JPH05123301A - 携帯型心電計の中継コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】中継コネクタのロック外れが生じたとき、その
ことを体表面電極の貼り付け不良とは区別して検出す
る。また、特別な信号線の追加はしない。 【構成】心電計本体から導出され複数の誘導線１４ａを
もつキャブタイヤ・ケーブル１４に取り付けられる中継
コネクタで、その接続鞘８には体表面電極から導出され
た複数の芯線３０ａをもつ電極コード３０を差し込み接
続する。各誘導線１４ａがプリント基板１２、接触ピン
１６を介して各芯線３０ａに接続された状態をロックス
ライダ６によってロックするが、このとき圧縮スプリン
グ３６によってスイッチ接点３４がプリント基板１２か
ら離間する。ロックスライダ６がロックを解除すると、
圧縮スプリング３２によって接触ピン１６が芯線３０ａ
から離れるが、このときロックスライダ６がロックスイ
ッチボタン１０を介してスイッチ接点３４をプリント基
板１２に押圧し、各誘導線１４ａを短絡する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、携帯型心電計におい
て、心電計本体から導出された誘導ケーブルの端部に取
り付けられ、体表面電極（生体用電極）から導出されて
いる電極コードを差し込み接続する中継コネクタに係
り、詳しくは、この中継コネクタからの電極コードの外
れ検出の技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】携帯型心電計において体表面電極が患者
に正しく貼り付けられていても、途中の中継コネクタの
箇所で接続が断たれておれば、心電図を測定することが
できない。

【０００３】従来の携帯型心電計の中継コネクタにあっ
ては、電極コードの芯線が中継コネクタに対して接触不
良を起こしている場合あるいは非接続の状態にある場合
には、心電計本体への入力電圧がプラス側またはマイナ
ス側に振り切れるが、心電計本体は、入力電圧の振り切
れを検出したときには、それを「電極外れ」として処理
するように構成してあった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来の携帯型心電計の
中継コネクタにおいては、電極コードの芯線が外れてい
るかどうかを検出する手段が備えられておらず、前記の
入力電圧の振り切れが生じたときに、その原因が患者に
対する体表面電極の貼り付けの不良にあるのか、それと
も、中継コネクタからの電極コードの芯線外れにあるの
かの区別がつかなかった。

【０００５】本発明は、このような事情に鑑みて創案さ
れたものであって、中継コネクタから電極コードの芯線
が外れたとき、すなわち、中継コネクタのロック外れが
生じたとき、そのことを体表面電極の貼り付け不良から
明確に区別して検出できるようにすることを目的とす
る。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明に係る携帯型心電
計の中継コネクタは、心電計本体から導出された複数の
誘導線をもつ誘導ケーブルの端部に取り付けられ、体表
面電極から導出された複数の芯線をもつ電極コードを差
し込み接続する中継コネクタであって、前記各誘導線と
前記各芯線との接続状態をロックする状態とロック解除
する状態とに切り換え自在なロック機構を備えていると
ともに、前記ロック機構の切り換え動作に応答して動作
し、このロック機構がロック状態にあるときは前記各誘
導線を互いに分離状態に保ち、かつロック解除状態にあ
るときは前記各誘導線を互いに短絡するロック検出機構
を備えたことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】ロック機構がロック状態にあって誘導ケーブル
の各誘導線と電極コードの各芯線とが接続状態にロック
されているときには、ロック検出機構は各誘導線を分離
状態に保つ。したがって、もし、この状態で入力電圧の
振り切れが生じたときは、その原因が患者に対する体表
面電極の貼り付け不良にあるということが判別できる。

【０００８】また、ロック機構がロック解除状態にあっ
て電極コードの各芯線の誘導ケーブルの各誘導線に対す
る接続状態が解除されているときには、ロック検出機構
は各誘導線を短絡し、各誘導線の電位を同電位とする。
したがって、心電計本体側では電極コードが中継コネク
タから外れていると判別することができる。

【０００９】そして、ロック外れを検出するのに、誘導
ケーブルの各誘導線の短絡を利用しているので、新たに
検出用の特別な信号線を追加する必要がない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明に係る携帯型心電計の中継コネ
クタの一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】図１の（ａ）は携帯型心電計の中継コネク
タのロック解除状態を示す断面図、図１の（ｂ）は中継
コネクタのロック状態を示す一部破断の断面図、図２は
全体の分解状態の斜視図、図３は組み立て状態の斜視
図、図４は平面図である。

【００１２】外観的には、下キャビネット２と、上キャ
ビネット４と、ロックスライダ６と、透明なプラスチッ
ク製の接続鞘８と、ロックスイッチボタン１０とが見え
ている。

