JPH05130863A - サイトカイン活性化マクロフア−ジ - Google Patents
サイトカイン活性化マクロフア−ジInfo
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- JPH05130863A JPH05130863A JP3296567A JP29656791A JPH05130863A JP H05130863 A JPH05130863 A JP H05130863A JP 3296567 A JP3296567 A JP 3296567A JP 29656791 A JP29656791 A JP 29656791A JP H05130863 A JPH05130863 A JP H05130863A
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- Japan
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- cytokine
- cells
- monocytes
- activated
- macrophages
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 LAK細胞誘導の際に抑制的に働くと考えら
れていたヒト末梢血から単離した単球を、未分化の状態
からインタ−ロイキン−2と単球/マクロファ−ジの分
化又は活性化に関与するその他のサイトカインの存在
下、ヒト血清含有栄養培地中で培養することにより広範
囲の腫瘍細胞に対して高い細胞傷害活性を有するマクロ
ファ−ジを得る。 【構成】 ヒト末梢血から単離した単球を、インタ−ロ
イキン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に
関与するその他のサイトカインの存在下にヒト血清含有
栄養培地を用いて長期間培養し、培養液中に生成したサ
イトカイン活性化マクロファ−ジを分離、採取する。
れていたヒト末梢血から単離した単球を、未分化の状態
からインタ−ロイキン−2と単球/マクロファ−ジの分
化又は活性化に関与するその他のサイトカインの存在
下、ヒト血清含有栄養培地中で培養することにより広範
囲の腫瘍細胞に対して高い細胞傷害活性を有するマクロ
ファ−ジを得る。 【構成】 ヒト末梢血から単離した単球を、インタ−ロ
イキン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に
関与するその他のサイトカインの存在下にヒト血清含有
栄養培地を用いて長期間培養し、培養液中に生成したサ
イトカイン活性化マクロファ−ジを分離、採取する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はサイトカイン活性化マク
ロファ−ジの新規な製造方法に関し、更に詳細には、ヒ
ト末梢血から単離した単球を、インタ−ロイキン−2
(Interleukin-2:IL−2)と単球/マクロファ−ジの
分化又は活性化に関与するその他のサイトカインの存在
下にヒト血清含有栄養培地を用いて培養し、培養液中に
生成したサイトカイン活性化マクロファ−ジを分離、採
取することを特徴とするサイトカイン活性化マクロファ
−ジの新規な製造方法、および該方法により得られるサ
イトカイン活性化マクロファ−ジに関する。
ロファ−ジの新規な製造方法に関し、更に詳細には、ヒ
ト末梢血から単離した単球を、インタ−ロイキン−2
(Interleukin-2:IL−2)と単球/マクロファ−ジの
分化又は活性化に関与するその他のサイトカインの存在
下にヒト血清含有栄養培地を用いて培養し、培養液中に
生成したサイトカイン活性化マクロファ−ジを分離、採
取することを特徴とするサイトカイン活性化マクロファ
−ジの新規な製造方法、および該方法により得られるサ
イトカイン活性化マクロファ−ジに関する。
【0002】
【従来の技術】腫瘍に対する免疫療法の一つとして、サ
イトカインなどの生体反応修飾物質(Biological Respo
nse Modifier:BRM)で活性化又は増殖させた末梢血
リンパ球や腫瘍組織浸潤リンパ球を使用することは従来
から公知であり、特にマウスの実験系において優れた抗
腫瘍効果が認められていることが報告されている(J.Im
munology,132,2123-2128,1984及びJ.Exp.Med.,156,385-
397,1982など)。
イトカインなどの生体反応修飾物質(Biological Respo
nse Modifier:BRM)で活性化又は増殖させた末梢血
リンパ球や腫瘍組織浸潤リンパ球を使用することは従来
から公知であり、特にマウスの実験系において優れた抗
腫瘍効果が認められていることが報告されている(J.Im
munology,132,2123-2128,1984及びJ.Exp.Med.,156,385-
397,1982など)。
【0003】米国国立癌研究所(NCI)のRosenberg
らは、抗原刺激を加えていない末梢血リンパ球にIL−
2を加えることによって高い抗腫瘍活性を有する細胞が
誘導されることを報告している(Science,223,1412-141
5,1984)。該細胞は抗原刺激を必要とせず、主要組織適
合遺伝子複合体(Major Histocompatibility Complex:
MHC)に規定されない広範囲の抗腫瘍活性を有するこ
と、並びに該細胞を誘導する場合にはIL−2の存在が
必要十分な条件であるとして、彼らは誘導された細胞に
対しリンホカイン活性化キラ−(Lymphokine Activated
Killer:LAK)細胞と命名した。(J.Exp.Med.,155,1
823-1841,1982)。
らは、抗原刺激を加えていない末梢血リンパ球にIL−
2を加えることによって高い抗腫瘍活性を有する細胞が
誘導されることを報告している(Science,223,1412-141
5,1984)。該細胞は抗原刺激を必要とせず、主要組織適
合遺伝子複合体(Major Histocompatibility Complex:
MHC)に規定されない広範囲の抗腫瘍活性を有するこ
と、並びに該細胞を誘導する場合にはIL−2の存在が
必要十分な条件であるとして、彼らは誘導された細胞に
対しリンホカイン活性化キラ−(Lymphokine Activated
Killer:LAK)細胞と命名した。(J.Exp.Med.,155,1
823-1841,1982)。
【0004】その後、遺伝子組換えの技術により組換え
IL−2の入手が容易になったことから(Nature,302,3
05-310,1983)、LAK細胞を用いた腫瘍に対する免疫
療法の一つである、いわゆる養子免疫療法の臨床的な応
用が開始され、その有用性が認められるようになってき
た(N.Engl.J.Med.,313,1485-1492,1985及びN.Engl.J.M
ed.,316,898-905,1987など)。
IL−2の入手が容易になったことから(Nature,302,3
05-310,1983)、LAK細胞を用いた腫瘍に対する免疫
療法の一つである、いわゆる養子免疫療法の臨床的な応
用が開始され、その有用性が認められるようになってき
た(N.Engl.J.Med.,313,1485-1492,1985及びN.Engl.J.M
ed.,316,898-905,1987など)。
【0005】この養子免疫療法に用いられるLAK細胞
は、通常、ヒトの末梢血から分離したリンパ球を、IL
−2存在下に血清含有又は非含有栄養培地中で培養する
ことにより誘導されるが、LAK細胞の前駆細胞として
使用されるリンパ球以外の細胞群、特に単球はLAK細
胞の誘導に対して抑制的に作用するものと考えられ、前
駆細胞から除去されるのが望ましい(特開昭63-28388号
公報, 特開昭63-202378号公報,特開昭63-295510号公報
など)。
は、通常、ヒトの末梢血から分離したリンパ球を、IL
−2存在下に血清含有又は非含有栄養培地中で培養する
ことにより誘導されるが、LAK細胞の前駆細胞として
使用されるリンパ球以外の細胞群、特に単球はLAK細
胞の誘導に対して抑制的に作用するものと考えられ、前
駆細胞から除去されるのが望ましい(特開昭63-28388号
公報, 特開昭63-202378号公報,特開昭63-295510号公報
など)。
【0006】最近に至り、ヒト末梢血から分離した単球
/マクロファ−ジ画分を、サイトカイン、例えば、IL
