JPH05135911A - サーミスタのトリミング方法 - Google Patents
サーミスタのトリミング方法Info
- Publication number
- JPH05135911A JPH05135911A JP3189267A JP18926791A JPH05135911A JP H05135911 A JPH05135911 A JP H05135911A JP 3189267 A JP3189267 A JP 3189267A JP 18926791 A JP18926791 A JP 18926791A JP H05135911 A JPH05135911 A JP H05135911A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- trimming
- resistance value
- thermistor
- rate
- regression
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
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- Non-Adjustable Resistors (AREA)
- Thermistors And Varistors (AREA)
- Apparatuses And Processes For Manufacturing Resistors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 サーミスタを目標抵抗値に設定するためにレ
ーザ光線によるトリミングする方法において、一度のト
リミングにより正確に所望の目標抵抗値を得る。 【構成】 統計的手法による回帰分析を行い、その際
に、サンプルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をトリ
ミング量との相関において解析するとともに、各抵抗値
変化率を対数値に置き換え、次に、トリミング量または
率をその対数値との相関において捉えた回帰式を求め、
回帰式の実行によりトリミングを行なう。
ーザ光線によるトリミングする方法において、一度のト
リミングにより正確に所望の目標抵抗値を得る。 【構成】 統計的手法による回帰分析を行い、その際
に、サンプルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をトリ
ミング量との相関において解析するとともに、各抵抗値
変化率を対数値に置き換え、次に、トリミング量または
率をその対数値との相関において捉えた回帰式を求め、
回帰式の実行によりトリミングを行なう。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シート状または厚膜状
に形成されたサーミスタを目標抵抗値に設定するため
に、レーザ光線を用いてトリミングする方法に関する。
に形成されたサーミスタを目標抵抗値に設定するため
に、レーザ光線を用いてトリミングする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】サーミスタは、普通には温度の上昇につ
れて抵抗値が低下する負特性を有し、その抵抗温度係数
が極めて大きい。またサーミスタ等の抵抗素子は、所望
の目標抵抗値に最初から形成することは困難であり、抵
抗値にばらつきが生じるため、IC等への使用において
はレーザ光線またはサンドブラストによりトリミングし
て目標抵抗値に標準化される。しかし、温度上昇を伴う
レーザ光線によるサーミスタのトリミング方法について
は、抵抗温度係数との関係においてトリミング量の設定
が難しい。この点については、特開昭60−22315
1号公報に記載される。
れて抵抗値が低下する負特性を有し、その抵抗温度係数
が極めて大きい。またサーミスタ等の抵抗素子は、所望
の目標抵抗値に最初から形成することは困難であり、抵
抗値にばらつきが生じるため、IC等への使用において
はレーザ光線またはサンドブラストによりトリミングし
て目標抵抗値に標準化される。しかし、温度上昇を伴う
レーザ光線によるサーミスタのトリミング方法について
は、抵抗温度係数との関係においてトリミング量の設定
が難しい。この点については、特開昭60−22315
1号公報に記載される。
【0003】同公報の発明は、抵抗温度係数の大きな厚
膜サーミスタをトリミングの主な対象として、回路基盤
上に厚膜サーミスタを幾つかの普通の厚膜抵抗体と共に
形成した場合において、レーザ光線によりその抵抗体と
共にトリミングする方法に関するものである。特に、本
発明との関係においては、厚膜サーミスタのトリミング
に特徴を有している。
膜サーミスタをトリミングの主な対象として、回路基盤
上に厚膜サーミスタを幾つかの普通の厚膜抵抗体と共に
形成した場合において、レーザ光線によりその抵抗体と
共にトリミングする方法に関するものである。特に、本
発明との関係においては、厚膜サーミスタのトリミング
に特徴を有している。
【0004】サーミスタを回路基盤上に一体成形する場
