JPH05113512A - 損失補償型光分岐回路 - Google Patents
損失補償型光分岐回路Info
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- JPH05113512A JPH05113512A JP3274197A JP27419791A JPH05113512A JP H05113512 A JPH05113512 A JP H05113512A JP 3274197 A JP3274197 A JP 3274197A JP 27419791 A JP27419791 A JP 27419791A JP H05113512 A JPH05113512 A JP H05113512A
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- JP
- Japan
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- cores
- refractive index
- core
- optical
- light
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 光分岐回路において分岐損失および伝搬損失
を補償でき、しかも複数段に縦続接続することを可能と
する。 【構成】 光を伝搬するコア10、11をこのコア1
0、11より低い屈折率のクラッド13で覆った光伝送
路において、矢印L1 方向の信号光及び矢印L2 方向の
励起光を伝搬するコア10、11をコア10、11より
低い屈折率のクラッド13で覆った光伝送路において、
コア10、11をほぼ直交するように形成し、コア10
の直交部に入射される信号光の光軸に対してほぼ45度
の角度で両コア部10、11を横断するよう切り欠き部
12を形成し、切り欠き部12に、希土類元素を含みコ
ア10、11より低い屈折率を有する物質を充填し、他
方のコア11に、励起光を入射することを特徴としてい
る。
を補償でき、しかも複数段に縦続接続することを可能と
する。 【構成】 光を伝搬するコア10、11をこのコア1
0、11より低い屈折率のクラッド13で覆った光伝送
路において、矢印L1 方向の信号光及び矢印L2 方向の
励起光を伝搬するコア10、11をコア10、11より
低い屈折率のクラッド13で覆った光伝送路において、
コア10、11をほぼ直交するように形成し、コア10
の直交部に入射される信号光の光軸に対してほぼ45度
の角度で両コア部10、11を横断するよう切り欠き部
12を形成し、切り欠き部12に、希土類元素を含みコ
ア10、11より低い屈折率を有する物質を充填し、他
方のコア11に、励起光を入射することを特徴としてい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光分岐回路、特に光分
岐回路の分岐損失および伝搬損失を補償することが可能
な損失補償型光分岐回路に関する。
岐回路の分岐損失および伝搬損失を補償することが可能
な損失補償型光分岐回路に関する。
【0002】
【従来の技術】光信号を複数に分岐したり、複数の光信
号を結合、合流させる機能を有する光分岐回路は、光フ
ァイバ通信システム(例えば公衆通信、LAN(ローカ
ルエリヤネットワーク)、CATV(ケーブルテレビジ
ョン)等)、光信号処理システム(例えば光交換、光コ
ンピューティング、光インターコネクション等)、光計
測システム(例えば光ファイバジャイロ、光干渉回路
等)、光センサ(例えば温度、湿度、磁界、電流等の物
理量測定用センサ)等へ幅広く適用できる最も基本的な
光回路の一つである。
号を結合、合流させる機能を有する光分岐回路は、光フ
ァイバ通信システム(例えば公衆通信、LAN(ローカ
ルエリヤネットワーク)、CATV(ケーブルテレビジ
