JPH0513032A - イオンビーム形成装置におけるスリツト調節装置 - Google Patents

イオンビーム形成装置におけるスリツト調節装置

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JPH0513032A
JPH0513032A JP3185683A JP18568391A JPH0513032A JP H0513032 A JPH0513032 A JP H0513032A JP 3185683 A JP3185683 A JP 3185683A JP 18568391 A JP18568391 A JP 18568391A JP H0513032 A JPH0513032 A JP H0513032A
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JP
Japan
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slit
shaft
vacuum chamber
ion beam
vacuum
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JP3185683A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Agawa
阿川  義昭
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Ulvac Inc
Original Assignee
Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 装置全体を加熱した場合に水分や油分を発生
させて真空チャンバ内の真空度を劣化させる事なく又ス
リット移動調節を正確に且つ確実に行うスリット調節装
置を行う事。 [構成] 真空チャンバ41内にスリット61aが配設
されシャフト45の先端部に結合される。ポート42a
を挿通し大気側はリニアブッシュ47により直線的に摺
動自在に案内されリニアブッシュ47はフランジ43、
44に絶縁材67を介して固定され、シャフト45の真
空チャンバ41内に位置する端部にはテフロン(登録商
標)からなるシールリング46が嵌着され、金具70の
中心孔に止着されてこれとフランジ44の凹部に設けら
れた金具71との間にベローズ66が配設されている。
シャフト45の端部45aにターミナル53が結合され
ておりその外端部は絶縁材のカップリング48を介して
マイクロメータヘッド50に結合する。スリット61a
に衝突したイオンビームQはターミナル53を介して外
部に導出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はイオンビーム表面分析装
置に用いて最適なイオンビーム形成装置におけるスリッ
ト調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】図3は従来例のマイクロ
イオンビーム形成装置を概略的に示すものであるが、図
において高電圧ターミナル1内にはイオンを発生させる
ためのイオン源2が配設されており、これに高電圧電源
10から、例えば100kV乃至数MVの電圧が印加さ
れ、これにより高電圧ターミナル1とグランド間に取り
付けられイオン源2の前方に配設された加速管3にこの
電圧が等分に分割して印加される。又、高電圧ターミナ
ル1には電力供給装置11が接続されており、イオン源
2からイオンを発生させるようにしている。加速管3の
下流側にはビーム輸送用Qマグネット4が配設されてお
り、これにより所定の移送路に沿って、走行するイオン
ビームは質量分析器5(セクターマグネット)内に導か
れ、その中で公知のローレンツフォースを受け、その質
量と電荷に応じた力を受け、よってここからでてきたビ
ームは特定のイオンビームであり、これが対物スリット
6若しくは対物レンズ6を通り、所定のビーム断面形状
を与えられ、ここを通過したビームは更にその前方に配
設された補助スリット7を通り、ここで最終的にターゲ
ット9に衝突させたいビームの形状を決定するか、若し
くはその上流側にある対物レンズ6により所定の形状に
されたかどうかをチェックする。この補助スリット7を
通過したイオンビームは、マイクロビーム形成用Qマグ
ネット8を通り、所定のマイクロビームとされ、ターゲ
ット9に衝突される。
【0003】従来例のマイクロイオンビーム形成装置は
