JPH05140757A - デイスク用メツキ基盤の製造方法 - Google Patents

デイスク用メツキ基盤の製造方法

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JPH05140757A
JPH05140757A JP3326594A JP32659491A JPH05140757A JP H05140757 A JPH05140757 A JP H05140757A JP 3326594 A JP3326594 A JP 3326594A JP 32659491 A JP32659491 A JP 32659491A JP H05140757 A JPH05140757 A JP H05140757A
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JP
Japan
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plating
film
polishing
plating film
disk
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JP3326594A
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English (en)
Inventor
Yutaka Nagakura
豊 永倉
Kozo Hoshino
星野晃三
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディスク用メッキ基盤の製造方法 【構成】 Mg:3〜5%、Zn:0.15〜0.5%、Cu:
0.15%以下、Fe:0.07%以下及びSi:0.06%
以下で、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミ
ニウム合金板を、常法に従って前処理、Ni−Pメッキ
を行うに際して、メッキ浴のpHを4.5以下に管理す
ることを特徴としている。これにより、下地メッキ膜の
研磨を高速にて行うことができる。更にはメッキ膜の耐
熱性が向上することにより、磁性膜をより高温にて形成
させることが可能となる。これらの効果により、メッキ
工程でのコストダウンが可能となり、特に高級品向きの
磁気ディスクや光ディスク等の素材及び製造方法として
最適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はディスク用メッキ基盤に
関し、更に詳細には、メッキ膜の研磨速度が速いNi−
P基盤に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、コンピュータの記録媒体として
使用される磁気ディスク等の基盤材としては、軽量、
非磁性、高速回転に耐える剛性を有する、精密加
工、研磨により良好な表面精度が簡単に得られる、等の
理由により、アルミニウム合金が用いられている。
【0003】近年、コンピュータ等に用いられる磁気デ
ィスクは高密度記録化への要求により、塗布型メディア
から薄膜メディアの切替えが進行した。この薄膜メディ
アは、アルミニウム合金基盤上にNi等のメッキ、所謂
下地メッキを行い、そのメッキ膜をアルミナ等により研
磨し、メッキ膜表面を平滑とした後、磁性膜を下地メッ
キ表面に形成させることにより作成する。この工程にお
いて、下地メッキは硬度及び表面平滑性を得るために施
される。しかし、下地メッキを施したままではメッキ欠
陥、例えばメッキ面の突起(ノジュール)又はメッキ面の
窪み(ピット)、更にアルミニウム合金基盤作成時の切削
もしくは研削により生じるアルミニウム合金板上の溝に
沿って形成されるメッキ膜の凹凸のために、メッキ面が
平滑でなく、メッキ表面に磁性膜を形成させても磁気デ
ィスクとして用いることができない。そこで、下地メッ
キ表面を研磨し、メッキ面に生じた欠陥や凹凸を除去す
ることが必須とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現在、磁気ディスクに
はコストダウンが求められており、この目的のため、下
地メッキ量の低減、かつ下地メッキ研磨代の低減が行わ
れている。その一方で、下地メッキ研磨代を低減すれば
メッキ欠陥を除去し難くなり、製品歩留りが低下すると
いう問題が生じる。そこで、例えば特願昭63−262
650号の如く、メッキ膜研磨代を低減させるための改
善がアルミニウム合金、そしてメッキ工程に加えられて
きた。しかし、これらの改善にも拘らずメッキ欠陥を皆
無化すること、すなわち、メッキ研磨は必須であること
が判明した。
【0005】また、高級品向けディスク材では、高信頼
性が要求されるために、厚くメッキを行い、大量に研磨
する必要があり、コストダウンが難しくなっている。
【0006】本発明は、上記従来技術の問題点を解決
し、ディスク用アルミニウム合板基盤の製造において、
下地メッキ膜の欠陥が少なく、下地メッキ膜の研磨工程
をコストダウンできる方法を提供することを目的とする
ものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述のよ
うな実情を鑑みて、種々研究を重ねた結果、メッキ欠陥
を皆無化することができないのならば、コストダウンの
ためにはメッキ膜研磨速度が高速となればメッキ膜研磨
工程を短縮できる、すなわち、生産効率が向上しコスト