ョン)等)、光信号処理システム(例えば光交換、光コ
ンピューティング、光インターコネクション等)、光計
測システム(例えば光ファイバジャイロ、光干渉回路
等)、光センサ(例えば温度、湿度、磁界、電流等の物
理量測定用センサ)等へ幅広く適用できる最も基本的な
光回路の一つである。
【0003】図7に光分岐回路の従来例(特開昭56−
138707号)の説明図を示す。
138707号)の説明図を示す。
【0004】同図において光分岐回路は、T字形に配置
された光ファイバF1 、F2 及びF3 の分岐部の出射端
が矢印A1で示す信号光Pi1の光軸に対してほぼ45度
の角度で切断されかつ研磨され、この研磨面に所望の屈
折率を有する誘電体薄膜1が設けられた構造を有してい
る。
された光ファイバF1 、F2 及びF3 の分岐部の出射端
が矢印A1で示す信号光Pi1の光軸に対してほぼ45度
の角度で切断されかつ研磨され、この研磨面に所望の屈
折率を有する誘電体薄膜1が設けられた構造を有してい
る。
【0005】このような光分岐回路において、信号光P
i1の分岐光P01、P02の強度の割合は誘電体膜1の屈折
率の値、光軸に対する研磨面の角度ψ等に依存する。ま
た光分岐回路の挿入損失は角度ψの精度、研磨面の表面
平滑性、各光ファイバF1 、F2 及びF3 の位置精度、
各光ファイバF1 、F2 及びF3 の密着性、誘電体膜1
の光透過性、光ファイバF1 の径方向の角度φ等に依存
する。
i1の分岐光P01、P02の強度の割合は誘電体膜1の屈折
率の値、光軸に対する研磨面の角度ψ等に依存する。ま
た光分岐回路の挿入損失は角度ψの精度、研磨面の表面
平滑性、各光ファイバF1 、F2 及びF3 の位置精度、
各光ファイバF1 、F2 及びF3 の密着性、誘電体膜1
の光透過性、光ファイバF1 の径方向の角度φ等に依存
する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図7に
示した光分岐回路には次のような問題点がある。
示した光分岐回路には次のような問題点がある。
【0007】(1)シングルモード系の光分岐回路を低
挿入損失で実現するためには各々の光ファイバのX、
Y、Z方向の位置を±1μm以下の精度で合わせる必要
があるので低挿入損失化を実現するのは難しい。また、
各々の光ファイバの角度ずれも1度以下に抑えて配置さ
せる必要があるが、現実的には位置合わせの精度を±1
μm以下に抑えることは極めて困難であり、低挿入損失
化を実現するのは難しい、(2)光ファイバF1 、
F2 、F3 は円形構造であるため、光ファイバF1 と光
ファイバとF2 の間や光ファイバF1 と光ファイバF3
との間に隙間が生じ、この隙間によるフレネル反射損失
が生じる、(3)光分岐回路は損失を伴う回路であり、
このような光分岐回路を複数段に縦続接続すると損失が
大きくなり実用システムには使用できない、という問題
点がある。
挿入損失で実現するためには各々の光ファイバのX、
Y、Z方向の位置を±1μm以下の精度で合わせる必要
があるので低挿入損失化を実現するのは難しい。また、
各々の光ファイバの角度ずれも1度以下に抑えて配置さ
せる必要があるが、現実的には位置合わせの精度を±1
μm以下に抑えることは極めて困難であり、低挿入損失
化を実現するのは難しい、(2)光ファイバF1 、
F2 、F3 は円形構造であるため、光ファイバF1 と光
ファイバとF2 の間や光ファイバF1 と光ファイバF3
との間に隙間が生じ、この隙間によるフレネル反射損失
が生じる、(3)光分岐回路は損失を伴う回路であり、
このような光分岐回路を複数段に縦続接続すると損失が
大きくなり実用システムには使用できない、という問題
点がある。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、光分岐回路の分岐損失および伝搬損失を補償するこ