以上のように構成されているのであるが、イオン源2か
ら数kV乃至数10kVで引き出されたイオンは高電圧
ターミナル1としてのイオン源装置に印加された100
kV乃至数MVの電圧を等分に分割された加速管3を通
り、イオンは加速されるのであるが、グランド電位に達
したイオンビームは、この後、集束用レンズ4(図示は
トリップレットQレンズを示すが、これに代えてアイン
ツェルレンズなどの静電レンズを使うことも可能)によ
って集束され、質量分析器5で特定のイオンが選別さ
れ、この後対物スリット6で所定の形状(例えば、イオ
ンビームの進行方向をZ方向とすれば、直角座標で、こ
れに対する直角方向をX方向及びY方向とすれば、この
対物スリット6でX方向及びY方向にそれぞれ2〜3μ
m又は10〜20μmの開口を有する対物スリットを形
成させている。言い換えれば、質量分析器5から選別さ
れた特定のイオンビームはこの対物スリット6により、
この2〜3μm×10〜20μmの長方形の断面形状を
有するイオン流にカットされ、更にこの下流側の補助ス
リット7及びQマグネット8によりX方向、Y方向にそ
れぞれ1/2〜1/3又は1/10〜1/20に縮小さ
れたビームの像をターゲット9に結像する。
【0004】本発明のスリット調節装置はイオンビーム
電流制限スリットとしての上述の補助スリット7に係わ
るものである。図3では一対のスリット形成部材のみし
か示していないが、実際にはこれと直角方向に更に一対
のスリット形成部材が配設され、これらスリット形成部
材に対物スリット6より飛来したイオンビームが衝突す
る。この衝突により、スリット形成部材から導出される
各電流値により上流側の対物スリット若しくは対物レン
ズ6の発散角が検知される。更に、補助スリット7を通
過するイオンビームの位置、例えば上述したようにイオ
ンビームの照射軸をZ軸とすれば、これからX方向及び
Y方向にどれだけ偏倚されているかを検知することがで
きる。
【0005】又、補助スリット7を含めたイオンビーム
の通路を加熱する目的は、該イオンビームが上記各構成
部材と共に真空中にあり、この真空中で発生させるもの
であるから、イオンビームの通路を所定度の真空度にま
で排気する必要があるが、このときに通路を形成する各
部材に付着する水や炭酸ガスを放出させるためである。
【0006】図4は上記従来のイオンビーム電流制限ス
リット装置の詳細を示すものであるが、図において真空
チャンバ21内にX軸方向とこれと垂直なY軸方向に対
向して配設されるシャフト25が延在しており、この図
4の紙面に対し垂直方向に荷電粒子が流れるのである
が、この荷電粒子のビーム巾、あるいはビーム径を制限
するために、これらシャフト25の相対向する距離が調
整される。真空チャンバ21の隔壁にはポート22が一
体的に形成され、これを上述のシャフト25が挿通して
いるのであるが、これを取り付けるためにO−リング2
6を介在させて、取り付けフランジ23、24が当接し
固定されている、又、シャフト25の外端部には導電性
材料で成るカップリング28を介して、マイクロメータ
ヘッド30が結合されており、これには公知のようにロ
ーレットが形成されており外部からシャフト25のX軸
方向における位置を調節するようになっている。マイク
ロメータヘッド30は取付金具29により、フランジ2
4に固定されている。又、シャフト25をX−X軸方向
に摺動案内するように、導電性材料で成るアキシャルベ
アリング27がフランジ24に固定されている。
【0007】図5にはシャフト25の先端部の詳細が示
されているが、碍子34に挟持されてイオン電流取り出
し金属片35がねじaにより固定されている。又、この
ねじaにより、リード線Lの一端が取り付けられてお
り、真空チャンバ21内をフリーな状態で延在してい
て、その他端部は電流導入端子32に接続されている。
これは外部の電流計33に接続されており、金属片35
に衝突した荷電粒子を電流により検知するようになって
いる。
【0008】従来の荷電粒子制限スリット装置は以上の
ように構成されるのであるが、X軸に対し垂直な軸方向
で対向するスリット調節用のシャフト25、フランジ2
3、24なども同様に構成されている。図4において紙
面に対し垂直な方向に流れる荷電粒子の流通面積、すな
わちスリットの大きさを変える場合にはマイクロメータ
ヘッド30の手動調節により、例えばシャフト25をX
軸方向に移動させる。このとき、O−リング26及びア
キシャルベアリング27に案内されて、図において右方