合であれ、別個に成形する場合であれ、トリミングにレ
ーザ光線を用いると、レーザ光線による温度上昇で抵抗
値が著しく低下するから、レーザ光線の照射時に、使用
に想定される標準環境温度における抵抗値の測定ができ
なく、一度のトリミングでは目標抵抗値に著しく誤差が
生じることは避けられない。
合であれ、別個に成形する場合であれ、トリミングにレ
ーザ光線を用いると、レーザ光線による温度上昇で抵抗
値が著しく低下するから、レーザ光線の照射時に、使用
に想定される標準環境温度における抵抗値の測定ができ
なく、一度のトリミングでは目標抵抗値に著しく誤差が
生じることは避けられない。
【0005】上記の従来例の発明は、この問題の解決を
図るために、トリミングを断続的に行なうことによっ
て、各トリミング間に冷却時間を設け、冷却時に抵抗値
を測定しながら目標抵抗値に近づくまでトリミングを何
回も繰り返すことを特徴とするものである(図8参
照)。
図るために、トリミングを断続的に行なうことによっ
て、各トリミング間に冷却時間を設け、冷却時に抵抗値
を測定しながら目標抵抗値に近づくまでトリミングを何
回も繰り返すことを特徴とするものである(図8参
照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】トリミングをこのよう
に繰り返すと、少なくともその間における冷却時間の総
和においてそれだけトリミング時間が長くなり作業性が
悪い。同公報は、この点を問題として、普通の厚膜抵抗
体を冷却時間にトリミングすることによって、作業時間
の無駄を省いたものである。
に繰り返すと、少なくともその間における冷却時間の総
和においてそれだけトリミング時間が長くなり作業性が
悪い。同公報は、この点を問題として、普通の厚膜抵抗
体を冷却時間にトリミングすることによって、作業時間
の無駄を省いたものである。
【0007】しかし、トリミングがデジタル的となるた
めに、時間が過度に掛かるだけでなく、トリミングの正
確性が得られない。例えば、1回のトリミング量が大き
すぎたり冷却時間が短かすぎたりすると、得られる抵抗
値は目標抵抗値に対してかなり高くなる。そして、得ら
れた抵抗値はすべて目標抵抗値よりも大きくなってしま
い、実際の使用では、それを考慮して、製品とする抵抗
値範囲について試行錯誤によって目標抵抗値を若干低く
決定しなければならない。さらに目標抵抗値に接近させ
るために、1回のトリミング量を小さくすると作業時間
が著しく長くなり、延いてはコスト高になる。更にま
た、従来方法では、サーミスタの形状及び特性値が変わ
った場合、冷却時間などの条件も変更しなければならな
い。
めに、時間が過度に掛かるだけでなく、トリミングの正
確性が得られない。例えば、1回のトリミング量が大き
すぎたり冷却時間が短かすぎたりすると、得られる抵抗
値は目標抵抗値に対してかなり高くなる。そして、得ら
れた抵抗値はすべて目標抵抗値よりも大きくなってしま
い、実際の使用では、それを考慮して、製品とする抵抗
値範囲について試行錯誤によって目標抵抗値を若干低く
決定しなければならない。さらに目標抵抗値に接近させ
るために、1回のトリミング量を小さくすると作業時間
が著しく長くなり、延いてはコスト高になる。更にま
た、従来方法では、サーミスタの形状及び特性値が変わ
った場合、冷却時間などの条件も変更しなければならな
い。
【0008】本発明者等においては、前記諸問題を解決
するために、アナログ的に一度に目標抵抗値に設定でき
るトリミング量を得るために、統計解析手法としての回
帰分析を試みた。
するために、アナログ的に一度に目標抵抗値に設定でき
るトリミング量を得るために、統計解析手法としての回
帰分析を試みた。
【0009】回帰分析は、トリミング量を目的変数
(y)、その結果としての抵抗値変化率を説明変数
(x)となるデータを採取し、一般手法によりデータ処
理を行ない回帰式を得るものであるが、この推定回帰式
(y=αx+β、α,βは定数)に基づいて散布図に回
帰直線を引いて見たところ、後述するように、点の散ら
ばり具合が必ずしも回帰直線に集中していないために
(図1および図3)、回帰式の精度に疑問が感じられ、
さらに精度の向上が痛感された。
(y)、その結果としての抵抗値変化率を説明変数
(x)となるデータを採取し、一般手法によりデータ処
理を行ない回帰式を得るものであるが、この推定回帰式
(y=αx+β、α,βは定数)に基づいて散布図に回
帰直線を引いて見たところ、後述するように、点の散ら
ばり具合が必ずしも回帰直線に集中していないために
(図1および図3)、回帰式の精度に疑問が感じられ、
さらに精度の向上が痛感された。
【0010】本発明は、上記のような実情に鑑みて、標
準環境温度における目標抵抗値をアナログ的に一回のト
リミングにより正確に設定できるように、トリミング量
またはトリミング率を設定できるサーミスタのトリミン
グ方法を提供することを目的とする。
準環境温度における目標抵抗値をアナログ的に一回のト
リミングにより正確に設定できるように、トリミング量
またはトリミング率を設定できるサーミスタのトリミン
