JPH05137303A - 同期機の等価回路不飽和インダクタンス測定方法 - Google Patents

同期機の等価回路不飽和インダクタンス測定方法

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JPH05137303A
JPH05137303A JP32243691A JP32243691A JPH05137303A JP H05137303 A JPH05137303 A JP H05137303A JP 32243691 A JP32243691 A JP 32243691A JP 32243691 A JP32243691 A JP 32243691A JP H05137303 A JPH05137303 A JP H05137303A
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    • G01R27/02Measuring real or complex resistance, reactance, impedance, or other two-pole characteristics derived therefrom, e.g. time constant
    • G01R27/26Measuring inductance or capacitance; Measuring quality factor, e.g. by using the resonance method; Measuring loss factor; Measuring dielectric constants ; Measuring impedance or related variables
    • G01R27/2611Measuring inductance

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 同期機の等価回路を構成する各要素のインダ
クタンス値を高精度で求める。 【構成】 4つの直軸に関する測定を行い、その測定結
果を用いて直軸等価回路についての連立方程式を解く。
また、3つの横軸に関する測定を行い、その測定結果を
用いて横軸等価回路についての演算式を解く。 【効果】 ベクトル制御の制御装置に設定される電動機
定数の最適値を求めることができる。よって、同期電動
機と制御装置とを組み合わせた状態での最適値設定処理
が不用となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、同期機の等価回路に
おけるインダクタンスの不飽和値を求める同期機の等価
回路不飽和インダクタンス測定方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】同期機は、主として、常に一定の回転数
で運転される発電機や電動機として用いられる。これら
の機械におけるリアクタンスは、一般に、出力の限界や
安定度などを計算するために用いられる。従って、同期
リアクタンスや過渡リアクタンスなど、電機子から眺め
た1つの値として扱われるインダクタンス(インダクタ
ンスに2πfを乗じた値がリアクタンス)が、主として
注目されていた。
【0003】例えば、同期機の試験方法を集大成した
「同期機試験法要項(その1〜その4)」(社団法人電
気学会発行)には、同期機のインダクタンスを測定する
ための種々の試験方法が記載されているが、同期機の等
価回路を構成する素子の値、すなわち、電機子もれイン
ダクタンス、界磁もれインダクタンス、直軸タンパもれ
インダクタンス、直軸電機子反作用インダクタンス、横
軸ダンパもれインダクタンスおよび横軸電機子反作用イ
ンダクタンスを、統一された理論に基づいて測定する方
法に関する記載はない。
【0004】従って、同期機の等価回路を構成する個々
の素子の値が必要となった場合には、既存の方法を組み
合わせてそれらの値を求めていた。1つの方法は例えば
以下のようなものである。
【0005】まず、無負荷飽和特性試験および3相短絡
特性試験の結果から直軸同期リアクタンスを求める。こ
の値から電機子もれリアクタンスの値を差し引いて直軸
電機子反作用リアクタンスとする。ここで、電機子もれ
リアクタンスの値として仮定値を採用することが多い。
電機子もれリアクタンスを実測するには、回転子を引き
抜き、かつ、別途巻線を施す必要があるなど、非常に手
間がかかるからである。
【0006】次に、3相突発短絡試験から直軸過渡リア
