JPH05119843A - 重力補償制御方式 - Google Patents

重力補償制御方式

Info

Publication number
JPH05119843A
JPH05119843A JP28122891A JP28122891A JPH05119843A JP H05119843 A JPH05119843 A JP H05119843A JP 28122891 A JP28122891 A JP 28122891A JP 28122891 A JP28122891 A JP 28122891A JP H05119843 A JPH05119843 A JP H05119843A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
tension
motor
control system
gravity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28122891A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsunori Hirata
光徳 平田
Kaku Ejiri
革 江尻
Yuichi Sato
裕一 佐藤
Tsugihito Maruyama
次人 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP28122891A priority Critical patent/JPH05119843A/ja
Publication of JPH05119843A publication Critical patent/JPH05119843A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体をワイヤで吊り下げてその重力を補償す
る重力補償制御方式において、オーバーシュートや振動
を抑えて安定した制御を行う。また、ワイヤ巻取り機構
の動摩擦の影響を排除して、重力の補償精度を改善す
る。 【構成】 吊り機構1は、モータ10と、ワイヤの張力
センサ12と、エンコーダ11から構成される。補償器
2は、ワイヤの張力を一定に制御して重力を補償する制
御系であり、ワイヤの張力、その微分、積分及びモータ
の回転速度のフィードバック30,31,32,33を
有し、そのフィードバックの各ゲイン20,21,2
2,23は、張力センサ12の出力値と目標値との偏差
及び制御入力の微分に重みのかかった評価関数を用いて
決定される。補償器2は、この制御系でモータ10のト
ルク指令値を演算し、その結果をモータ10に出力す
る。また、この構成に動摩擦補償ループを加えること
で、動摩擦が補償される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は物体を吊り下げるワイヤ
の張力を一定に制御して重力を補償する重力補償制御方
式に関する。
【0002】近年、宇宙技術の分野では、宇宙空間で動
作する宇宙ロボットや大型衛星等の多関節構造体の研究
開発が進展している。これらは宇宙の無重力空間で動作
するものであり、その地上実験に際しては、無重力状態
での動作を模擬する無重力模擬実験装置が必要となる。
このため、その実験装置の開発も強く望まれており、宇
宙ロボット等の研究開発と並行して行われている。この
無重力模擬実験装置は、例えば宇宙ロボットや大型衛星
等の多関節構造体をワイヤで吊り下げ、その重力を補償
して無重力空間に近い環境を作り出すものであり、その
重力補償はワイヤの張力を一定に制御する吊り機構によ
って行われる。
【0003】
【従来の技術】この吊り機構は、宇宙ロボット等を吊り
下げるワイヤ、そのワイヤを巻き取るモータ、及びワイ
ヤの張力を一定に制御する補償器から構成される。補償
器は、張力センサの出力に対してPID制御を行なって
モータのトルク指令値(駆動電流)を出力するものであ
り、張力センサの出力値と予め設定されている張力セン
サの目標値との偏差に基づいて、張力センサの出力値が
目標値と一致するように、モータのトルク指令値(駆動
電流)を演算する。例えば、吊り下げられている宇宙ロ
ボット等に重力方向の外力が作用し、張力センサの出力
値が変化すると、この補償器は、ワイヤの張力変動分が
零となるようにモータのトルク指令値を演算して求め、
モータを制御する。その結果、重力が補償され宇宙ロボ
ット等の無重力環境が作り出される。その重力補償精度
は1%程度である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この補償器
は、上述したように張力センサの出力に対するPID制
御によってモータのトルク指令値を演算するものである
ため、PID制御による限界から生じる次のような問題
点を有していた。
【0005】(1)フィードバックゲインは試行錯誤的
に変化させて決められるため、適切なフィードバックゲ
インを得るのが難しく、その結果、 (a)一定張力値に収束するまでにオーバーシュートが
発生する。 (b)少し振動ぎみである。 (c)フィードバックゲイン決定が難しい。 (2)ワイヤを巻き取る巻取り機構の動摩擦の影響を大
きく受けるため、 (a)鉛直方向に初速度を持つ場合でも、等速度運動を