グ方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、種々実験と研究を重ねた結果、説明変数を抵抗値
変化率から対数値に置き換えるならば、散布図において
点の散らばり具合が回帰直線またはその近くに集中する
ことを見出だし、ここに本発明を完成した。
めに、種々実験と研究を重ねた結果、説明変数を抵抗値
変化率から対数値に置き換えるならば、散布図において
点の散らばり具合が回帰直線またはその近くに集中する
ことを見出だし、ここに本発明を完成した。
【0012】その第一発明は、サーミスタのレーザ光線
によるトリミング量を設定する前提として、統計的手法
による回帰分析を行い、その回帰分析のためのデータの
採取について、同一のサンプルを用い、回帰分析につい
ては、サンプルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をト
リミング量または率との相関において解析するととも
に、各抵抗値変化率を対数値に置き換え、次に、トリミ
ング量または率をその対数値との相関において捉えた回
帰式を求め、その回帰式に基づいて検出されたトリミン
グ量または率により一度にトリミングを完了することを
特徴とする。
によるトリミング量を設定する前提として、統計的手法
による回帰分析を行い、その回帰分析のためのデータの
採取について、同一のサンプルを用い、回帰分析につい
ては、サンプルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をト
リミング量または率との相関において解析するととも
に、各抵抗値変化率を対数値に置き換え、次に、トリミ
ング量または率をその対数値との相関において捉えた回
帰式を求め、その回帰式に基づいて検出されたトリミン
グ量または率により一度にトリミングを完了することを
特徴とする。
【0013】第二発明は、サーミスタのレーザ光線によ
るトリミング量を設定する前提として、統計的手法によ
る回帰分析を行い、その回帰分析のためのデータの採取
について、異なったサンプルを用い、回帰分析について
は、サンプルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をトリ
ミング率との相関において解析するとともに、各抵抗値
変化率を対数値に置き換え、次に、トリミング率をその
対数値との相関において捉えた回帰式を求め、その回帰
式に基づいて検出されたトリミング率により一度にトリ
ミングを完了することを特徴とする。
るトリミング量を設定する前提として、統計的手法によ
る回帰分析を行い、その回帰分析のためのデータの採取
について、異なったサンプルを用い、回帰分析について
は、サンプルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をトリ
ミング率との相関において解析するとともに、各抵抗値
変化率を対数値に置き換え、次に、トリミング率をその
対数値との相関において捉えた回帰式を求め、その回帰
式に基づいて検出されたトリミング率により一度にトリ
ミングを完了することを特徴とする。
【0014】
【作用】サーミスタのトリミング方法を上記のように構
成したから、目標抵抗値を得るためにトリミングを繰り
返す必要がなく、一度にトリミングを完了するので、時
間的な無駄が全く生じない(図7参照)。トリミング量
または率を設定するために使用する回帰式の精度だけが
問題となる。
成したから、目標抵抗値を得るためにトリミングを繰り
返す必要がなく、一度にトリミングを完了するので、時
間的な無駄が全く生じない(図7参照)。トリミング量
または率を設定するために使用する回帰式の精度だけが
問題となる。
【0015】この点については、データ処理に基づい
て、散布図に目的変数としてのトリミング量またはトリ
ミング率を取った回帰直線を引いた場合に、説明変数が
単なる抵抗値変化率であるときには、点の散らばり具合
の集中度が悪いのに対して(図1および図3の場合)、
抵抗値変化率の対数値であるときには、集中度が非常に
良好であることが分った(図2および図4の場合)。
て、散布図に目的変数としてのトリミング量またはトリ
ミング率を取った回帰直線を引いた場合に、説明変数が
単なる抵抗値変化率であるときには、点の散らばり具合
の集中度が悪いのに対して(図1および図3の場合)、
抵抗値変化率の対数値であるときには、集中度が非常に
良好であることが分った(図2および図4の場合)。
【0016】目的変数がトリミングの「量」であるとき
には、データ採取の対象としてのサンプルには、トリミ
ング作業対象としてのサーミスタと特性値および形状が
同一のもの、つまり同種のサーミスタが使用される。ま
たトリミングの「率」であるときには、同種のサーミス
タに限定されず、異なったサンプルであっても良い。
には、データ採取の対象としてのサンプルには、トリミ
ング作業対象としてのサーミスタと特性値および形状が
同一のもの、つまり同種のサーミスタが使用される。ま
たトリミングの「率」であるときには、同種のサーミス
タに限定されず、異なったサンプルであっても良い。
【0017】ここに異なったサンプルとは、例えば、サ
