JPH05116672A - 船 舶 - Google Patents

船 舶

Info

Publication number
JPH05116672A
JPH05116672A JP3284877A JP28487791A JPH05116672A JP H05116672 A JPH05116672 A JP H05116672A JP 3284877 A JP3284877 A JP 3284877A JP 28487791 A JP28487791 A JP 28487791A JP H05116672 A JPH05116672 A JP H05116672A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seawater
air
ship
hull
jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3284877A
Other languages
English (en)
Inventor
Moriji Harada
盛二 原田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP3284877A priority Critical patent/JPH05116672A/ja
Publication of JPH05116672A publication Critical patent/JPH05116672A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport
    • Y02T70/10Measures concerning design or construction of watercraft hulls
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T70/00Maritime or waterways transport
    • Y02T70/50Measures to reduce greenhouse gas emissions related to the propulsion system

Landscapes

  • Other Liquid Machine Or Engine Such As Wave Power Use (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 船体を海面から浮上させることなく航行中に
船体の受ける推進抵抗を大幅に軽減することができ、燃
料効率の向上と、安定的に、かつ、高速で航行できると
いう目的を達成できる船首駆動波無船を得るところにあ
る。 【構成】 船体1前方に海水取入部11を形成し、この
海水取入部11に設けられ航行の際に前記海水取入部1
1に侵入する海水を船底3側に吹き出す噴流発生手段4
と、前記船底3側に空気を噴射する空気噴射手段5とを
有し、前記船底3には前記噴流発生手段4により船底3
側に吹き出された海水および前記空気噴射手段5により
噴射された空気が前記船体1側方に逃げないように規制
する規制部材6を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、航行中の船体が海水な
どから受ける抵抗を軽減することにより、推進性能を高
め、航行の際の燃費の向上や高速での航行を可能にする
とともに安定的に航行できる船舶に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、海上などを航行する船舶は、常
に、船体が海水を排除するさいに発生する波による造波
抵抗と、海水等と船体との摩擦による粘性抵抗とを受け
ている。この造波抵抗および粘性抵抗は、吃水線以下の
船体の表面積と船舶の排水量、船舶の航行速度に比例
し、前記船体の表面積や排水量、航行速度が大きくなる
ほど大となる。そのため、船舶の設計にあたっては、船
舶の排水量の大きさと吃水以下の船体の表面積の大きさ
とを考慮し、船体の受ける造波抵抗や粘性抵抗ができる
だけ小さくなるような船体形状を選択している。また、
従来より、船体前部より海水の一部を取り入れ、この海
水をスクリューなどにより船尾方向に噴出して推進力の
一部として利用する方法なども知られている。
【0003】一方、近年の大都市の消費者は、農産物や
水産物について高級で新鮮なものを求める傾向にある。
また、工業関係では、生産工場の各国分散化が進み、N
IESを中心とするアジア諸国へ進出した工場の部品や
半製品を国内の組立工場や需要者などに迅速に輸送する