ダウンが可能となることを見い出した。更にこのメッキ
膜研磨速度は、アルミニウム合金基盤中のCu、Zn量と
関係があり、更にNiメッキ膜中のP濃度と相関がある
ことが判明し、ここに本発明をなしたものである。
【0008】すなわち、本発明は、Mg:3〜5%、Zn:
0.15〜0.5%、Cu:0.15%以下、Fe:0.07%
以下及びSi:0.06%以下で、残部がAl及び不可避的
不純物からなるアルミニウム合金板を、常法に従って前
処理、Ni−Pメッキを行うに際して、メッキ浴のpH
を4.5以下に管理することを特徴とするメッキ膜の研
磨速度の速いディスク用メッキ基盤の製造方法を要旨と
するものである。
【0009】以下に本発明を更に詳述する。
【作用】
【0010】まず、本発明における化学成分の限定理由
について説明する。
【0011】Zn:Znはメッキ膜高速研磨性を付与する
ために必要な元素であり、0.15%以上添加する。こ
れは、Zn添加によってメッキ膜とアルミニウム合金板
との密着性が向上する、すなわち、Zn添加はメッキ前
処理時の均一エッチング性を向上させ、更に亜鉛の基盤
表面への均一微細な析出の効果を有するためである。更
に、Zn添加の効果として、アルミニウム合金板の強度
が増加し、このためメッキ膜研磨工程において下地メッ
キを付与したアルミニウム合金板に加えられる圧力が逃
げることを防止するためである。但し、Zn量が0.5%
を超えると、多数のノジュールが生じたり、結晶粒界の
エッチング性が過剰となってメッキ面平滑性を損ねる。
ノジュール等のメッキ欠陥が多数生じると、メッキ膜研
磨速度を速くしても、それだけ多くメッキ膜を削り落さ
なければならず、また歩留り低下につながるため、本発
明の目的から外れてしまう。したがって、Zn量は0.1
5〜0.5%の範囲とする。
【0012】Mg:Mgは機械的強度を付与するのに必要
な元素である。しかし、添加量が3%より少な過ぎると
強度の付与が不十分となり、また5%を超えて過剰に添
加すると圧延時の耳割れ、溶解・鋳造時にMgO等の非金
属介在物発生の原因となる。したがって、Mg量は3〜
5%の範囲とする。
【0013】Fe:Feはアルミニウム合金板の加工性を
上げるために溶解鋳造時に添加するが、添加しすぎると
Al−Fe系晶出物の寸法が大きくなり、また個数が増加
する。このAl−Fe系晶出物で粗大なものはメッキ欠陥
の原因となるため、添加量を抑制し、0.07%以下と
する。なお、下限については特に定めないが、FeはAl
地金中に不純物として混入しているため、経済的な面か
ら0.003%以上が望ましい。
【0014】Si:Siは地金不純物としてアルミニウム
合金板中に混入する元素である。Si量はMg−Si系晶
出物分布に大きな影響を与え、Si量が多いと粗大なMg
−Si系晶出物が生じる。粗大なMg-Si系晶出物はメッ
キ欠陥の原因となるため、添加量を抑制し、0.06%
以下とする。なお、下限については特に定めないが、S
iはAl地金中に不純物として混入しているため、経済的
な面から0.005%以上が望ましい。
【0015】Cu:Cu量はメッキ膜研磨速度に影響を及
ぼす元素である。これは、Cu添加により、メッキ膜と
アルミニウム合金板との密着性が向上する、すなわち、
Cu添加はメッキ前処理時の均一エッチング性を向上さ
せ、更に亜鉛の基盤表面への均一微細な析出の効果を有
するためである。更にCu添加の効果として、アルミニ
ウム合金板の強度が増加し、このためメッキ膜研磨工程
において下地メッキを付与したアルミニウム合金板に加
えられる圧力が逃げることを防止するためである。しか
し、0.15%を超えて添加すると、粒界エッチングの
原因となり、歩留り低下の原因となる。研磨速度増加の
効果より、歩留り低下による悪影響の方が大きいため、
Cu量は0.15%以下とする。
【0016】なお、不純物のうち、Mn、Cr、Ti等に
ついては、再結晶粒の微細化や高温熱処理時の結晶粒成
長防止或いは鋳造組織微細化等の効果があるが、多量に
含有すると粗大な晶出物が生じたり、インクルージョン
の原因となる等の問題があるので、Mn≦0.4%、Cr
≦0.1%、Ti≦0.1%が望ましい。
【0017】次に、本発明に係るディスク用メッキ基盤
の製造方法、特に前処理、下地メッキ方法について説明
する。
【0018】メッキに先立って、常法に従って脱脂、酸
エッチング、亜鉛置換等の前処理を行い、その上に、N
i−Pの非磁性のメッキ皮膜を形成させる。前処理にお
けるエッチングはマイルドエッチング(エッチング量3
〜10mg/dm2)が望ましいが、強エッチング(エッチン
グ量11mg/dm)でもよい。
【0019】但し、アルミニウム基盤にメッキを施す際
は、メッキ液のpHを4.5以下とする必要がある。こ
れは、メッキ液のpHが低い程、Ni−Pメッキ膜中の
P濃度が増加し、ディスクの研磨度が増加するためであ
る。すなわち、メッキ皮膜中のP濃度が増加すると、P
原子が存在している硬い領域が増し、そのため下地メッ
キ膜の粘さが減少し、メッキ膜の研磨が行い易くなるた
めである。またP濃度が増加すると、下地メッキ膜の耐
熱性が向上し、磁性膜を付与する際の温度を上げること
ができるというメリットもある。
【0020】他のメッキ条件は特に制限されないが、メ
ッキ皮膜の厚さが5μm以下では、前処理の影響でディ
スク表面の粗さが大きく、マイクロピットも残存し易
く、同時に仕上研磨白も少なくせざるを得ず、粗さの小
さい均一なメッキ皮膜が得られ難い。更にディスク基盤
には表面強度が必要であり、この点からも5μm以上が