行わない。 (b)鉛直方向に一定の外力を受けても、等加速度運動
を行わない。すなわち、無重力環境に特有の動作を十分
にシミュレートできなかった。
【0006】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、オーバーシュートや振動を抑えて安定した制
御を行うことができる重力補償制御方式を提供すること
を第1の目的とする。
【0007】また、ワイヤ巻取り機構の動摩擦の影響を
排除して、重力の補償精度を改善することを第2の目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の第1の原
理を説明するブロック図である。図において、本発明の
重力補償制御方式は、吊り機構1と補償器2とから構成
される。吊り機構1は、ワイヤを巻き取るモータ10
と、ワイヤの張力を検出して出力する張力センサ12
と、モータ10の回転速度を検出して出力するエンコー
ダ11から構成される。なお、ワイヤに物体(例えば宇
宙ロボットのアーム)が吊り下げられる。一方の補償器
2は、ワイヤの張力を一定に制御して重力を補償する制
御系であり、ワイヤの張力、ワイヤの張力の微分、ワイ
ヤの張力の積分及びモータの回転速度のフィードバック
30,31,32,33を有し、そのフィードバックの
各ゲイン20,21,22,23は、張力センサ12の
出力値と目標値との偏差及び制御入力の微分に重みのか
かった評価関数を用いて決定される。補償器2は、この
ようにして決定されたフィードバックゲイン20等を有
する制御系でモータ10のトルク指令値を演算し、その
結果をモータ10に出力する。
【0009】図2は本発明の第2の原理を説明するブロ
ック図である。図2では、図1に示した補償器2の制御
系にさらに動摩擦補償ループ34が加えられる。すなわ
ち、ワイヤの張力の積分のフィードバック32にモータ
10の回転速度をフィードバックする動摩擦補償ループ
34が加えられる。補償器2Aは、その動摩擦補償ルー
プ34によりワイヤ巻取り機構の動摩擦をも補償してモ
ータ10のトルク指令値を出力する。
【0010】図3は本発明の第3の原理を説明するブロ
ック図である。図3では、補償器2Bは、ワイヤの張
力、ワイヤの張力の微分及びワイヤの張力の積分のフィ
ードバック30,31,32を有するPID制御系であ
り、そのPID制御系に、図2の場合と同様に動摩擦補
償ループ34Bが加えられる。
【0011】
【作用】図1において、補償器2の各フィードバックゲ
イン20,21,22,23は、張力センサ12の出力
値と目標値との偏差及び制御入力の微分に重みのかかっ
た評価関数を用いて決定される。すなわち、フィードバ
ックゲイン20等を求めるために、最適制御理論を用い
たサーボ系の設計法が適用され、その際に設定された評
価関数を最小とする最適レギュレータの解から、フィー
ドバックゲイン20等が得られる。このため、フィード
バックゲイン20等の決定が容易になると共に、最適ゲ
インが得られる。このようにして決定されたフィードバ
ックゲイン20等に基づいてモータ10のトルク指令値
を演算し、その結果をモータ10に出力する。したがっ
て、ワイヤの張力制御の応答性が改善され、従来のPI
D制御時に発生していたオーバーシュートや振動を防止
することができる。
【0012】図2で新たに加えられる動摩擦補償ループ
34のフィードバックゲイン24は、例えばモータ10
の回転速度の減衰係数が値0となるように決定される。
このため、ワイヤ巻取り機構が有する動摩擦をも補償す
ることができる。すなわち、、モータ10の回転速度の
フィードバックにより動摩擦の影響が排除され、重力の
補償精度が向上する。例えば、物体が鉛直方向に初速度
を持ったとき、従来の制御では、動摩擦のためにその動
作は減衰してやがて停止するが、その動摩擦を補償する
ので、その物体は初速度を保持し、無重力環境をより良
くシミュレートできる。
【0013】図3では、PID制御系に動摩擦補償ルー
プ34Bが加えられるため、従来の制御系のままで動摩
擦補償が可能となり、図2の場合と同様に、重力の補償
精度を向上させることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図4は本発明の重力補償制御方式の全体構成を
示す図である。図において、重力補償制御方式は、吊り
機構1と補償器2とから構成される。吊り機構1は、物
体15(図では球体で示したが、実際には宇宙ロボット
など)を吊り下げる機構であり、ワイヤ14を巻き取る
モータ10と、ワイヤ14の張力を検出して出力する張
力センサ12と、モータ10の回転速度を検出して出力
するエンコーダ11から構成される。このモータ10及
び張力センサ12はプレート100に設けられている。
プレート100には、さらに3個のプーリ130,13
1,132が段違いに設けられ、ワイヤ14はこの3個
のプーリ130,131,132を介して物体15を吊
り下げている。張力センサ12は中央のプーリ131に
接して設けられ、ワイヤ14の張力の水平分力に応じて
歪むように取付けられている。張力センサ12に貼付さ
れた歪みゲージ120はその歪みを検出し、その検出信
号を補償器2に出力する。この方式はワイヤガイド兼用
で小型である。
【0015】補償器2は、エンコーダ11及び張力セン