とができ、しかも複数段に縦続接続することが可能な損
失補償型光分岐回路を提供することにある。
し、光分岐回路の分岐損失および伝搬損失を補償するこ
とができ、しかも複数段に縦続接続することが可能な損
失補償型光分岐回路を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、光を伝搬するコアを当該コアより低い屈折
率のクラッドで覆った光伝送路において、コアをほぼ直
交するように形成し、コアの直交部に入射される信号光
の光軸に対してほぼ45度の角度で両コア部を横断する
よう切り欠き部を形成し、切り欠き部に、希土類元素を
含みコアより低い屈折率を有する物質を充填し、他方の
コアに、励起光を入射するものである。
に本発明は、光を伝搬するコアを当該コアより低い屈折
率のクラッドで覆った光伝送路において、コアをほぼ直
交するように形成し、コアの直交部に入射される信号光
の光軸に対してほぼ45度の角度で両コア部を横断する
よう切り欠き部を形成し、切り欠き部に、希土類元素を
含みコアより低い屈折率を有する物質を充填し、他方の
コアに、励起光を入射するものである。
【0010】
【作用】本発明の損失補償型光分岐回路によると、光を
伝搬するコアを当該コアより低い屈折率のクラッドで覆
った光伝送路において、ほぼ直交するように形成された
コアの一端から励起光が入射され、切り欠き部に充填さ
れた物質が励起され、コアの他端から入射された信号光
が誘導放出を生じて増幅され分岐することにより損失を
補償することができる。
伝搬するコアを当該コアより低い屈折率のクラッドで覆
った光伝送路において、ほぼ直交するように形成された
コアの一端から励起光が入射され、切り欠き部に充填さ
れた物質が励起され、コアの他端から入射された信号光
が誘導放出を生じて増幅され分岐することにより損失を
補償することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0012】図1に本発明の損失補償型光分岐回路の一
実施例の平面図を示す。同図において、損失補償型光分
岐回路は、ほぼ直交するように配置された2つの矩形状
のコア10、11と、両コア10、11を横断するよう
に形成された切り欠き部12と両コア10、11を覆い
両コア10、11より低い屈折率を有するクラッド13
とを有している。
実施例の平面図を示す。同図において、損失補償型光分
岐回路は、ほぼ直交するように配置された2つの矩形状
のコア10、11と、両コア10、11を横断するよう
に形成された切り欠き部12と両コア10、11を覆い
両コア10、11より低い屈折率を有するクラッド13
とを有している。
【0013】この切り欠き部12にはコア10、11の
屈折率nw より低い屈折率ng を有する固体、気体或い
は液体のいずれかの状態の物質が充填されている。この
物質には希土類元素が含まれている。
屈折率nw より低い屈折率ng を有する固体、気体或い
は液体のいずれかの状態の物質が充填されている。この
物質には希土類元素が含まれている。
【0014】次に実施例の作用を述べる。
【0015】図1において、矢印L2 方向からコア11
に入射した励起光は、この切り欠き部12内の物資を照
射して励起状態とし、矢印L6 方向に進むと共に、矢印
L 5 方向にも進む。
に入射した励起光は、この切り欠き部12内の物資を照
射して励起状態とし、矢印L6 方向に進むと共に、矢印
L 5 方向にも進む。
【0016】一方、矢印L1 方向からコア10に入射し
た信号光は、切り欠き部12に充填された物質を通過
(直進)して矢印L4 方向に進むと共に、矢印L3 方向
にも進むことにより分岐されるようになっている。これ
は、切り欠き部12に充填された物質の屈折率がコア1
0、11の屈折率より低いため、信号光の一部が反射す
ると共に物質を通過するからである。このとき切り欠き