望ましい。またメッキ皮膜の厚さは厚くなっても特に性
能が低下することはないが、余り厚く下地メッキを付与
すると経済的に不利となるため、50μm以上とするこ
とは好ましくない。
【0021】また、メッキ膜研磨の条件も特に制限され
ないが、本発明によれば、メッキ膜研磨速度を速くする
ことができる利点がある。
【0022】次に本発明の実施例を示す。
【0023】
【実施例】メッキ膜研磨速度に及ぼすアルミニウム合金
中のCu、Znの影響を調査するため、以下の実験を実施
した。
【0024】
【表1】 に示す化学成分を有するアルミニウム合金について、鋳
造後、均熱処理を施し、その後熱間冷間圧延を行って板
厚2mmとした。これらの板材を打ち抜いた後、歪み取り
焼鈍を行い、外径95mm、内径30mmの中空円盤を得
た。更に円盤の表面を切削加工して板厚1.25mmの磁
気ディスク用アルミニウム合金を製造した。その後、フ
ェデルティー社(米国)の市販メッキ液を用いて、メッキ
を行った。以下にメッキ工程を示す。
【0025】メッキ工程(処理液):脱脂(3132)→酸
エッチング(3133)→硝酸洗浄(50%硝酸)→第一亜
鉛置換(3116)→硝酸剥離(50%硝酸)→第二亜鉛置
換:3116→Ni−Pメッキ(4855)(メッキ液p
H:4.4)。
【0026】その後、メッキ膜研磨を行い、研磨速度を
測定した。測定方法としては、粗研磨用のアルミニウム
混濁液(商品名:メディポールN08)を使用し、5分間
研磨を行って、研磨前後の重量から研磨量を調査した。
この研磨法により、研磨代が4μm以上の場合を○(優れ
る)、3.5〜4μmの場合を△(やや劣る)、3.5μm以
下の場合を×(劣る)にて研磨速度を評価した。この結果
を表1に示す。
【0027】また、メッキ欠陥は、メッキ面をアルミナ
粉を用いて0.1μm研磨した後、表面を観察し調査し
た。観察には光学顕微鏡を使用し、640倍の倍率で3
3ヵ所観察し(1.0mm2の面積)、6μm以上のノジュー
ル(突起状のメッキ欠陥)のない場合を○(優れる)、30
個以下の場合を△(やや劣る)、60個以上の場合を×
(劣る)とした。その結果を表1に示す。
【0028】また、メッキ膜研磨速度に及ぼす下地メッ
キ膜中のP濃度の影響を調査した。測定方法としては、
メッキ膜中のP濃度を測定した後、上記方法により5分
間研磨を行い、研磨前後の重量から研磨量を調査した。
その結果を
【表2】 に示す。
【0029】表1から、本発明例は、メッキ膜研磨が高
速度にて行われることがわかる。もっとも、アルミニウ
ム合金組成が本発明範囲外である比較例のうちでも、本
発明例と同様の研磨速度のもの(比較例No.3)がある
が、この比較例では、メッキ欠陥が多数発生しており、
結果として研磨速度の増加により、メッキ工程でのコス
トダウンを可能にできない。
【0030】また表2から、メッキ膜が高速に行われる
ためには、メッキ膜中のP濃度が高く、すなわち、メッ
キ液のpHが低いことが必要なことがわかる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ディスク用アルミニウム合金基盤において、Znを必須
元素として含有させると共に適量のMg、Cuを含有さ
せ、更に不純物のうちのFe、Siを規制した成分調整を
行い、更にメッキ条件としてメッキ液pHを4.5以下
に規制することにより、下地メッキ膜の研磨を高速にて
行うことができる。更にはメッキ膜の耐熱性が向上する
ことにより、磁性膜をより高温にて形成させることが可
能となる。これらの効果により、メッキ工程でのコスト
ダウンが可能となり、特に高級品向きの磁気ディスクや
光ディスク等の素材及び製造方法として最適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で(以下、同じ)、Mg:3〜5%、
    Zn:0.15〜0.5%、Cu:0.15%以下、Fe:0.0
    7%以下及びSi:0.06%以下で、残部がAl及び不可
    避的不純物からなるアルミニウム合金板を、常法に従っ
    て前処理、Ni−Pメッキを行うに際して、メッキ浴の
    pHを4.5以下に管理することを特徴とするメッキ膜
    の研磨速度の速いディスク用メッキ基盤の製造方法。
JP3326594A 1991-11-14 1991-11-14 デイスク用メツキ基盤の製造方法 Pending JPH05140757A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010121151A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Fuji Electric Systems Co Ltd 表面処理方法
JP2013012740A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Samsung Electro-Mechanics Co Ltd プリント回路基板の無電解表面処理めっき層及びその製造方法

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JP2010121151A (ja) * 2008-11-17 2010-06-03 Fuji Electric Systems Co Ltd 表面処理方法
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