JPH0511800A - 音声符号化復号化方式 - Google Patents

音声符号化復号化方式

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JPH0511800A
JPH0511800A JP3162577A JP16257791A JPH0511800A JP H0511800 A JPH0511800 A JP H0511800A JP 3162577 A JP3162577 A JP 3162577A JP 16257791 A JP16257791 A JP 16257791A JP H0511800 A JPH0511800 A JP H0511800A
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恭士 大田
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智彦 谷口
Hideaki Kurihara
秀明 栗原
Yoshiaki Tanaka
良紀 田中
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雅子 加藤
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    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【目的】 音声信号の情報圧縮を行うための音声符号化
復号化方式に関し、符号帳探索の処理時間の短縮及び符
号帳の記憶容量の低減を図ることを目的とする。 【構成】 符号帳1に記憶される各コードベクトルCの
複数の時系列サンプルに関する情報に、単に振幅情報だ
けでなく、位置情報も含ませる。また、符号帳には、時
系列サンプルをフレームポインタの移動に合わせて配置
して、前回特定の時系列サンプルの一部を今回特定の時
系列サンプルに共用できるようにする。これは、フレー
ムポインタが前回特定したコードベクトルCk-1 に、デ
ルタベクトルΔCK を加えると、フレームポインタが今
回特定したコードベクトルCk となることを示してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音声信号の情報圧縮を
行うための音声符号化復号化方式に関し、特に4〜16
kb/sの処理速度で符号化を行うために、Analy
sis−by−Synthesis(合成による分析)
型ベクトル量子化(以下、「分析・合成形符号化」とい
う)を採用した、CELP(Code Excited Linear Pred
iction) 符号器に代表される音声符号化復号化方式に関
する。
【0002】このような方式による音声符号器は、企業
内通信システムやディジタル移動無線システムなどにお
いて、音声品質を保ちつつ情報圧縮を実現できるものと
して、需要が高まりつつある。
【0003】
【従来の技術】図5は、従来の分析・合成形符号化方式
を用いたCELP音声符号器の基本構成を示すブロック
図である。符号帳51は白色雑音の符号帳であり、サイ
ズM(例えば1024)のコードベクトルから構成さ
れ、各コードベクトルはND 次元(例えば40次元)の
時系列サンプルから成る。
【0004】分析・合成形符号化では通常のベクトル量
子化と異なり、符号帳51の各コードベクトルCにゲイ
ンgが乗ぜられた後、分析次数Np(例えば10次)の
或る声道特性を有した線形予測合成フィルタ52による
重み付けフィルタリング(フィルタリングマトリックス
A)が施される(gAC)。この再生信号ベクトルgA
Cに対して入力信号ベクトルXが加えられ、それらの差
(X−gAC)が誤差信号ベクトルEとして求められ
る。この誤差信号ベクトルEの電力を評価関数(距離尺
度)として、誤差評価装置53において、この電力を最
小にするような符号帳51の最適コードベクトルの探索
が行われる。
【0005】即ち、先ず誤差信号ベクトルEの誤差2乗
平均(電力)を下記の式(1)で求める。 |E|2 =|X−gAC|2 (1) これをgで偏微分して、|E|2 を最小とするgを求め
るべく0とおく。
【0006】 d|E|2 /dg=2(─AC) T (X−gAC)=0 従って、最適なゲインgが g=(XT AC)/((AC)T (AC)) のように求まる。
【0007】これを式(1)に代入すると |E|2 =|X|2 −(XT AC)2 /((AC)T (AC)) この式から、|X|2 は入力信号のパワーを表し、コー
ドベクトルCの値の変化とは無関係な値であるから、|
E|2 を最小にするには(XT AC)2 /((AC)T
(AC))の値が最大になるコードベクトルCを選択す
ればよいことが分かる。
【0008】ここで、XとACとの相互相関値をRx
c、ACの自己相関値をRccとするならば、即ち、 Rxc=XT AC (2) Rcc=(AC)T (AC) (3) とするならば、誤差信号ベクトルEの電力を最小とする