サ12からフィードバックされてきた検出信号に基づい
て、モータ10のトルク指令値(駆動電流)を演算し、
その結果をモータ10に出力する。なお、補償器2には
例えばパソコンが使用される。この補償器2のトルク指
令値制御により、ワイヤ14の張力が一定に保持され、
物体15に作用する重力が補償される。次に、この重力
補償制御について詳述する。
【0016】本発明の第1の実施例を図1に基づいて説
明する。図1において、吊り機構1のエンコーダ11及
び張力センサ12は、その検出信号を補償器2に出力
し、補償器2はその信号に基づいて、張力センサ12の
出力値が一定に保持されるように、モータ10のトルク
指令値を求め、モータ10に出力する。その補償器2
は、ワイヤ14の張力、その微分項41、積分項42及
びモータ10の回転速度の各フィードバック30,3
1,32,33から成る制御系である。ここで、フィー
ドバック30,31,32,33の各ゲイン20,2
1,22,23は、次のようにしてサーボ系の設計法に
最適制御理論を用いて決定される。
【0017】まず、制御対象であるモータ10と、張力
センサ12の伝達関数を逆ラプラス変換して求めた運動
方程式は次のようになる。
【数1】
【数2】 ここで、 ie =i−i0 :モータ10に対するトルク指令値(駆
動電流) ye =y−y0 :張力センサ12の出力値と目標値との
偏差 i0 ,y0 :吊り機構1が静止状態にあるときの定
常値 θ :モータ10の回転角 この運動方程式を状態ベクトル
【数3】 を用いて状態方程式化すると、
【数4】
【数5】
【0018】ここで、
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【数13】
【数14】
【数15】
【0019】張力センサ12の出力値y(t) がt→∞で
目標値yrに一致したとき、制御入力u(t) (=ie
は一定値を取るので、
【数16】 となる。そこで、
【数17】 を制御入力として状態方程式及び出力方程式を書くと、
【数18】
【数19】 となる。ただし、
【0020】
【数20】
【数21】
【数22】
【数23】
【数24】
【数25】 n:状態変数の数 m:入力数 ここで、定常値からの変動分δx(t) ,δu(t) を考え
ると、
【0021】
【数26】
【数27】 となり、δxe (t) →0とする制御を行うと、y(t) →
r が達成される。δxe (t) →0とする制御は最適レ
ギュレータ問題を解けばよい。ここで、式(3)及び式
(4)について、最適レギュレータ問題を解くために、
次の評価関数を設定する。
【数28】
【0022】この式(5)で、
【数29】 とすると、評価関数は、
【数30】 と書け、偏差ye (t)(=y(t) −yr ) と制御入力u
(t) ( =ie ) の微分( =v(t))に重みのかかった評価
関数となる。式(5)を最小とする最適レギュレータの
解は、
【数31】
【数32】
【0023】ここで、(n+m)×(n+m)行列Pe
は次のリカッチ方程式の解である。
【数33】 求めた制御則は、δxe (t) とδu(t) のフィードバッ
クであるので、これを状態x(t) と偏差ye (t)(=y
(t) −yr ) のフィードバックの形に変換すると、
【数34】
【0024】式(7)において、
【数35】 とおき、式(7)を0からtまで積分すると、
【数36】 なる制御則が求まる。初期状態x(0) =0,目標値yr
=y0 =0とすると、
【数37】 となり、張力センサ12の出力値yのPID+モータ1
0の回転速度の各フィードバック30,31,32,3
3を有する制御系におけるフィードバックゲイン20,
21,22,23が求まる。
【0025】このように、補償器2の各フィードバック
ゲイン20,21,22,23は、張力センサ12の出
力値yと目標値yr との偏差ye(t)(=y(t) −yr )
及び制御入力u(t) ( =ie ) の微分に重みのかかった
評価関数(式(6))を用いて決定される。すなわち、
フィードバックゲイン20等を求めるために、最適制御
理論を用いたサーボ系の設計法が適用され、その際に設
定された評価関数式(6)を最小とする最適レギュレー
タの解から、フィードバックゲイン20等が得られる。
このため、従来はフィードバックゲインを試行錯誤的に
決定していたのに対し、その決定が非常に容易になると
共に、このフィードバックゲイン20等を基にして作ら
れる補償器2の応答を制御系ソフトで確認すれば、最適
ゲインが得られる。補償器2はこのフィードバックゲイ
ン20等に基づいてモータ10のトルク指令値ie を演
算し、その結果をモータ10に出力する。したがって、
ワイヤの張力制御の応答性が改善され、従来のPID制
御時に発生していたオーバーシュートや振動を防止する
ことができる。なお、上述したフィードバックゲイン決
定は、大型コンピュータ等を用いて行われ、その結果求
められたフィードバックゲインが補償器2に設定され
る。
【0026】本発明の第2の実施例を図2に基づいて説
明する。第1の実施例との相違点は、補償器2Aの制御
系にさらに動摩擦補償ループ34が加えられる点であ
る。すなわち、張力の積分のフィードバック32にモー
タ10の回転速度をフィードバックする動摩擦補償ルー
