JPH05137802A - 生体注入用温熱素子 - Google Patents
生体注入用温熱素子Info
- Publication number
- JPH05137802A JPH05137802A JP32963791A JP32963791A JPH05137802A JP H05137802 A JPH05137802 A JP H05137802A JP 32963791 A JP32963791 A JP 32963791A JP 32963791 A JP32963791 A JP 32963791A JP H05137802 A JPH05137802 A JP H05137802A
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- JP
- Japan
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- thermotherapy
- living body
- injector
- magnetic field
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- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 カテーテルや留置針で注入でき、癌化学的塞
栓療法と温熱療法の併用治療を1つの素子で行いえる温
熱素子。 【構成】 42°〜90℃のキュリー温度を有する酸化
物磁性材料を円盤状、厚さと直径のアスペクト比1〜1
0、直径30〜100μm に加工した生体注入用温熱素
子。
栓療法と温熱療法の併用治療を1つの素子で行いえる温
熱素子。 【構成】 42°〜90℃のキュリー温度を有する酸化
物磁性材料を円盤状、厚さと直径のアスペクト比1〜1
0、直径30〜100μm に加工した生体注入用温熱素
子。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生体注入用温熱素子に
関するものであり、詳しくは癌などの悪性腫瘍治療法の
1種であるハイパーサーミア(温熱療法)における磁気
誘導方式において、局部加熱用インプラント材料として
使用でき、且つ化学的塞栓療法のコア素子として使用で
きる生体注入用温熱素子に関するものである。
関するものであり、詳しくは癌などの悪性腫瘍治療法の
1種であるハイパーサーミア(温熱療法)における磁気
誘導方式において、局部加熱用インプラント材料として
使用でき、且つ化学的塞栓療法のコア素子として使用で
きる生体注入用温熱素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】癌化学療法における薬剤投与方法は、注
射器での静脈注入による全身への投与が普通である。し
かし、投与する薬剤の毒性による副作用が問題となって
いる。即ち、抗癌剤は、その由来と作用の如何に関わら
ず、腫瘍細胞と正常細胞のそれぞれに対する毒性発揮値
が近似しているためである。従って、いかに抗癌剤を癌
細胞に選択的に集中させ、長時間作用させるかという事
が課題となっている。
射器での静脈注入による全身への投与が普通である。し
かし、投与する薬剤の毒性による副作用が問題となって
いる。即ち、抗癌剤は、その由来と作用の如何に関わら
ず、腫瘍細胞と正常細胞のそれぞれに対する毒性発揮値
が近似しているためである。従って、いかに抗癌剤を癌
細胞に選択的に集中させ、長時間作用させるかという事
が課題となっている。
【0003】上記課題解決の方法として、マイクロカプ
セル、マイクロスフィアの研究が行われている。マイク
ロカプセルは、抗癌剤をカプセル中に入れ、カプセルの
外壁を通して抗癌剤が生体内に徐放出来る機構を持つも
のである。また、マイクロカプセル自身には腫瘍指向性
が無いため、腫瘍支配動脈への選択的注入による化学塞
栓療法の応用が主である。しかし、マイクロカプセルに
おける抗癌剤投与の制御は、その外壁構成物質の物理・
化学的性質と構造によって決定され易く、人為的な投与
制御が出来ないという欠点を持っている。
セル、マイクロスフィアの研究が行われている。マイク
ロカプセルは、抗癌剤をカプセル中に入れ、カプセルの
外壁を通して抗癌剤が生体内に徐放出来る機構を持つも
のである。また、マイクロカプセル自身には腫瘍指向性
が無いため、腫瘍支配動脈への選択的注入による化学塞
栓療法の応用が主である。しかし、マイクロカプセルに
おける抗癌剤投与の制御は、その外壁構成物質の物理・
化学的性質と構造によって決定され易く、人為的な投与
制御が出来ないという欠点を持っている。
【0004】マイクロスフィアは、血液循環系造影剤と
して使用されているアルブミン小球体に抗癌剤を含有分
散させた粒子である。しかし、アルブミン小球体は、水
溶液中で膨潤または溶解する事もあるので含有薬物の放
出挙動は複雑なものとなり、人為的放出制御をする事は
難しい。
して使用されているアルブミン小球体に抗癌剤を含有分
散させた粒子である。しかし、アルブミン小球体は、水
溶液中で膨潤または溶解する事もあるので含有薬物の放
出挙動は複雑なものとなり、人為的放出制御をする事は
難しい。
【0005】何らかの方法で人為的に、抗癌剤を放出す
る機構として、磁性材料を応用した薬剤放出素子が実開
平2−35750公報に記載されている。この素子は、
フェライト焼結体のため生体内に埋め込むためには切開
手術を必要とする。更に、薬剤放出制御は磁場印加によ
る磁性体の発熱で行っているが、フェライト焼結体のた