最適なコードベクトルC及びゲインgは下記式(4)に
より求められる。
【0009】 C=argmax(Rxc2 /Rcc) (4) g=Rxc/Rcc (5)
【0010】式(4)は、(Rxc2 /Rcc)の値が
最大となるような、1024個のコードベクトルの中か
ら選択されたコードベクトルCを表し、また、式(5)
は、このように選択されたコードベクトルCの値に基づ
いたゲインgを表す。
【0011】従って、最適なコードベクトルおよびゲイ
ンは、式(1)に示す誤差電力を最小化するものとして
決定されるが、実際には、式(2),(3)の相互相関
値および自己相関値をもとに、式(4)によってコード
ベクトル(インデックス)が選択され、更に、この選択
されたコードベクトルに基づくゲインが式(5)によっ
て決定される。
【0012】図6は、上記数式(4),(5)に基づ
き、符号帳探索を実際に実現する上で必要となる演算機
能を示した図である。即ち、相互相関演算装置54で、
入力信号ベクトルXと重み付けフィルタリング後のコー
ドベクトルACとの相互相関値Rxcを求め、さらに、
2乗演算装置55で2乗してRxc2を得る。一方、自
己相関演算装置57で、重み付けフィルタリング後のコ
ードベクトルACの自己相関値Rccを求め、除算装置
56で、自己相関値Rccに対する相互相関値Rxcの
2乗値Rxc2 の比(Rxc2/Rxc)を求める。誤
差評価装置53では、除算装置56で求められた比(R
xc2 /Rxc)を最大にするようなコードベクトルC
を選択し、更に、この選択されたコードベクトルCに基
づいて最適ゲインgを算出する。
【0013】図7は、従来方式による、このコードベク
トルCk (N次元)と重み付けフィルタリングマトリッ
クスA(N次)の畳み込み演算を示す図である。図7
(a)は従来の符号帳51から読み出されたコードベク
トルCk の時系列サンプルx(i)(i=0,1・・
N)、及び重み付けフィルタリングマトリックスAの要
素h(i)(i=0,1・・N)を示し、図7(b)は
それらの畳み込み演算結果を示し、更に図7(c)はこ
の演算によって行われる積和算の回数が示される。従来
方式ではすべての時系列サンプルに対して演算を行わな
ければならず、図7(c)に示すように、(N+1)×
(N+2)×1/2(N=39として820)回の積和
算が必要であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な符号帳探索の処理において、演算量の多い処理は、主
にコードベクトルに対する重み付けフィルタリング処
理、相互相関値Rxcの算出および自己相関値Rccの
算出の3つである。それぞれに要する演算量は、線型予
測合成フィルタ52の次数がNp、符号帳51のベクト
ル量子化の次元がN D であるから、Np×ND 、ND
よびND であり、各コードベクトル当りの符号帳探索に
要する演算量は(Np+2)×ND となる。通常用いら
れる符号帳は、40次元で符号帳サイズ1024(ND
=40,M=1024)程度のものであり、線型予測合
成フィルタの分析次数Npが10次程度であるため、一
回の符号帳探索に(10+2)×40×1024≒48
0Kの積和算を要することになる。このような符号帳探
索が音声符号化のサブフレーム(5ms)毎に行われる
ためには、96Mops(百万演算/秒)という膨大な
処理能力が必要となり、現在の最高速のDSP(許容演
算量20〜40Mops)をもってしても、その処理の
実現には数チップが必要となるという問題があった。
【0015】また、このような符号帳をテーブルとして
記憶・保持するためには、ND ×M個の時系列サンプル
(例えば40×1024=40Kワード)を格納できる
容量を有したメモリが必要となる。そればかりか、分析
・合成形符号化を用いた音声符号器の適用領域と考えら
れる自動車用携帯電話等においては、装置の小型化、低
消費電力化が商品化の必須の条件であり、先に述べた膨
大な演算量や膨大なメモリー容量は、いずれも音声符号
器の商品としての実現上の重大な障害となっていた。
【0016】本発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
であり、符号帳探索の処理時間の短縮及び符号帳の記憶
容量の低減を図った音声符号化復号化方式を提供するこ
とを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では図1に示すように、それぞれ位置情報と
振幅情報とから成る複数の時系列サンプルで構成される
コードベクトルCを複数有した符号帳1と、符号帳の各
コードベクトルを所定の読み出し順序で読み出す読み出
し手段3とを備えた音声符号化復号化方式を提供する。
【0018】また、読み出し手段は、今回読み出すべき
コードベクトルの時系列サンプルを特定するフレームポ
インタを有し、符号帳には、読み出し手段が所定の読み