−1,IL−2,Tumor Necrosis Factor(TNF)又
はInterferon-γ(IFN−γ)などのBRMの存在下
に血清含有栄養培地中18〜48時間培養することにより細
胞傷害活性を有するマクロファ−ジが誘導されることが
報告されている(Nature,325,262-265,1987、Nature,32
3,86-89,1986 、J.Immunology,140,1345-1349,1988及び
Jpn.J.Cancer Res.,80,59-64,1989)。
/マクロファ−ジ画分を、サイトカイン、例えば、IL
−1,IL−2,Tumor Necrosis Factor(TNF)又
はInterferon-γ(IFN−γ)などのBRMの存在下
に血清含有栄養培地中18〜48時間培養することにより細
胞傷害活性を有するマクロファ−ジが誘導されることが
報告されている(Nature,325,262-265,1987、Nature,32
3,86-89,1986 、J.Immunology,140,1345-1349,1988及び
Jpn.J.Cancer Res.,80,59-64,1989)。
【0007】しかしながら、これらの方法に従い誘導さ
れた活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性は必ずしも高
くはなく、かつ一過性であり、また特定の腫瘍細胞にの
み効果を有するに過ぎないものである。
れた活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性は必ずしも高
くはなく、かつ一過性であり、また特定の腫瘍細胞にの
み効果を有するに過ぎないものである。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】本発明者らは、従来
よりLAK細胞誘導の際に抑制的に働くと考えられてい
た単球に着目し、鋭意研究を重ねた結果、ヒト末梢血か
ら単離した単球を、未分化の状態からIL−2と単球/
マクロファ−ジの分化又は活性化に関与するその他のサ
イトカインの存在下、ヒト血清含有栄養培地中で長期間
培養することにより誘導されるマクロファ−ジが、広範
囲の腫瘍細胞に対して高い細胞傷害活性を有することを
見出し、本発明を完成するに至った。更に、本発明者ら
は、IL−2単独で使用する場合に比べて、IL−2と
IL−1又はCSF−1などのサイトカインを併用して
誘導されるマクロファ−ジが極めて高い細胞傷害活性を
有するとの知見を得た。
よりLAK細胞誘導の際に抑制的に働くと考えられてい
た単球に着目し、鋭意研究を重ねた結果、ヒト末梢血か
ら単離した単球を、未分化の状態からIL−2と単球/
マクロファ−ジの分化又は活性化に関与するその他のサ
イトカインの存在下、ヒト血清含有栄養培地中で長期間
培養することにより誘導されるマクロファ−ジが、広範
囲の腫瘍細胞に対して高い細胞傷害活性を有することを
見出し、本発明を完成するに至った。更に、本発明者ら
は、IL−2単独で使用する場合に比べて、IL−2と
IL−1又はCSF−1などのサイトカインを併用して
誘導されるマクロファ−ジが極めて高い細胞傷害活性を
有するとの知見を得た。
【0009】
【問題点を解決するための手段】即ち、本発明はヒト末
梢血から単離した単球を、未分化の状態から、インタ−
ロイキン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性化
に関与するその他のサイトカインの存在下にヒト血清含
有栄養培地を用いて長期間培養し、培養液中に生成した
サイトカイン活性化マクロファ−ジを分離、採取するこ
とから成るサイトカイン活性化マクロファ−ジの新規な
製造方法、および該方法により得られるサイトカイン活
性化マクロファ−ジを提供するものである。
梢血から単離した単球を、未分化の状態から、インタ−
ロイキン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性化
に関与するその他のサイトカインの存在下にヒト血清含
有栄養培地を用いて長期間培養し、培養液中に生成した
サイトカイン活性化マクロファ−ジを分離、採取するこ
とから成るサイトカイン活性化マクロファ−ジの新規な
製造方法、および該方法により得られるサイトカイン活
性化マクロファ−ジを提供するものである。
【0010】なお、本明細書において使用する末梢血、
単球、単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に関与す
るその他のサイトカイン、IL−2、IL−1、CSF
−1、ヒト血清及びサイトカイン活性化マクロファ−ジ
とは、下記の通りである。
単球、単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に関与す
るその他のサイトカイン、IL−2、IL−1、CSF
−1、ヒト血清及びサイトカイン活性化マクロファ−ジ
とは、下記の通りである。
【0011】a)末梢血 本発明で使用される「末梢血」とは、年齢、種差、性差
などに限定されることのない健常人又は、担癌患者など
から採取した末梢血である。
などに限定されることのない健常人又は、担癌患者など
から採取した末梢血である。
【0012】b)単球 本発明で使用される「単球」とは、a)において定義さ
れる末梢血から単離される。即ち、「末梢血」を遠心分
離してバフィ−コ−ト(淡黄色の白血球層)を得、この
バフィ−コ−トを比重分離液(パ−コ−ル(Pharmacia社
製)など)に重層し、必要により、リン酸緩衝液(Pho
sphate Buffered Saline: PBS)を重層した後、密度
勾配遠心分離を行う。比重分離液とPBSとの界面に集
まる比重の小さい細胞群(単球、マクロファ−ジ、ナチ
ュラルキラ−(Natural Killer:NK)細胞及び血小板な
ど)を採取し、得られた細胞群を遠心分離により数回洗
浄する。密度勾配遠心分離は必要に応じて繰り返し行う
こともできる。洗浄後、5〜10%のヒト血清を含有する
栄養培地(RPMI-1640など)に懸濁させ96 穴マイクロタ
イタ−プレ−トに加え、5%CO2下、37℃で60〜90分間
培養する。培養後、上清の非粘着性の細胞を除去し、37
℃に保温した前記栄養培地で数回洗浄することにより純
度の高い単球を調製することができる。
れる末梢血から単離される。即ち、「末梢血」を遠心分
離してバフィ−コ−ト(淡黄色の白血球層)を得、この
バフィ−コ−トを比重分離液(パ−コ−ル(Pharmacia社
製)など)に重層し、必要により、リン酸緩衝液(Pho
sphate Buffered Saline: PBS)を重層した後、密度
勾配遠心分離を行う。比重分離液とPBSとの界面に集
まる比重の小さい細胞群(単球、マクロファ−ジ、ナチ
ュラルキラ−(Natural Killer:NK)細胞及び血小板な
ど)を採取し、得られた細胞群を遠心分離により数回洗
浄する。密度勾配遠心分離は必要に応じて繰り返し行う
こともできる。洗浄後、5〜10%のヒト血清を含有する
栄養培地(RPMI-1640など)に懸濁させ96 穴マイクロタ
イタ−プレ−トに加え、5%CO2下、37℃で60〜90分間
培養する。培養後、上清の非粘着性の細胞を除去し、37
℃に保温した前記栄養培地で数回洗浄することにより純
度の高い単球を調製することができる。
【0013】c)単球/マクロファ−ジの分化又は活性
化に関与するその他のサイトカイン本発明で使用される
「単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に関与するそ
の他のサイトカイン」とは、CSF−1、IL−1、T
NF及びIFNなどを意味し、特に好ましくは、CSF
−1又はIL−1を意味する。
化に関与するその他のサイトカイン本発明で使用される
「単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に関与するそ
の他のサイトカイン」とは、CSF−1、IL−1、T
NF及びIFNなどを意味し、特に好ましくは、CSF
−1又はIL−1を意味する。
【0014】d)IL−2、CSF−1及びIL−1 本発明で使用される「IL−2」、「CSF−1」及び
「IL−1」とは、共にヒト由来の又はマウス、ラット
などの動物由来の天然若しくは、遺伝子組換え技術によ
り得られた組換え型のものが包含される。
「IL−1」とは、共にヒト由来の又はマウス、ラット