ーミスタの材質、厚み、電極間の巾及び長さあるいはサ
ーミスタの特性値が異なる場合をいう。そして、トリミ
ングの「率」であるときには、サーミスタの形状及び種
類に関係なくなるので、回帰式適用の汎用性が大きい。
ーミスタの材質、厚み、電極間の巾及び長さあるいはサ
ーミスタの特性値が異なる場合をいう。そして、トリミ
ングの「率」であるときには、サーミスタの形状及び種
類に関係なくなるので、回帰式適用の汎用性が大きい。
【0018】なお、トリミングの作業環境温度が標準環
境温度とは異なるときには、回帰式の実行に当たって、
目標抵抗値や初期抵抗値を25℃又は環境温度のいずれ
かにおける抵抗値に換算し統一する必要がある。
境温度とは異なるときには、回帰式の実行に当たって、
目標抵抗値や初期抵抗値を25℃又は環境温度のいずれ
かにおける抵抗値に換算し統一する必要がある。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。
る。
【0020】トリミングの対象となるサーミスタは、図
5に示すように、一シートに碁盤目状に多数個形成した
ものであって(一シートに126素子)、この1素子は
電極の巾が1.8mmで電極間の長さが0.8mmに形成さ
れており、B定数(サーミスタの温度係数)が3000
Kのものである。また標準環境温度を25℃として、そ
の温度における目標抵抗値を60kΩとして予定され
る。なお、図5は作業要領を示すものである。
5に示すように、一シートに碁盤目状に多数個形成した
ものであって(一シートに126素子)、この1素子は
電極の巾が1.8mmで電極間の長さが0.8mmに形成さ
れており、B定数(サーミスタの温度係数)が3000
Kのものである。また標準環境温度を25℃として、そ
の温度における目標抵抗値を60kΩとして予定され
る。なお、図5は作業要領を示すものである。
【0021】まず、図1(比較例)および図2(実施
例)においては、トリミング作業対象のサーミスタと同
じサンプルを用いてデータ処理を行ない、y軸にトリミ
ング量を取り、x軸には、図1の場合は抵抗値の増加率
を、図2の場合はその対数値を取ってプロットした散布
図を表すとともに、回帰式を求め、回帰式に基づいてx
に対するyの回帰直線を散布図に表した。
例)においては、トリミング作業対象のサーミスタと同
じサンプルを用いてデータ処理を行ない、y軸にトリミ
ング量を取り、x軸には、図1の場合は抵抗値の増加率
を、図2の場合はその対数値を取ってプロットした散布
図を表すとともに、回帰式を求め、回帰式に基づいてx
に対するyの回帰直線を散布図に表した。
【0022】ちなみに図1と図2の違いは、図1の場合
では、抵抗値変化率をそのまま表したのに対して、図2
の場合では、抵抗値変化率を対数に置き換えただけにあ
る。データ解析により得られた回帰式は、次に示す通り
である。
では、抵抗値変化率をそのまま表したのに対して、図2
の場合では、抵抗値変化率を対数に置き換えただけにあ
る。データ解析により得られた回帰式は、次に示す通り
である。
【0023】
【数1】
【0024】図1と図2とを点の散らばり具合で見る
と、図1の場合であると、回帰直線上に点がある場合が
少ないのに対して、図2の場合であると比較的その割合
が多いことに気付く。また、点の群れが線の近くに集中
していることが分かる。
と、図1の場合であると、回帰直線上に点がある場合が
少ないのに対して、図2の場合であると比較的その割合
が多いことに気付く。また、点の群れが線の近くに集中
していることが分かる。
【0025】次に、前記のようにして得られた回帰式に
基づき、サーミスタをトリミングする作業手順(回帰式
の実行)について幾つかの例を説明する。図6がコンピ
ュータ制御に基づく作業手順を示すフローチャートであ
る。
基づき、サーミスタをトリミングする作業手順(回帰式
の実行)について幾つかの例を説明する。図6がコンピ
ュータ制御に基づく作業手順を示すフローチャートであ
る。
【0026】いすれも、回帰式としてy=2.281x
−0.069を実行し、25℃の標準環境温度における
目標抵抗値を60kΩに設定するトリミング手順であ
る。
−0.069を実行し、25℃の標準環境温度における
目標抵抗値を60kΩに設定するトリミング手順であ
る。
【0027】(例1) (1)素子温度(作業環境温度)測定…27.6℃→同
温度における目標抵抗値決定…55.00kΩ (2)同温度における素子抵抗値(初期抵抗値)測定…
48.25kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…y=L=0.230mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)55.00/48.25
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
温度における目標抵抗値決定…55.00kΩ (2)同温度における素子抵抗値(初期抵抗値)測定…