クタンスを求める。この値から電機子もれリアクタンス
の値を差し引くことによって、直軸電機子反作用リアク
タンスと界磁もれリアクタンスの並列値を求める。そし
て、その並列値から界磁もれリアクタンスを分離する。
【0007】同様に、3相突発短絡試験から直軸初期過
渡リアクタンスを求める。この値から電機子もれリアク
タンスの値を差し引くことによって、直軸電機子反作用
リアクタンス、界磁もれリアクタンスおよび直軸ダンパ
もれリアクタンスの並列値を求める。そして、その並列
値から直軸ダンパもれリアクタンスを分離する。
【0008】横軸に関する各リアクタンスは、以下のよ
うにして求められる。まず、すべり法による測定結果か
ら横軸同期リアクタンスを求める。この値から電機子も
れリアクタンスの値を差し引いて横軸電機子反作用リア
クタンスとする。
【0009】次に、ダルトンカメロン法による測定結果
から横軸初期過渡リアクタンスを求める。この値から電
機子もれリアクタンスの値を差し引くことによって横軸
電機子反作用リアクタンスと横軸ダンパもれリアクタン
スの並列値を求める。そして、その並列値から横軸ダン
パもれリアクタンスを分離する。
【0010】ところで、同期機の制御方法として、高精
度の制御が可能なベクトル制御がある。ベクトル制御を
行うには、制御装置に、同期機の等価回路を構成する個
々の素子の詳細な値を、電動機定数として設定する必要
がある。従って、ベクトル制御による同期機の運転を行
う際に、あらかじめ上述のような方法によって各リアク
タンス値が求められ、それらの値が制御装置に設定され
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来の同期機の等価回
路不飽和インダクタンス測定方法は以上のように行われ
ていたので、各リアクタンス値の高い精度は期待できな
いという問題点があった。すなわち、上述した方法は、
無負荷飽和特性の測定などのありあわせの測定方法を組
み合わせたものであり、統一された理論に基づいた方法
ではないので、各値の全体の測定精度に与える影響など
を検討することができない。
【0012】そこで、電機子もれリアクタンスの実測が
容易でないことからその値として仮定値を採用しがちで
あり、測定精度の低下の原因となる。また、ベクトル制
御される大容量の同期機は、2Hz〜10Hz程度の定
格周波数で運転されることが多い。そのような低い定格
周波数の場合には、3相突発短絡試験の結果、波形に含
まれる波の数が少なくなり、直軸過渡リアクタンスや直
軸初期過渡リアクタンスをその波形から読み取ることが
困難になる。
【0013】さらに、すべり法試験を実施するには、固
定子の回転磁界の速度とわずかに異なった速度で回転子
を運転する必要がある。よって、試験対象となる同期機
のサイズが大きくなると、固定子側の3相電源や回転子
側の駆動電動機などが大がかりなものになる。また、試
験実施の際には、低いすべりを安定に維持するために熟
練した運転操作を必要とし、リアクショントルクの影響
で生ずる回転数の脈動や、大きすぎるすべりは測定誤差
の原因となる。
【0014】以上のように従来の方法には、測定値に誤
差が含まれる可能性が大きく、また、測定に際して大き
な手間と時間とが必要とされるという問題点があった。
【0015】また、ベクトル制御における制御装置の電
機子定数を設定する際に、設定値は制御演算の精度に大
きく影響するため最適値を設定する必要があるが、上述
した方法による測定値の精度がよくないので、制御装置
と同期機とを組み合わせた運転を繰り返しながら最適の
電機子定数を設定する作業が要求されるという問題点が
あった。この作業に要する時間と費用は、大容量機の場
合膨大なものである。
【0016】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、等価回路を構成する各素子のイ
ンダクタンスの不飽和値を精度よく求めることができ、
その結果、ベクトル制御の制御装置に与えられるべき電
動機定数を同期機単体試験で決定しうる同期機の等価回
路不飽和インダクタンス測定方法を得ることを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る同期機の等価回路不飽和インダクタンス測定方法は、
以下の工程を備えたものである。 (1)同期機の無負荷飽和特性を測定する。 (2)3相短絡特性を測定する。 (3)直軸ダルトンカメロン法によって、直軸起磁力影