必要がある。ところが、従来の船舶においては、大量の
貨物を輸送できるという点では優れるが、迅速性という
要求を充足することができない、という問題がある。そ
こで、近年では、テクノスーパーライナー(略称TS
L、以下単にTSLという)という、超高速物流船が注
目されてきている。
【0004】このTSLは、船体を海面から浮上させる
ことにより船体に作用する造波抵抗と粘性抵抗とを軽減
させたもので、高速での航行が可能となる。そして、海
面から船体を浮上させる手段としては、船体下部に設け
た水中翼の翼揚力を利用した翼揚力浮上方式と、ファン
による高圧空気を船体に形成した空洞室内に送り込み、
この空気圧により船体を海面から浮上させた空気浮上方
式のものとが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のTSLは、船体を海面から浮上させるために強力な
ファンや推進装置が必要となり、船体の重量が大きくな
るばかりでなく、積載される積み荷の量も制限される、
という問題がある。また、航行の際の船体の重心が高く
なるため、高波や強風の影響を受けやすく安定性に欠け
る、という問題がある。そこで、アルミなどの軽合金材
料を使用して船体を軽くすることも検討されているが、
船体の強度を強化するための技術開発が必要となるうえ
材料のコストも高くなり、船舶の建造コストが高くなる
という問題があった。
【0006】本発明は、上述の問題点を鑑みてなされた
もので、その目的とするところは、船体を海面から浮上
させることなく航行中に船体が受ける造波抵抗や粘性抵
抗を軽減することにより、燃費や推進効率などの推進性
能を向上させるとともに、安定的に、かつ、高速での航
行も可能になる船舶を得るところにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために本発明の船舶は、船舶を海面から浮上させること
なく、航行の際に船体が排除しなければならない海水を
予め排除し、船舶の進行方向の海水面を船体周囲の海水
面に比して低くするとともに、船体と海水との接触面積
を小さくすることにより航行中の船体に作用する造波抵
抗および粘性抵抗を軽減することにより目的を達成しよ
うとするものである。
【0008】本発明の船舶の具体的な構成は、船体底部
を船首側から適当長さ切り欠いて形成した切欠部の左右
両側に側壁を設けてなる海水取入部と、この海水取入部
内に設けられ航行の際に前記海水取入部に侵入する海水
を船底側に吹き出す噴流発生装置と、前記船底側に空気
を噴射する空気噴射装置と、前記船底に設けられ、前記
噴流発生装置により船底側に吹き出された海水および前
記空気噴射装置により噴射された空気が前記船体側方に
逃げないように規制する規制部材とを有すること、を特
徴とする。
【0009】また、前記空気噴射装置は、船底前部に設
けられ、前記海水取入部に侵入した海水と空気とを混合
して空気混合海水を生成し、この空気混合海水を前記船
底側に吹き出して噴流を発生するようにして、前記海水
排除手段と前記空気噴射装置とを一体に構成したもので
あってもよい。また、前記海水取入部の前部開放口近傍
には、波の上下動に応じて上下に回動し、前記波の上下
動による船首部の上下動を打ち消す方向に舵取りを行う
舵装置を備えたものとしてもよい。
【0010】
【作用】本発明の船舶の推進方法によれば、海水排除手
段により船体近傍の海水が予め排除されることにより、
船体の進行方向の海水面が船体周囲の海水面よりも低く
なる。従って、航行中に船体が排除しなければならない
海水量が少なくなり、航行中の船体に作用する造波抵抗
および海水と船体との摩擦による粘性抵抗が軽減され
る。
【0011】また、本発明の船舶によれば、航行により
船体前方の海水取入部に侵入した海水は、海水排除手段
により船底側に吹き出される。また、前記船底には、前
記海水排除手段により発生された海水噴流が船体側方に
逃げないように規制する規制部材が設けられているの
で、この海水噴流により船底側の海水圧力が高くなって
船体が持ち上げられる。従って、航行中に船体が排除し
なければならない海水量が少なくなり、造波抵抗を小さ
くすることができる。また、空気噴射装置により船底に
噴射された空気が船底に空気膜を形成するので、船体と
海水との接触面積が小さくなり、船体と海水との摩擦に
よる粘性抵抗を小さくすることができる。従って、航行
中に船体に作用する抵抗が小さくなって、燃費や推進効
率などの推進性能が向上するとともに、高速での航行も
可能になる。
【0012】また、前記海水排除手段による海水噴流