か左方に移動するのであるが、このとき調節されたスリ
ットの大きさにおいて、紙面に対し垂直方向に流れる荷
電粒子が金属片35に部分的に衝突する。これがリード
線Lを通り電流導入端子32に流れ、電流計33により
その電流値が計測される。図示せずともX−X軸方向に
対し、対向しているシャフト25の先端部にも同様にこ
の先端部に衝突する荷電粒子の電流が検知され、又これ
に垂直なY−Y軸方向においても同様にそのシャフト2
5の先端部の金属片に衝突する荷電粒子の流れの大きさ
が電流により検知される。これら電流値の大きさによ
り、上流側スリットからのビームの形状や大きさを計測
することができる。
【0009】このような電流を導出するためのリード線
Lは真空チャンバ21内にフリーな状態で延在してお
り、これら導線が真空チャンバ21の壁面に接触して漏
電するのを防止するために、リード線Lはテフロンやセ
ラミックで被覆されている。テフロンでは荷電粒子がこ
れに照射されると発熱し、焦げて炭化し、ガスを発生す
る。又、セラミックの断続したリングを用いるとセラミ
ックは弾力性に欠けているので、このようなリード線L
の加工も面倒である。更に、このようなリード線Lを導
出させるためのコードの加工も真空チャンバ21に施さ
なければならない。
【0010】又、シャフト25を例えばX−X軸方向に
摺動自在にするためにO−リング26を用いなければな
らないが、この部分も加熱されることにより、油分と異
物とがこれから蒸発し真空チャンバ21内を汚染する。
あるいはその減圧度を低下させる。
【0011】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は上述の問題
に鑑みてなされ、真空チャンバ内でフリーに延在するよ
うなリード線を必要とせず、又熱により真空チャンバ内
に油分や異物が蒸発して内部を汚染したり真空度を低下
させることのない、荷電粒子制限スリット装置を提供す
ること、すなわち、イオンビーム形成装置におけるスリ
ット調節装置を提供することを目的とする。
【0012】
【問題点を解決するための手段】以上の目的は、真空チ
ャンバ内に配設されたスリット形成部材と、該スリット
形成部材に結合される直線的な導電性シャフトと、該シ
ャフトを挿通させ、前記真空チャンバの開口に気密に固
定されたポート形成部材と、前記シャフトの大気側端部
を摺動自在に案内させ、前記ポート形成部材に絶縁物を
介して固定される円筒状部材と、該円筒状部材に同心的
に径外方向に配設され、一端側は前記シャフトの前記真
空チャンバ側に位置する端部に気密に取り付けられ、他
端側は前記ポート形成部材に取り付けられる真空シール
用ベローズ手段と、前記シャフトの大気側に突出する外
端部に電気的に接続される電流導出端子と、前記シャフ
トの外端部に絶縁性カップリングを介して接続され、前
記シャフトをその軸心方向に移動させるための移動調節
具とを備えたイオンビーム形成装置におけるスリット調
節装置、によって達成される。
【0013】
【作用】導電性シャフトの外端部に接続される移動調節
具の例えば回動調節により、導電性シャフトはその軸心
方向に移動するのであるが、真空チャンバ内で、チャン
バ側の端部にはスリット形成部材が結合されており、こ
の移動によりこれと対向する同様なスリット形成部材と
の間で、イオンビーム流路断面積を変化させる。導電性
シャフトの真空チャンバ側端部は真空シール用ベローズ
手段の一端側と気密に取り付けており、又他端側はこの
導電性シャフトを囲むように真空チャンバに一体的に形
成されたポート形成部材側に固定されているので、導電
性シャフトはその真空チャンバに挿通されている端部に
おいて、真空側と大気側とに遮断された状態でその軸心
方向に移動調節可能となっている。又、導電性シャフト
はその大気側端部で円筒状部材により直線的に摺動自在
となっており、従ってその移動はこの円筒状部材により
正確に直線案内され、又この円筒状部材はポート形成部
材に絶縁物を介して固定されているので、スリット形成
部材に衝突した、イオンビームによる電流はこれに結合
される導電性シャフト及びこの該異端部に電気的に接続
される電流導出端子を通って外部に、例えば電流計に導
かれる。又、以上の電流の導出は導電性シャフトの先端
部に結合されるスリット形成部材から、該スリット形成
部材に衝突するイオンビームによる電流は、下端部の導
出端子から導出されるのであるが、この全域において、
これに関連する部材と絶縁して配設されているので、電