め磁場印加方向により焼結体の発熱が違うため実際の放
出制御は難しいと考えられる。
る機構として、磁性材料を応用した薬剤放出素子が実開
平2−35750公報に記載されている。この素子は、
フェライト焼結体のため生体内に埋め込むためには切開
手術を必要とする。更に、薬剤放出制御は磁場印加によ
る磁性体の発熱で行っているが、フェライト焼結体のた
め磁場印加方向により焼結体の発熱が違うため実際の放
出制御は難しいと考えられる。
【0006】近年、癌の化学療法と温熱療法との併用に
よる癌治療効果が判明してきている。併用による癌細胞
の致死効果増強の理由として、温熱による高感受性癌細
胞周期(細胞齢)と抗癌剤による高感受性癌細胞周期の
差異による補償作用、抗癌剤効果低下時の加温による癌
再発防止、及び加温による抗癌剤の癌細胞膜透過性が増
すことが挙げられる。
よる癌治療効果が判明してきている。併用による癌細胞
の致死効果増強の理由として、温熱による高感受性癌細
胞周期(細胞齢)と抗癌剤による高感受性癌細胞周期の
差異による補償作用、抗癌剤効果低下時の加温による癌
再発防止、及び加温による抗癌剤の癌細胞膜透過性が増
すことが挙げられる。
【0007】局所温熱療法は、一般に電磁波を利用する
ことが多く、高周波化すれば局所加温は可能であるもの
の深部加温が困難になり、低周波化すれば深部加温は容
易になるが加温範囲が広くなるという本質的な問題を有
している。また、生体内部の温度を測定して、その測定
温度によって電磁波出力にフィードバック制御をしなけ
れば生体の加温箇所の温度が上昇し過ぎるため生体に害
を及ぼす可能性がある。
ことが多く、高周波化すれば局所加温は可能であるもの
の深部加温が困難になり、低周波化すれば深部加温は容
易になるが加温範囲が広くなるという本質的な問題を有
している。また、生体内部の温度を測定して、その測定
温度によって電磁波出力にフィードバック制御をしなけ
れば生体の加温箇所の温度が上昇し過ぎるため生体に害
を及ぼす可能性がある。
【0008】これらの電磁波を応用した加温療法の問題
点をカバーすべく近年開発されつつあるのが、ソフトヒ
ーテイング法と呼ばれる方法である。この方法では感温
性磁性材料を生体内の腫瘍部に埋め込み、高周波磁界で
励磁することによって発生するヒステリシス損失等を発
熱源として利用し加温するものである。この方法によれ
ば、治療温度は、感温素子のキュリー温度により決まる
ため電磁波出力の調整をする必要がないことを特徴とし
ている。
点をカバーすべく近年開発されつつあるのが、ソフトヒ
ーテイング法と呼ばれる方法である。この方法では感温
性磁性材料を生体内の腫瘍部に埋め込み、高周波磁界で
励磁することによって発生するヒステリシス損失等を発
熱源として利用し加温するものである。この方法によれ
ば、治療温度は、感温素子のキュリー温度により決まる
ため電磁波出力の調整をする必要がないことを特徴とし
ている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、抗癌剤の局所的投与を人為的に制御し、生
体内への埋め込みはできるだけ患者にダメージを与えな
いように、カテーテルや留置針で注入でき、且つ、電磁
波出力調整と温度計測の必要がないソフトヒーティング
法による局所加熱を行おうとするものである。
する課題は、抗癌剤の局所的投与を人為的に制御し、生
体内への埋め込みはできるだけ患者にダメージを与えな
いように、カテーテルや留置針で注入でき、且つ、電磁
波出力調整と温度計測の必要がないソフトヒーティング
法による局所加熱を行おうとするものである。
【0010】従って、本発明の目的は、磁気誘導方式に
おけるソフトヒーティング法において、局部加熱用イン
プラント材料として使用でき、且つ生体注入が可能な温
熱素子を提供することである。
おけるソフトヒーティング法において、局部加熱用イン
プラント材料として使用でき、且つ生体注入が可能な温
熱素子を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め種々検討した結果、42℃乃至90℃のキュリー温度
を有し、素子形状が円盤状で、厚さと直径のアスペクト
比(直径/厚さ)が1〜10で、直径の範囲が30〜1
00μm である酸化物磁性材料は、注射器による注入が
可能であることを確認し、更に、生理食塩水中において
200kHz ・ 3400 A/m の高周波磁界を印加した
時、本発明の温熱素子が加熱され温熱療法が可能である
ことを確認し、本発明を完成した。
め種々検討した結果、42℃乃至90℃のキュリー温度
を有し、素子形状が円盤状で、厚さと直径のアスペクト
比(直径/厚さ)が1〜10で、直径の範囲が30〜1
00μm である酸化物磁性材料は、注射器による注入が
可能であることを確認し、更に、生理食塩水中において
200kHz ・ 3400 A/m の高周波磁界を印加した
時、本発明の温熱素子が加熱され温熱療法が可能である
ことを確認し、本発明を完成した。
【0012】本発明において、素子形状は、円盤状で円
盤の最大直径と厚さとのアスペクト比は1〜10である
必要がある。1以下では高周波磁界を印加した時に発熱
速度が遅くなり10以上であると素子の流動性が悪くな
り注射器による注入が難しくなる。好ましいアスペクト
比は3〜5である。
盤の最大直径と厚さとのアスペクト比は1〜10である
必要がある。1以下では高周波磁界を印加した時に発熱
速度が遅くなり10以上であると素子の流動性が悪くな
り注射器による注入が難しくなる。好ましいアスペクト
比は3〜5である。