部12内では、誘導放出を生じ、コア10、11から出
射される信号光は増幅されている。これにより信号光は
損失補償型光分岐回路により分岐されると共に増幅され
る。なお、この損失補償型光分岐回路より出力される光
は信号光の他に励起光を含んでいるので、フィルタによ
り不要な励起光を除去する必要がある。
た信号光は、切り欠き部12に充填された物質を通過
(直進)して矢印L4 方向に進むと共に、矢印L3 方向
にも進むことにより分岐されるようになっている。これ
は、切り欠き部12に充填された物質の屈折率がコア1
0、11の屈折率より低いため、信号光の一部が反射す
ると共に物質を通過するからである。このとき切り欠き
部12内では、誘導放出を生じ、コア10、11から出
射される信号光は増幅されている。これにより信号光は
損失補償型光分岐回路により分岐されると共に増幅され
る。なお、この損失補償型光分岐回路より出力される光
は信号光の他に励起光を含んでいるので、フィルタによ
り不要な励起光を除去する必要がある。
【0017】図2は図1に示した損失補償型光分岐回路
のA−A線断面図である。
のA−A線断面図である。
【0018】同図において、損失補償型光分岐回路は、
基板14上に屈折率がnb のバッファ層15が設けら
れ、このバッファ層15の上に屈折率がnw (nb <n
w )でほぼ矩形状のコア層10、11がパターニングさ
れ、このコア層10、11には屈折率がnc (nc <n
w )のクラッド層13が設けられて光導波路型構造が形
成されている。
基板14上に屈折率がnb のバッファ層15が設けら
れ、このバッファ層15の上に屈折率がnw (nb <n
w )でほぼ矩形状のコア層10、11がパターニングさ
れ、このコア層10、11には屈折率がnc (nc <n
w )のクラッド層13が設けられて光導波路型構造が形
成されている。
【0019】図1に戻って矢印L1 方向の信号光および
矢印L2方向の励起光は、コア10、11内を伝搬する
ことができるように励振される。この光導波路はシング
ルモード伝送用光導波路でもマルチモード伝送用光導波
路のいずれであってもよい。希土類元素が添加された物
質を充填するための切り欠き部12は、矢印L1 方向の
信号光の光軸に対して約30〜48度の範囲、好ましく
は45度の角度で2つのコア10、11を横断するよう
に形成される。この切り欠き部12の長さ方向に垂直な
幅Wは矢印L1 方向の信号光、矢印L2 方向の励起光の
伝搬損失を抑圧するためできるだけ狭い方がよく、数μ
m程度に選ばれる。さらにこの切り欠き部12に充填さ
れる物質の屈折率ng は、矢印L1 方向の信号光に対し
て、矢印L3 、L4 方向の分岐光の強度をどの程度にす
るかによって決定される。
矢印L2方向の励起光は、コア10、11内を伝搬する
ことができるように励振される。この光導波路はシング
ルモード伝送用光導波路でもマルチモード伝送用光導波
路のいずれであってもよい。希土類元素が添加された物
質を充填するための切り欠き部12は、矢印L1 方向の
信号光の光軸に対して約30〜48度の範囲、好ましく
は45度の角度で2つのコア10、11を横断するよう
に形成される。この切り欠き部12の長さ方向に垂直な
幅Wは矢印L1 方向の信号光、矢印L2 方向の励起光の
伝搬損失を抑圧するためできるだけ狭い方がよく、数μ
m程度に選ばれる。さらにこの切り欠き部12に充填さ
れる物質の屈折率ng は、矢印L1 方向の信号光に対し
て、矢印L3 、L4 方向の分岐光の強度をどの程度にす
るかによって決定される。
【0020】図3は切り欠き部に充填される物質の屈折
率に対する分岐光量と挿入損失との関係を示す。同図に
おいて横軸は切り欠き部に充填される物質の屈折率、縦
軸は分岐光量及び挿入損失である。
率に対する分岐光量と挿入損失との関係を示す。同図に