【００１３】下キャビネット２と上キャビネット４との
間には、プリント基板１２が挟持されている。このプリ
ント基板１２の一端側において、そのプリントパターン
のランドに、図示しない心電計本体から導出された誘導
ケーブルであるキャブタイヤ・ケーブル１４の４本の誘
導線１４ａがハンダ付けされている。これら４本の誘導
線１４ａは２誘導タイプであり、４本ともシールド線で
作られ、全体がまとめられてさらにシールドされてい
る。４本のうち２本はグランドラインである。

【００１４】プリント基板１２の他端側において、その
プリンタパターンのランドに接続される状態で、４本の
接触ピン１６が貫通固定されている。これらの接触ピン
１６の先端は尖鋭な円錐状に加工されている。上キャビ
ネット４には、これら４本の接触ピン１６を貫通させる
ための孔４ａが形成されている。キャブタイヤ・ケーブ
ル１４は、ケーブル固定金具１８とボルト２０およびナ
ット２２とにより上キャビネット４に固定されている。
ケーブル固定金具１８は、下キャビネット２の半円凹部
２ａに嵌合されている。

【００１５】４本の接触ピン１６が上キャビネット４の
孔４ａに貫通され、かつ、キャブタイヤ・ケーブル１４
がケーブル固定金具１８によって上キャビネット４に固
定された状態で、プリント基板１２が下キャビネット２
の上に載置されており、このプリント基板１２を下キャ
ビネット２と上キャビネット４とで覆うように、中央の
１つのネジ２４と、角隅の４つのネジ２６とで下キャビ
ネット２と上キャビネット４とが締め付け固定されてい
る。中央のネジ２４はプリント基板１２を貫通している
が、角隅のネジ２６は直接上キャビネット４に螺合され
ている。

【００１６】上キャビネット４の上面中央部分には凹所
４ｂが形成され、この凹所４ｂに接続鞘８が嵌め込ま
れ、接続鞘８の一端がピン２８によって揺動自在に枢支
されている。この接続鞘８には、図示しない体表面電極
（生体用電極）から導出された４本の芯線３０ａをもつ
電極コード３０の端部を差し込むための長手方向の挿入
孔８ａと、前記の４つの接触ピン１６を挿入孔８ａに対
してほぼ直角に刺し入れるための４つの刺入れ孔８ｂと
が形成されている。下キャビネット２と接続鞘８との間
には、上キャビネット４を貫通する圧縮スプリング３２
が介在され、接続鞘８はこの圧縮スプリング３２によっ
て上方に付勢されている。

【００１７】上キャビネット４には、左右両側面で摺動
自在に嵌合されたロックスライダ６が上方から被嵌され
ている。このロックスライダ６は、図１の（ａ）のよう
に後退位置にあるときには、接続鞘８を圧縮スプリング
３２に抗して押し下げる力が弱く、接続鞘８は圧縮スプ
リング３２の付勢力によって遊端側が上昇した傾斜姿勢
となっている。そして、各接触ピン１６の尖鋭先端は電
極コード３０の各芯線３０ａから離間しており、非接続
状態となっている。したがって、各芯線３０ａは、キャ
ブタイヤ・ケーブル１４の各誘導線１４ａに対しても非
接続状態となっている。

【００１８】ロックスライダ６を図１の（ｂ）のように
前進させると、ロックスライダ６は接続鞘８を圧縮スプ
リング３２に抗して押し下げる。これに伴って、各接触
ピン１６の尖鋭先端が刺入れ孔８ｂを通って挿入孔８ａ
に進入し、挿入孔８ａに差し込まれている電極コード３
０の各芯線３０ａの絶縁被覆を破り、各芯線３０ａと直
接的に接触し電気的に接続された状態となる。各接触ピ
ン１６は、プリント基板１２におけるプリントパターン
を介してキャブタイヤ・ケーブル１４の各誘導線１４ａ
と接続されているから、結局、各芯線３０ａと各誘導線
１４ａとが接続された状態となる。また、その接続状態
をロックスライダ６がロックすることとなる。

【００１９】上記とは逆に、ロックスライダ６を後退さ
せて図１の（ａ）のようにすると、圧縮スプリング３２
の付勢力によって接続鞘８が上方に傾動し、接触ピン１
６と芯線３０ａとの接続のロック状態が解除されること
になる。

【００２０】すなわち、ロックスライダ６、接続鞘８、
圧縮スプリング３２などが各芯線３０ａに対する接続状
態をロックする状態とロック解除する状態とに切り換え
るロック機構Ａを構成している。