は、船底に沿って船体後方に吹き出されるので、この海
水噴流が推進力となって船体を前進させるこができる。
なお、前記空気噴射装置を、前記海水取入部に侵入した
海水と空気とを混合して空気混合海水を生成し、この空
気混合海水を前記船底側に吹き出して噴流を発生できる
ように構成すれば、海水排除手段と空気噴射装置とを一
体にすることができ、装置を簡略化することができるば
かりでなく、別体の海水排除手段と併用することによ
り、より一層の推進性能の向上と高速での航行を可能に
できる。
【0013】また、前記海水取入部の開放口近傍に波の
上下動による船首部の上下動(ピッチング)を抑制する
舵装置を設けたものとすれば、船体のピッチングによる
海水排除手段および空気噴射装置の効率の低下を防止し
て、推進性能の低下を防止することができる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を詳細に説明する。図1ない
し図3は本発明の第1実施例の概略説明図に係り、図1
はその一部を破断した側面図、図2は図1のA矢視図、
図3は図1のB矢視図である。下面が略平坦面状に形成
された船底3を有する船体1は、その上部に操舵室や客
室などを有するキャビン1aを有し、最大満載時の吃水
線より下方を船首側(図面、向かって右側)から適当長
さ切り欠いて切欠部2が形成されている。また、船体1
の両側には、規制部材である遮蔽板6,6が取り付けら
れ、この遮蔽板6,6の下端は、船底3の下面より適当
長さ突出している。そして、前記遮蔽板6,6と前記船
体1の切欠部2とで囲まれた領域が、海水取入部11と
して形成されている。
【0015】また、上部甲板1bの船首部と前記海水取
入部11との間には、波切部8が形成されている。この
波切部8は、航行中に船体1の前方から来る山波を左右
に切り裂いて船体1の両側に落とし、波から船体1が受
ける抵抗をできるだけ小さくするためのもので、船首先
端部に鋭角尖頭部を有する山形状に形成することが望ま
しい。また、船体1の後尾には、操舵室の操舵操作によ
り船の進行方向を決定する舵9が設けられている。
【0016】船底3の前部3aには、凹状の窪みが形成
されて、この窪みに空気噴射装置5が設けられている。
この空気噴射装置5は、後述する送風装置10が取り入
れた空気を船体1の後尾側に噴射できるように、前記窪
みに傾斜して取り付けられている。また、上部甲板1b
には、内燃機関やモータなどの駆動装置12により高速
で回転され、前記空気噴射装置5に空気を送り込む送風
装置10が取り付けられている。この送風装置10は、
径の異なる3種類の回転羽10a,10b,10cを駆
動装置12の回転力を伝達する回転軸12aに取り付け
てなり、前記回転羽10a,10b,10cの回転速度
を送風装置10の空気取入口側より順次高速にすること
により、高圧の空気を空気噴射装置5に送り込めるよう
に構成されている。
【0017】この送風装置10により取り込まれた空気
は、連結管13を介して前記空気噴射装置5に送気さ
れ、この空気噴射装置5内で、海水と混合されて多数の
気泡が混在する空気混合海水が生成される。この空気噴
射装置5は、本願出願人が実願平3−83031号で提
案したもので、以下に、この空気噴射装置5の構成と作
用を図4に従って簡単に説明する。
【0018】図4に示すように、空気噴射装置5は、一
側に高圧エアー流入口20を有する中空の固定部材21
と、その固定部材21の他側部分に回転自在に嵌合され
る回転部材22と、この回転部材22の一側に設けられ
前記高圧エアー流入口20から流入される高圧エアーに
よって回転部材22を回転させる回転羽根23と、前記
回転部材22の他側端に設けられ回転部材22の内部に
海水等を引き込むためのスクリュー24とからなり、前
記回転部材22の他側の内部には、前記高圧エアー流入
口20から流入される高圧エアーが通る複数の高圧エア
ー通路25と、前記スクリュー24によって引き込まれ
た海水が通る海水通路26と、その海水通路26にある
海水を前記回転部材22の回転による遠心力により前記
高圧エアー通路25に送り込む複数の連通孔27と、前
記高圧エアー通路25の他側端に設けられ高圧エアー及
び前記連通孔27から送り込まれた海水を回転部材22
の外部に噴出させる噴出口28とを有して構成されてい
る。なお、図中29は、高圧エアーの流量を適宜制御す
るためのゲートである。
【0019】上述の構成によれば、送風装置10(図1
参照)により発生した高圧エアーが固定部材21の一側
の流入口20から流入(流入の方向を矢印Cで示す。以
下、空気または海水が流れる方向を矢印D〜Gで示す)