響下の界磁コイル開放時の電機子コイルおよび界磁コイ
ルの電流、電圧を測定する。 (4)直軸ダルトンカメロン法によって、直軸起磁力影
響下の界磁コイルの短絡時の電機子および界磁コイルの
電流を測定する。 (5)同期機の直軸等価回路についての連立方程式に、
(1)〜(4)の測定によって得られた値を設定した上
で、その連立方程式を解く。
【0018】また、請求項2記載の発明に係る同期機の
等価回路不飽和インダクタンス測定方法は、以下の工程
を備えたものである。 (1)同期機の電機子抵抗を測定する。 (2)横軸起磁力影響下の横軸ダンパ並列時定数を測定
する。 (3)横軸ダルトンカメロン法によって、横軸起磁力影
響下の電機子コイルの電流、電圧を測定する。 (4)同期機の横軸等価回路についての演算式を、
(1)〜(3)の測定によって得られた値および電機子
もれインダクタンス値を用いて解く。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明における各測定の工程は、
定常状態において実施可能であり、すなわち、時間的に
変動するデータを読み取ることがないので、測定結果に
誤差を含む可能性を低減する。また、直軸ダルトンカメ
ロン法による測定工程は、同期機を静止させた状態で実
施可能であり、実施上の困難さが少なく、回転数の変動
や回転数の誤差に起因する測定誤差が生ずることを回避
する。
【0020】また、請求項2記載の発明における各測定
の工程は、同期機を静止させた状態で可能であり、回転
数の変動や回転数の誤差に起因する測定誤差が生ずるこ
とを回避する。
【0021】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1は、直軸等価回路および横軸等価
回路を構成する各要素のインダクタンスを求める方法の
全体的な流れを示す説明図である。
【0022】すなわち、図1には、無負荷飽和特性の測
定、3相短絡特性の測定、界磁開放条件下の直軸ダルト
ンカメロン法による測定および界磁短絡条件下の直軸ダ
ルトンカメロン法による測定が実施された後、直軸等価
回路についての連立方程式を解いて、直軸等価回路を構
成する各要素のインダクタンス値が得られることが示さ
れている。
【0023】また、電機子抵抗の測定、横軸電機子ダン
パ並列時定数の測定および横軸ダルトンカメロン法によ
る測定が実施された後、横軸等価回路についての演算式
を解いて、横軸等価回路を構成する各要素のインダクタ
ンス値が得られることが示されている。
【0024】続いて、直軸等価回路に関するインダクタ
ンスの測定について、図について説明する。図2は無負
荷飽和特性の測定状況を示したものである。図におい
て、1は電機子コイル、2は回転子(界磁)、3は界磁
コイル、10は直流電源、11は界磁コイル3に接続さ
れた電流計(直流)、32は電機子コイル1のb相とc
相との間に接続された交流電圧計である。
【0025】この場合には、回転子2が一定の速度、通
常は同期機の定格回転数で駆動されている状態で、界磁
電流If0による励磁に対する開放されている電機子コイ
ル1に誘導される線間電圧Vbc0 と周波数f0 とが、交
流電圧計32および周波数計(図示せず)で測定される
(図8参照)。図3は無負荷飽和特性を示したものであ
るが、この場合には、特性がほぼ直線とみなせる範囲に
おける不飽和値の線間電圧Vbc0 および界磁電流If0
採用される。
【0026】図4は3相短絡特性の測定状況を示したも
のである。図において、31は電機子コイル1のb相と
c相およびa相との間に接続された交流電流計である。
この場合には、回転子2を一定の速度、通常は同期機の
定格回転数で駆動されている状態で、界磁電流Ifsによ
る励磁に対する短絡された電機子コイル1に誘導される
電流Iasが測定される(図8参照)。
【0027】図5は直軸ダルトンカメロン法の実施の準
備状況を示したものである。この場合には、直流電源2
0によって、電機子コイル1のb相からc相に直流が通
電される。同時に、界磁コイル3にも直流が通電され
る。すると、回転子2は、固定子と回転子2とが磁気力
で引き合う位置まで回転する。そして、そこで固定され
る。すなわち、回転子2は、例えば図6および図7に示
される位置に固定される。
【0028】回転子2が図6および図7に示された位置
にあるときに、電機子コイル1のb相からc相に通電が
なされると、その通電による起磁力は直軸の起磁力であ
る。従って、図5に示されたように、電機子コイル1お
