JPH051250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、みつば、ねぎなどの葉菜類を水耕栽
培する水耕栽培装置に関するものである。

（従来の技術） 従来のみつば、ねぎなどの葉菜類の水耕栽培装
置は、多数の栽培ベツドが並んで設置され、その
栽培ベツドに入れられた定植パネルの孔に葉菜類
の苗が定植され、タンクに収容されている養液が
ポンプにより圧送され供給管を通つて各栽培ベツ
ドの一端へ供給され、養液は栽培ベツド内わ他端
へ向かつて流れ、栽培ベツドの他端に設けた液排
出口から返戻管に流下してタンクに戻るようにな
つている。そして葉菜類は所定の大きさに成長し
たとき定植パネルの孔から引抜かれて市場へ出荷
される。定植してから出荷できる大きさに成長す
るまでに１ケ月半もかゝるので、毎日出荷するた
めには所要日数以上の栽培ベツドを設けておき、
順々に毎日定植するようにしなければならない。

（考案が解決しようとする課題） 従来、養液は１個のタンクから１本の供給管で
全部の栽培ベツドに供給されるようになつている
ので、定植して間のない苗にも、栽培終期のもの
にも濃度やPHの同じ養液が作用していた。そのた
めに活着が鈍い、生育が不良、収量が不足などの
問題があつた。

そこで、本考案は生育初期にある栽培ベツドに
は濃度の薄い、PHの高い養液を供給し、根が充分
に成長した栽培ベツドには濃度の濃い、PHの低い
養液を供給するというように各栽培ベツド毎に成
育状態に適した養液を供給することができ、且そ
の供給操作を簡単に行なうことができる水耕栽培
装置を提供しようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するために濃度、PHな
どの異なる複数種類の養液を夫々収容するための
タンクを複数個設置し、各タンクに従来と同じよ
うに夫々供給管と返戻管を１本ずつ接続し、各供
給管には各栽培ベツトの一端の液供給口に対応す
る分岐口を夫々設け、各分岐口には開閉弁を設
け、液供給口とそれに対応する分岐口を連管で
夫々連結し、各返戻管には各栽培ベツドの他端の
液排出口に対応する合流口を夫々設け、液排出口
とそれに対応する合流口の１個とを着脱自在の可
撓管で連結するようにした構成である。

（作用） 今、栽培の初期、中期、終期に夫々適する養液
が３個のタンクに夫々収容されているとする。栽
培植物が栽培初期に該当している栽培ベツドに対
しては栽培初期用養液タンクの供給管において、
栽培初期の栽培ベツドの液供給口に対応する分岐
口の開閉弁を開いて栽培初期用養液を供給すると
同時に栽培初期の栽培ベツドの液排出口を可撓管
によつて栽培初期用養液タンクの返戻管の合流口
に連結して栽培初期用養液の循環を行なわせる。
日数が経過して生育が中期段階に入つたときは、
それまで開けていた前記開閉弁を閉じ、栽培中期
用養液タンクの供給管における分岐口の開閉弁を
開いて栽培中期用養液を供給すると同時にそれま
で接続していた返戻管の合流口から可撓管を外し
て栽培中期用養液タンクの返戻管の合流口に着け
替えて栽培中期用養液の循環を行なわせる。更に
日数が経過して生育が終期段階に至つたときは、
それまでに開けていた開閉弁を閉じ、栽培終期用
養液タンクの供給管における分岐口の開閉弁を開
けて栽培終期用養液を供給すると同時にそれまで
接続していた返戻管の合流口から可撓管を外して
栽培終期用養液タンクの返戻管の合流口に着け替
えて栽培終期用養液の循環を行なわせる。このよ
うに供給管の分岐口を開閉弁操作で開閉し、返戻
管の合流口への可撓管つけ替えにより、栽培初期
の栽培ベツドへは栽培初期用用が流れ、栽培中期
の栽培ベツドへは栽培中期用養液が流れ、栽培終
期の栽培ベツドへは栽培終期用養液が流れるよう
にするのである。