などの動物由来の天然若しくは、遺伝子組換え技術によ
り得られた組換え型のものが包含される。
【0015】e)ヒト血清 本発明で使用される「ヒト血清」とは、血液型に限定さ
れない成人のヒト血清を意味する。
れない成人のヒト血清を意味する。
【0016】f)サイトカイン活性化マクロファ−ジ 本発明における「サイトカイン活性化マクロファ−ジ」
とは、ヒト末梢血から単離した単球を、インタ−ロイキ
ン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に関与
するその他のサイトカインの存在下にヒト血清含有栄養
培地を用いて長期間培養することにより誘導され、NK
細胞感受性又は非感受性に限定されない広範囲の腫瘍細
胞を傷害する能力などを有するサイトカイン活性化マク
ロファ−ジを意味する。
とは、ヒト末梢血から単離した単球を、インタ−ロイキ
ン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性化に関与
するその他のサイトカインの存在下にヒト血清含有栄養
培地を用いて長期間培養することにより誘導され、NK
細胞感受性又は非感受性に限定されない広範囲の腫瘍細
胞を傷害する能力などを有するサイトカイン活性化マク
ロファ−ジを意味する。
【0017】
【実施例】以下に、本発明の態様を実施例により更に具
体的に説明するが、本発明はここに記載される特定の態
様に限定されるものではない。
体的に説明するが、本発明はここに記載される特定の態
様に限定されるものではない。
【0018】A.単球の単離 ヒトから末梢血 200mlを採取し、遠心分離により赤血球
を除去してバフィ−コ−トを得た。バフィ−コ−トの 1
/2 量のパ−コ−ル液(比重1.128)4mlと混合し、更
に、パ−コ−ル液(比重1.064)3mlとPBS1mlを重
層し、400×gで20分間密度勾配遠心分離した。遠心分
離後、パ−コ−ル液(比重1.064)とPBSとの界面に
集まった細胞画分を回収した。この画分を150×gで10
分間遠心分離により洗浄した。洗浄後、再びPBSに懸
濁させ、パ−コ−ル液(比重1.064)に重層し、400×g
で20分間密度勾配遠心分離してパ−コ−ル液とPBSと
の界面に集まった細胞画分を回収した。この細胞画分を
遠心分離(150×g,5分間)により3回洗浄した後、1
0%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地(Gibco社製)に
懸濁させ、1×105 cell/100μl/wellの濃度で96穴平底
マイクロタイタ−プレ−トに加え、5%CO2下 37 ℃で6
0分間培養した。培養後、上清の非粘着性の細胞群を除
去し、37℃に保温したRPMI-1640培地で3回洗浄して極
めて純度の高い(99%以上)単球を得た。
を除去してバフィ−コ−トを得た。バフィ−コ−トの 1
/2 量のパ−コ−ル液(比重1.128)4mlと混合し、更
に、パ−コ−ル液(比重1.064)3mlとPBS1mlを重
層し、400×gで20分間密度勾配遠心分離した。遠心分
離後、パ−コ−ル液(比重1.064)とPBSとの界面に
集まった細胞画分を回収した。この画分を150×gで10
分間遠心分離により洗浄した。洗浄後、再びPBSに懸
濁させ、パ−コ−ル液(比重1.064)に重層し、400×g
で20分間密度勾配遠心分離してパ−コ−ル液とPBSと
の界面に集まった細胞画分を回収した。この細胞画分を
遠心分離(150×g,5分間)により3回洗浄した後、1
0%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地(Gibco社製)に
懸濁させ、1×105 cell/100μl/wellの濃度で96穴平底
マイクロタイタ−プレ−トに加え、5%CO2下 37 ℃で6
0分間培養した。培養後、上清の非粘着性の細胞群を除
去し、37℃に保温したRPMI-1640培地で3回洗浄して極
めて純度の高い(99%以上)単球を得た。
【0019】B.サイトカイン活性化マクロファ−ジの
誘導 a)前記Aで得られた単球を、10〜1,000IU/mlの組換え
型IL−2(recombinant IL-2:rIL−2、塩野義製薬
(株)製)及び10%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地
中で、5%CO2下、37℃で3〜17日間培養することによ
りサイトカイン活性化マクロファ−ジを得た。
誘導 a)前記Aで得られた単球を、10〜1,000IU/mlの組換え
型IL−2(recombinant IL-2:rIL−2、塩野義製薬
(株)製)及び10%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地
中で、5%CO2下、37℃で3〜17日間培養することによ
りサイトカイン活性化マクロファ−ジを得た。
【0020】b)前記Aで得られた単球を、50〜500IU/
mlのrIL−2及び50〜50,000IU/mlのCSF−1(ミド
リ十字(株)製)を用い、a)と同様にして培養するこ
とによりサイトカイン活性化マクロファ−ジを得た。
mlのrIL−2及び50〜50,000IU/mlのCSF−1(ミド
リ十字(株)製)を用い、a)と同様にして培養するこ
とによりサイトカイン活性化マクロファ−ジを得た。
【0021】c)Aで得られた単球を50〜500IU/mlのr
IL−2及び6.25×10-7〜1.25×10-4μg/mlのIL−1
(大日本製薬(株)製)を用い、a)と同様にして培養
することによりサイトカイン活性化マクロファ−ジを得
た。
IL−2及び6.25×10-7〜1.25×10-4μg/mlのIL−1
(大日本製薬(株)製)を用い、a)と同様にして培養
することによりサイトカイン活性化マクロファ−ジを得
た。
【0022】C.サイトカイン活性化マクロファ−ジの
分離、採取 Bにおいてサイトカイン活性化マクロファ−ジを、PB
Sで洗浄後、0.5ml/wellで2mMのEDTA−PBS(p
H7.2)を添加し、5%CO2下、37℃で15分間培養した。
培養後、浮遊してきたサイトカイン活性化マクロファ−
ジを回収した。また、必要に応じラバ−ポリスマンを用
いてプレ−トに残存するサイトカイン活性化マクロファ
−ジを回収した。
分離、採取 Bにおいてサイトカイン活性化マクロファ−ジを、PB
Sで洗浄後、0.5ml/wellで2mMのEDTA−PBS(p
H7.2)を添加し、5%CO2下、37℃で15分間培養した。
培養後、浮遊してきたサイトカイン活性化マクロファ−
ジを回収した。また、必要に応じラバ−ポリスマンを用
いてプレ−トに残存するサイトカイン活性化マクロファ
−ジを回収した。
【0023】D.サイトカイン活性化マクロファ−ジの
特性 本発明により得られたサイトカイン活性化マクロファ−
ジの特性を、細胞内非特異的エステラ−ゼ(Non Specif
ic Esterase :NSE)染色及び蛍光色素標識抗体法(F
luorescence-labelled Antibody Method)により検討し
た。
特性 本発明により得られたサイトカイン活性化マクロファ−
ジの特性を、細胞内非特異的エステラ−ゼ(Non Specif
ic Esterase :NSE)染色及び蛍光色素標識抗体法(F
luorescence-labelled Antibody Method)により検討し
た。
【0024】a)NSE染色 方法:α−ナフチルブチレ−ト(半井化学(株)製)を
基質に用いて、C.Y.Liらの方法(J.Histochem.Cytoche
m.,21,1-22,1973)に準じて行った。前記Aにおいて得
られた単球0.5×106〜1.0×106/wellをLab Tek Camber
(三光純薬(株)製,#4804)にまき、10%ヒト血清及
び1000IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で
5%CO2下、37℃で8日間培養してサイトカイン活性化
マクロファ−ジを得た。固定液(冷アセトン:ホルマリ
ン:水=9:5:6)で約1分間細胞を固定した後、水
洗して風乾させた。次いでパラロザニリン溶液で約60分
間染色した後、水洗、風乾しサイトカイン活性化マクロ
ファ−ジの標本を作成した。なお、対照には、単球、ヒ
ト末梢血単核細胞及びrIL−2を含有しない10%ヒト
血清含有RPMI-1640培地中で培養したマクロファ−ジの