され、回転部材22を図中矢印Pの方向に回転させる。
前記高圧エアーは、回転部材22の一側部22aに沿っ
て高圧エアー通路25に案内される(矢印D)。また、
回転部材22の回転に伴い、スクリュー24によって海
水が海水通路26に引き込まれる(矢印F)。さらに、
回転による遠心力により海水通路26の海水は連通孔2
7を通って高圧エアー通路25側に飛び出る(矢印
E)。そのため、この高圧エアー通路25では海水と空
気とが混合されて空気混合海水が生成され、この空気混
合海水は回転部材24の噴出口28から外部へ噴出され
る(矢印G)。
【0020】なお、図4中二点鎖線で示すように、回転
部材22を構成する中間部22bの端部に複数枚のプロ
ペラ30を設けるものとすれば、このプロペラ30が回
転部材22の回転とともに高速で回転することにより、
噴出口28から噴出される空気混合海水は周囲に分散す
ることなく、効率よく船底3側に流れることができるよ
うになるばかりでなく、海水取入部11内の海水の排除
能力を更に向上させることができるようになる。また、
この空気噴射装置5は、図1に示すように、支点5aを
軸として仮想線で示す方向に回動が可能であり、空気混
合海水を船首側に向けて噴射することにより、船体1を
後進させることが可能である。
【0021】航行の際に海水取入部11に侵入する海水
を船底3側に吹き出す海水排除手段としての噴流発生装
置4は、海水取入部11の略中央部位に設けられてい
る。この噴流発生装置4は、前記空気噴射装置5と同
様、海水取入部11内の海水を船尾方向に向けて噴射で
きるように前記海水取入部11内に傾斜して取り付けら
れているとともに、前記駆動装置12とシャフト14に
て連結されていて、前記駆動装置12の駆動力はこのシ
ャフト14を介して前記噴流発生装置4に伝達される。
この噴流発生装置4は、本願出願人が同日に出願した実
願平3−89277号で提案したもので、以下に、この
噴流発生装置4の構成と作用を図5に従って簡単に説明
する。
【0022】噴流発生装置4は、シャフト14に嵌合さ
れ外周面に溝42が軸心方向に形成されたカラー41
と、このカラー41の一側周面に取り付けられ前記溝4
2に海水をかき込む掻込羽根43と、前記カラー41の
他側周面に嵌合され他端面に開口部44が形成された回
転体46とからなり、この回転体46の内部に前記カラ
ー41の溝42と開口部44との間を連通する螺旋状の
連通路45を設けてなるものである。
【0023】この噴流発生装置4を所定方向(図中矢印
で示す方向)に回転させると、カラー41の一側周面に
取り付けられた掻込羽根43により海水が内側にかき込
まれる。このかき込まれた海水はカラー41の溝42を
介して回転体46の連通路45を通る。その際、回転に
よる遠心力の作用で連通路45の内壁や連通路45内の
海水が前進方向へ押される。そして、押された海水が回
転体46の他端面に設けられた開口部44から外部に噴
出して、船舶の推進力となる。なお、この噴流発生装置
4においても空気噴射装置5と同様に、シャフト14に
ユニバーサルジョイントなどを介在させることにより、
海水を船首側に向けて噴射できるように構成すれば、こ
の噴流発生装置4により発生する海水噴流を船体1が後
進するための推進力として利用できるようになる。
【0024】7は、波による船首の上下動を抑止して船
体1のピッチングを抑制する舵装置で、船体1に回動軸
7aを介して取り付けられ、この回動軸7aを支点とし
て上下に回動が可能である。この舵装置7は、前記回動
軸7aに巻き付けられた図示しないコイルスプリング、
あるいは油圧ダンパーなどにより、常に水平状態に復帰
する方向に復元力が付勢されている。
【0025】上記構成の本発明の船舶の作用を説明す
る。駆動装置12を駆動させて送気ファン10を回転さ
せると、この送気ファン10により取り入れられた空気
は、高圧のエアーとなって連通管13を流れ、空気噴射
装置5に送気される。これにより、空気噴射装置5で
は、海水取入部11から取り込まれた海水と空気とが混
合されて空気混合海水が生成されるとともに、この空気
混合海水が高速の噴流となって噴射孔28(図4参照)
から海水中に噴射される。
【0026】一方、噴流発生装置4は、前記駆動装置1
2の駆動によりシャフト14を介して駆動され、海水取
入部11内の海水を取り込んで海水噴流を発生させる。
この海水噴流および前記空気混合海水の噴流は船体1の
後尾側に向けて流れるので、この噴流が推進力となって
船体1は航行を開始する。この船体1の航行の開始によ
り、前記噴流発生装置4の海水噴流および空気噴射装置
から噴射される空気混合海水は偏流となって船底3の下