出し順序でフレームポインタを移動した時に、フレーム
ポインタが今回特定したコードベクトルを構成する時系
列サンプルの一部が、前回特定したコードベクトルを構
成する時系列サンプルの一部と共通となるように、各コ
ードベクトルの時系列サンプルを並べるようにする。
【0019】また、符号帳の各コードベクトルは、所定
のしきい値以上の振幅からなる時系列サンプルによって
のみ構成されるようにして、所謂スパース符号帳を構成
する。
【0020】さらに、図2に示すように、フレームポイ
ンタが今回特定したコードベクトルCk と、フレームポ
インタが前回特定したコードベクトルCk-1 との差であ
るデルタベクトルΔCK を求めるデルタベクトル決定手
段と、デルタベクトルの相関要素を算出する相関要素算
出手段と、入力信号Xと重み付けフィルタリングが施さ
れたコードベクトルACとの相互相関値Rxcの前回値
と相関要素算出手段が算出したデルタベクトルの相関要
素とから今回の相互相関値を求める相互相関演算手段
と、重み付けフィルタリングが施されたコードベクトル
ACの自己相関値Rccの前回値と相関要素算出手段が
算出したデルタベクトルの相関要素とから今回の自己相
関値を求める自己相関演算手段と、相互相関演算手段で
求められた今回の相互相関値と、自己相関演算手段で求
められた今回の自己相関値とに基づいて誤差信号ベクト
ルEの値を最小とするコードベクトル及びゲインを選択
する誤差評価手段4とを備える。
【0021】
【作用】本発明による音声符号化復号化方式では、符号
帳1に記憶される各コードベクトルCの複数の時系列サ
ンプルに関する情報に、単に振幅情報だけでなく、位置
情報も含ませる。従って、スパース符号帳のように時系
列サンプルに間引きを行った場合に、従来は間引かれた
時系列サンプルに対しても零値の振幅情報を記憶しなけ
ればならなかったのに対し、間引かれた時系列サンプル
に関する情報を何ら記憶する必要がなくなり、符号帳の
記憶量を低減できる。
【0022】また、符号帳には、時系列サンプルをフレ
ームポインタの移動に合わせて配置して、前回特定の時
系列サンプルの一部を今回特定の時系列サンプルに共用
できるようにする。これによって、符号帳の記憶量を低
減できる。また、これは、フレームポインタが前回特定
したコードベクトルCk-1 に、デルタベクトルΔCK
加えると、フレームポインタが今回特定したコードベク
トルCk となることを示している。
【0023】以上のような符号帳の記憶量の低減及びデ
ルタベクトルΔCKの利用は、この符号帳のコードベク
トルに基づいて行われる、適正なコードベクトルの探索
処理の各種演算の処理時間の短縮を促す。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。図2は、本発明の音声符号化復号化方式におい
て使用する符号帳を作成する原理を説明する図である。
図2(a)はコードベクトルの読み出し手段のフレーム
ポインタ21が前回に特定したコードベクトルCK-1
表し、図2(c)はフレームポインタ21が今回特定し
たコードベクトルCK を表す。図2(b)はコードベク
トルCK-1 とコードベクトルCK との差であるデルタベ
クトルΔCK を表す。フレームポインタ21は、時系列
サンプルのデータ列に沿って所定のサンプル数(例えば
4)を特定しながら所定の方向に、1回毎に例えば1サ
ンプル分だけ移動するものである。
【0025】図2(a)のコードベクトルCK-1 は、例
えば、振幅が所定のしきい値以上の時系列サンプルx
(i) (位置情報i=3,11,19,36)からなり、
振幅情報として、それぞれ−1.9,5.8,−8.
2,1.2を有する。i=3,11,19,36以外の
位置には振幅0の時系列サンプルが存在するが、コード
ベクトルが時系列サンプル毎に振幅情報と位置情報とを
合わせ持つことにより、コードベクトルはi=3,1
1,19,36以外の位置に関する情報を持たなくとも
よい。即ち、従来は全ての時系列サンプルの振幅情報を
時系列順に記憶することにより各サンプルの相対位置を
知る方式であり、従って、振幅0の時系列サンプルも記
憶する必要があった。しかし、本発明の符号帳では、時
系列サンプル毎に位置情報を持つので、振幅0の時系列
サンプルを記憶する必要はない。
【0026】この前回特定コードベクトルCK-1 にデル
タベクトルΔCK を加えると今回特定コードベクトルC
K が得られる。デルタベクトルΔCK は、前回特定コー
ドベクトルCK-1 の時系列サンプルx(3) を打ち消す時
系列サンプル−x(3) (振幅1.9)と、前回特定コー
ドベクトルCK-1 にはなかった時系列サンプルx(27)
(振幅−2.5)とから成っているでの、前回特定コー
ドベクトルCK-1 にデルタベクトルΔCK を加えて得ら
れる今回特定コードベクトルCK は、時系列サンプルx
(i) (位置情報i=11,19,36,27)からな
り、振幅情報として、それぞれ5.8,−8.2,1.