【００２１】ネジ２４，２６によって下キャビネット２
と上キャビネット４とを締め付け固定するときに、それ
らの内部にロックスイッチボタン１０を挿入してある。
このロックスイッチボタン１０は、上キャビネット４の
上下貫通孔４ｃに上下摺動自在に嵌合され、左右のスト
ッパ片１０ａにより上方への抜け出しが規制されてい
る。ロックスイッチボタン１０の下部にはスイッチ接点
３４が一体的に接合されている。そして、ロックスイッ
チボタン１０とプリント基板１２との間に、スイッチ接
点３４をプリント基板１２から離間するように付勢する
圧縮スプリング３６が介在されている。

【００２２】圧縮スプリング３６の付勢力によってスイ
ッチ接点３４がプリント基板１２から離間されるのは、
図１の（ｂ）に示すようにロック機構Ａにおけるロック
スライダ６が前進してロック状態となっているときであ
る。このとき、ロックスライダ６の後端がロックスイッ
チボタン１０よりも前方に移動するため、スイッチ接点
３４がロックスイッチボタン１０とともに圧縮スプリン
グ３６によって上方に移動されるからである。

【００２３】ロックスライダ６を後退させることによ
り、図１の（ｂ）のロック状態から図１の（ａ）のロッ
ク解除状態に切り換えると、ロックスライダ６の下面に
よってロックスイッチボタン１０が下方に押圧され、圧
縮スプリング３６に抗してスイッチ接点３４が下動しプ
リント基板１２に接触する。この動作をスムーズにする
ため、ロックスイッチボタン１０の上面は滑らかな曲面
に形成されている。このとき、スイッチ接点３４がプリ
ント基板１２に接触する箇所は、プリント基板１２のプ
リントパターンにおいてキャブタイヤ・ケーブル１４の
２つの誘導線１４ａを互いに短絡する箇所である。

【００２４】このように、ロックスイッチボタン１０と
スイッチ接点３４と圧縮スプリング３６とが、ロック機
構Ａにおけるロックスライダ６の切り換え動作に応答し
て、ロック機構Ａが図１の（ｂ）のロック状態にあると
きは誘導線１４ａを互いに分離状態に保ち、ロック機構
Ａが図１の（ａ）のロック解除状態にあるときは２つの
誘導線１４ａを互いに短絡するロック検出機構Ｂを構成
している。

【００２５】もし、図１の（ｂ）に示すロック状態にお
いて、キャブタイヤ・ケーブル１４を介して心電計本体
に入力されてくる電圧の振り切れが生じたとすると、そ
の原因は患者に対する体表面電極の貼り付け具合に不良
があると判別できる。

【００２６】また、図１の（ａ）に示すロック解除状態
においては、２つの誘導線１４ａの短絡によって両誘導
線１４ａが同電位となることが心電計本体で判別できる
ので、中継コネクタにおいて電極コード３０との電気的
接続状態に不良があることが判る。

【００２７】このロック解除状態を検出するのに、特別
に専用の信号線は設けておらず、元から存在しているキ
ャブタイヤ・ケーブル１４の誘導線１４ａをそのまま利
用しているので、ケーブル配線の複雑化を招かなくてす
む。

【００２８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ロック
外れ検出のための専用の信号線を追加することなく、中
継コネクタから電極コードが外れたときには、そのこと
を体表面電極の貼り付け不良から明確に区別した状態で
検出することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る携帯型心電計の中継コ
ネクタのロック解除状態およびロック状態を示す断面図
である。

【図２】実施例の中継コネクタの分解状態の斜視図であ
る。

【図３】実施例の中継コネクタの組み立て状態の斜視図
である。

【図４】実施例の中継コネクタの平面図である。

【符号の説明】

Ａ ロック機構 Ｂ ロック検出機構 ２ 下キャビネット ４ 上キャビネット ６ ロックスライダ ８ 接続鞘 １０ ロックスイッチボタン １２ プリント基板 １４ キャブタイヤ・ケーブル（誘導ケーブル） １４ａ 誘導線 １６ 接触ピン ３０ 電極コード ３０ａ 芯線 ３２ 圧縮スプリング ３４ スイッチ接点 ３６ 圧縮スプリング

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０１Ｒ 4/24 4229−5Ｅ // Ｈ０１Ｒ 13/639 Ｚ 9173−5Ｅ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 心電計本体から導出された複数の誘導線
   をもつ誘導ケーブルの端部に取り付けられ、体表面電極
   から導出された複数の芯線をもつ電極コードを差し込み
   接続する中継コネクタであって、 前記各誘導線と前記各芯線との接続状態をロックする状
   態とロック解除する状態とに切り換え自在なロック機構
   を備えているとともに、 前記ロック機構の切り換え動作に応答して動作し、この
   ロック機構がロック状態にあるときは前記各誘導線を互
   いに分離状態に保ち、かつロック解除状態にあるときは
   前記各誘導線を互いに短絡するロック検出機構を備えた
   ことを特徴とする携帯型心電計の中継コネクタ。