検出器２１で検出して、検出値をレベル
判定部２２にとりこみ、基準値と比較して超過時には弁
駆動部２３により弁１４を開閉する。弁１４が動作して
ガス採取路１３が開くとガス検知部１５には分解生成物
を含んだ封入ガスが流入する。この分解生成物を含んだ
封入ガスは検知管で化学的な呈色反応を示すため、その
変色範囲を外部から確認し異常の有無を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば六フッ化硫黄な
どの電気絶縁ガスを用いた開閉装置や変圧器の、部分放
電や過熱などの内部異常を検出する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ガス封入電気機器の異常検出方法として
は、部分放電を検出するための、接地線電流センサやア
ンテナなどによる電気的検出方法や、超音波による音響
的な方法、微小発光を検出する光学的な方法などが用い
られているが、いずれも十分な検出性能を有しておら
ず、異常時に発生するガスの分解生成物の濃度を測定す
ることにより判断を下している場合が多い。分解生成物
の濃度を測定する方法としては、化学的な呈色反応を利
用した検知管を利用し、これを経由して内部ガスを放出
させることにより、変色範囲から定量的な測定を行う方
法が用いられている。図２は従来の部分放電や過熱によ
る封入ガス１２の化学的変化を測定する方法で密閉容器
１０に電気的な構成部品１１を配したガス封入電気機器
において、分解生成物の濃度を検出するため、ガス採取
路１３に設けた手動弁３０を定期的に開いて封入ガス１
２を採集し測定を行っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述した
従来の分解生成物の濃度の測定は、検知管を常備し、点
検時にはその検知管を機器に取付けて、ガスを放出させ
るために手動で弁を開く操作が必要であり、保守の手間
や作業者の熟練度による制約が大きい。また、ガス封入
電気機器では通常、分解生成物や混入水分を除去するた
めの吸着剤が容器内に収納されており、内部異常により
発生した分解生成物の濃度は時間とともに減少し、異常
検出が困難になる場合もある。そこで本発明は、ガス封
入電気機器の異常徴候を検出すると、自動的に弁が開い
てガス分解生成物の濃度を測定できる、ガス封入電気機
器の異常検出装置を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明においては、ガス
封入電気機器の密閉容器内で内部の部分放電や過熱によ
り発生する分解生成物を含んだガスを、ガス検知部に導
入させるガス採取路を設け、上記分解生成物を含んだガ
スを自動的にガス検知部に導入するための弁を取り付け
て、弁が開くとガスがガス検知部に導入されてガスの分
解生成物の濃度を測定する。上述の自動的に弁を開閉す
る手段として、密閉容器の接地線に流れる電流を電流検
出器で検知して、この検出値が基準値を越えたことをレ
ベル判定部で判定し、弁駆動部で弁を自動的に開き必要
量のガスがガス検知部に導入されると弁が閉じる構造と
する。

【０００５】

【作用】上述のように構成した本発明のガス封入電気機
器の異常検出装置においては、密閉容器内の部分放電や
過熱の徴候として発生する密閉容器の接地線に流れる電
流の増加を電流検出器で検出する。レベル判定部では、
その検出値をあらかじめ設定しておいた基準値と比較し
て、超過の有無を判定し、超過が発生した場合には弁駆
動部が動作して弁が自動的に開き、密閉容器内の分解生
成物を含んだガスがガス採取路に流入してガス検知部に
導入され、必要量の分解生成物を含んだガスが検知部に
導入されると今度は自動的に弁を閉じる。ガス検知部に
導入された分解生成物を含んだガスの濃度を測定するこ
とにより異常の有無の確認をすることができる。

【０００６】

【実施例】図１は本発明の異常検出装置の一例で、密閉
容器１０内に電気的な構成部品１１と分解生成物や混入
水分を除去するための吸着剤１６を配し、その空隙部に
は、六フッ化硫黄などのガス１２を封入し、密閉容器１
０の外側にはガス採取路１３を設けて弁１４を取り付け
るとともに、弁１４の出口側にガス検知部１５を取り付
ける。ガス検知部１５としては呈色反応法を利用した検
知管などを用いる。一方、密閉容器１０の接地線２０に
流れる電流を電流検出器２１で検出し、検出値をレベル
判定部２２へとりこみ、基準値と比較して超過時には弁
駆動部２３により前記弁１４を開閉する。

【０００７】次に本構成における検出動作について説明
する。ガス封入電気機器の密閉容器１０の内部で部分放
電や過熱が発生すると、正常時とは異なった高周波電流
が接地線２０を通じて大地に流れる。この高周波電流を
電流検出器２１で検出し、検出された高周波電流をレベ
ル判定部２２で基準値と比較し、基準値を越えると弁駆
動部２３の制御信号で弁１４が動作してガス採取路１３
を開きガス検知部１５に分解生成物を含んだ封入ガスを
導入する。一方密閉容器１０の内部では部分放電や過熱
によって、六フッ化硫黄ガスと混入水分との化学的な反
応が生じ、四フッ化硫黄や二酸化硫黄が発生する。これ
らの分解ガスを含んだ六フッ化硫黄ガスは、前記弁１４
の開路によりガス採取路１３を経由してガス検知部１５
として用いた検知管に達する。検知管の化学的な呈色反
応に必要なガスの供給量は、弁駆動部２３で供給時間を
設定し上述の弁１４を開いた時と逆の制御信号で弁１４
を閉じる。ガス検知部１５に導入されたガスは、分解生
成物の濃度を測定する手段として検知管を用い、その変
色範囲を外部から確認することにより濃度の測定を行
い、異常の有無を検出できる。

【０００８】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は接地線電
流が基準値を超過した時に、自動的にガス分解生成物の
濃度測定を行えるようにしたので、異常発生の有無を常
時自動監視でき、保守の手間や作業者の熟練度の問題も
解決する。また電気的検出方法と分解生成物の濃度を測
定する方法を同時に行うことで異常検出の精度も向上し
て、信頼性の高い監視を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の異常検出装置の一例を示す図である。

【図２】従来の検出方法を示す図である。

【符号の説明】

１０ 密閉容器 １１ 構成部品 １２ 封入ガス １３ ガス採取路 １４ 弁 １５ ガス検知部 １６ 吸着剤 ２０ 接地線 ２１ 電流検出器 ２２ レベル判定部 ２３ 弁駆動部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 密閉容器内に電気的な構成部品を配置
   し、空隙部にガスを封入した電気機器において、 上記密閉容器からガスを採取するガス採取路と、このガ
   ス採取路を開閉する弁と、この弁が開かれることにより
   上記密閉容器から上記ガス採取路に導入されたガス中に
   特定の成分が有るか否かを検知するガス検知部と、上記
   密閉容器の接地線に流れる電流を検知する電流検出器
   と、この電流検出器の検出値が基準値を越えたことを判
   断するレベル判定部と、検出値が基準値を越えた時に前
   記弁を開路する弁駆動部とを設けた、 ガス封入電気機器の異常検出装置。