2,−2.5を有することとなる。
【0027】図3は、図2に示した原理に従って作成さ
れる符号帳(デルタ符号帳)22の一例である。即ち、
フレームポインタ21の移動方向に沿って時系列サンプ
ルが並べられるが、その並べ方は、例えば、今回特定コ
ードベクトルCK から次回特定コードベクトルCK+1
フレームポインタ21が移動した時、次回特定コードベ
クトルCK+1 から除かれるべき時系列サンプルx(3) が
左端に、次回特定コードベクトルCK+1 に新たに加えら
れるべき時系列サンプルx(27)が右端になるように配置
される。図に示す矢印の両端のペアがデルタベクトルΔ
K を表わしている。
【0028】本符号帳22の各コードベクトルは全て、
それ以前に生成されているコードベクトルに対しデルタ
ベクトルを加える(マイナス値を加えることも含む)こ
とにより生成される。このようにして構成されるデルタ
符号帳は、初期コードベクトル(Co)と時系列サンプ
ル数が少ないデルタベクトル(△Ci)とを保持してお
くだけで全てのコードベクトルが構成できるので、符号
帳を格納するためのメモリー容量の削減が可能になる。
【0029】従来の符号帳では、次元数ND 、サイズM
のコードベクトルのすべての時系列サンプルを格納する
必要があり、ND xM(例えば40×1024≒40K
ワード)のメモリを要した。これに対し、本発明では、
デルタベクトルΔCK の時系列サンプル数をNd(例え
ば2)とするとき、最初のコードベクトルC1の時系列
サンプル数はND であり、その後に順次新たに加わる時
系列サンプル数はNd÷2であり、また、1つの時系列
サンプルに対し、位置情報と振幅情報との2つのワード
数が必要であるから、本発明の符号帳のメモリ容量は、
(ND +Nd÷2×(M−1))×2ワードだけあれば
よい。上記実施例の数値を当てはめれば、(4+2÷2
×(1024−1))×2≒2Kワードとなり、メモリ
容量の大幅な削減が図れる。
【0030】更に、所定のしきい値を設け、振幅がそれ
以下の値をクリップしてほとんどの時系列サンプル値を
零値化するスパース符号帳が従来、提案されているが、
この従来のスパース符号帳では、そのサンプル位置を特
定できないため、結局全てのサンプルを符号帳の中に格
納しておかねばならない。それに伴い、必要のない零値
時系列サンプルに対しても後述のフィルタリング演算が
行なわれていた。
【0031】一方、本発明のデルタ符号帳の場合は、1
つの時系列サンプルに対し位置情報と振幅情報とを有す
るために、各時系列サンプル当たりの記憶すべき情報量
は増えるが、スパースによる零値時系列サンプルを記憶
する必要がなくなるので、零値時系列サンプルの数が全
時系列サンプルの数、例えば40に対し半数の20以上
になれば、符号帳の記憶量の低減や後述の探索処理の演
算量の短縮に効果を発揮する。
【0032】上記符号帳22では、フレームポインタ2
1が特定する時系列サンプルの数(ND に相当)は4で
あるが、これに限られるものではなく、フレームポイン
タ21が特定する時系列サンプルの数は例えば、6,
8,10など、いろいろな数が可能である。また、今回
特定コードベクトルCK から次回特定コードベクトルC
K+1 へフレームポインタ21が移動した時に除かれる時
系列サンプル及び新たに加えられる時系列サンプルの
数、即ちデルタベクトルΔCK+1 の時系列サンプルの数
Ndが2であるが、これもこの数に限られるものではな
く、4,6など、いろいろな数が可能である。
【0033】また、この本発明の符号帳のコードベクト
ルの格納方式により、一連の時系列サンプルのデータ列
に対しフレームポインタを移動させてコードベクトルを
特定することが可能となり、更には、特定される時系列
サンプルの数、フレームポインタの移動量の調節によ
り、任意のコードベクトルのフレーム長(次元数
D )、デルタベクトルの時系列サンプル数(ND )を
設定することができる。
【0034】次に、このように構成された符号帳を用い
て行われるコードベクトルの探索処理、即ち誤差評価処
理について説明する。
【0035】本発明の符号帳を用いて今回特定したコー
ドベクトルに重み付けフィルタリングを施したコードベ
クトルACに対する入力音声信号との誤差評価処理は、
前記数式(2),(3)を用いて行われる。即ち、Ck
=Ck-1 +△Ck と置くと、今回特定のコードベクトル
に係わる相互相関値Rxc(k)及び自己相関値Rcc