面にもぐり込むことになる。
【0027】船底3の下面にもぐり込んだ前記空気混合
海水に含まれる多数の気泡は、前記船底3の下面に空気
膜を形成する。また、船底3の下面にもぐり込んだ海水
噴流は、遮蔽板6,6によって船体側方に分散すること
ができないので、船底3側の海水圧力が上昇して船底3
側から船体1を押し上げることになる。一方、海水取入
部11内に侵入する海水は、前記空気噴射装置5および
噴流発生装置4により、噴流となって船底3側に送り込
まれるとともに、船底3の下面にもぐり込んだ前記海水
噴流の作用により船体1が持ち上がるので、海水取入部
11内の水位は、図1中二点鎖線17で示すように、船
底3の前部3a近傍ほど低くなる。従って、航行中に船
体1が排除しなければならない海水の量は低減されるこ
とになる。
【0028】次に、波による船体1のピッチングを抑制
して、空気噴射装置5および噴流発生装置4の効率の低
下を防止する舵装置7の作用を図6に従って説明する。
なお、図中矢印Hは船舶の航行方向を、矢印Iは波の進
行方向を示す。船舶の前方からくる山波15が海水取入
部11に侵入すると、この山波15により船首部には矢
印Jの方向に押上力が作用する。一方、舵装置7は、こ
の山波15の作用により、回動軸7aを支点として矢印
Kの方向に回動する。そのため、舵装置7には、この船
舶の推進力の分力が矢印Lの方向に作用して船首部の持
ち上がりを抑止する(図6(a) )。次に、谷波16が海
水取入部11に侵入すると、船首部には上述とは逆の方
向、すなわち、船首部を海中に引き込もうとする力が矢
印Mの方向に作用して、舵装置7は矢印Nの方向に回動
する。従って、舵装置7には船体1の推進力の分力が矢
印Oの方向に作用して船首部の沈み込みを抑止する(図
6(b) )。
【0029】従って、上記作用の繰り返しにより、山波
および谷波による船体1のピッチングが抑止される。な
お、舵装置7は上述の機械式によるものに限られるもの
でなく、波により船体1に作用する押上力および引込力
を測定し、コンピュータなどの制御装置の制御により、
前記押上力および引込力の大きさに応じて回動操作され
るものとしてもよいし、また、操舵手により手動操作に
て操作されるものとしてもよいことは言うまでもない。
【0030】なお、この実施例では空気噴射装置は、本
願出願人が実願平3−89277号で提案した空気噴射
装置5として説明したが、空気噴射装置はこれに限られ
るものでなく、例えば、船底3の下面に多数の空気噴射
孔を形成し、この空気噴射孔のそれぞれから高圧空気を
噴射するものとしてもよい。また、上述の実施例では、
空気噴射装置5は海水排除手段を兼ね備えているので、
特に小型の船舶等においては噴流発生装置4は設けなく
てもよい。また、空気噴射装置5および噴流発生装置4
は各一基づつ設けるものとして説明したが、船体1の排
水量や航行速度などを考慮して、並列に、あるいは適宜
の配置にて複数基設けるものとしてもよいことは勿論の
ことである。
【0031】また、上記実施例で示した本発明の船舶は
舵9により進行方向の変換を行うものとしたが、空気噴
射装置5または噴流発生装置4を複数設けた本発明の船
舶においては、船体1の軸線に対して左右の海水の噴射
力を違わせることにより舵取り操作を行うこともできる
ようになる。また、前記空気噴射装置5または噴流発生
装置4を揺動可能に構成することにより、海水噴流の流
れる方向を任意に変換して舵取り操作を行うことも可能
である。
【0032】さらに、上述の実施例では、船体1の両側
に取り付けた遮蔽部材6,6により海水噴流を船底3の
下面から船体1の両側に逃げないように規制するものと
したが、船底3の下面にひれ状の突起を形成することに
より上記効果を達成することも可能である。また、船底
3の下面に設ける前記ひれ状の突起の本数およびその形
状を種々選択することにより、航行により前記ひれ状の
突起が受ける抵抗の軽減や、海水噴流の効率的利用を図
ることができる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、航行中に船体が排除し
なければならない海水を噴流発生装置により排除してや
り、かつ、この噴流発生装置により発生された海水の噴
流が船底下面側にもぐり込んで船体を持ち上げるので、
航行中に船体が排除しなければならない海水の量を少な
くすることができ、造波抵抗を軽減することができる。
また、空気噴射装置により船底側に噴射された空気によ
り、船底下面に空気の層が形成されることにより海水と
船体との接触面積が小さくなるので、海水と船体との摩