48.25kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…y=L=0.230mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)55.00/48.25
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
【0028】このトリミング量において、得られた結果
は、59.37kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.6秒であった。
は、59.37kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.6秒であった。
【0029】(例2) (1)素子温度(作業環境温度)測定…28.2℃→同
温度における目標抵抗値決定…53.92kΩ (2)同温度における素子抵抗値(初期抵抗値)測定…
45.23kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…L=0.332mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)53.92/45.23
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
温度における目標抵抗値決定…53.92kΩ (2)同温度における素子抵抗値(初期抵抗値)測定…
45.23kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…L=0.332mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)53.92/45.23
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
【0030】このトリミング量において、得られた結果
は、60.21kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.7秒であった。
は、60.21kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.7秒であった。
【0031】(例3)上記二例が作業環境温度における
抵抗値を基準としたが、以下の例では、逆に標準環境温
度における抵抗値を基準とした。
抵抗値を基準としたが、以下の例では、逆に標準環境温
度における抵抗値を基準とした。
【0032】(1)素子温度(作業環境温度)測定…2
4.5℃→標準環境温度における目標抵抗値決定…6
0.00kΩ (2)作業環境温度における素子抵抗値(初期抵抗値)
測定…52.37kΩ→標準環境温度における抵抗値に
換算…51.49kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…L=0.280mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)60.00/51.49
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
4.5℃→標準環境温度における目標抵抗値決定…6
0.00kΩ (2)作業環境温度における素子抵抗値(初期抵抗値)
測定…52.37kΩ→標準環境温度における抵抗値に
換算…51.49kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…L=0.280mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)60.00/51.49
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
【0033】このトリミング量において、得られた結果
は、59.37kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.7秒であった。
は、59.37kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.7秒であった。
【0034】(例4) (1)素子温度(作業環境温度)測定…26.2℃→標
準環境温度における目標抵抗値決定…60.00kΩ (2)作業環境温度における素子抵抗値(初期抵抗値)
測定…45.23kΩ→標準環境温度における抵抗値に
換算…41.09kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…L=0.484mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)60.00/47.09
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
準環境温度における目標抵抗値決定…60.00kΩ (2)作業環境温度における素子抵抗値(初期抵抗値)
測定…45.23kΩ→標準環境温度における抵抗値に
換算…41.09kΩ (3)測定値よりトリミング距離Lmmを算出決定(回帰