流が他に漏れることなく、正確に衝突したイオンビーム
の電流を測定することができる。
【0014】又、真空チャンバ内の真空にその外面が導
出される真空シール用ベローズ手段は公知のように摂氏
200℃程度までの加熱では、真空チャンバ内の真空度
を劣化させる水分や油分を発生さることがないので、良
好な真空状態を保ちながらイオンビームの流れを制限す
るスリット形成部材の移動調節を正確、且つ確実に行な
うことができる。
【0015】又、従来のように真空チャンバ内にイオン
ビームの電流を導出するための導線を何ら配設する必要
がないので、この導線に対する絶縁処理のために加熱し
たときには、従来は種々の放出ガスが発生したが、この
ような恐れは全くなくなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例によるイオンビーム電
流制限スリット装置について、図面を参照して説明す
る。
【0017】図1及び図2は本実施例のイオンビーム電
流制限スリット装置の全体を示すが、ほぼ円筒形状の真
空チャンバ41の周壁部には図に示すように四つのポー
ト42a、42b、42c、42dが90度の等間隔に
一体的に形成されている。又、図1に示すように真空チ
ャンバ41の軸心方向に対向する側壁部には荷電粒子ビ
ームの入口80及び出口81が一体的に形成されてい
る。図に示すように各ポート42a、42b、42c、
42dには同一構成のスリット調整装置A、B、C、D
が設けられているが、このうちスリット調整装置Aにつ
いてのみ図面を参照して説明する。
【0018】真空チャンバ41内にX−X軸方向に沿っ
て対向して一対のスリット61a、61bが配設されて
おり、又真空チャンバ41の軸心方向Y−Y軸に沿っ
て、図に示すように一対のスリット61c、61dが配
設されており、これらに上述した同一構成のスリット調
整装置B、C、Dが取り付けられている。
【0019】スリット61aは金属でなるスリットサポ
ート62に取り付けられており、又このスリットサポー
ト62には断面形状がL字形状の取付台64に固定され
ている。取付台64にはねじ孔が形成され、これにステ
ンレスからなるシャフト45の先端部に形成されたねじ
部45aが螺着され、ナット69により、シャフト45
は取付台64に対し固定されている。シャフト45はX
−X軸に沿って垂直に伸びており、この方向は荷電粒子
入口80から導入される荷電粒子Qの流れ方向に対し垂
直方向に伸びている。シャフト45はポート42aの中
心線上に配設されており、その下端部45aは大気側に
突出しているが、下端部側は導電性の金属でなるリニア
ブッシュ47に嵌合している。これにより、X−X軸方
向に正確に案内されるようになっている。又、大気側で
フランジ43、44が配設されており、上側のフランジ
43はポート42aの下端部に気密に固定されており、
フランジ43、44はいわゆるコンフラットフランジで
あるが、これらは気密に当接されてボルト52により一
体化されている。下方のフランジ44の下面には円形の
凹所44aが形成されており、これに皿形状の絶縁碍子
67が嵌着されていて、絶縁ボルト68により下側のフ
ランジ46に固定されている。又、絶縁ボルト68はリ
ニアブッシュ47のフランジ部47aに形成されたボル
ト挿通孔を挿通しており、リニアブッシュ47も下方の
フランジ44に対し、絶縁碍子67を介在してこれらは
一体に固定されている。
【0020】下側フランジ44は上面にも円形の凹所4
4bが形成されており、これにリング状の下方ベローズ
取付金具71が固定されており、これに対向して上側ベ
ローズ取付金具70が配設され、これら取付金具70、
71間に真空ベローズ66の下端部及び上端部が溶接に
より気密に固定されている。そして上側のベローズ取付
金具70には絶縁リング碍子65が当接しており、これ
がバックアップリング164により支持されてねじ91
により上側のベローズ取付金具70に一体的に固定され
ている。シャフト45は絶縁リング65の中心孔を挿通
しているが、上側ベローズ取付金具70の中心開口に同
心的に環状凹所70aが形成されており、ここにテフロ
ンからなるO−リング46が嵌着されており、絶縁リン
グ65と上側ベローズ取付金具70との間に挟着されて
いる。シャフト45はこのO−リング46に嵌着され
て、上下を気密に保持されている。下方のフランジ44
の下面にはX−X軸方向にシャフト45を移動させるた
めのマイクロメータヘッド50を取り付けるための取付
