JPH0510873A - 粒子密度測定装置 - Google Patents
粒子密度測定装置Info
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- JPH0510873A JPH0510873A JP6349391A JP6349391A JPH0510873A JP H0510873 A JPH0510873 A JP H0510873A JP 6349391 A JP6349391 A JP 6349391A JP 6349391 A JP6349391 A JP 6349391A JP H0510873 A JPH0510873 A JP H0510873A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 粒子の光の吸収の割合をもとに、被測定物中
の粒子の密度を測定するための粒子密度測定装置におい
て、粒子のスペクトル線の線型に自然広がりの成分が、
他の成分に対して強く表れる波長領域を用いることによ
り、スペクトル線の線型を理論的に予測できるように
し、かつ大型の被測定物や高密度の被測定物でも粒子密
度を測定可能にする。 【構成】 本発明の粒子密度測定装置1は、ドップラー
広がりの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD と超微細構造
の広がりΔλH のうち大きい方をΔλとすれば、スペク
トル線の中心波長λ0 からΔλ以上離れた、自然広がり
の成分が他の成分に対して強く表れる領域の光を測定光
7として光源3から被測定物に照射し、被測定物9を透
過する透過光11の光強度を光強度検出器5で検出して
粒子密度を測定する。
の粒子の密度を測定するための粒子密度測定装置におい
て、粒子のスペクトル線の線型に自然広がりの成分が、
他の成分に対して強く表れる波長領域を用いることによ
り、スペクトル線の線型を理論的に予測できるように
し、かつ大型の被測定物や高密度の被測定物でも粒子密
度を測定可能にする。 【構成】 本発明の粒子密度測定装置1は、ドップラー
広がりの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD と超微細構造
の広がりΔλH のうち大きい方をΔλとすれば、スペク
トル線の中心波長λ0 からΔλ以上離れた、自然広がり
の成分が他の成分に対して強く表れる領域の光を測定光
7として光源3から被測定物に照射し、被測定物9を透
過する透過光11の光強度を光強度検出器5で検出して
粒子密度を測定する。
Description
【0001】[発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、被測定物中の粒子によ
る光の吸収量をもとに粒子の密度を測定する粒子密度測
定装置に関する。
る光の吸収量をもとに粒子の密度を測定する粒子密度測
定装置に関する。
【0003】
【従来の技術】気体又は液体状の被測定物中に含まれる
粒子(例えばガスを構成する分子等)の光の吸収量をも
とに、被測定物中に含まれる粒子の密度を測定する方法
には、被測定物中の粒子のスペクトル線と同じ波長の光
を外部から入射し被測定物中の粒子が吸収する光の吸収
量を調べる方法と、被測定物中の粒子自身の発光を利用
する方法とがある。
粒子(例えばガスを構成する分子等)の光の吸収量をも
とに、被測定物中に含まれる粒子の密度を測定する方法
には、被測定物中の粒子のスペクトル線と同じ波長の光
を外部から入射し被測定物中の粒子が吸収する光の吸収
量を調べる方法と、被測定物中の粒子自身の発光を利用
する方法とがある。
【0004】上記被測定物中の粒子のスペクトル線と同
じ波長の光を測定光として外部から被測定物中に入射し
て被測定物中の粒子の光の吸収量を調べる方法では、被
測定物への入射前の光強度と被測定物を透過した後の光
強度Iとの比と、被測定物中の粒子のスペクトル線の線
型と測定光の線型とを考慮して、被測定物中の粒子の密
度を求める。
じ波長の光を測定光として外部から被測定物中に入射し
て被測定物中の粒子の光の吸収量を調べる方法では、被
測定物への入射前の光強度と被測定物を透過した後の光
強度Iとの比と、被測定物中の粒子のスペクトル線の線
型と測定光の線型とを考慮して、被測定物中の粒子の密
度を求める。
【0005】ところで、上記測定物中の粒子のスペクト