式の実行)…L=0.484mm この実行については、回帰式y=2.281x−0.0
69に、x=ln(対数記号)60.00/47.09
の値を代入する。 (4)Lmmトリミング実行
【0035】このトリミング量において、得られた結果
は、59.91kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.9秒であった。
は、59.91kΩ(25℃の環境温度での実測値)で
あった。また、所要時間は約0.9秒であった。
【0036】(結果の総括)トリミング対象に同じサー
ミスタを用い(図5)、本発明によるトリミング方法
(図7参照)と、従来例のトリミング方法(図8参照)
とを作業時間において比較したところ、1シートの所要
時間が従来例の場合は8分12秒掛かったのに対し、本
発明の場合では1分25秒しか掛からなかった。また、
本発明においては、トリミング前後で前記1シート当り
の各素子の抵抗値分布が図9から図10の状態になって
いるのに対し、従来例の方法では、図11から図12の
抵抗値分布状態になっており、トリミング後の両図(図
10と図11)を比較して明らかなように、本発明によ
る方法は従来方法よりも格段に正確な抵抗値が得られ
た。
ミスタを用い(図5)、本発明によるトリミング方法
(図7参照)と、従来例のトリミング方法(図8参照)
とを作業時間において比較したところ、1シートの所要
時間が従来例の場合は8分12秒掛かったのに対し、本
発明の場合では1分25秒しか掛からなかった。また、
本発明においては、トリミング前後で前記1シート当り
の各素子の抵抗値分布が図9から図10の状態になって
いるのに対し、従来例の方法では、図11から図12の
抵抗値分布状態になっており、トリミング後の両図(図
10と図11)を比較して明らかなように、本発明によ
る方法は従来方法よりも格段に正確な抵抗値が得られ
た。
【0037】図3および図4は、同じサーミスタのサン
プルにより同様にデータ処理を行なうとともに、目的対
数yをトリミング率とした場合を示したもので、図3が
図1に、図4が図2に対応する。これからも、図4に示
す本発明の場合が、図3に示す比較例の場合に比して、
回帰式の精度が高いことが分かる。その回帰式は次の通
りである。
プルにより同様にデータ処理を行なうとともに、目的対
数yをトリミング率とした場合を示したもので、図3が
図1に、図4が図2に対応する。これからも、図4に示
す本発明の場合が、図3に示す比較例の場合に比して、
回帰式の精度が高いことが分かる。その回帰式は次の通
りである。
【0038】
【数2】
【0039】上記の回帰式からトリミング率を算出する
手段は、前記と同様であり、そのトリミング率によりト
リミング量が算出される。
手段は、前記と同様であり、そのトリミング率によりト
リミング量が算出される。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によればサ
ーミスタのレーザ光線によるトリミング量を設定する前
提として、統計的手法による回帰分析を行い、その際に
トリミング量又はトリミング率の説明対数となる数値を
抵抗値変化率の対数値として、その回帰式を求めたの
で、サーミスタを一度にトリミングできるばかりでな
く、回帰式の精度が非常に高いために、アナログ的に極
めて正確に目標抵抗値に設定でき、一度のトリミングに
よりサーミスタのトリミング作業能率を格段に向上させ
得るという優れた効果がある。
ーミスタのレーザ光線によるトリミング量を設定する前
提として、統計的手法による回帰分析を行い、その際に
トリミング量又はトリミング率の説明対数となる数値を
抵抗値変化率の対数値として、その回帰式を求めたの
で、サーミスタを一度にトリミングできるばかりでな
く、回帰式の精度が非常に高いために、アナログ的に極
めて正確に目標抵抗値に設定でき、一度のトリミングに
よりサーミスタのトリミング作業能率を格段に向上させ
得るという優れた効果がある。
【0041】特に、第二発明(請求項2)によれば、サ
ーミスタの形状及び種類の如何にかかわらず正確にトリ
ミングでき、回帰式が多種類のサーミスタのトリミング
に適用できる汎用性があり、異種のサーミスタをトリミ
ングにより抵抗値を自由に変えやすいという効果があ
る。
ーミスタの形状及び種類の如何にかかわらず正確にトリ
ミングでき、回帰式が多種類のサーミスタのトリミング
に適用できる汎用性があり、異種のサーミスタをトリミ
ングにより抵抗値を自由に変えやすいという効果があ
る。
【図1】本発明の一実施例との比較例を示す散布図であ
る。
る。
【図2】本発明の同一実施例を示す散布図である。
【図3】本発明の他の実施例との比較例を示す散布図で
ある。
ある。
【図4】本発明の同じく他の実施例を示す散布図であ
る。
る。
【図5】サーミスタのトリミング作業要領を示す斜視説
明図である。
明図である。
【図6】回帰式に基づくトリミングの作業手順を示すフ
ローチャートである。
ローチャートである。
【図7】トリミングの作業における抵抗値変化を時間の
経過において説明するグラフである。
経過において説明するグラフである。