よび界磁コイル2に通電が開始され、回転子2が力強く
回転し図6および図7に示される安定位置で停止したこ
とが確認されたら、その回転子静止状態でb相からc相
に通電がなされればよい。このようにすれば、従来から
知られている回転子任意位置でのダルトンカメロン法に
よる測定とは異なり、直軸に関する値が、明確に限定さ
れた上で測定される。
【0029】図6は界磁コイル3を開放した条件での測
定状況を示したものである。すなわち、交流電源30に
よって、電機子コイル1のb相からc相に周波数f1
交流が通電される。そして、b相からc相に流れる電流
bc1 、b相とc相との間の電圧Vbc1 および界磁コイ
ル3に誘導される電圧Vf1が、交流電流計31、交流電
圧計32および交流電圧計12で測定される(図8参
照)。
【0030】図7は界磁コイル3を短絡した条件での測
定状況を示したものである。すなわち、電機子コイル1
のb相からc相に交流が通電される。そして、b相から
c相に流れる電流Ibc2 および界磁コイル3に誘導され
た電流If2が、交流電流計31および電流計(交流)1
1で測定される(図8参照)。
【0031】これらの直軸ダルトンカメロン法による測
定において、大容量機では、周波数f1 として50Hz
または60Hzを用いることが望ましいが、10Hz〜
100Hzの範囲で選んでもよい。そして、電機子コイ
ル1のb相とc相との間に流れる電流Ibc1 ,Ibc2
定格電流値の10%〜20%程度とされることが望まし
い。また、図8は、以上に述べた測定についての測定項
目および用いられる測定器をまとめたものである。な
お、上述した4つの測定の順番は任意に選択可能であ
る。
【0032】図9は、回転子2が図6および図7に示さ
れた位置となっている状態にある同期機の等価回路を示
したものである。そして、この等価回路について数式表
現を行うと、以下のような連立方程式が得られる。
【0033】
【数1】
【0034】この連立方程式に図8に示された測定結果
を代入し、未知数について解けば、4つの直軸不飽和イ
ンダクタンス、すなわち、電機子もれインダクタンスL
l 、界磁もれインダクタンスLf 、直軸ダンパもれイン
ダクタンスLkdおよび直軸電機子反作用インダクタンス
adと、等価回路と実際の界磁コイル3との巻数比Tr
とが得られる。
【0035】なお、この連立方程式について、数値計算
法によっても解くことができ、例えばガウス・ザイデル
法による反復解法を用いれば、5回程度の反復で収束す
る。
【0036】実施例2.次に、横軸等価回路に関するイ
ンダクタンスの測定について、図について説明する。図
10は、横軸電機子ダンパ並列時定数の測定および横軸
ダルトンカメロン法の実施の準備状況を示したものであ
る。この場合には、電機子コイル1のb相とc相とが短
絡され、直流電源40によって、a相からb相およびc
相に直流が通電される。同時に、界磁コイル3にも直流
が通電される。
【0037】ずると、回転子2は、固定子と回転子2と
が磁気力で引き合う位置まで回転する。そして、そこで
固定される。すなわち、回転子2は、例えば図11に示
される位置に固定される。回転子2がその位置にあると
きに、電機子コイル1のa相からb相およびc相への通
電がなされると、その通電による起磁力は直軸の起磁力
である。一方、b相からc相への通電がなされると、そ
の通電による起磁力は横軸の起磁力である。
【0038】従って、図10に示されたように、電機子
コイル1および界磁コイル2に通電が開始され、回転子
2が力強く回転し図11に示される安定位置で停止した
ことが確認されたら、その回転子静止状態でb相からc
相への通電がなされればよい。このようにすれば、横軸
に関するインダクタンスの測定が可能になる。
【0039】図12は、スイッチ24を開いて電機子コ
イル1のb相からc相に通電されている状況を示したも
のである。この状況において、直流電流計21と直流電
圧計22とによって、b相からc相に流れる電流Ibc
b相c相間の電圧Vbcとが測定される(図15参照)。
よって、下式によって電機子抵抗Rbcが測定されること
になる。
【0040】
【数2】
【0041】次に、図12に示された状況から、すなわ
ちb相からc相への通電がなされている状況からスイッ
チ24が閉じられてb相とc相とが短絡された状態にな
ると、電流ibcは、電機子コイル1を環流しながら電機
子抵抗と横軸のダンパ効果の影響とによって減衰する。
図13は、オシロスコープによる電流ibcの実測波形を