おいて横軸は切り欠き部に充填される物質の屈折率、縦
軸は分岐光量及び挿入損失である。
【0021】図のグラフに示すように、屈折率ng がn
w より低くなるに伴い矢印L3 方向への分岐光の強度を
増大させることができる。しかし、もし物質に希土類元
素が添加されていなければ、上記分岐光の増大につれて
矢印L3 方向への分岐光には伝搬損失(導波路での吸収
および散乱損失、導波路への光結合損失などを含む)と
分岐損失を含む挿入損失の増大を伴う。その結果、従来
はこのような多段縦続接続する構成の光分岐回路は、大
きな挿入損失を伴うため用いられなかった。
w より低くなるに伴い矢印L3 方向への分岐光の強度を
増大させることができる。しかし、もし物質に希土類元
素が添加されていなければ、上記分岐光の増大につれて
矢印L3 方向への分岐光には伝搬損失(導波路での吸収
および散乱損失、導波路への光結合損失などを含む)と
分岐損失を含む挿入損失の増大を伴う。その結果、従来
はこのような多段縦続接続する構成の光分岐回路は、大
きな挿入損失を伴うため用いられなかった。
【0022】これに対して、本発明の構成では、切り欠
き部12に希土類元素を含む物質が充填され、かつ矢印
L2 方向からこの希土類元素に固有の吸収波長特性を有
する波長の励起光が矢印L5 、L6 方向に伝搬されるよ
うになっている。そのため、矢印L1 方向の信号光が切
り欠き部12を通過することによって増幅され、矢印L
4 方向へ出射される。この増幅の度合いは、希土類元素
の添加濃度、矢印L 2 方向の励起光の強度等に依存す
る。
き部12に希土類元素を含む物質が充填され、かつ矢印
L2 方向からこの希土類元素に固有の吸収波長特性を有
する波長の励起光が矢印L5 、L6 方向に伝搬されるよ
うになっている。そのため、矢印L1 方向の信号光が切
り欠き部12を通過することによって増幅され、矢印L
4 方向へ出射される。この増幅の度合いは、希土類元素
の添加濃度、矢印L 2 方向の励起光の強度等に依存す
る。
【0023】一般には、上記希土類元素の添加濃度が高
い程、また励起光の強度が大きい程増幅度は大きくとれ
る。したがって、上記挿入損失を補償するように希土類
元素の添加濃度および励起光の強度を選んでおけば矢印
L1 方向の信号光は一部が矢印L3 方向の分岐光として
利用されるにもかかわらず、矢印L4 方向へは入射した
信号光の強度と同程度かそれ以上の強度の光が出射され
ることになり、結果的に光分岐回路の多段接続を可能に
する。
い程、また励起光の強度が大きい程増幅度は大きくとれ
る。したがって、上記挿入損失を補償するように希土類
元素の添加濃度および励起光の強度を選んでおけば矢印
L1 方向の信号光は一部が矢印L3 方向の分岐光として
利用されるにもかかわらず、矢印L4 方向へは入射した
信号光の強度と同程度かそれ以上の強度の光が出射され
ることになり、結果的に光分岐回路の多段接続を可能に
する。
【0024】ここで希土類元素としては、Er、Nd、
Yb、Pr、Ce、Sm、Tm、La等を少なくとも一
種類含んだものとする。例えば、希土類元素としてEr
を用いたとすると、矢印L1 方向の励起光の波長は0.
98μm或いは1.48μmの光源が用いられる。Er
の添加濃度は、数百ppmから1万ppmの範囲が望ま
しい。矢印L1 方向の励起光の強度は数mWから百数十
mWの範囲から選ばれる。なお、図1において基板14
には誘電体(例えばガラス、LiNbO3 、LiTaO
3 、サファイア等)、半導体(例えばSi,GaAs、
InP等)、磁性体等を用いることができる。バッファ
層15、コア10、11およびクラッド13も基板材料
と同種の材料を用いることができる。
Yb、Pr、Ce、Sm、Tm、La等を少なくとも一
種類含んだものとする。例えば、希土類元素としてEr
を用いたとすると、矢印L1 方向の励起光の波長は0.