標本をそれぞれ作成した。これらの標本を位相差顕微鏡
を用いて検鏡(倍率:×125)し単球及びマクロファ−ジ
を同定した。 結果:図1乃至図4(写真)に示した。
基質に用いて、C.Y.Liらの方法(J.Histochem.Cytoche
m.,21,1-22,1973)に準じて行った。前記Aにおいて得
られた単球0.5×106〜1.0×106/wellをLab Tek Camber
(三光純薬(株)製,#4804)にまき、10%ヒト血清及
び1000IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で
5%CO2下、37℃で8日間培養してサイトカイン活性化
マクロファ−ジを得た。固定液(冷アセトン:ホルマリ
ン:水=9:5:6)で約1分間細胞を固定した後、水
洗して風乾させた。次いでパラロザニリン溶液で約60分
間染色した後、水洗、風乾しサイトカイン活性化マクロ
ファ−ジの標本を作成した。なお、対照には、単球、ヒ
ト末梢血単核細胞及びrIL−2を含有しない10%ヒト
血清含有RPMI-1640培地中で培養したマクロファ−ジの
標本をそれぞれ作成した。これらの標本を位相差顕微鏡
を用いて検鏡(倍率:×125)し単球及びマクロファ−ジ
を同定した。 結果:図1乃至図4(写真)に示した。
【0025】本染色法によれば、通常、単球及びマクロ
ファ−ジは細胞内にNSEを有するため紫赤色に染まる
が、細胞内にNSEを有さないリンパ球などの細胞群は
染色されず無色のままである。従って、本試験における
単球及びサイトカイン活性化マクロファ−ジは極めてよ
く紫赤色に染色されており、99%以上がNSE陽性であ
ると認められ、単球及びマクロファ−ジであることが確
認された。
ファ−ジは細胞内にNSEを有するため紫赤色に染まる
が、細胞内にNSEを有さないリンパ球などの細胞群は
染色されず無色のままである。従って、本試験における
単球及びサイトカイン活性化マクロファ−ジは極めてよ
く紫赤色に染色されており、99%以上がNSE陽性であ
ると認められ、単球及びマクロファ−ジであることが確
認された。
【0026】b)蛍光色素標識抗体法 本法は免疫組織化学的方法の一つであり、細胞の表面抗
原に対する抗体のマ−カ−としてFITC(Fluorescei
n Isothiocyanate)などの蛍光色素を用い、蛍光顕微鏡
下に励起された蛍光を観察することにより表面抗原を有
する細胞の所在を確認する方法である。ヒト末梢血中の
単球及びマクロファ−ジは表面抗原としてCD14を、ま
たNK細胞及び好中球はCD16を有している。なお、C
D14及びCD16を認識するモノクロ−ナル抗体としてそ
れぞれ例えば、MO2−FITC(Coulter Corp.製)
及びanti Leu11a−FITC(BectonDickinson社製)が
用いられている。
原に対する抗体のマ−カ−としてFITC(Fluorescei
n Isothiocyanate)などの蛍光色素を用い、蛍光顕微鏡
下に励起された蛍光を観察することにより表面抗原を有
する細胞の所在を確認する方法である。ヒト末梢血中の
単球及びマクロファ−ジは表面抗原としてCD14を、ま
たNK細胞及び好中球はCD16を有している。なお、C
D14及びCD16を認識するモノクロ−ナル抗体としてそ
れぞれ例えば、MO2−FITC(Coulter Corp.製)
及びanti Leu11a−FITC(BectonDickinson社製)が
用いられている。
【0027】方法:Bのa)により得られたサイトカイ
ン活性化マクロファ−ジに、MO2−FITCを0.1%
アジ化ナトリウム及び0.1%ウシ血清アルブミン(Fract
ionV,生化学工業(株)製)を加えたPBSに溶かして
加え、氷冷下30分間反応させた。反応終了後、PBSで
洗浄し標本を作成した。なお、対照にはanti Leu11a−
FITCを用い前記と同様にして標本を作成した。これ
らの標本を蛍光顕微鏡(倍率:×400)を用いて観察し、
サイトカイン活性化マクロファ−ジを同定した。 結果:図5及び図6(写真)に示した。
ン活性化マクロファ−ジに、MO2−FITCを0.1%
アジ化ナトリウム及び0.1%ウシ血清アルブミン(Fract
ionV,生化学工業(株)製)を加えたPBSに溶かして
加え、氷冷下30分間反応させた。反応終了後、PBSで
洗浄し標本を作成した。なお、対照にはanti Leu11a−
FITCを用い前記と同様にして標本を作成した。これ
らの標本を蛍光顕微鏡(倍率:×400)を用いて観察し、
サイトカイン活性化マクロファ−ジを同定した。 結果:図5及び図6(写真)に示した。
【0028】本発明のサイトカイン活性化マクロファ−
ジは、MO2−FITCで、極めてよく黄緑色の蛍光を
発しており、MO2陽性であり、即ち大部分がマクロフ
ァ−ジであることが認められた。また、anti Leu11a−
FITCを用いた標本は全く蛍光を発していないことか
ら、本発明のサイトカイン活性化マクロファ−ジには、
anti Leu11a陽性であるNK細胞のような抗腫瘍活性有
する細胞が全く混入していないことが認められた。 以
上の通り、a)及びb)の方法で得られた結果から、本
発明により誘導された細胞傷害活性を有する細胞は、極
めて純度の高い単球からサイトカインによって誘導され
る活性化マクロファ−ジであることが確認された。
ジは、MO2−FITCで、極めてよく黄緑色の蛍光を
発しており、MO2陽性であり、即ち大部分がマクロフ
ァ−ジであることが認められた。また、anti Leu11a−
FITCを用いた標本は全く蛍光を発していないことか
ら、本発明のサイトカイン活性化マクロファ−ジには、
anti Leu11a陽性であるNK細胞のような抗腫瘍活性有
する細胞が全く混入していないことが認められた。 以
上の通り、a)及びb)の方法で得られた結果から、本
発明により誘導された細胞傷害活性を有する細胞は、極
めて純度の高い単球からサイトカインによって誘導され
る活性化マクロファ−ジであることが確認された。
【0029】E.細胞傷害活性 本発明のサイトカイン活性化マクロファ−ジの細胞傷害
活性の測定は、特に断わりのない限り下記に述べる3H
−チミジン放出試験(Tritirated Thymidine Release T
est)を用いて測定した。また、本試験において使用し
た標的腫瘍細胞は、特に断わりのない限り、ヒト由来の
Hela細胞であり、また、サイトカイン活性化マクロファ
−ジ及び標的腫瘍細胞の数はそれぞれ、1×105cell及び
1×104cellとした。
活性の測定は、特に断わりのない限り下記に述べる3H
−チミジン放出試験(Tritirated Thymidine Release T
est)を用いて測定した。また、本試験において使用し
た標的腫瘍細胞は、特に断わりのない限り、ヒト由来の
Hela細胞であり、また、サイトカイン活性化マクロファ
−ジ及び標的腫瘍細胞の数はそれぞれ、1×105cell及び
1×104cellとした。
【0030】(3H−チミジン放出試験法)腫瘍細胞を
ファルコンカルチャ−ボトルで培養し、継代後2〜3日
目に得られる腫瘍細胞を標的細胞として使用した。この
標的細胞に25μCi/ホ゛トルの3H−チミジンを加え、4〜5
時間培養して、得られた3H−チミジン標識腫瘍細胞を3
H−チミジンを含有しない新しい培地中で1時間培養し
て本試験で使用する3H−チミジン標識腫瘍細胞を得
た。この3H−チミジン標識腫瘍細胞を、10%ウシ胎児
血清含有RPMI-1640培地中に懸濁し、96穴平底マイクロ
タイタ−プレ−ト中で誘導したサイトカイン活性化マク
ロファ−ジに加え、37℃で48時間培養した後、各ウェル
から上清100μlを採取し、上清中に放出された3H−チ
ミジンの放射活性を液体シンチレ−ションカウンタ−に
より測定した。細胞傷害活性は、下記式により算出でき
る。
ファルコンカルチャ−ボトルで培養し、継代後2〜3日
目に得られる腫瘍細胞を標的細胞として使用した。この
標的細胞に25μCi/ホ゛トルの3H−チミジンを加え、4〜5
時間培養して、得られた3H−チミジン標識腫瘍細胞を3
H−チミジンを含有しない新しい培地中で1時間培養し
て本試験で使用する3H−チミジン標識腫瘍細胞を得
た。この3H−チミジン標識腫瘍細胞を、10%ウシ胎児
血清含有RPMI-1640培地中に懸濁し、96穴平底マイクロ
タイタ−プレ−ト中で誘導したサイトカイン活性化マク
ロファ−ジに加え、37℃で48時間培養した後、各ウェル
から上清100μlを採取し、上清中に放出された3H−チ