(k)は、次式(6),(7)に示すように、前回特定
コードベクトルの誤差評価時の相関値とデルタベクトル
の相関要素との和の形で表わされる。
【0036】 Rcx(k)=(ACk T X=(Ck-1 +△Ck T T X =Rxc(k−1)+△Ck T T X (6) Rcc(k)=(ACk T (ACk ) =(Ck-1 +△Ck T T A(Ck-1 +△Ck ) =Rcc(k−1)+2△Ck T T ACk-1 +△Ck T T A△Ck (7)
【0037】本発明では、符号帳に位置情報と振幅情報
とに分割して格納してある一連の時系列サンプル上をフ
レームポインタが移動していくことによりコードベクト
ルの更新を行うため、容易にデルタベクトル△Ck が求
められる。従って、上記式(6),(7)の各第2項以
降をこのデルタベクトル△Ck を用いて算出すれば、相
互相関値Rxc(k)及び自己相関値Rcc(k)の更
新作業が容易に実現できる。
【0038】なお、各コードベクトルに対する探索処理
には、各コードベクトル毎の重み付けフィルタリング作
業(マトリックスAとベクトルCとの積ACの算出)が
必要となる。一般にこの重み付けフィルタリング作業は
10次ほどの係数を持つIIR型フィルタで行われる
が、このフィルタのインパルス応答を要素とするベクト
ルとの畳み込み演算で等価な処理を実現できる。
【0039】更に、本発明方式では、コードベクトルが
例えば図4(a)に示すようなコードベクトルCk であ
るとき、且つ重み付けフィルタリングマトリックスAの
要素がh(i)(i=0,1・・N)であるとき、それ
らの畳み込み演算結果は図4(b)に示されるようにな
り、この演算によって行われる積和算の回数は図4
(c)に示されるようになる。図4(c)に示される回
数は、ND 次元のコードベクトルがあらゆる位置情報を
とったときの平均的な値を示しており、上記実施例の値
に基づけば80回位になる。
【0040】このように、本発明方式では図7に示す従
来方式に比べ、コードベクトルCk と重み付けフィルタ
リングマトリックスAとの畳み込み演算の演算量は、大
幅に低減する。
【0041】以上のように、探索処理は各コードベクト
ルの再生信号と入力音声信号との誤差を求めて誤差評価
して行われるが、これは数式(4)や図6に示すよう
に、相関値を要素とする関数の最大値探索処理に帰着で
きる。この相関値計算はデルタベクトルを使用すれば、
数式(6),(7)に表わすように前回特定のコードベ
クトルの相関値にデルタベクトルの相関要素を加えるこ
とで漸化的に更新することができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように本発明は、符号帳に
記憶される各コードベクトルの複数の時系列サンプルに
関する情報に、単に振幅情報だけでなく、位置情報も含
ませるようにしたので、スパース符号帳のように時系列
サンプルに間引きを行った場合に、従来は間引かれた時
系列サンプルに対しても零値の振幅情報を記憶しなけれ
ばならなかったのに対し、間引かれた時系列サンプルに
関する情報を何ら記憶する必要がなくなり、符号帳の記
憶量を低減できる。また、符号帳から零値の時系列サン
プルに関する情報が除かれていることによって、最適コ
ードベクトルの探索処理の中で行われる、符号帳の各コ
ードベクトルを基にした演算の量が大幅に短縮される。
【0043】また、符号帳には、時系列サンプルをフレ
ームポインタの移動に合わせて配置して、前回特定の時
系列サンプルの一部を今回特定の時系列サンプルに共用
できるようにする。これによって、符号帳の記憶量を低
減できる。また、これは、フレームポインタが前回特定
したコードベクトルCk-1 に、デルタベクトルΔCK
加えると、フレームポインタが今回特定したコードベク
トルCk となることを示し、このデルタベクトルΔCK
の利用によって、最適コードベクトルの探索処理の中の
演算量を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明方式に使用する符号帳を作成する原理を
説明する図である。
【図3】符号帳の具体的一例を示す図である。
【図4】本発明方式によるコードベクトルとフィルタリ
ングマトリックスとの畳み込み演算を示す図である。
【図5】従来のCELP音声符号器の基本構成を示す図
である。
【図6】符号探索の演算機能を示した図である。
