JPH05125904A - 蒸気タービンのシールフイン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】シール部に高級材料を用いることなく簡単な構
造で、シールフィン植込部の蒸気によるエロージョン・
コロージョンを防止する。 【構成】蒸気の上流側のシールフィン１が植込まれた流
路の面４ａ付近を覆って、コーキングワイヤ２を介して
溝５に固定されたシールドプレート７を設け、湿り蒸気
が作用する流路の面４ａをシールドプレート７で覆って
保護するので、この部分が蒸気に直接さらされなくな
り、シールフィン植込部の蒸気によるエロージョン・コ
ロージョンを防止できる。しかも、シールドプレート７
をコーキングワイヤ２を介して容易に溝５に取り付けで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、蒸気タービンのシャ
フトグランド部または翼先端などの非接触シール部に取
り付けられるシールフィンに関する。

【０００２】

【従来の技術】図３は従来のシールフィンの構成を示す
縦断面図である。シールフィンはタービン軸がケーシン
グを貫通するシャフトグランド部、または翼先端などの
非接触シール部における静止部と回転部との間の蒸気を
シールするために用いる。シールフィンは一般に静止部
であるケーシングにのみ設置される場合、回転側である
タービン軸に設置される場合、ケーシング，タービン軸
両方に設置される場合等種々の方式が存在し、便宜的に
静止部にのみ設置される場合を示すが、他の場合も同様
である。図３において、シールフィン１はケーシング４
の流路に面する溝５にコーキングワイヤ２によりかしめ
により植込まれ、翼３に対向している。６は蒸気の流れ
を示す。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図４は図３のシールフ
ィンの詳細断面図である。この構造のものは、蒸気の上
流側のシールフィン１が植込まれたケーシング４または
図示しないロータの流路の面４ａ付近は、蒸気が湿って
おり、蒸気によるエロージョンまたはコロージョンが発
生して次第に浸食され、コーキングワイヤ２が利かなく
なって、シールフィン１が脱落するという問題がある。
この問題を解決するには、シールフィン１が植込まれて
いるケーシング４の材料またはロータの材料を耐エロー
ジョン・コロージョン性の高級材料を使用すればよい。
しかし、かかる材料は非常に高価となりタービンの価格
を吊り上げることになる。

【０００４】この発明は、蒸気タービンのシール部に高
級材料を用いることなく、簡単な構造でシールフィン植
込部のエロージョン・コロージョンを防止できるシール
フィンを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】蒸気タービンのタービン
軸がケーシングを貫くシャフトグランド部、または翼先
端などの非接触シール部における静止部と回転部との間
の蒸気をシールするように、コーキングワイヤを介して
前記静止部の溝または前記回転部の溝に植込まれるシー
ルフィンにおいて、前記蒸気の上流側の前記シーフィン
が植込まれた流路の面付近を覆って、前記コーキングワ
イヤを介して前記静止部の溝または前記回転部の溝に固
定されたシールドプレートを設けたことによって、上記
目的を達成する。

【０００６】

【作用】この発明においては、蒸気の上流側のシーフィ
ンが植込まれた流路の面付近を覆って、コーキングワイ
ヤを介して静止部の溝または回転部の溝に固定されたシ
ールドプレートを設けたので、湿り蒸気にさらされる蒸
気の上流側の流路の面付近は、シールドプレートによっ
て蒸気から保護され、エロージョン・コロージョンによ
り浸食される恐れはない。しかも、シールドプレートは
コーキングワイヤを介してシールフィンと共に溝に容易
に取り付けることができる。

【０００７】図１はこの発明の実施例によるシールフィ
ンの構成を示す縦断面図である。図２は図１のII部の詳
細断面図である。図１および図２において、図３と同じ
部位は同じ符号を付してある。この発明の実施例による
シールフィン１は、コーキングワイヤ２を介して静止部
であるケーシング４の溝５に植込まれている。さらに、
蒸気の上流側のシーフィン１が植込まれた流路の面４ａ
付近を覆って、コーキングワイヤ２を介してシールドプ
レート７を溝５に固定されたシールドプレート７を設け
た。シールドプレート７は耐エロージョン・コロージョ
ン材料（ステンレス等）を使用する。このようにすれ
ば、湿り蒸気が作用する上流側の流路の面４ａは、シー
ルドプレート７で覆われるので、この部分が蒸気に直接
さらされることはなくなり、この部分にエロージョン・
コロージョンが発生しない。図１の例は、シールドプレ
ート７を設けたシールフイン１を静止部に取り付けた場
合を示すが、シールフィン１を回転部に取り付けた場合
も同様に適用できる。

【０００８】

【発明の効果】この発明によれば、蒸気の上流側のシー
ルフィンが植込まれた流路の面付近をシールドプレート
で覆って、コーキングワイヤを介して溝に固定されたシ
ールドプレートを設けたので、蒸気タービンのシール部
に高級材料を用いることなく、湿り蒸気が作用する流路
の面付近をシールドプレートで覆うので、この部分が蒸
気に直接さらされることはなくなり、この部分はエロー
ジョン・コロージョンによる浸食を防止することができ
る。しかも、シールドプレートはコーキングワイヤを介
して容易に溝に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例によるシールフィンの構成を
示す縦断面図である。

【図２】図１のIIの詳細断面図である。

【図３】従来のシールフィンの構成を示す縦断面図であ
る。

【図４】図３のシールフィンの詳細断面図である。

【符号の説明】

１ シールフィン ２ コーキングワイヤ ３ 翼 ４ ケーシング ４ａ 流路の面 ５ 溝 ６ 蒸気の流れ ７ シールドプレート

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】蒸気タービンのタービン軸がケーシングを
   貫くシャフトグランド部、または翼先端などの非接触シ
   ール部における静止部と回転部との間の蒸気をシールす
   るように、コーキングワイヤを介して前記静止部の溝ま
   たは前記回転部の溝に植込まれるシールフィンにおい
   て、前記蒸気の上流側の前記シーフィンが植込まれた流
   路の面付近を覆って、前記コーキングワイヤを介して前
   記静止部の溝または前記回転部の溝に固定されたシール
   ドプレートを設けたことを特徴とする蒸気タービンのシ
   ールフィン。