ミジンの放射活性を液体シンチレ−ションカウンタ−に
より測定した。細胞傷害活性は、下記式により算出でき
る。
【0031】
【数1】
【0032】a)IL−2により活性化されるマクロフ
ァ−ジの細胞傷害活性 ・IL−2濃度 方法:ヒト末梢血より単離した単球を10%ヒト血清又は
10%ウシ胎児血清、及びそれぞれ10、100、1,000IU/ml
のrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で、8日間培養
して得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジの細胞
傷害活性を測定した。なお、対照にはrIL−2を含ま
ない10%ヒト血清又は10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640
培地中で培養したものを用いた。 結果:表1に示した。
ァ−ジの細胞傷害活性 ・IL−2濃度 方法:ヒト末梢血より単離した単球を10%ヒト血清又は
10%ウシ胎児血清、及びそれぞれ10、100、1,000IU/ml
のrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で、8日間培養
して得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジの細胞
傷害活性を測定した。なお、対照にはrIL−2を含ま
ない10%ヒト血清又は10%ウシ胎児血清含有RPMI-1640
培地中で培養したものを用いた。 結果:表1に示した。
【0033】
【表1】
【0034】rIL−2を添加した場合には、各濃度に
おいて、ヒト血清含有培地を用いて培養して得られたサ
イトカイン活性化マクロファ−ジの方が、FCS含有培
地を用いて培養したものより高い細胞傷害活性を示し、
またrIL−2濃度については、10IU/ml以上、特に100I
U/ml以上の場合に顕著な効果が認められた。
おいて、ヒト血清含有培地を用いて培養して得られたサ
イトカイン活性化マクロファ−ジの方が、FCS含有培
地を用いて培養したものより高い細胞傷害活性を示し、
またrIL−2濃度については、10IU/ml以上、特に100I
U/ml以上の場合に顕著な効果が認められた。
【0035】・IL−2の添加時期 方法:ヒト末梢血から単離した単球を10%ヒト血清含有
RPMI-1640培地中で、それぞれ0、1、3、5及び7日
前培養した後、500IU/mlのrIL−2を加えた10%ヒト
血清含有RPMI-1640培地中でそれぞれ8、7、5、3及
び1日培養して得られたサイトカイン活性化マクロファ
−ジの細胞傷害活性を測定した。なお、対照には、rI
L−2を含まない10%ヒト血清含有RPMI-1640培地中で
8日間培養して得られたマクロファ−ジを用いた。 結果:表2に示した。
RPMI-1640培地中で、それぞれ0、1、3、5及び7日
前培養した後、500IU/mlのrIL−2を加えた10%ヒト
血清含有RPMI-1640培地中でそれぞれ8、7、5、3及
び1日培養して得られたサイトカイン活性化マクロファ
−ジの細胞傷害活性を測定した。なお、対照には、rI
L−2を含まない10%ヒト血清含有RPMI-1640培地中で
8日間培養して得られたマクロファ−ジを用いた。 結果:表2に示した。
【0036】
【表2】
【0037】細胞傷害活性は、単球を単離直後(0日
目)からrIL−2を含有する培地で8日間培養して誘
導されたサイトカイン活性化マクロファ−ジが最大値を
示し、前培養期間が長くなるに従い細胞傷害活性が低下
した。これより、単球/マクロファ−ジを用いてrIL
−2により細胞傷害活性を有するマクロファ−ジを誘導
する際には、誘導初期の未分化の状態からrIL−2と
培養することにより最も高い細胞傷害活性を有するサイ
トカイン活性化マクロファ−ジを誘導することができる
ことが認められた。
目)からrIL−2を含有する培地で8日間培養して誘
導されたサイトカイン活性化マクロファ−ジが最大値を
示し、前培養期間が長くなるに従い細胞傷害活性が低下
した。これより、単球/マクロファ−ジを用いてrIL
−2により細胞傷害活性を有するマクロファ−ジを誘導
する際には、誘導初期の未分化の状態からrIL−2と
培養することにより最も高い細胞傷害活性を有するサイ
トカイン活性化マクロファ−ジを誘導することができる
ことが認められた。
【0038】・LAK細胞との比較 本発明より得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジ
とLAK細胞との細胞傷害作用の機序の差異を比較する
目的で、51Cr放出試験及び3H−チミジン放出試験を
用いて下記の実験を行った。
とLAK細胞との細胞傷害作用の機序の差異を比較する
目的で、51Cr放出試験及び3H−チミジン放出試験を
用いて下記の実験を行った。
【0039】方法:ヒト末梢血より単離した単球を、10
%ヒト血清及び1,000IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-
1640培地中で、3又は10日間培養して得られたサイトカ
イン活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性と、ヒト末梢
血より単離したリンパ球を、前述と同様に操作して得ら
れたLAK細胞を用いて両者の細胞傷害活性を4時間51
Cr放出試験及び48時間3H−チミジン放出試験により
測定した。 結果:表3及び表4に示した。
%ヒト血清及び1,000IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-
1640培地中で、3又は10日間培養して得られたサイトカ
イン活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性と、ヒト末梢
血より単離したリンパ球を、前述と同様に操作して得ら
れたLAK細胞を用いて両者の細胞傷害活性を4時間51
Cr放出試験及び48時間3H−チミジン放出試験により
測定した。 結果:表3及び表4に示した。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】51Cr放出試験では、標的腫瘍細胞がLA
K細胞や本発明で得られたサイトカイン活性化マクロフ
ァ−ジなどの細胞傷害活性を有するエフェクタ−により
細胞膜に傷害を受けると腫瘍細胞の細胞質に取り込まれ
ている51Crが放出され、その放射活性を測定すること
により細胞傷害活性が算出される。一方、3H−チミジ
ン放出試験では、上記のようなエフェクタ−により標的
腫瘍細胞の核内のDNAが破壊されるとDNAに取り込
まれている3H−チミジンが放出され、その放射活性を
測定することにより細胞傷害活性が算出される。
K細胞や本発明で得られたサイトカイン活性化マクロフ
ァ−ジなどの細胞傷害活性を有するエフェクタ−により
細胞膜に傷害を受けると腫瘍細胞の細胞質に取り込まれ
ている51Crが放出され、その放射活性を測定すること
により細胞傷害活性が算出される。一方、3H−チミジ
ン放出試験では、上記のようなエフェクタ−により標的
腫瘍細胞の核内のDNAが破壊されるとDNAに取り込
まれている3H−チミジンが放出され、その放射活性を
測定することにより細胞傷害活性が算出される。
【0043】本発明のサイトカイン活性化マクロファ−
ジは、短時間の51Cr放出試験ではいずれの培養期間に
おいても低い細胞傷害活性しか示さなかったが、48時間
の3H−チミジン放出試験では、10日間培養して得られ
たものが、極めて高い細胞傷害活性を示した。
ジは、短時間の51Cr放出試験ではいずれの培養期間に
おいても低い細胞傷害活性しか示さなかったが、48時間
の3H−チミジン放出試験では、10日間培養して得られ
たものが、極めて高い細胞傷害活性を示した。
【0044】一方、LAK細胞は、51Cr放出試験では
高い細胞傷害活性を示したが、3H−チミジン放出試験
ではいずれの培養期間においてもほとんど細胞傷害活性
を示さなかった。以上の結果から、本発明で得られたサ
イトカイン活性化マクロファ−ジは、公知のLAK細胞
が有する腫瘍細胞傷害作用とは全く異なる機序で、即
ち、標的腫瘍細胞の核内のDNAを破壊することにより
腫瘍細胞を壊死させるという機序を有していることが示
唆された。
高い細胞傷害活性を示したが、3H−チミジン放出試験