擦による粘性抵抗を軽減することができる。さらに、前
記噴流発生装置により発生された海水噴流は、船底下面
に沿って船体の後尾側に流れるので、この海水噴流を船
舶の推進力として利用することもできる。従って、燃費
や推進効率などの船舶の推進性能を向上させることがで
きるばかりでなく、安定性も高く、かつ、高速での航行
も可能になる。
【0034】また、船首側に舵装置を設けるものとすれ
ば、進行方向から来る波の上下動を打ち消して船体のピ
ッチングを抑止するので、安定的な航行が可能となり、
乗り心地もよく、また、波による抵抗の変化を抑制する
ことができる。さらに、本発明の船舶は、特に船体の軽
量化や強度に注意を払う必要がなく、現在の技術で実現
が可能であるので、新たに技術開発をする必要がなく、
従って、比較的低廉なコストで建造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の船舶の概略説明図に係り、その一部を
破断した側面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】図1のB矢視図である。
【図4】空気噴射装置の一例に係り、その断面を示す説
明図である。
【図5】噴流発生装置の一例に係り、その斜視説明図で
ある。
【図6】舵装置の作用の説明図で、(a) は山波に対する
舵装置の作用を示す図、(b) は谷波に対する舵装置の作
用を示す図である。
【符号の説明】
1 船体 2 切欠部 3 船底 4 噴流発生装置 5 空気噴射装置 6 遮蔽板(規制部材) 7 舵装置 8 波切り部 9 舵 10 送風装置 11 海水取入部 12 駆動装置 13 連絡管 14 シャフト 15,16 波 17 海水面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 船体底部を船首側から適当長さ切り欠い
    て形成した切欠部の左右両側に側壁を設けてなる海水取
    入部と、この海水取入部内に設けられ航行の際に前記海
    水取入部に侵入する海水を船底側に吹き出す噴流発生装
    置と、前記船底側に空気を噴射する空気噴射装置と、前
    記船底に設けられ、前記噴流発生装置により船底側に吹
    き出された海水および前記空気噴射装置により噴射され
    た空気が前記船体側方に逃げないように規制する規制部
    材とを有すること、を特徴とする船舶。
  2. 【請求項2】 前記空気噴射装置は、船底前方に設けら
    れ、前記海水取入部に侵入した海水と空気とを混合して
    多数の気泡を有する空気混合海水を生成し、この空気混
    合海水を前記船底側に吹き出して噴流を発生するように
    構成したこと、を特徴とする請求項1記載の船舶。
  3. 【請求項3】 前記海水取入部の前部開放口近傍には、
    波の上下動に応じて上下に回動し、前記波の上下動によ
    る船首部の上下動を打ち消す方向に舵取りを行う舵装置
    を備えたこと、を特徴とする請求項1または請求項2記
    載の船舶。
JP3284877A 1991-10-30 1991-10-30 船 舶 Pending JPH05116672A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3284877A JPH05116672A (ja) 1991-10-30 1991-10-30 船 舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3284877A JPH05116672A (ja) 1991-10-30 1991-10-30 船 舶

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05116672A true JPH05116672A (ja) 1993-05-14

Family

ID=17684195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3284877A Pending JPH05116672A (ja) 1991-10-30 1991-10-30 船 舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05116672A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009122736A1 (ja) 2008-04-01 2009-10-08 独立行政法人海上技術安全研究所 船舶の摩擦抵抗低減装置