金具49が固定されている。この水平部分の中心には丸
孔開口49aが形成されており、これをシャフト45の
下端部が挿通しており、絶縁材でなるカップリング48
の上方部に固定されている。このシャフト45の下端部
45aにはねじ孔が形成されているが、これにターミナ
ル53を介在させてねじ72が螺着されており、又ター
ミナル53に導線51が接続されている。これにより、
シャフト45を通る電流はねじ72の軸部、ターミナル
53を通って導線51に導出されるようになっている。
又、この導線51には従来と同様に電流計が接続されて
いる。
【0021】絶縁性のカップリング48の下方部分はマ
イクロメータヘッド50に結合されており、L字形状の
ヘッド取付金具54が取付金具49にねじ55、56の
螺着締め付け部により、これら金具49、51は一体化
されている。すなわち、マイクロメータヘッド50はフ
ランジ44に対し一体的に固定されている。
【0022】本実施例のスリット調整装置Aは以上のよ
うに構成されているが、他の調整装置B、C及びDも同
様に構成される。
【0023】以下、本実施例の作用について説明する。
真空チャンバ41の軸心方向に沿って、対向して配設さ
れた荷電粒子入口80を通って、荷電粒子のビームQが
Y−Y軸に沿って導入される。これは、出口81から外
部に導出されるのであるが、これは例えばやはり真空容
器に接続され、何らかの試料に衝げきされるものとす
る。荷電粒子Qは真空チャンバ41内でスリット61
a、61b、61c、61dによりそのビームの大きさ
が制限されるのであるが、X−X軸方向にはスリット6
1a、61bにより大きさが制限され、又X−X軸及び
Y−Y軸に対し垂直方向における大きさは図2に示すよ
うにスリット61c、61dにより制限される。このよ
うなスリット61a、61b、61c、61dにより、
出口81から見ると断面が矩形状のビームが得られるの
であるがこのビームの大きさが、これらスリット61
a、61b、61c、61dにより縮小されるのである
が、今X−X軸に沿う大きさを調節するものとすれば、
調整装置A、Bにおけるマイクロメータヘッド50を回
動調節することにより、シャフト45は矢印bに示すよ
うに上下動する。このとき、シャフト45は下側のフラ
ンジ44に一体的に固定されたリニアブッシュ47によ
り案内されるので、正確にX−X軸方向に移動調節され
ることができる。スリット61aに対向するスリット6
1bに結合されている調整装置Bも同様にして矢印b方
向に移動調節されるのであるが、荷電粒子Qはスリット
61a、61b、61c、61dによって形成される開
口より大きな断面積を有するので、その周辺部の荷電粒
子Qがスリット61a、61b、61c、61dに衝突
する。従って、今このうち調整装置Aについてのみ説明
すると、スリット61aに衝突した荷電粒子Qはスリッ
トサポート62、取付台64及びシャフト45を通っ
て、下方へと流れ、ねじ72、ターミナル53及び導線
51を通って、外部に導出され、図示しない電流計によ
り衝突した電流が測定される。他の調整装置B、C及び
Dにおいても、それぞれ同様にスリット61b、61c
及び61dに衝突した荷電粒子の電流が測定される。こ
れら電流の各大きさによりスリット61a、61b、6
1c、61dにより制限されたスリットの形状が測定さ
れ、あるいは決定される。又、荷電粒子のビームQの上
流側には、あらかじめ荷電粒子の流れを所定の大きさに
制限するスリット(対物スリット)が設けられているの
であるが、これからの荷電粒子のビームQ形状(発散角
など)や大きさも同時に測定することができる。
【0024】本発明の実施例によるイオンビーム制限ス
リット装置は以上のような作用を行なうのであるが、次
のような効果を奏するものである。
【0025】シャフト45はその下端部でリニアブッシ
ュ47により、その軸心方向に正確に案内されるので、
スリット61のスリット位置調整が正確に行なわれ、又
従来のようにスリットに衝突した荷電粒子の電流を測定
するのに、真空チャンバ内に導線を延在しておらず、シ
ャフト45を流れてきた電流をこの下端部で大気側に導
出しているようにしているので、導線に対する関連構造
の組立ては非常に簡単であり、従来のように真空チャン
バの内壁部に荷電粒子の導出電流を通すために、導線に
対する絶縁処理に面倒な加工を必要とすることはない。
又、真空チャンバ内の真空度を上げるためには真空チャ
ンバ全体が加熱されるのであるが、このときフランジ4