ではいずれの培養期間においてもほとんど細胞傷害活性
を示さなかった。以上の結果から、本発明で得られたサ
イトカイン活性化マクロファ−ジは、公知のLAK細胞
が有する腫瘍細胞傷害作用とは全く異なる機序で、即
ち、標的腫瘍細胞の核内のDNAを破壊することにより
腫瘍細胞を壊死させるという機序を有していることが示
唆された。
【0045】・IL−2含有培地での培養期間 方法:ヒト末梢血より単離した単球を、10%ヒト血清及
び500IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で
3、6、10及び17日間培養して得られたサイトカイン活
性化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定した。 結果:表5に示した。
び500IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で
3、6、10及び17日間培養して得られたサイトカイン活
性化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定した。 結果:表5に示した。
【0046】
【表5】
【0047】rIL−2を使用して細胞傷害活性を有す
るマクロファ−ジを誘導する場合、3日以内の培養では
ほとんど細胞傷害活性を示さないが、6日目以降急激に
細胞傷害活性が高くなり、10日目で最高値を示し、以後
17日目においても極めて高い細胞傷害活性が維持され
た。これより、従来の短期間(1〜3日間以内)培養と
比較して、6日間以上培養することにより極めて高い細
胞傷害活性を有するサイトカイン活性化マクロファ−ジ
が誘導されることが認められた。
るマクロファ−ジを誘導する場合、3日以内の培養では
ほとんど細胞傷害活性を示さないが、6日目以降急激に
細胞傷害活性が高くなり、10日目で最高値を示し、以後
17日目においても極めて高い細胞傷害活性が維持され
た。これより、従来の短期間(1〜3日間以内)培養と
比較して、6日間以上培養することにより極めて高い細
胞傷害活性を有するサイトカイン活性化マクロファ−ジ
が誘導されることが認められた。
【0048】・各種腫瘍細胞に対する細胞傷害活性 方法:ヒト末梢血より単離した単球を、500IU/mlのrI
L−2及び10%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地中で
8日間培養して得られたサイトカイン活性化マクロファ
−ジを用いて、各種腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を検
討した。なお、対照にはrIL−2を含まない10%ヒト
血清を含有するRPMI-1640培地中で、同様にして得られ
たマクロファ−ジを用いた。
L−2及び10%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地中で
8日間培養して得られたサイトカイン活性化マクロファ
−ジを用いて、各種腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を検
討した。なお、対照にはrIL−2を含まない10%ヒト
血清を含有するRPMI-1640培地中で、同様にして得られ
たマクロファ−ジを用いた。
【0049】使用した標的腫瘍細胞は次の通りである。 Hela,K562,A375,HL60,U937,P815,MethA,LP3 なお、標的腫瘍細胞のうち、K562はNK細胞感受性であ
り、Hela、A375、HL60及びU937はNK細胞非感受性であ
る。 結果:表6に示した。
り、Hela、A375、HL60及びU937はNK細胞非感受性であ
る。 結果:表6に示した。
【0050】
【表6】
【0051】NK細胞感受性、非感受性に限定されず、
全ての腫瘍細胞に対して細胞傷害活性を示した。特に、
ヒト由来のHela細胞及びK562細胞に対し、極めて高い細
胞傷害活性を示した。これより、本発明のサイトカイン
活性化マクロファ−ジは、NK細胞感受性、非感受性に
限定されず広範囲の腫瘍細胞に対して細胞傷害活性を有
することが認められた。
全ての腫瘍細胞に対して細胞傷害活性を示した。特に、
ヒト由来のHela細胞及びK562細胞に対し、極めて高い細
胞傷害活性を示した。これより、本発明のサイトカイン
活性化マクロファ−ジは、NK細胞感受性、非感受性に
限定されず広範囲の腫瘍細胞に対して細胞傷害活性を有
することが認められた。
【0052】b)IL−2及びCSF−1により活性化
されるマクロファ−ジの細胞傷害活性 ・CSF−1の濃度 方法:ヒト末梢血(供与者2名)より単離した単球を10
%ヒト血清、500IU/mlのrIL−2及び、50、500、5,00
0又は50,000IU/mlのCSF−1をそれぞれ含有するRPMI
-1640培地中で、5日間培養して得られたサイトカイン
活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定した。な
お、対照にはCSF−1を含まない10%ヒト血清及び50
0IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で、上記
と同様にして培養して得られたサイトカイン活性化マク
ロファ−ジを用いた。 結果:表7に示した。
されるマクロファ−ジの細胞傷害活性 ・CSF−1の濃度 方法:ヒト末梢血(供与者2名)より単離した単球を10
%ヒト血清、500IU/mlのrIL−2及び、50、500、5,00
0又は50,000IU/mlのCSF−1をそれぞれ含有するRPMI
-1640培地中で、5日間培養して得られたサイトカイン
活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定した。な
お、対照にはCSF−1を含まない10%ヒト血清及び50
0IU/mlのrIL−2を含有するRPMI-1640培地中で、上記
と同様にして培養して得られたサイトカイン活性化マク
ロファ−ジを用いた。 結果:表7に示した。
【0053】
【表7】
【0054】細胞傷害活性については、CSF−1濃度
が500IU/ml以上で対照に比べ有意な細胞傷害活性を示
し、5,000IU/mlで最高値を示した。
が500IU/ml以上で対照に比べ有意な細胞傷害活性を示
し、5,000IU/mlで最高値を示した。
【0055】・CSF−1含有培地中での培養期間 方法:ヒト末梢血より単離した単球を10%ヒト血清、5,
000IU/mlのCSF−1及び、0、50または500IU/mlのr
IL−2をそれぞれ含有するRPMI-1640培地中で、3、
6、10または17日間培養して得られたサイトカイン活性
化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定した。なお、対
照には10%ヒト血清及び各濃度のrIL−2を含有するR
PMI-1640培地中で上記と同様にして得られたサイトカイ
ン活性化マクロファ−ジを用いた。 結果:表8に示した。
000IU/mlのCSF−1及び、0、50または500IU/mlのr
IL−2をそれぞれ含有するRPMI-1640培地中で、3、
6、10または17日間培養して得られたサイトカイン活性
化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定した。なお、対
照には10%ヒト血清及び各濃度のrIL−2を含有するR
PMI-1640培地中で上記と同様にして得られたサイトカイ
ン活性化マクロファ−ジを用いた。 結果:表8に示した。
【0056】
【表8】
【0057】rIL−2濃度を高くしても培養期間が3
日以内の場合にはほとんど細胞傷害活性を示さないが、
50又は500IU/mlのrIL-2を含有させて培養して得られた
サイトカイン活性化マクロファ−ジは、6日目以降急激
に細胞傷害活性が高くなり、10日目で最高値を示し、以
後17日目においても極めて高い細胞傷害活性が維持され
た。これより、従来の短期間(1〜3日間以内)培養と
比較して、6日間以上培養することにより極めて高い細
胞傷害活性を有するサイトカイン活性化マクロファ−ジ
が誘導されることが認められた。上記に加え、rIL−
2単独で誘導されるサイトカイン活性化マクロファ−ジ
と比較して、rIL−2とCSF−1との相乗効果によ
り、更に高い細胞傷害活性を有するサイトカイン活性化
マクロファ−ジが誘導されることが認められた。