ル線を微細に観測すると、その光強度は中心波長でピー
クを持ち、中心波長から離れるにしたがって、光強度が
急激に弱くなる。このスペクトル線の線型は、中心波長
近傍では粒子の運動により生じるドップラー広がりで決
まり、中心波長から離れるにしたがって、粒子の励起状
態の寿命によって決まる自然広がりや、粒子同士の衝突
や共存する別の粒子との衝突による衝突広がりの影響が
強くなってくる。
ル線を微細に観測すると、その光強度は中心波長でピー
クを持ち、中心波長から離れるにしたがって、光強度が
急激に弱くなる。このスペクトル線の線型は、中心波長
近傍では粒子の運動により生じるドップラー広がりで決
まり、中心波長から離れるにしたがって、粒子の励起状
態の寿命によって決まる自然広がりや、粒子同士の衝突
や共存する別の粒子との衝突による衝突広がりの影響が
強くなってくる。
【0006】通常、粒子の光の吸収の割合により被測定
物中の粒子の密度を測定する場合、吸収割合が大きい被
測定粒子の中心波長の光を測定光として用いるため、粒
子密度を算出する際に用いるスペクトル線の線型として
はドップラー広がりを使っていた。
物中の粒子の密度を測定する場合、吸収割合が大きい被
測定粒子の中心波長の光を測定光として用いるため、粒
子密度を算出する際に用いるスペクトル線の線型として
はドップラー広がりを使っていた。
【0007】しかし、上記ドップラー広がりは被測定物
中の粒子の熱速度を反映したものなので、被測定物が常
温以外の場合、上記ドップラー広がりを正確に評価する
のは難しい。
中の粒子の熱速度を反映したものなので、被測定物が常
温以外の場合、上記ドップラー広がりを正確に評価する
のは難しい。
【0008】また、図7に示す如く粒子のスペクトル線
が複数の中心波長λ01、λ02、λ03、λ04が存在する超
微細構造が持つことがある。スペクトル線の超微細構造
に関するデータは少なく、超微細構造を持つスペクトル
線の構造は多くの場合不明なので、このようなスペクト
ル線の線型は使えない。
が複数の中心波長λ01、λ02、λ03、λ04が存在する超
微細構造が持つことがある。スペクトル線の超微細構造
に関するデータは少なく、超微細構造を持つスペクトル
線の構造は多くの場合不明なので、このようなスペクト
ル線の線型は使えない。
【0009】このように、被測定物の温度が常温以外の
場合や、粒子のスペクトル線が超微細構造を持つ場合な
ど、従来の、スペクトル線の中心波長の光を測定光とし
て用いる粒子密度測定装置では、粒子のスペクトル線の
線型を正確に評価できない場合が存在するという困難を
伴っていた。スペクトル線の線型は、測定手段を講じて
測定可能であるが、その方法は非常に難しい。
場合や、粒子のスペクトル線が超微細構造を持つ場合な
ど、従来の、スペクトル線の中心波長の光を測定光とし
て用いる粒子密度測定装置では、粒子のスペクトル線の
線型を正確に評価できない場合が存在するという困難を
伴っていた。スペクトル線の線型は、測定手段を講じて
測定可能であるが、その方法は非常に難しい。
【0010】さらに、測定対象が大きい場合、すなわち
被測定物が大きい場合や、被測定物中の粒子の密度が高
い場合は、粒子のスペクトル線の中心波長近傍での光吸
収が多く、透過光強度が検出不可能な程度にまで小さく
なる。このため測定光としてスペクトル線の吸収割合の
大きい中心波長の光を用いる方法では、入射した光の大
部分が粒子に吸収されてしまい、透過光の光強度を測定
できない場合が生じる。
被測定物が大きい場合や、被測定物中の粒子の密度が高
い場合は、粒子のスペクトル線の中心波長近傍での光吸
収が多く、透過光強度が検出不可能な程度にまで小さく
なる。このため測定光としてスペクトル線の吸収割合の
大きい中心波長の光を用いる方法では、入射した光の大
部分が粒子に吸収されてしまい、透過光の光強度を測定
できない場合が生じる。
【0011】一方、被測定物内の粒子自身の発光を利用
する方法は、弱電離プラズマ中の励起粒子密度測定に用
いられる。この方法は断面積を一定に保ち、プラズマ長
を変化させ、長軸方向に放射される両者のスペクトル線
の強度比から励起原子密度を求める。この方法はスペク
トル線の線型を無視することができる点で優れている
が、被測定物の形状を任意に選ぶことが出来ない。また
この方法では発光させるために放電等で粒子を励起させ
る必要があり、放電状態を安定に維持することが出来る
気体にしか適用できないなどの問題がある。