【図8】従来例を説明する図7に対応するグラフであ
る。
る。
【図9】本発明方法によるトリミング前の素子抵抗値分
布を示すグラフである。
布を示すグラフである。
【図10】本発明方法によるトリミング後の素子抵抗値
分布を示すグラフである。
分布を示すグラフである。
【図11】従来例の方法の場合を示す図9に対応するグ
ラフである。
ラフである。
【図12】従来例の方法の場合を示す図10に対応する
グラフである。
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本田 憲市 富山県富山市月岡町3丁目6番地 立山科 学工業株式会社南工場内
Claims (2)
- 【請求項1】 サーミスタのレーザ光線によるトリミン
グ量を設定する前提として、統計的手法による回帰分析
を行い、その回帰分析のためのデータの採取について、
同一のサンプルを用い、回帰分析については、サンプル
の初期抵抗値に対する抵抗値変化率をトリミング量また
は率との相関において解析するとともに、各抵抗値変化
率を対数値に置き換え、次に、トリミング量または率を
その対数値との相関において捉えた回帰式を求め、その
回帰式に基づいて検出されたトリミング量または率によ
り一度にトリミングを完了することを特徴とするサーミ
スタのトリミング方法。 - 【請求項2】 サーミスタのレーザ光線によるトリミン
グ量を設定する前提として、統計的手法による回帰分析
を行い、その回帰分析のためのデータの採取について、
異なったサンプルを用い、回帰分析については、サンプ
ルの初期抵抗値に対する抵抗値変化率をトリミング率と
の相関において解析するとともに、各抵抗値変化率を対
数値に置き換え、次に、トリミング率をその対数値との
相関において捉えた回帰式を求め、その回帰式に基づい
て検出されたトリミング率により一度にトリミングを完
了することを特徴とするサーミスタのトリミング方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3189267A JPH05135911A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | サーミスタのトリミング方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3189267A JPH05135911A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | サーミスタのトリミング方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05135911A true JPH05135911A (ja) | 1993-06-01 |
Family
ID=16238456
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3189267A Pending JPH05135911A (ja) | 1991-07-02 | 1991-07-02 | サーミスタのトリミング方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05135911A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6875950B2 (en) * | 2002-03-22 | 2005-04-05 | Gsi Lumonics Corporation | Automated laser trimming of resistors |
JP2006508551A (ja) * | 2002-11-21 | 2006-03-09 | サンマイナ エスシーアイ コーポレイション | レジスタのレーザトリミング |
JP2007281077A (ja) * | 2006-04-04 | 2007-10-25 | Kamaya Denki Kk | チップサーミスタの製造方法 |
JP2008512872A (ja) * | 2004-09-13 | 2008-04-24 | エレクトロ サイエンティフィック インダストリーズ インコーポレーテッド | 抵抗器へのレーザートリミングの間の熱電気ポテンシャルの解析方法 |
JP2011054976A (ja) * | 2002-11-21 | 2011-03-17 | Hadco Santa Clara Inc | レジスタのレーザトリミング |
JP2017147404A (ja) * | 2016-02-19 | 2017-08-24 | Koa株式会社 | 金属板抵抗器の製造方法 |
CN107134331A (zh) * | 2017-04-27 | 2017-09-05 | 广东风华高新科技股份有限公司 | 热敏电阻调阻方法 |
-
1991
- 1991-07-02 JP JP3189267A patent/JPH05135911A/ja active Pending
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