3、44のみならず、伝熱によりテフロンでなるシール
リング46やリニアブッシュ47も加熱されるが、20
0℃程度まで加熱してもガスを放出することはないの
で、真空チャンバ内の真空度を悪化させることはなく、
又この加熱により従来は真空チャンバ内に衝突荷電粒子
を導出させるためのリード線が配設されていたが、これ
が本実施例ではシャフト45の下端部で、大気側に導出
しているので真空チャンバ41内で荷電粒子の電流を導
くための導線を延在させる必要がなく、従ってこれが加
熱されて炭化して真空チャンバ内の真空度を悪化させる
ということもない。
【0026】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明
の技術的思想に基いて種々の変形が可能である。
【0027】例えば、以上の実施例ではスリットとして
二対の、すなわち61a、61b及び61c、61dを
X−X軸及びY−Y軸に沿って配設したがこれに変え
て、更に多数対のスリットを配設するようにしてもよ
く、あるいは一対のスリットを配設する場合にも本発明
は適用可能である。
【0028】又、以上の実施例ではシャフト45の上端
部にはテフロンでなるシールリング46をその周面に嵌
着させるようにしたが、これに変えて他の同様な特性の
合成樹脂を用いてもよい。
【0029】又、以上の実施例ではリニアブッシュ47
の材質については特に言及しなかったが、導電性を有す
る材質であればなんでもよく、例えば焼結金属でこれに
含油させた材質を用いてもよい。又、これは実施例では
このリニアブッシュ47をシャフト45の下端側の約半
部のみを案内させるようにしているが、このリニアブッ
シュ47の高さを、更に大きくしてほぼシャフト45の
全長に亘ってガイドするようにしてもよい。
【0030】又、以上の実施例では真空シール用のベロ
ーズ66は円筒形状であり、その上端部及び下端部はそ
れぞれ導電性の取付金具65、71により、例えば溶接
により気密に固定されたが、このような取付金具をすで
に取り付けた既存の真空ベローズ手段を用いてもよいこ
とは当然である。又、このような取付金具を取り付けた
真空ベローズ手段に限ることなく、その上端部はこの円
筒状部分を構成する部材と同一の材質により、リング状
の部材で一体的に形成されているならば、この部材の中
心孔に気密に真空チャンバ側端部を嵌着させるようにし
ても、本発明の効果は得られる。
【0031】又、以上の実施例ではリニアブッシュは導
電性部材、例えば金属でなるとしたが、このリニアブッ
シュ自体を絶縁材で構成してもよい。この場合には、こ
れと下方フランジ44との間に介在させた絶縁材67は
省略することができる。
【0032】又、以上の実施例ではマイクロメータヘッ
ド10とシャフトの端部との間に絶縁材でなるカップリ
ング48を設けたが、これを省略し、マイクロメータヘ
ッド10とシャフト45の下端部とを直接接続するよう
にしてもよく、この場合にはマイクロメータヘッドとシ
ャフト下端部との間に図示せずとも、何らかの絶縁物を
介するようにすればよい。あるいはマイクロメータヘッ
ド全体を絶縁材で構成してもよい。このような構成も本
発明は含むものとする。
【0033】又、以上の実施例では上方の取付金具70
の中心孔の縁部に環状切欠70aを設け、これにテフロ
ンでなるO−リング46を止着させ、更にリング状の絶
縁碍子65を取付金具70に当接し、且つバックアップ
リング164をねじ91により固定することにより、シ
ールリング46を絶縁材65と取付金具70との間に固
持するようにしたが、このシールリング46の取付金具
70への取り付け方によっては、絶縁リング65及びバ
ックアップリング164を省略してもよい。
【0034】なおまた本願明細書においてスリット形成
部材が実施例においては、スリット61、スリットサポ
ート62、これの取付台64、シャフト45をこれらに
結合するためのナット69などからなっているが、勿論
これら関連構成を省略して、スリット61aを直接シャ
フト45の先端に固定させるようにしてもよく、あるい
はシャフト45の先端部にスリット61を結合させるた
めに、他の部材を用いるようにしてもよい。また本実施
例によれば、スリット61aは図から明らかなように、
円柱形状であるが、これに限ることなく、例えば平板状
であってもよい。
【0035】また、本願明細書でポート形成部材は、実
施例においてはポート42a、これに気密に固定される
上下のフランジ43、44、これらを一体に結合するボ