98μm或いは1.48μmの光源が用いられる。Er
の添加濃度は、数百ppmから1万ppmの範囲が望ま
しい。矢印L1 方向の励起光の強度は数mWから百数十
mWの範囲から選ばれる。なお、図1において基板14
には誘電体(例えばガラス、LiNbO3 、LiTaO
3 、サファイア等)、半導体(例えばSi,GaAs、
InP等)、磁性体等を用いることができる。バッファ
層15、コア10、11およびクラッド13も基板材料
と同種の材料を用いることができる。
【0025】バッファ層15の厚さはコア10、11の
厚さと同程度以上であればよく、シングルモード伝送用
の場合には5μm以上、マルチモード伝送用の場合には
10数μm以上あればよい。コア10、11の厚さ及び
幅は、シングルモード伝送用の場合には5μm以上、マ
ルチモード伝送用の場合には10数μm以上に選ばれ
る。
厚さと同程度以上であればよく、シングルモード伝送用
の場合には5μm以上、マルチモード伝送用の場合には
10数μm以上あればよい。コア10、11の厚さ及び
幅は、シングルモード伝送用の場合には5μm以上、マ
ルチモード伝送用の場合には10数μm以上に選ばれ
る。
【0026】クラッド13の厚さはバッファ層15の厚
さと同程度かそれ以上に選ばれる。希土類元素を含んだ
物質には次のようなものが用いられる。
さと同程度かそれ以上に選ばれる。希土類元素を含んだ
物質には次のようなものが用いられる。
【0027】まず固体としては、例えばシリケート系の
ガラス(SiO2 )、SiO2 にP、B、Ti、Ge、
Al、Sn、Zn、Mg、Na、Li、K等の屈折率制
御用ドーパントを少なくとも一種類含んだもの、LiN
bO3 、LiNbO3 にMgOを含んだもの、リン酸系
ガラス、フッ化物系ガラス、高分子材料等が用いられ
る。
ガラス(SiO2 )、SiO2 にP、B、Ti、Ge、
Al、Sn、Zn、Mg、Na、Li、K等の屈折率制
御用ドーパントを少なくとも一種類含んだもの、LiN
bO3 、LiNbO3 にMgOを含んだもの、リン酸系
ガラス、フッ化物系ガラス、高分子材料等が用いられ
る。
【0028】気体としては、n−ブタン、イソブタン、
メチルエーテル、プロパン等が用いられる。
メチルエーテル、プロパン等が用いられる。
【0029】液体としては、アルコール、有機オキシシ
ラン等のように希土類元素化合物(例えばErCl3 )
を溶解できる液体が用いられる。
ラン等のように希土類元素化合物(例えばErCl3 )
を溶解できる液体が用いられる。
【0030】図4は本発明の損失補償型光分岐回路の第
2の実施例の平面図を示す。
2の実施例の平面図を示す。
【0031】図1に示した損失補償型光分岐回路との相
違点は、切り欠き部が、直交する2つのコアを横断する
だけでなくクラッドにも形成されている点である。な
お、同一の部材には同一の符号が用いられている。
違点は、切り欠き部が、直交する2つのコアを横断する
だけでなくクラッドにも形成されている点である。な
お、同一の部材には同一の符号が用いられている。
【0032】図4においてほぼ直交する2つのコア1
0、11を横断するように切り欠き部22が形成されて
おり、この切り欠き部22は、コア10、11を覆うク
ラッド13にも形成されている。
0、11を横断するように切り欠き部22が形成されて
おり、この切り欠き部22は、コア10、11を覆うク
ラッド13にも形成されている。
【0033】図5は図4に示した損失補償型光分岐回路
のB−B線断面図である。
のB−B線断面図である。
【0034】同図に示すように基板14の上にバッファ
層15が設けられ、バッファ層15の上にコア層10、
11と、切り欠き部22が設けられている。コア層1
0、11の上にはクラッド層13が設けられており、切
り欠き部22はクラッド層13を貫通しているのが分か
る。この切り欠き部22にも前述と同様希土類元素を含
んだ固体、気体或いは液体のいずれかを含む物質が充填
されている。なお、切り欠き部22は、従来、半導体プ
ロセスで用いられているドライエッチング法によって容
易に形成することができる。又、切り欠き部22がクラ
ッド層13を貫通して外部に露出しているので切り欠き
部22への液体および気体の挿入が容易である。
層15が設けられ、バッファ層15の上にコア層10、
11と、切り欠き部22が設けられている。コア層1
0、11の上にはクラッド層13が設けられており、切
り欠き部22はクラッド層13を貫通しているのが分か
る。この切り欠き部22にも前述と同様希土類元素を含
んだ固体、気体或いは液体のいずれかを含む物質が充填
されている。なお、切り欠き部22は、従来、半導体プ
ロセスで用いられているドライエッチング法によって容
易に形成することができる。又、切り欠き部22がクラ