プ34が加えられる。この動摩擦補償ループ34のフィ
ードバックゲイン24は、モータ10の回転速度の減衰
係数が値0となるように決定される。ここで、そのフィ
ードバックゲイン24の決定手順を説明する。
【0027】式(1)及び式(2)で、
【数38】 とし、次の制御則
【数39】 代入してie ,ye を消去すると、次式になる。
【数40】
【0028】したがって、モータ10の回転速度の減衰
係数Dは、次式で近似される。
【数41】
【0029】式(8)、式(9)より、
【数42】 となる。すなわち、物体15が鉛直方向に初速度を持っ
たとき、第一の実施例の補償器2ではフィードバックゲ
イン24はfx =0に設定されるから、物体15は減速
してやがて停止する。この現象は無重力環境での慣性の
法則に反する。これに対して、本実施例では、式(9)
から分かるように、fx の値をα2 /β2 と等しく取る
ことによって減衰係数Dを零とするので、物体15は初
速度を保持することができる。すなわち、無重力環境を
正確に模擬できる。
【0030】次に、物体15に鉛直方向の外力が加わっ
た場合を考える。この外力を張力に対する外乱とみな
し、図2のdA点にステップ状の外乱が加わったときの
定常偏差を求めると、次式のようになる。
【数43】
【0031】この式(10)で、fx =0とおくと、回
転速度xは有限張力に収束してしまう。これに対し、無
重力環境では、回転速度xは無限に大きくなるはずであ
る。ここで、式(10)から分かるように、fx をα2
/β2 と等しく取ることによって、回転速度xは無限大
となり、無重力環境を正確に模擬することができる。現
代制御理論を適用した第1の実施例の補償器2によるフ
ィードバック制御では、物体15の動作はやがて停止し
てしまう。これは、式(10)のα2 が張力センサ12
の運動方程式の減衰項であることから、プーリ130等
での動摩擦やイナーシャが原因であると考えられる。こ
れに対し、本実施例の補償器2Aによるフィードバック
制御では、モータ10の回転速度をフィードバックする
ことによって、動摩擦の影響を排除でき、重力の補償精
度を大幅に向上させることができるという利点を有して
いる。
【0032】その結果、補償器2Aによれば、物体15
が鉛直方向に初速度を持てば等速度運動を行い、鉛直方
向に一定の外力を受けると、等加速度運動を行うことに
なる。なお、このときの張力ye は、定常偏差をもつこ
となり、また、その定常偏差はfx に応じて大きくなる
ので、その点では、張力一定制御が多少犠牲になるとい
えるが、その程度は問題となる程ではない。
【0033】本発明の第3の実施例を図3に基づいて説
明する。この実施例では、PID制御系に動摩擦補償ル
ープ34Bが加えられる。この動摩擦補償ループ34B
のフィードバックゲイン24Bは、図2のフィードバッ
クゲイン24と同様に、モータ10の回転速度の減衰係
数が値0となるように決定される。ここで、そのフィー
ドバックゲイン24の決定手順を説明する。
【0034】式(1)及び式(2)で、
【数44】 とし、次の制御則
【数45】 に代入してie ,ye を消去すると、次式になる。
【数46】
【0035】したがって、モータ10の回転速度の減衰
係数Dは、次式で近似される。
【数47】
【0036】式(11)で、fx の値をα2 /β2 と等
しく取ることによって、物体15は、鉛直方向に初速度
を持ったときのその初速度を保持することができ、無重
力環境を正確に模擬することができる。
【0037】次に、物体15に鉛直方向の外力が加わっ
た場合を考える。この外力を張力に対する外乱とみな
し、図3のdB点にステップ状の外乱が加わったときの
定常偏差を求めると、次式のようになる。
【数48】
【0038】この式(12)において、fx をα2 /β
2 と等しく取ることによって、回転速度xは無限大とな
り、無重力環境を正確に模擬することができる。PID
制御を適用した従来の補償器によるフィードバック制御
では、物体15の動作は動摩擦の影響を受けてやがて停
止してしまう。これに対し、本実施例の補償器2Bによ
るフィードバック制御では、従来のPID制御による補
償器にモータ10の回転速度をフィードバックすること
によって、動摩擦の影響を排除でき、第2の実施例と同
様に、重力の補償精度を大幅に向上させることができ
る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、補償器
に従来のPID制御フィードバックだけでなく、さらに
モータの回転速度のフィードバックを加え、そのフィー
ドバックの各ゲインには、張力センサの出力値と目標値
との偏差及び制御入力の微分に重みのかかった評価関数
を用いて決定された値を用いるように構成した。このた
め、従来試行錯誤的に求められていたフィードバックゲ
インの決定が容易になると共に、最適ゲインが得られる
ようになる。したがって、ワイヤの張力制御の応答性が
改善され、従来のPID制御時に発生していたオーバー
シュートや振動を防止することができる。
【0040】また、本発明では、上記構成の補償器にさ
らにモータの回転速度のフィードバックによる動摩擦補
償ループを加え、その動摩擦補償ループのフィードバッ
クゲインには、例えばモータの回転速度の減衰係数が値