する方法は、弱電離プラズマ中の励起粒子密度測定に用
いられる。この方法は断面積を一定に保ち、プラズマ長
を変化させ、長軸方向に放射される両者のスペクトル線
の強度比から励起原子密度を求める。この方法はスペク
トル線の線型を無視することができる点で優れている
が、被測定物の形状を任意に選ぶことが出来ない。また
この方法では発光させるために放電等で粒子を励起させ
る必要があり、放電状態を安定に維持することが出来る
気体にしか適用できないなどの問題がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の粒
子密度測定装置は、被測定物中の粒子のスペクトル線の
中心波長付近の線型を正確に表すことが困難であった
り、被測定物中の粒子の密度が高い場合や被測定物が大
きい場合には透過光の光強度が測定できないことがある
という問題があった。さらに被測定物中の粒子の種類や
その大きさを任意に選ぶことが出来ないという問題があ
った。
子密度測定装置は、被測定物中の粒子のスペクトル線の
中心波長付近の線型を正確に表すことが困難であった
り、被測定物中の粒子の密度が高い場合や被測定物が大
きい場合には透過光の光強度が測定できないことがある
という問題があった。さらに被測定物中の粒子の種類や
その大きさを任意に選ぶことが出来ないという問題があ
った。
【0013】そこで、本発明は、被測定物中の粒子のス
ペクトル線の線型として理論的に計算出来る自然広がり
のみを考慮すれば良く、かつ、任意の被測定物に対して
任意の形状を選択することができ、粒子の密度が高くて
も粒子密度の測定が可能な粒子密度測定装置を提供する
ことが目的である。
ペクトル線の線型として理論的に計算出来る自然広がり
のみを考慮すれば良く、かつ、任意の被測定物に対して
任意の形状を選択することができ、粒子の密度が高くて
も粒子密度の測定が可能な粒子密度測定装置を提供する
ことが目的である。
【0014】[発明の構成]
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の発明では、測定物中の粒子のスペクトル
線の中心波長をλ0 、スペクトル線のドップラー広がり
の半値半幅をΔλD 、さらにスペクトル線が超微細構造
を持つ場合にはその広がりをΔλH とした時、ドップラ
ー広がりの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD と超微細構
造の広がりΔλH のうち大きい方をΔλとすれば、スペ
クトル線の中心波長λ0 から前記Δλ以上離れた波長の
光を測定光として用いたことを特徴としている。
請求項1記載の発明では、測定物中の粒子のスペクトル
線の中心波長をλ0 、スペクトル線のドップラー広がり
の半値半幅をΔλD 、さらにスペクトル線が超微細構造
を持つ場合にはその広がりをΔλH とした時、ドップラ
ー広がりの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD と超微細構
造の広がりΔλH のうち大きい方をΔλとすれば、スペ
クトル線の中心波長λ0 から前記Δλ以上離れた波長の
光を測定光として用いたことを特徴としている。
【0016】請求項2の発明では、請求項1の測定光の
波長と被測定物内の光路長とのすくなくとも一方を調整
することにより、中心波長λ0 +Δλにおける透過光強
度が入射光強度に対して50%以下となるように測定シ
ステムを構成したことを特徴としている。
波長と被測定物内の光路長とのすくなくとも一方を調整
することにより、中心波長λ0 +Δλにおける透過光強
度が入射光強度に対して50%以下となるように測定シ
ステムを構成したことを特徴としている。
【0017】
【作用】上記構成の請求項1の発明によれば、測定物中
の粒子のスペクトル線の中心波長をλ0 、スペクトル線
のドップラー広がりの半値半幅をΔλD 、さらにスペク
トル線が超微細構造を持つ場合にはその広がりをΔλH
とした時、ドップラー広がりの半値半幅の5倍の波長幅
5ΔλD と超微細構造の広がりΔλH のうち大きい方を
Δλとすれば、スペクトル線の中心波長λ0 から前記Δ
λ以上離れた波長の光を測定光として用い、この測定光
の波長λ0 及び線型と、被測定物中の光路長と、測定光
の入射光強度と透過光強度との比とから被測定物の粒子
の密度を求める。本発明では、粒子のスペクトル線の線