【図7】従来方式によるコードベクトルとフィルタリン
グマトリックスとの畳み込み演算を示す図である。
【符号の説明】
1 符号帳 2 線形予測合成フィルタ 3 読み出し手段 4 誤差評価手段 C コードベクトル A フィルタリングマトリックス g ゲイン X 入力信号ベクトル E 誤差信号ベクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 良紀 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 加藤 雅子 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 白色雑音の符号帳(1)の各コードベク
    トル(C)にゲイン(g)を乗じ、線型予測合成フィル
    タ(2)による重み付けフィルタリング(A)を行って
    線形予測再生信号(gAC)を生成し、入力信号ベクト
    ル(X)との誤差信号ベクトル(E)を求め、この誤差
    信号ベクトルの値を最小にするコードベクトル(C)を
    前記符号帳から選択し、ゲイン(g)を選択するCEL
    P型の音声符号化復号化方式において、 それぞれ位置情報と振幅情報とから成る複数の時系列サ
    ンプルで構成されるコードベクトル(C)を複数有した
    符号帳(1)と、 前記符号帳の各コードベクトル(C)を所定の読み出し
    順序で読み出す読み出し手段(3)と、 を備えたことを特徴とする音声符号化復号化方式。
  2. 【請求項2】 前記読み出し手段は、今回読み出すべき
    コードベクトルの時系列サンプルを特定するフレームポ
    インタを有し、 前記符号帳には、前記読み出し手段が前記所定の読み出
    し順序で前記フレームポインタを移動した時に、前記フ
    レームポインタが今回特定したコードベクトルを構成す
    る時系列サンプルの一部が、前記フレームポインタが前
    回特定したコードベクトルを構成する時系列サンプルの
    一部と共通となるように、前記各コードベクトルを構成
    する時系列サンプルを並べるようにする、ことを特徴と
    する請求項1記載の音声符号化復号化方式。
  3. 【請求項3】 前記符号帳の各コードベクトルは、所定
    のしきい値以上の振幅からなる時系列サンプルによって
    のみ構成されるようにすることを特徴とする請求項2記
    載の音声符号化復号化方式。
  4. 【請求項4】 前記フレームポインタが今回特定したコ
    ードベクトル(Ck) と、前記フレームポインタが前回
    特定したコードベクトル(Ck-1)との差であるデルタベ
    クトル(ΔCK ) を求めるデルタベクトル決定手段と、 前記デルタベクトルの相関要素を算出する相関要素算出
    手段と、 入力信号(X)と重み付けフィルタリングが施されたコ
    ードベクトル(AC)との相互相関値(Rxc)の前回
    値と、前記相関要素算出手段が算出したデルタベクトル
    の相関要素とから、今回の相互相関値を求める相互相関
    演算手段と、 重み付けフィルタリングが施されたコードベクトル(A
    C)の自己相関値(Rcc)の前回値と、前記相関要素
    算出手段が算出したデルタベクトルの相関要素とから、
    今回の自己相関値を求める自己相関演算手段と、 前記相互相関演算手段で求められた今回の相互相関値
    と、前記自己相関演算手段で求められた今回の自己相関
    値とに基づいて前記誤差信号ベクトル(E)の値を最小
    とするコードベクトル及びゲインを選択する誤差評価手
    段(4)と、 を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の音声符
    号化復号化方式。
  5. 【請求項5】 前記誤差評価手段は、前記自己相関演算
    手段で求められた今回の自己相関値に対する、前記相互
    相関演算手段で求められた今回の相互相関値を2乗した
    値の比が最大となるようなコードベクトルを選択するこ
    とを特徴とする請求項4記載の音声符号化復号化方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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