ッド層13を貫通して外部に露出しているので切り欠き
部22への液体および気体の挿入が容易である。
【0035】図6に本発明の損失補償型光分岐回路の第
3の実施例の平面図を示す。
3の実施例の平面図を示す。
【0036】同図において、損失補償型光分岐回路は図
1に示した損失補償型光分岐回路を3段縦接続して構成
したものである。
1に示した損失補償型光分岐回路を3段縦接続して構成
したものである。
【0037】コア30と、3つの互いに平行なコア3
1、32、33とからなるコア導波路の直交部は3カ所
あり、各々の直交部には切り欠き部34、35、36が
形成されている。切り欠き部34、35、36は矢印21
方向の信号光とほぼ45度の角度で互いに平行に形成さ
れている。切り欠き部34、35、36には希土類元素
を含む物質が充填されている。なお、図ではコア31、
32、33の数は3つであるが、これに限定されるもの
ではなく、また切り欠き部34、35、36はクラッド
層37を貫通してもよい。
1、32、33とからなるコア導波路の直交部は3カ所
あり、各々の直交部には切り欠き部34、35、36が
形成されている。切り欠き部34、35、36は矢印21
方向の信号光とほぼ45度の角度で互いに平行に形成さ
れている。切り欠き部34、35、36には希土類元素
を含む物質が充填されている。なお、図ではコア31、
32、33の数は3つであるが、これに限定されるもの
ではなく、また切り欠き部34、35、36はクラッド
層37を貫通してもよい。
【0038】信号光がコア30に矢印L21方向から入射
され、励起光がコア30に矢印L22方向から入射され
る。コア30、すなわち光導波路内に入射した信号光は
まず最初の切り欠き部34で所望光量だけ分岐され、矢
印L23方向に出射される。残りの信号光は第1の切り欠
き部35の物質を通過することにより増幅され、先ず最
初の損失補償が行われる。
され、励起光がコア30に矢印L22方向から入射され
る。コア30、すなわち光導波路内に入射した信号光は
まず最初の切り欠き部34で所望光量だけ分岐され、矢
印L23方向に出射される。残りの信号光は第1の切り欠
き部35の物質を通過することにより増幅され、先ず最
初の損失補償が行われる。
【0039】次に、増幅された信号光は、次の切り欠き
部35に達し、ここで矢印L24方向に所望光量だけ分岐
される。そして矢印L24方向へ伝搬する以外の残りの信
号光は第2の切り欠き部35の物質を通過することによ
り再度増幅され、第3の切り欠き部36に達し、ここで
矢印L25方向に所望光量だけ分岐され、残りの信号光
は、切り欠き部36内の物質を通過することによりさら
に増幅され、矢印L25方向に出射される。なお、矢印L
27方向の励起光は各切り欠き部34、35、36にそれ
ぞれ充填された各物質で吸収されなかった励起光の残量
光である。
部35に達し、ここで矢印L24方向に所望光量だけ分岐
される。そして矢印L24方向へ伝搬する以外の残りの信
号光は第2の切り欠き部35の物質を通過することによ
り再度増幅され、第3の切り欠き部36に達し、ここで
矢印L25方向に所望光量だけ分岐され、残りの信号光
は、切り欠き部36内の物質を通過することによりさら
に増幅され、矢印L25方向に出射される。なお、矢印L
27方向の励起光は各切り欠き部34、35、36にそれ
ぞれ充填された各物質で吸収されなかった励起光の残量
光である。
【0040】以上のように本発明の損失補償型光分岐回
路は増幅機能を有するので2分岐以上の多段の損失補償
型光分岐回路を構成することができ、前述した種々のシ
ステムへの応用が可能となる。
路は増幅機能を有するので2分岐以上の多段の損失補償
型光分岐回路を構成することができ、前述した種々のシ
ステムへの応用が可能となる。
【0041】なお、この損失補償型光分岐回路より出力
される光には励起光が含まれていないので、フィルタを
用いることなく、増幅された分岐光を得ることができ、
矢印L23、L24、L25方向の分岐光の光量は、各切り欠
き部34、35、36に充填された物質の屈折率、希土
類元素の添加濃度および矢印L26方向の励起光の強度を
変えることにより調節することができる。
される光には励起光が含まれていないので、フィルタを
用いることなく、増幅された分岐光を得ることができ、
矢印L23、L24、L25方向の分岐光の光量は、各切り欠
き部34、35、36に充填された物質の屈折率、希土
類元素の添加濃度および矢印L26方向の励起光の強度を
変えることにより調節することができる。
【0042】
【発明の効果】以上要するに本発明によれば、光を伝搬
するコアを当該コアより低い屈折率のクラッドで覆った
光伝送路において、コアをほぼ直交するように形成し、
コアの直交部に入射される信号光の光軸に対してほぼ4
5度の角度で両コア部を横断するよう切り欠き部を形成
