JPH0511004Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、鋳造角度の変更を可能とした双ロー
ル型ストリツプキヤスタに付設するストリツプ搬
送角度の変更可能な後面テーブルの構造に関す
る。

（従来の技術） 特開昭60−145253および実開昭60−166452には
従来技術の双ロール型ストリツプキヤスタの２例
が開示されている。これらは第８図および第９図
に示すように、１対の鋳造ロールａ，ｂを水平に
並べて配置し、ロール間隔ｃの上位に溶融金属を
注込保有させ、凝固殻が形成され始めた薄鋳片ス
トリツプｄを鋳造ロールａ，ｂの回転、下方のピ
ンチロールｅによる引抜によりロール間隔ｃの下
方に通しガイドロールｆ列間を移行させるように
なつている。これらの場合、後述の鋳造角度は0°
であり、後面テーブルのガイドロールｆの配置も
鋳造角度に対応して固定で鋳片ストリツプ搬送角
度も一定である。

（考案が解決しようとする問題点） 第１図は前記従来技術と種類の異る双ロール型
ストリツプキヤスタを示す。鋳造条件が一定でな
く、鋼種、鋳片厚さ、鋳造速度等の鋳造条件が変
更される場合には、この変化に対応して最適の鋳
造状態とするため、鋳造ロール１，２の並ぶ方向
と水平方向とのなす角度、すなわち鋳造角度θを
変更する必要がある。矢印Ａは鋳造方向を示す。
この目的で第１図のストリツプキヤスタは、鋳造
ロール１に対し鋳造ロール２がスクリユウジヤツ
キ３により接近離隔してロール間隔、従つて鋳片
ストリツプ厚さ変更可能に本体４に装備され、本
体４を着脱可能に取付けたチルチングスタンド５
が円弧支承面６でベースフレーム７上に載せ取付
けられており、必要に応じてチルチングスタンド
５をベースフレーム７上で回動させることにより
傾斜角度を変更しボルト８により固定することに
より鋳造角度θは０〜90°範囲に変更可能である。

ところが、ストリツプキヤスタ本体につづく後
面テーブルは従来技術では鋳造角度に対応した一
定の配列の構成のため、ストリツプキヤスタの鋳
造角度を変更すればそれぞれの角度に対応した後
面テーブルと交換することが必要となるという問
題が生じ、多種類の後面テーブルを予備保有しな
ければならなくなる。

本考案は従来技術のこの問題に解決を与え、ス
トリツプキヤスタの鋳造角度の変更に１種類の後
面テーブルで対応できるようにすることを目的と
する。

（問題点を解決するための手段） 前記目的は、本考案によ双ロール式ストリツプ
キヤスタ後面テーブルの構造を、チルチングスタ
ンドの回動により鋳造角度の変更を可能とした双
ロール型ストリツプキヤスタにおいて、鋳片スト
リツプの後面テーブルをガイドロール軸相互のリ
ンク連結によりガイドロールを列設してチエーン
リンク状に構成し、該後面テーブルの片端がチル
チングスタンドに連接され鋳造角度の変更に追従
可能とすることにより、解決される。

（作用、実施例） 次に、本考案を第１〜７図を参照し、実施例に
即して具体的に説明する。第１図は前記構造の鋳
造角度の変更可能な双ロール型ストリツプキヤス
タ９である。第２図は本考案実施例の後面テーブ
ルの展開状態の中間省略した平面図、第３図はそ
の側面図を示す。

後面テーブルの列設ロールとなるガイドロール
１０はガイドロール軸１１上にスペーサ１２を介
在させて軸上列設状態として回転自在に支承さ
れ、ガイドロール軸１１の両端でリンク１３によ
り隣位のガイドロール軸と相互連結され、これを
繰返して一連の長いリンクチエーン状につくられ
る。

このロール列の先端となる片端では、リンクの
代りに三角形状の上ロールサポート１４で連結さ
れ、最先位のガイドロール１０′の上位に同様構
造の上ロール１５が回転自在に支承されている。
上ロール１５と該上ロール１５の下位に配された
最先位のガイドロール１０′との間隔は鋳片スト
リツプ厚に相当し、鋳片ストリツプはこの間隔を
通る。１６はガイドロール１０列上に設けた鋳片
ストリツプ幅相当間隔の位置のサイドガイドであ
る。

第４および５図は鋳造角度45°での本考案後面
テーブルの取付け配置を示しガイドロール１０列
は、前記片端において最先位のガイドロール１０
のガイドロール軸１１で連結具１７′を介しチル
チングスタンド５に連結され、チルチングスタン
ドの出側ロール１７と連接する。後面テーブルは
中間では架台１８上に支持され、反対側の片端で
は固定設置の後続ロールテーブル１９に連接す
る。

第６図は鋳造角度0°の場合の本考案後面テーブ
ルの配置を示す。

第７図は鋳造角度60°の場合の本考案後面テー
ブルの配置を示す。

図示のように本考案のリンクチエーン状の後面
テーブル自体は屈折自在であり、ストリツプキヤ
スタの鋳造角度の変更のための転回運動に対して
自由に追従し後面テーブルの鋳片ストリツプ搬送
角度を必要に応じて変更できる。

（考案の効果） 本考案によれば、双ロール型ストリツプキヤス
タの鋳造角度変更に伴う後面テーブルの交換を必
要とせず経済的で、鋳造条件に最適な鋳造角度が
選定できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は鋳造角度の変更可能な双ロール型スト
リツプキヤスタの側面図、第２図は本考案実施例
の後面テーブルの展開状態の中間省略した部分破
断拡大平面図、第３図はその側面図、第４図は鋳
造角度45°の場合の本考案後面テーブルの配置を
示す側面図、第５図はその後続テーブルとの接続
を示す側面図、第６図は鋳造角度0°の場合の本考
案後面テーブルの配置を示す側面図、第７図は鋳
造角度60°の場合の本考案後面テーブルの配置を
示す側面図、第８図は従来技術の１例のストリツ
プキヤスタおよびガイドロール配置を示す側面略
図、第９図は従来技術の他例のストリツプキヤス
タおよびガイドロール配置を示す側面略図であ
る。 １，２……鋳造ロール、３……スクリユジヤツ
キ、４……本体、５……チルチングスタンド、６
……円弧支承面、７……ベースフレーム、８……
ボルト、９……双ロール型ストリツプキヤスタ、
１０……ガイドロール、１１……ガイドロール
軸、１２……スペーサ、１３……リンク、１４…
…上ロールサポート、１５……上ロール、１６…
…サイドガイド、１７……出側ロール、１７′…
…連結具、１８……架台、１９……後続ロールテ
ーブル、θ……鋳造角度、Ａ……鋳造方向、ａ，
ｂ……鋳造ロール、ｃ……ロール間隔、ｄ……鋳
片ストリツプ、ｅ……ピンチロール、ｆ……ガイ
ドロール。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. チルチングスタンドのスライドにより鋳造角度
   の変更を可能とした双ロール型ストリツプキヤス
   タの後面テーブルにおいて、鋳片ストリツプの後
   面ガイドロールをガイドロール相互のリンク連結
   によりガイドロールを列設してチエーン状に構成
   し、該後面ガイドロールテーブルの片端をチルチ
   ングスタンドに支持して鋳造角度の変更に追従可
   能としたことを特徴とする双ロール型ストリツプ
   キヤスタ後面テーブル。