示したものである。なお、図12において、直流電源2
0に直列に接続された抵抗23は、スイッチ24を閉じ
たときに直流電源20が短絡されることを防止し、電機
子コイルのみが短絡されるようにするための保護抵抗で
ある。
【0042】図13に示すように、電流ibcは、短絡直
後に急激に降下した後、ゆるやかに減衰する。ここで、
電流ibcが初期値Ib0の30%のIelにまで減衰する時
間Telの計測を、電機子ダンパ並列時定数の測定とする
(図15参照)。なお、時定数は通常電流ibcが初期値
b0の1/e≒0.37に減衰するまでの時間を指す
が、ここでは、0.3にまで減衰するまでの時間を用い
る。
【0043】この0.3という値は、横軸のダンパ効果
の影響を検討するために実施された種々の実験とシミュ
レーションの結果に基づいて決定された値であり、横軸
ダンパの影響を除いた横軸電機子回路の時定数を求める
ための最適値である。なお、電流ibcがIel(=0.3
b0)になるまでの時間を計測するので、実際には、横
軸電機子回路の時定数Tadq の−log(Iel/Ib0
=−log(0.3)=1.2(倍)がTelとして計測
されるが、この点は、以下に述べる演算式において考慮
される。
【0044】図14は、横軸ダルトンカメロン法の測定
状況を示したものである。この場合には、交流電源30
によって、電機子コイルのb相とc相との間に周波数f
3 の交流が通電される。そして、電流Ibc3 および電圧
bc3 が測定される(図15参照)。
【0045】この横軸ダルトンカメロン法による測定に
おいて、大容量機では、周波数f3として50Hzまた
は60Hzを用いることが望ましいが、10Hz〜10
0Hzの範囲で選んでもよい。そして、電機子コイル1
のb相とc相との間に流れる電流Ibc3 は定格電流値の
10%〜20%程度とされることが望ましい。また、図
15は、以上に述べた横軸に関する測定についての測定
項目および用いられる測定器をまとめたものである。な
お、上述した3つの測定の順番は任意に選択可能であ
る。
【0046】図16は、回転子2が図11、図12およ
び図14に示された位置となっている状態にある同期機
の等価回路を示したものである。この等価回路について
数式表現を行うと、以下のような演算式が得られる。
【0047】
【数3】
【0048】上式において、電機子もれインダクタンス
l の値として、例えば第1の実施例において求められ
た値を用いることができる。そして、上式に既知の値を
代入すれば、2つの横軸不飽和インダクタンス、すなわ
ち横軸ダンパもれインダクタンスLkqおよび横軸電機子
反作用インダクタンスLaqを得ることができる。
【0049】以上のようにして、第1の実施例および第
2の実施例によれば直軸不飽和インダクタンスおよび横
軸不飽和インダクタンスが、統一的な理論のもとに求め
られる。その際、直軸不飽和インダクタンスに関する各
測定は、定常状態において実施可能であり、時間的に変
動するデータの読み取りに付随する誤差の発生が防止さ
れる。また、無負荷飽和特性や3相短絡特性の測定は、
通常すべての同期機において実施されているため測定者
にとってよく習熟したものである。従って、実施上の困
難さもなく、高い精度の測定が期待できる。
【0050】そして、直軸ダルトンカメロン法による界
磁開放直軸インダクタンスおよび界磁短絡直軸インダク
タンスの測定は、同期機を静止させた状態で実施可能で
あるから、実施上の困難さも少なく、回転数の変動や回
転数の誤差に起因する測定誤差が生ずるおそれがない。
【0051】また、横軸不飽和インダクタンスに関する
各測定も、同期機を静止させた状態で実施可能であるか
ら、実施上の困難さも少なく、回転数の変動や回転数の
誤差に起因する測定誤差が生ずるおそれがない。
【0052】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、同期機の等価回路不飽和インダクタンス測定方法
を、無負荷飽和特性の測定、3相短絡特性の測定および
所定の電機子と界磁との位置関係における直軸ダルトン
カメロン法による直軸インダクタンスの測定によって得
られた各値を用いて、等価回路についての連立方程式を
解くようにしたので、直軸等価回路を構成する各要素の
インダクタンスの値を高い精度で測定でき、ベクトル制
御における制御装置に設定されるべき電機子定数の最適
値が得られる方法を得ることができる。
【0053】また、請求項2記載の発明によれば、同期