型としては理論的に計算出来る自然広がりのみを考慮す
るだけでよい。
の粒子のスペクトル線の中心波長をλ0 、スペクトル線
のドップラー広がりの半値半幅をΔλD 、さらにスペク
トル線が超微細構造を持つ場合にはその広がりをΔλH
とした時、ドップラー広がりの半値半幅の5倍の波長幅
5ΔλD と超微細構造の広がりΔλH のうち大きい方を
Δλとすれば、スペクトル線の中心波長λ0 から前記Δ
λ以上離れた波長の光を測定光として用い、この測定光
の波長λ0 及び線型と、被測定物中の光路長と、測定光
の入射光強度と透過光強度との比とから被測定物の粒子
の密度を求める。本発明では、粒子のスペクトル線の線
型としては理論的に計算出来る自然広がりのみを考慮す
るだけでよい。
【0018】また、本発明ではスペクトル線の中心波長
λ0 から前記Δλ以上離れた波長の光を測定光として用
いているので、被測定物の状況により被測定物中の粒子
の熱速度がわからない場合でも、被測定物の熱速度を求
める必要がなく、スペクトル線が超微細構造を持つ場合
でもその影響を避けることができる。
λ0 から前記Δλ以上離れた波長の光を測定光として用
いているので、被測定物の状況により被測定物中の粒子
の熱速度がわからない場合でも、被測定物の熱速度を求
める必要がなく、スペクトル線が超微細構造を持つ場合
でもその影響を避けることができる。
【0019】なお、ここで超微細構造の広がりとは、図
7に示す如く超微細構造を構成する各スペクトル線の最
短波長λ01の中心から最長波長λ04の中心までの波長差
ΔλH を示す。
7に示す如く超微細構造を構成する各スペクトル線の最
短波長λ01の中心から最長波長λ04の中心までの波長差
ΔλH を示す。
【0020】請求項2の発明では、請求項1の測定光の
波長と被測定物内の光路長とのすくなくとも一方を調整
することにより、λ0 +Δλにおける透過光強度が入射
光強度に対して50%以下となるように測定システムを
構成する。そして測定光の波長を変えて各温度での透過
光強度を測定し、入射光の強度に対する透過光の強度と
の比が1%以下になる測定光の波長幅から被測定物の粒
子密度を測定する。
波長と被測定物内の光路長とのすくなくとも一方を調整
することにより、λ0 +Δλにおける透過光強度が入射
光強度に対して50%以下となるように測定システムを
構成する。そして測定光の波長を変えて各温度での透過
光強度を測定し、入射光の強度に対する透過光の強度と
の比が1%以下になる測定光の波長幅から被測定物の粒
子密度を測定する。
【0021】
【実施例】以下図面に基づき、本発明に係わる粒子密度
測定装置の実施例について説明する。
測定装置の実施例について説明する。
【0022】第1実施例
図1は、本実施例の粒子密度測定装置1の概略構成を示
している。同図において粒子密度測定装置1は、光源3
と、光強度検出器5とで構成している。
している。同図において粒子密度測定装置1は、光源3
と、光強度検出器5とで構成している。
【0023】光源3から放射した測定光は、光路7で示
す如く被測定物9に入射し、被測定物9を透過した透過
光11は光強度検出器5により光強度を検出する。
す如く被測定物9に入射し、被測定物9を透過した透過
光11は光強度検出器5により光強度を検出する。
【0024】ある波長の光に対して被測定物への入射光
強度Iinと、被測定物を透過した透過光強度Iout との
間には、次の関係がある。
強度Iinと、被測定物を透過した透過光強度Iout との
間には、次の関係がある。
【0025】
Iin/Iout =exp{−k0 LNS(λ)} ・・・・・(1)
式(1)において、Lは被測定物9中の光路長、Nは被
測定物中の粒子密度、S(λ)は粒子のスペクトル線の
線型、λは測定光の波長、k0 は定数である。上記式
(1)に示す粒子のスペクトル線の線型S(λ)は、ド
ップラー広がり、自然広がり、衝突広がりの混合した形
となる。スペクトル線の中心波長付近ではドップラー広
がりの影響が強く、中心から離れると自然広がりと衝突
広がりの影響が強くなる。このような違いは、それらの
線型が、ドップラー広がりはガウス型であり、自然広が
りと衝突広がりはローレンツ型であることから生じる。
測定物中の粒子密度、S(λ)は粒子のスペクトル線の
線型、λは測定光の波長、k0 は定数である。上記式
(1)に示す粒子のスペクトル線の線型S(λ)は、ド
ップラー広がり、自然広がり、衝突広がりの混合した形