0となるように決定された値を用いて構成した。このた
め、ワイヤ巻取り機構が有する動摩擦をも補償すること
ができ、重力の補償精度を大幅に向上させることができ
る。例えば、物体が鉛直方向に初速度を持ったとき、従
来の制御では、動摩擦のためにその動作は減衰してやが
て停止するが、その動摩擦を補償するようにしたので、
その物体は初速度を保持し、無重力環境をより良く模擬
できる。
【0041】さらに、本発明では、従来のPID制御フ
ィードバックによる補償器に、動摩擦補償ループを加え
る構成とした。このため、従来のPID制御系のまま
で、重力の補償精度を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の原理を説明するブロック図であ
る。
【図2】本発明の第2の原理を説明するブロック図であ
る。
【図3】本発明の第3の原理を説明するブロック図であ
る。
【図4】本発明の重力補償制御方式の全体構成を示す図
である。
【符号の説明】 1,1A,1B 吊り機構 2,2A,2B 補償器 10 モータ 11 エンコーダ 12 張力センサ 20,21,22,23,24,24B フィードバッ
クゲイン 34,34B 動摩擦補償ループ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 次人 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物体を吊り下げるワイヤの張力を一定に
    制御して重力を補償する重力補償制御方式において、 物体を吊り下げるワイヤを巻き取るモータ(10)と、 前記ワイヤの張力を検出して出力する張力センサ(1
    2)と、 前記モータ(10)の回転速度を検出して出力するエン
    コーダ(11)と、 前記ワイヤの張力、前記ワイヤの張力の微分、前記ワイ
    ヤの張力の積分及び前記モータの回転速度のフィードバ
    ック(30,31,32,33)を有する制御系で、前
    記ワイヤの張力の出力値と前記ワイヤの張力の目標値と
    の偏差及び制御入力の微分に重みのかかった評価関数を
    用いて決定されたフィードバックゲイン(20,21,
    22,23)によって前記モータのトルク指令値を演算
    し出力する補償器(2)と、 を有することを特徴とする重力補償制御方式。
  2. 【請求項2】 前記制御入力は前記モータ(10)のト
    ルク指令値であることを特徴とする請求項1記載の重力
    補償制御方式。
  3. 【請求項3】 前記補償器(2)は、前記制御系での前
    記ワイヤの張力の積分のフィードバックに前記モータ
    (10)の回転速度をフィードバックする動摩擦補償ル
    ープ(34)が加えられ、前記ワイヤを巻き取るワイヤ
    巻取り機構の動摩擦をも補償して前記モータ(10)の
    トルク指令値を出力することを特徴とする請求項1記載
    の重力補償制御方式。
  4. 【請求項4】 前記加えられた動摩擦補償ループ(3
    4)のフィードバックゲインは、前記モータ(10)の
    回転速度の減衰係数が値0となるように決定されること
    を特徴とする請求項3記載の重力補償制御方式。
  5. 【請求項5】 物体を吊り下げるワイヤの張力を一定に
    制御して重力を補償する重力補償制御方式において、 物体を吊り下げるワイヤを巻き取るモータ(10)と、 前記ワイヤの張力を検出して出力する張力センサ(1
    2)と、 前記モータの回転速度を検出して出力するエンコーダ
    (11)と、 前記ワイヤの張力、前記ワイヤの張力の微分及び前記ワ
    イヤの張力の積分のフィードバック(30,31,3
    2)を有するPID制御系に前記モータ(10)の回転
    速度をフィードバックする動摩擦補償ループが加えら
    れ、前記物体の重力を補償すると共に、前記ワイヤを巻
    き取るワイヤ巻取り機構の動摩擦をも補償して前記モー
    タ(10)のトルク指令値を出力する補償器(2B)
    と、 を有することを特徴とする重力補償制御方式。
JP28122891A 1991-10-28 1991-10-28 重力補償制御方式 Withdrawn JPH05119843A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28122891A JPH05119843A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 重力補償制御方式

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28122891A JPH05119843A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 重力補償制御方式

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05119843A true JPH05119843A (ja) 1993-05-18

Family