し、切り欠き部に、希土類元素を含みコアより低い屈折
率を有する物質を充填し、他方のコアに、励起光を入射
するので、光分岐回路の分岐損失および伝搬損失を補償
でき、しかも複数段に縦続接続することが可能な損失補
償型光分岐回路を実現することができる。
するコアを当該コアより低い屈折率のクラッドで覆った
光伝送路において、コアをほぼ直交するように形成し、
コアの直交部に入射される信号光の光軸に対してほぼ4
5度の角度で両コア部を横断するよう切り欠き部を形成
し、切り欠き部に、希土類元素を含みコアより低い屈折
率を有する物質を充填し、他方のコアに、励起光を入射
するので、光分岐回路の分岐損失および伝搬損失を補償
でき、しかも複数段に縦続接続することが可能な損失補
償型光分岐回路を実現することができる。
【図1】本発明の損失補償型光分岐回路の一実施例の平
面図である。
面図である。
【図2】図1に示した損失補償型光分岐回路のA−A線
断面図である。
断面図である。
【図3】切り欠き部に充填される物質の屈折率に対する
分岐光量と挿入損失との関係を示すグラフである。
分岐光量と挿入損失との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の損失補償型光分岐回路の第2の実施例
の平面図である。
の平面図である。
【図5】図4に示した損失補償型光分岐回路のB−B線
断面図である。
断面図である。
【図6】本発明の損失補償型光分岐回路の第3の実施例
の平面図を示す。
の平面図を示す。
【図7】光分岐回路の従来例の説明図である。
【符号の説明】 10、11、30、31、32、33 コア 12、22、34、35、36 切り欠き部 13、37 クラッド 14 基板 15 バッファ層
Claims (2)
- 【請求項1】 光を伝搬するコアを該コアより低い屈折
率のクラッドで覆った光伝送路において、前記コアをほ
ぼ直交するように形成し、前記コアの直交部に入射され
る信号光の光軸に対してほぼ45度の角度で両コア部を
横断するよう切り欠き部を形成し、該切り欠き部に、希
土類元素を含み前記コアより低い屈折率を有する物質を
充填し、前記他方のコアに、励起光を入射することを特
徴とする損失補償型光分岐回路。 - 【請求項2】 前記コアが複数箇所で直交しており、各
直交部には前記切り欠き部が形成されており、各切り欠
き部が前記物質で充填されていることを特徴とする請求
項1に記載の損失補償型光分岐回路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3274197A JPH05113512A (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | 損失補償型光分岐回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3274197A JPH05113512A (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | 損失補償型光分岐回路 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05113512A true JPH05113512A (ja) | 1993-05-07 |
Family
ID=17538389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3274197A Pending JPH05113512A (ja) | 1991-10-22 | 1991-10-22 | 損失補償型光分岐回路 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05113512A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007148382A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-06-14 | Nec Corp | 光導波路デバイスおよびその伝送損失の調整方法 |
-
1991
- 1991-10-22 JP JP3274197A patent/JPH05113512A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007148382A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-06-14 | Nec Corp | 光導波路デバイスおよびその伝送損失の調整方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20040121 |