【0013】また、素子の粒径が30μm 以下であると
高周波磁界を印加した時に発熱速度が遅くなり、100
μm 以上になると素子の流動性が悪くなり注射器による
注入が難しくなり、抗癌剤を被覆すると注射器による注
入が困難になる。好ましい粒径範囲は40〜60μm で
ある。
高周波磁界を印加した時に発熱速度が遅くなり、100
μm 以上になると素子の流動性が悪くなり注射器による
注入が難しくなり、抗癌剤を被覆すると注射器による注
入が困難になる。好ましい粒径範囲は40〜60μm で
ある。
【0014】更に、酸化物磁性粉末のキュリー温度は、
42〜90℃の範囲である必要がある。42〜90℃の
範囲のキュリー温度を持つ磁性材料としては特開平2−
47243号公報及び特開平2−61036号公報に記
載されている感温性アモルファス合金やFe−Pt合金等が
ある。キュリー温度が42℃未満では、温熱療法として
有効な治療温度域まで加温できず、90℃を越えると温
熱療法の治療温度域をオーバーして過熱となるためであ
る。好ましいキュリー温度範囲は、45〜55℃であ
る。
42〜90℃の範囲である必要がある。42〜90℃の
範囲のキュリー温度を持つ磁性材料としては特開平2−
47243号公報及び特開平2−61036号公報に記
載されている感温性アモルファス合金やFe−Pt合金等が
ある。キュリー温度が42℃未満では、温熱療法として
有効な治療温度域まで加温できず、90℃を越えると温
熱療法の治療温度域をオーバーして過熱となるためであ
る。好ましいキュリー温度範囲は、45〜55℃であ
る。
【0015】
【実施例】キュリー温度が50℃の本発明素子の概略図
を図1に示す。素子1が円盤状の酸化物磁性材料で作製
されている。
を図1に示す。素子1が円盤状の酸化物磁性材料で作製
されている。
【0016】生理食塩水中において周波数200kHz 、
磁界強度3400 A/m の高周波磁界を印加した時の昇
温特性である。5分以内で温熱療法の治療温度に到達し
ていることが分かる。
磁界強度3400 A/m の高周波磁界を印加した時の昇
温特性である。5分以内で温熱療法の治療温度に到達し
ていることが分かる。
【0017】
【発明の効果】本発明による生体注入用温熱素子は、局
部加熱用インプラント材料として使用でき、且つ化学的
塞栓療法のコア素子として使用できる。
部加熱用インプラント材料として使用でき、且つ化学的
塞栓療法のコア素子として使用できる。
【図1】本発明による温熱素子の概略図を示す図であ
る。
る。
【図2】高周波磁界を印加した時の本発明の温熱素子の
昇温特性を示すグラフ図である。
昇温特性を示すグラフ図である。
1 温熱素子 2 直径 3 厚さ
Claims (1)
- 【請求項1】 形状が円盤状で、厚さと直径のアスペク
ト比(直径/厚さ)が1〜10、直径の範囲が30〜1
00μm であることを特徴とする42°乃至90℃のキ
ュリー温度を有する酸化物磁性材料を使用した生体注入
用温熱素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32963791A JPH05137802A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 生体注入用温熱素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32963791A JPH05137802A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 生体注入用温熱素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05137802A true JPH05137802A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=18223570
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32963791A Pending JPH05137802A (ja) | 1991-11-20 | 1991-11-20 | 生体注入用温熱素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05137802A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994024837A1 (en) * | 1993-04-20 | 1994-10-27 | Raychem Corporation | Induction heating of loaded materials |
-
1991
- 1991-11-20 JP JP32963791A patent/JPH05137802A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1994024837A1 (en) * | 1993-04-20 | 1994-10-27 | Raychem Corporation | Induction heating of loaded materials |
US5378879A (en) * | 1993-04-20 | 1995-01-03 | Raychem Corporation | Induction heating of loaded materials |
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