ルト52などからなるが、勿論これに代える部材を用い
てもよく、例えばポート42aの形状を若干変更し、こ
れに直接実施例のリニアブッシュや真空用ベローズ66
の下端部を固定させるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のイオンビー
ム電流制限スリット装置によれば、該装置を例えば20
0℃程度にまで加熱しても、各部材からガスや異物を放
出して、真空チャンバ内の真空度を劣化させることはな
く、又スリットによるビーム制限の大きさを正確に調節
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例によるイオンビーム電流制限装
置の断面図である。
【図2】同装置の正面図である。
【図3】従来例のイオンビーム電流制限スリットが用い
られている、イオンビーム発生装置の全体を示す模式図
である。
【図4】同装置におけるイオンビーム電流制限スリット
の一部破断断面図である。
【図5】同イオンビーム電流制限スリット装置の要部の
拡大断面図である。
【符号の説明】
41 真空チャンバ 42a ポート 43 フランジ 44 フランジ 45 シャフト 46 シールリング 47 リニアブッシュ 48 カップリング 50 マイクロメータヘッド 53 ターミナル 61a スリット 62 スリットサポート 64 取付台 66 ベローズ 70 取付金具 71 取付金具

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空チャンバ内に配設されたスリット形
    成部材と、該スリット形成部材に結合される直線的な導
    電性シャフトと、該シャフトを挿通させ、前記真空チャ
    ンバの開口に気密に固定されたポート形成部材と、前記
    シャフトの大気側端部を摺動自在に案内させ、前記ポー
    ト形成部材に絶縁物を介して固定される円筒状部材と、
    該円筒状部材に同心的に径外方向に配設され、一端側は
    前記シャフトの前記真空チャンバ側に位置する端部に気
    密に取り付けられ、他端側は前記ポート形成部材に取り
    付けられる真空シール用ベローズ手段と、前記シャフト
    の大気側に突出する外端部に電気的に接続される電流導
    出端子と、前記シャフトの外端部に絶縁性カップリング
    を介して接続され、前記シャフトをその軸心方向に移動
    させるための移動調節具とを備えたイオンビーム形成装
    置におけるスリット調節装置。
  2. 【請求項2】 前記真空シール用ベローズ手段は、その
    軸心方向に伸縮自在な蛇腹状のベローズ本体と、該ベロ
    ーズ本体の両端に配設され、かつこれらに気密に固定さ
    れるリング状の取付金具と、該取付金具のうち前記真空
    チャンバ側の取付金具の中心孔の縁部に取り付けられ、
    前記シャフトに嵌着される合成樹脂で成るシールリング
    とから成る請求項1に記載のイオンビーム形成装置にお
    けるスリット調節装置。
  3. 【請求項3】 前記シールリングはリング状の絶縁材で
    成るリング部材により真空チャンバ側前記取付金具の中
    心孔の縁部に固持されるようにしている請求項2に記載
    のイオンビーム形成装置におけるスリット調節装置。
  4. 【請求項4】 前記合成樹脂はテフロンで成る請求項2
    に記載のイオンビーム形成装置におけるスリット調節装
    置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20040024899A (ko) * 2002-09-17 2004-03-24 삼성전자주식회사 이온주입 설비의 디퍼런셜 씨일과 센터링
CN106231769A (zh) * 2016-07-28 2016-12-14 北京航空航天大学 一种用于调节离子推力器放电室等离子体诊断探针测点的装置
CN108387924A (zh) * 2018-03-08 2018-08-10 西北核技术研究所 一种高精度束流能量分析狭缝装置
US10383204B2 (en) 2015-06-30 2019-08-13 Mitsubishi Heavy Industries Machinery Systems, Ltd. Superconducting accelerator

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