（実施例） 以下本考案の実施例を図面について説明する。

多数の栽培ベツド１が横に平行に並んで設けら
れ、栽培ベツド１内に多数の定植パネル２が置か
れている。栽培ベツド１の一端に液供給口３が設
けられ、他端の底に液排出口４が設けられてい
る。３は栽培初期用養液が収容されるタンクであ
り供給管６と返戻管７が接続され、供給管６にポ
ンプ８が設けられ、供給管６は栽培ベツト１の液
供給口３側を伸びて末端が閉じられ液供給口３と
対応する位置に分岐口９が設けられ開閉弁１０、
連管１１を介して対応する液供給口３に連結され
ている。返戻管７は栽培ベツド１の液排出口４側
を伸びて末端が閉じられ液排出口４と対応する位
置に合流口１２が設けられている。１３は栽培中
期用養液が収容されるタンクであり、供給管１４
と返戻管１５が接続され、供給管１４にポンプ１
６が設けられ、供給管１４は栽培ベツト１の液供
給口３側を供給管６と平行に伸びて末端が閉じら
れ液排出口３と対応する位置に分岐口１７が設け
られ開閉弁１８、連管１９を介して対応する液供
給口３に連結されている。返戻管１５は栽培ベツ
ド１の液排出口４側を返戻管７と平行に伸びて末
端が閉じられ液排出口４と対応する位置に合流口
２０が設けられている。２１は栽培終期用養液が
収容されるタンクであり、供給管２２と返戻管２
３が接続され、供給管２２にポンプ２４が設けら
れ供給管２２は栽培ベツド１の液供給口３側を供
給管６，１４と平行に伸びて末端が閉じられ液供
給口３と対応する位置に分岐口２５が設けられ開
閉弁２６、連管２７を介して対応する液供給口３
に連結されている。返戻管２３は栽培ベツド１の
液排出口４側を返戻管７，１５と平行に伸びて末
端が閉じられ液排出口４と対応する位置に合流口
２８が設けられている。２９は一端が液排出口４
に接続され他端が対応する合流口１２，２０，２
８の一つに選択的に接続される可撓管である。

上記実施例ではタンクを３個設けたが、必要に
応じ２個あるいは４個以上のタンクを設け、夫々
のタンクに上記と同じように供給管と返戻管を各
１本ずつ接続する。

（考案の効果） 栽培ベツドに養液を供給するに当たり、開閉弁
の操作と可撓管のつけ替えという簡単な作業で生
育段階に適した養液を供給することができて、水
耕栽培する葉菜類の品質、収量を向上させること
ができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体の
平面図、第２図は供給管側の要部側面図、第３図
は返戻管側の要部側面図である。 １……栽培ベツド、２……定植パネル、３……
液供給口、４……液排出口、５，１３，２１……
タンク、６，１４，２２……供給管、７，１５，
２３……返戻管、９，１７，２５……分岐口、１
０，１８，２６……開閉弁、１１，１９，２７…
…連管、１２，２０，２８……合流口、２９……
可撓管。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. タンク内の養液をポンプで供給管を通して栽培
   ベツドへ供給し、栽培ベツト内を流れた養液を返
   戻管を通してタンクに戻すようにする水耕栽培装
   置であつて、濃度、PHなどの異なる複数種類の養
   液を夫々収容するためのタンクを複数個設置し、
   各タンクに従来と同じように夫々供給管と返戻管
   を１本ずつ接続し、各供給管には各栽培ベツトの
   一端の液供給口に対応する分岐口を夫々設け、各
   分岐口には開閉弁を設け、液供給口とそれに対応
   する分岐口を連管で夫々連結し、各返戻管には各
   栽培ベツドの他端の液排出口に対応する合流口の
   １個とを着脱自在の可撓管で連結するようにした
   ことを特徴とする水耕栽培装置。