機の等価回路不飽和インダクタンスの測定方法を、電機
子抵抗の測定、所定の電機子と界磁との位置関係におけ
る横軸電機子ダンパ並列時定数の測定および所定の電機
子と界磁との位置関係における横軸ダルトンカメロン法
による横軸インダクタンスの測定によって得られた各値
を用いて、等価回路についての演算式を解くようにした
ので、横軸等価回路を構成する各要素のインダクタンス
の値を高い精度で測定でき、ベクトル制御における制御
装置に設定されるべき電機子定数の最適値が得られる方
法を得ることができる。
【0054】そして、請求項1記載の発明による方法お
よび請求項2記載の発明による方法は、ともに、同期機
が工場で組み立てられた時点において同期機単体で実施
される工場単体試験の段階で実施可能である。その結
果、ベクトル制御の制御装置と同期電動機とを組み合わ
せて調整を行う工程を省略でき、ベクトル制御システム
の稼動開始までに要する時間と費用とを低減することに
貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】直軸等価回路および横軸等価回路を構成する各
要素のインダクタンスを求める方法の全体的な流れを示
す説明図である。
【図2】無負荷飽和特性の測定回路を示す回路図であ
る。
【図3】無負荷飽和特性を示す特性図である。
【図4】3相短絡特性の測定回路を示す回路図である。
【図5】直軸ダルトンカメロン法の実施の準備のための
回路を示す回路図である。
【図6】界磁コイル開放条件下の直軸ダルトンカメロン
法による測定回路を示す回路図である。
【図7】界磁コイル短絡条件下の直軸ダルトンカメロン
法による測定回路を示す回路図である。
【図8】直軸に関する測定項目を示す説明図である。
【図9】同期機の直軸等価回路を示す説明図である。
【図10】横軸電機子ダンパ並列時定数の測定および横
軸ダルトンカメロン法の実施の準備のための回路を示す
回路図である。
【図11】電機子と回転子との位置関係を示す説明図で
ある。
【図12】電機子抵抗の測定と横軸電機子ダンパ並列時
定数の測定回路を示す回路図である。
【図13】横軸電機子ダンパ並列時定数の測定時の電機
子電流波形を示す波形図である。
【図14】横軸ダルトンカメロン法による測定回路を示
す回路図である。
【図15】横軸に関する測定項目を示す説明図である。
【図16】同期機の横軸等価回路を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電機子コイル 2 回転子(界磁) 3 界磁コイル

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同期機の無負荷飽和特性を測定し、前記
    同期機の3相短絡特性を測定し、直軸ダルトンカメロン
    法によって、前記同期機の電機子コイルの通電による起
    磁力が直軸起磁力となる電機子と界磁との位置状態にお
    ける前記同期機の界磁コイルを開放した状態での前記電
    機子コイルおよび界磁コイルの電流、電圧、ならびに前
    記界磁コイルを短絡した状態での前記電機子コイルおよ
    び界磁コイルの電流、電圧を測定し、前記無負荷飽和特
    性の測定、3相短絡特性の測定および直軸ダルトンカメ
    ロン法による測定の結果を用いて、前記同期機の直軸等
    価回路についての連立方程式を解いて、前記直軸等価回
    路を構成する各要素のインダクタンスを求める同期機の
    等価回路不飽和インダクタンス測定方法。
  2. 【請求項2】 同期機の電機子抵抗を測定し、前記同期
    機の横軸ダンパ並列時定数を測定し、前記同期機の電機
    子コイルの通電による起磁力が横軸起磁力となる電機子
    と界磁との位置状態における横軸電機子ダンパ並列時定
    数を測定し、横軸ダルトンカメロン法によって、前記同
    期機の電機子コイルの通電による起磁力が横軸起磁力と
    なる電機子と界磁との位置状態における前記電機子の電
    流、電圧を測定し、前記電機子抵抗の測定、横軸電機子
    ダンパ並列時定数の測定および横軸ダルトンカメロン法
    による測定の結果を用いて、前記同期機の横軸等価回路
    についての演算式を解いて、前記横軸等価回路を構成す
    る各要素のインダクタンスを求める同期機の等価回路不
    飽和インダクタンス測定方法。
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