日以内の場合にはほとんど細胞傷害活性を示さないが、
50又は500IU/mlのrIL-2を含有させて培養して得られた
サイトカイン活性化マクロファ−ジは、6日目以降急激
に細胞傷害活性が高くなり、10日目で最高値を示し、以
後17日目においても極めて高い細胞傷害活性が維持され
た。これより、従来の短期間(1〜3日間以内)培養と
比較して、6日間以上培養することにより極めて高い細
胞傷害活性を有するサイトカイン活性化マクロファ−ジ
が誘導されることが認められた。上記に加え、rIL−
2単独で誘導されるサイトカイン活性化マクロファ−ジ
と比較して、rIL−2とCSF−1との相乗効果によ
り、更に高い細胞傷害活性を有するサイトカイン活性化
マクロファ−ジが誘導されることが認められた。
【0058】c)IL−2及びIL−1により活性化さ
れるマクロファ−ジの細胞傷害活性 方法:ヒト末梢血より単離した単球を0、50又は500IU/
mlのrIL−2の各濃度に対して、6.25×10-7 又は1.25
×10-4μg/mlのIL−1、及び10%ヒト血清を含有する
RPMI-1640培地中で6又は9日間培養して得られたサイ
トカイン活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定し
た。なお、対照にはrIL−2各濃度において、IL−
1を含まない10%ヒト血清含有RPMI-1640培地中で培養
して得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジを用い
た。 結果:表9に示した。
れるマクロファ−ジの細胞傷害活性 方法:ヒト末梢血より単離した単球を0、50又は500IU/
mlのrIL−2の各濃度に対して、6.25×10-7 又は1.25
×10-4μg/mlのIL−1、及び10%ヒト血清を含有する
RPMI-1640培地中で6又は9日間培養して得られたサイ
トカイン活性化マクロファ−ジの細胞傷害活性を測定し
た。なお、対照にはrIL−2各濃度において、IL−
1を含まない10%ヒト血清含有RPMI-1640培地中で培養
して得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジを用い
た。 結果:表9に示した。
【0059】
【表9】
【0060】rIL−2濃度と細胞傷害活性との関係に
おいては、rIL−2濃度が高くなるに従い高い細胞傷
害活性を示した。また、培養期間と細胞傷害活性との関
係においては、6及び9日目ともに極めて高い細胞傷害
活性を示し、更に、6日間の培養に比べ9日間培養して
得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジは更に高い
細胞傷害活性を示した。これより、従来の短期間(1〜
3日間以内)培養と比較して、6日間以上培養すること
により極めて高い細胞傷害活性を有するサイトカイン活
性化マクロファ−ジが誘導されることが認められた。上
記に加え、rIL−2単独で誘導されるサイトカイン活
性化マクロファ−ジと比較して、rIL−2とIL−1
との相加効果により、更に高い細胞傷害活性を有するサ
イトカイン活性化マクロファ−ジが誘導されることが認
められた。
おいては、rIL−2濃度が高くなるに従い高い細胞傷
害活性を示した。また、培養期間と細胞傷害活性との関
係においては、6及び9日目ともに極めて高い細胞傷害
活性を示し、更に、6日間の培養に比べ9日間培養して
得られたサイトカイン活性化マクロファ−ジは更に高い
細胞傷害活性を示した。これより、従来の短期間(1〜
3日間以内)培養と比較して、6日間以上培養すること
により極めて高い細胞傷害活性を有するサイトカイン活
性化マクロファ−ジが誘導されることが認められた。上
記に加え、rIL−2単独で誘導されるサイトカイン活
性化マクロファ−ジと比較して、rIL−2とIL−1
との相加効果により、更に高い細胞傷害活性を有するサ
イトカイン活性化マクロファ−ジが誘導されることが認
められた。
【0061】F.動物モデルにおける抗腫瘍活性 本発明のサイトカイン活性化マクロファ−ジの抗腫瘍活
性を動物モデルを用いて測定した。本実験で用いたサイ
トカイン活性化マクロファ−ジ、腫瘍細胞及び動物は下
記のとおりである。 (サイトカイン活性化マクロファ−ジ)実施例Aで得ら
れた単球を、500IU/mlのrIL-2(塩野義製薬(株)製)
及び10%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地中で、5%C
O2下、37℃で6乃至10日間培養し、実施例Cと同様
にして得たサイトカイン活性化マクロファ−ジを、洗浄
液(HANKS;日水社製)で2回洗浄した後、同洗浄液中
に懸濁させた。 (腫瘍細胞)10%ヒト血清含有RPMI-1640培地中で培養
したA375ヒトメラノ−マ細胞株を用いた。 (動物)生後4乃至6週齢のBalb/c nu/nuヌ−ドマウス
を用いた。
性を動物モデルを用いて測定した。本実験で用いたサイ
トカイン活性化マクロファ−ジ、腫瘍細胞及び動物は下
記のとおりである。 (サイトカイン活性化マクロファ−ジ)実施例Aで得ら
れた単球を、500IU/mlのrIL-2(塩野義製薬(株)製)
及び10%ヒト血清を含有するRPMI-1640培地中で、5%C
O2下、37℃で6乃至10日間培養し、実施例Cと同様
にして得たサイトカイン活性化マクロファ−ジを、洗浄
液(HANKS;日水社製)で2回洗浄した後、同洗浄液中
に懸濁させた。 (腫瘍細胞)10%ヒト血清含有RPMI-1640培地中で培養
したA375ヒトメラノ−マ細胞株を用いた。 (動物)生後4乃至6週齢のBalb/c nu/nuヌ−ドマウス
を用いた。
【0062】方法1:前記のBalb/c nu/nuヌ−ドマウス
1匹(1群5匹)に対し、サイトカイン活性化マクロフ
ァ−ジ(2×106cell)とA375ヒトメラノ−マ細胞
(1×106cell)をHANKS(200μl)中に懸濁させ
た混合物を背部皮下投与(s.c.;subcutaneously i
njection)した。投与後、7、12、14及び20日目
に腫瘍面積算出式に基づき検体マウスの腫瘍面積を測定
した。
1匹(1群5匹)に対し、サイトカイン活性化マクロフ
ァ−ジ(2×106cell)とA375ヒトメラノ−マ細胞
(1×106cell)をHANKS(200μl)中に懸濁させ
た混合物を背部皮下投与(s.c.;subcutaneously i
njection)した。投与後、7、12、14及び20日目
に腫瘍面積算出式に基づき検体マウスの腫瘍面積を測定
した。
【0063】
【数2】
【0064】なお、対照にはA375ヒトマラノ−マ細胞
(1×106cell/200μl/匹)のみを投与したBalb/c n
u/nuヌ−ドマウスを用いた。結果を図7に示した。
(1×106cell/200μl/匹)のみを投与したBalb/c n
u/nuヌ−ドマウスを用いた。結果を図7に示した。
【0065】方法2:前記のBalb/c nu/nuヌ−ドマウス
(1群6匹)に、A375ヒトメラノ−マ細胞(1×106c
ell/200μl/匹)を背部皮下投与し、投与後2日目にサ
イトカイン活性化マクロファ−ジ(2×106cell/200
μl/匹)を同じく背部皮下投与した。投与後、4、
7、10及び14日目に方法1と同様に検体マウスの腫
瘍面積を測定した。なお、対照にはA375ヒトマラノ−マ
細胞(1×106cell/200μl/匹)のみを投与したBalb
/c nu/nuヌ−ドマウスを用いた。結果を図8に示した。
(1群6匹)に、A375ヒトメラノ−マ細胞(1×106c
ell/200μl/匹)を背部皮下投与し、投与後2日目にサ
イトカイン活性化マクロファ−ジ(2×106cell/200
μl/匹)を同じく背部皮下投与した。投与後、4、
7、10及び14日目に方法1と同様に検体マウスの腫
瘍面積を測定した。なお、対照にはA375ヒトマラノ−マ
細胞(1×106cell/200μl/匹)のみを投与したBalb
/c nu/nuヌ−ドマウスを用いた。結果を図8に示した。
【0066】A375ヒトメラノ−マ細胞のみを投与し本発
明のサイトカイン活性化マクロファ−ジを投与していな
い対照群では、著しい腫瘍の増大が観察されたのに対
し、A375ヒトメラノ−マ細胞に本発明のサイトカイン活
性化マクロファ−ジを混合して投与した動物群(方法
1)では腫瘍の増大の顕著な抑制が認められた。また、
ヒト癌患者を想定してA375ヒトメラノ−マ細胞を前投与