JP2013216321A (ja) * 2013-06-28 2013-10-24 National Maritime Research Institute 船舶の摩擦抵抗低減装置
JP2013216320A (ja) * 2013-06-28 2013-10-24 National Maritime Research Institute 船舶の摩擦抵抗低減装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009122736A1 (ja) 2008-04-01 2009-10-08 独立行政法人海上技術安全研究所 船舶の摩擦抵抗低減装置
US9376167B2 (en) 2008-04-01 2016-06-28 National Maritime Research Institute Frictional resistance reduction device for ship
EP3441298A1 (en) 2008-04-01 2019-02-13 National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology Frictional resistance reduction device for ship
JP2013216321A (ja) * 2013-06-28 2013-10-24 National Maritime Research Institute 船舶の摩擦抵抗低減装置
JP2013216320A (ja) * 2013-06-28 2013-10-24 National Maritime Research Institute 船舶の摩擦抵抗低減装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3342032A (en) Jet propulsion means for a boat
US6604478B2 (en) Hull configuration utilizing multiple effects for enhanced speed, range and efficiency
JP2015515413A (ja) 船体の推進及び方向転換装置
WO2018234969A1 (en) METHOD FOR CONTROLLING A NAUTICAL MACHINE AND NAUTICAL MACHINE
US3288100A (en) Boat and jet propulsion means therefor
JP4925683B2 (ja) ウォータージェット推進船
JP2009262598A (ja) 多胴船の減揺方法及び装置
US6796858B2 (en) Stator vane and impeller-drive shaft arrangements and personal watercraft employing the same
JPH05116672A (ja) 船 舶
JPH08310489A (ja) 双方向航走船の推進装置
US5910032A (en) Marine propulsion system
JP4573911B1 (ja) 船舶
JP2003127969A (ja) 半潜水式水中翼船
US11046406B1 (en) Watercraft and venturi unit
JPH04292295A (ja) 水噴射式推進船の航行安定装置
US7101235B2 (en) Air-boat sound suppressor and directional control system
EP2906462B1 (en) Boat
NZ337957A (en) Tri-hulled catamarans with side hulls configuration decreasing dives or lifts at speed which also decreases drag coefficient
US6855018B2 (en) Propulsion system for boats
JPH06503290A (ja) 単胴高速船
US20020127925A1 (en) Augmented thrust waterjet propulsor
WO2018051711A1 (ja) 船体形状と推進装置
KR101785226B1 (ko) 호버크래프트 기능을 겸비한 에어제트 추진방식의 선박
KR20180106706A (ko) 에어제트 선박
US8795009B1 (en) Watercraft with propulsion system