ID=17636154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28122891A Withdrawn JPH05119843A (ja) 1991-10-28 1991-10-28 重力補償制御方式

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05119843A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3240485A1 (de) * 1981-11-02 1983-06-01 Murata Kikai K.K., Kyoto Verfahren und vorrichtung zum spleissen eines gesponnenen fadens
CN104460722A (zh) * 2014-09-19 2015-03-25 哈尔滨理工大学 一种悬吊漂浮物随动系统的加速度补偿控制方法及基于模式选择的控制方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3240485A1 (de) * 1981-11-02 1983-06-01 Murata Kikai K.K., Kyoto Verfahren und vorrichtung zum spleissen eines gesponnenen fadens
CN104460722A (zh) * 2014-09-19 2015-03-25 哈尔滨理工大学 一种悬吊漂浮物随动系统的加速度补偿控制方法及基于模式选择的控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4156835A (en) Servo-controlled mobility device
Le et al. 3D cooperative control of tower cranes using robust adaptive techniques
US4243923A (en) Servo-controlled mobility device
US5767648A (en) Base force/torque sensor apparatus for the precise control of manipulators with joint friction and a method of use thereof
US4642500A (en) Control arrangement for magnetic bearing apparatus
JPH0740204B2 (ja) 多自由度非線形機械システムの制御装置
JPH02297602A (ja) 非線形項補償を含むスライディングモード制御方式
Morel et al. The precise control of manipulators with joint friction: A base force/torque sensor method
CN115990888B (zh) 一种具有死区和时变约束功能的机械臂控制方法
US5030901A (en) Position control method
Matsuo et al. Nominal performance recovery by PID+ Q controller and its application to antisway control of crane lifter with visual feedback
US5091683A (en) Servo control apparatus
Yurkovich et al. On controller tuning for a flexible‐link manipulator with varying payload
JPH05119843A (ja) 重力補償制御方式
JPS6063620A (ja) サ−ボ制御方法
CN113124052A (zh) 电磁轴承-转子系统不平衡振动控制方法及电子设备
CN110701187B (zh) 一种五自由度磁轴承的智能双积分滑模控制方法及设备
US3241027A (en) Aerospace vehicle attitude control system
Cavallo et al. A sliding manifold approach to the feedback control of rigid robots
Becedas et al. GPI control for a single-link flexible manipulator
Lin et al. Stabilization and equilibrium control for electrically cart–seesaw systems by neuro-fuzzy approach
CN117484499B (zh) 一种机械臂鲁棒轨迹跟踪的scara机器人
JPS61155523A (ja) 電気的油圧サーボ装置
Ge et al. Improving joint PD control of single-link flexible robots by strain/tip feedback
JPS63201705A (ja) マニピユレ−タの防振制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990107