した後に腫瘍部位に本発明のサイトカイン活性化マクロ
ファ−ジを投与した動物群(方法2)においても、対照
群に比べ腫瘍の増大の抑制が認められた。本実験によ
り、本発明のサイトカイン活性化マクロファ−ジが、担
癌動物における癌の治療に有効であることが示された。
明のサイトカイン活性化マクロファ−ジを投与していな
い対照群では、著しい腫瘍の増大が観察されたのに対
し、A375ヒトメラノ−マ細胞に本発明のサイトカイン活
性化マクロファ−ジを混合して投与した動物群(方法
1)では腫瘍の増大の顕著な抑制が認められた。また、
ヒト癌患者を想定してA375ヒトメラノ−マ細胞を前投与
した後に腫瘍部位に本発明のサイトカイン活性化マクロ
ファ−ジを投与した動物群(方法2)においても、対照
群に比べ腫瘍の増大の抑制が認められた。本実験によ
り、本発明のサイトカイン活性化マクロファ−ジが、担
癌動物における癌の治療に有効であることが示された。
【0067】
【発明の効果】本発明のサイトカイン活性化マクロファ
−ジは、広範囲の腫瘍細胞に対する高い細胞傷害活性を
有し、癌の治療分野における養子免疫療法で用いられる
細胞種として有用である。
−ジは、広範囲の腫瘍細胞に対する高い細胞傷害活性を
有し、癌の治療分野における養子免疫療法で用いられる
細胞種として有用である。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【0069】図1乃至図4はNSE染色試験におけるヒ
ト末梢血単核細胞、マクロファ−ジ等の生物形態を示す
検鏡写真である。
ト末梢血単核細胞、マクロファ−ジ等の生物形態を示す
検鏡写真である。
【図1】ヒト末梢血単核細胞の生物形態を示す検鏡写
真。
真。
【図2】マクロファ−ジの生物形態を示す検鏡写真。
【図3】単球の生物形態を示す検鏡写真。
【図4】rIL−2によって活性化されたマクロファ−
ジの生物形態を示す検鏡写真。
ジの生物形態を示す検鏡写真。
【0070】図5及び図6は蛍光色素標識抗体法試験に
おけるサイトカイン活性化マクロファ−ジの生物形態を
示す検鏡写真である。
おけるサイトカイン活性化マクロファ−ジの生物形態を
示す検鏡写真である。
【図5】MO2−FITCによるサイトカイン活性化マ
クロファ−ジの生物形態を示す検鏡写真。
クロファ−ジの生物形態を示す検鏡写真。
【図6】anti Leu11a−FITCによるサイトカイン活
性化マクロファ−ジの生物形態を示す検鏡写真を示す。
性化マクロファ−ジの生物形態を示す検鏡写真を示す。
【0071】図7及び図8は、動物モデルにおける本発
明のサイトカイン活性化マクロファ−ジの抗腫瘍活性を
腫瘍面積の増減により示したものである。
明のサイトカイン活性化マクロファ−ジの抗腫瘍活性を
腫瘍面積の増減により示したものである。
【図7】Balb/c nu/nuヌ−ドマウスに、本発明のサイト
カイン活性化マクロファ−ジとA375ヒトメラノ−マ細胞
を混合物を投与した後の腫瘍面積の増減を示す。縦軸は
腫瘍面積算出式に基づいて得られた腫瘍面積(mm2)
を、横軸はA375ヒトメラノ−マ細胞投与後の経過日数を
表す。
カイン活性化マクロファ−ジとA375ヒトメラノ−マ細胞
を混合物を投与した後の腫瘍面積の増減を示す。縦軸は
腫瘍面積算出式に基づいて得られた腫瘍面積(mm2)
を、横軸はA375ヒトメラノ−マ細胞投与後の経過日数を
表す。
【図8】Balb/c nu/nuヌ−ドマウスに、A375ヒトメラノ
−マ細胞を前投与し、2日後本発明のサイトカイン活性
化マクロファ−ジを投与した後の腫瘍面積の増減を示
す。縦軸は腫瘍面積算出式に基づいて得られた腫瘍面積
(mm2)を、横軸はA375ヒトメラノ−マ細胞投与後の経
過日数を表す。
−マ細胞を前投与し、2日後本発明のサイトカイン活性
化マクロファ−ジを投与した後の腫瘍面積の増減を示
す。縦軸は腫瘍面積算出式に基づいて得られた腫瘍面積
(mm2)を、横軸はA375ヒトメラノ−マ細胞投与後の経
過日数を表す。
Claims (5)
- 【請求項1】 ヒト末梢血から単離した単球を、インタ
−ロイキン−2と単球/マクロファ−ジの分化又は活性
化に関与するその他のサイトカインの存在下にヒト血清
含有栄養培地を用いて培養し、培養液中に生成したサイ
トカイン活性化マクロファ−ジを分離、採取することを
特徴とするサイトカイン活性化マクロファ−ジの製造方
法。 - 【請求項2】 培養期間が6日間以上である請求項1記
載のサイトカイン活性化マクロファ−ジの製造方法。 - 【請求項3】 培養期間が6乃至17日間である請求項2
記載のサイトカイン活性化マクロファ−ジの製造方法。 - 【請求項4】 単球/マクロファ−ジの分化又は活性化
に関与するその他のサイトカインがインタ−ロイキン−
1又はコロニ−刺激因子−1である請求項1から請求項
3のいずれか1項に記載のサイトカイン活性化マクロフ
ァ−ジの製造方法。 - 【請求項5】 請求項1から請求項4のいずれか1項に
記載の方法により得られるサイトカイン活性化マクロフ
ァ−ジ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3296567A JPH05130863A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | サイトカイン活性化マクロフア−ジ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3296567A JPH05130863A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | サイトカイン活性化マクロフア−ジ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2101839A Division JPH0789907B2 (ja) | 1990-04-19 | 1990-04-19 | サイトカイン活性化マクロファージ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05130863A true JPH05130863A (ja) | 1993-05-28 |
Family
ID=17835219
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3296567A Pending JPH05130863A (ja) | 1991-10-17 | 1991-10-17 | サイトカイン活性化マクロフア−ジ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05130863A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0804072A4 (en) * | 1994-07-03 | 1999-06-02 | Crotty Daphna | METHOD AND SYSTEM FOR CULTURING CELLS, ESPECIALLY MACROPHAGES |
CN114107204A (zh) * | 2021-10-12 | 2022-03-01 | 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 | 脑胶质瘤巨噬细胞类配体的体系构建 |
-
1991
- 1991-10-17 JP JP3296567A patent/JPH05130863A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0804072A4 (en) * | 1994-07-03 | 1999-06-02 | Crotty Daphna | METHOD AND SYSTEM FOR CULTURING CELLS, ESPECIALLY MACROPHAGES |
CN114107204A (zh) * | 2021-10-12 | 2022-03-01 | 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 | 脑胶质瘤巨噬细胞类配体的体系构建 |
CN114107204B (zh) * | 2021-10-12 | 2023-10-27 | 中国人民解放军陆军军医大学第一附属医院 | 脑胶质瘤巨噬细胞类配体的体系构建 |
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