となる。スペクトル線の中心波長付近ではドップラー広
がりの影響が強く、中心から離れると自然広がりと衝突
広がりの影響が強くなる。このような違いは、それらの
線型が、ドップラー広がりはガウス型であり、自然広が
りと衝突広がりはローレンツ型であることから生じる。
【0026】ところで、実際の線型では、自然広がり
は、測定に用いるスペクトル線と同じスペクトル線の光
を放射する遷移の上下エネルギー準位に関する光学的遷
移の遷移確率から理論的に計算することができる。
は、測定に用いるスペクトル線と同じスペクトル線の光
を放射する遷移の上下エネルギー準位に関する光学的遷
移の遷移確率から理論的に計算することができる。
【0027】これに対してドップラー広がりは、被測定
物9中の粒子の熱速度を反映したものなので、熱速度を
測定することにより求められる。また衝突広がりは、被
測定物9中の粒子とその粒子自身も含めた被測定物9内
のあらゆる粒子との衝突によりスペクトル線が影響を受
けて生じるので、衝突相手となる粒子の密度の測定値と
衝突断面積から求められる。
物9中の粒子の熱速度を反映したものなので、熱速度を
測定することにより求められる。また衝突広がりは、被
測定物9中の粒子とその粒子自身も含めた被測定物9内
のあらゆる粒子との衝突によりスペクトル線が影響を受
けて生じるので、衝突相手となる粒子の密度の測定値と
衝突断面積から求められる。
【0028】従って、ドップラー広がりと衝突広がりの
影響が強いスペクトル線の線型部分を正確に求めるため
には新たに別の測定が必要になる。このため、これらの
ドップラー広がりと衝突広がりの影響の強い領域の波長
の光を測定光として用いることは不利である。そこで本
実施例では、光学的遷移の遷移確率から理論的に計算さ
れる自然広がりの影響が強い波長領域の光を測定光とし
て用いている。
影響が強いスペクトル線の線型部分を正確に求めるため
には新たに別の測定が必要になる。このため、これらの
ドップラー広がりと衝突広がりの影響の強い領域の波長
の光を測定光として用いることは不利である。そこで本
実施例では、光学的遷移の遷移確率から理論的に計算さ
れる自然広がりの影響が強い波長領域の光を測定光とし
て用いている。
【0029】次に図2を用いて本実施例のスペクトル線
の線型について説明する。ある原子のスペクトル線にお
ける、自然広がりによる線型(実線で図示)とドップラ
ー広がりによる線型(破線で図示)を示している。衝突
広がりは、被測定物9中の粒子の密度が高い場合や高温
で粒子の衝突が非常に多いとき、スペクトルの線型をき
めるものとして考慮すべき対象となる。しかし、一般に
衝突広がりの影響が自然広がりの影響より大きくなるこ
とは希である。
の線型について説明する。ある原子のスペクトル線にお
ける、自然広がりによる線型(実線で図示)とドップラ
ー広がりによる線型(破線で図示)を示している。衝突
広がりは、被測定物9中の粒子の密度が高い場合や高温
で粒子の衝突が非常に多いとき、スペクトルの線型をき
めるものとして考慮すべき対象となる。しかし、一般に
衝突広がりの影響が自然広がりの影響より大きくなるこ
とは希である。
【0030】従って、粒子間の衝突頻度から衝突広がり
の半値半幅のオーダーを見積もり、自然広がりの半値半
幅ΔλD が、衝突広がりの半値半幅のおよそ10倍以上
となるスペクトル線を選択すれば良い。
の半値半幅のオーダーを見積もり、自然広がりの半値半
幅ΔλD が、衝突広がりの半値半幅のおよそ10倍以上
となるスペクトル線を選択すれば良い。
【0031】図2からわかるように、スペクトル線の中
心波長λ0 からある程度離れた波長、つまり被測定物9
中の粒子のスペクトル線の線型の中心波長λ0 から、ド
ップラー広がりの半値半幅ΔλD の5倍以上離れた波長
5ΔλD では、ドップラー広がりの成分を無視すること
ができる。したがって、この領域(λ0 +5ΔλD )の
光を使うことにより、被測定物中の粒子の熱速度に関す
る情報が無くても、測定した入射光強度Iinと透過光強
度Iout の比から上記式(1)により測定物9中の粒子
密度Nを求めることが出来る。
心波長λ0 からある程度離れた波長、つまり被測定物9
中の粒子のスペクトル線の線型の中心波長λ0 から、ド
ップラー広がりの半値半幅ΔλD の5倍以上離れた波長
5ΔλD では、ドップラー広がりの成分を無視すること
ができる。したがって、この領域(λ0 +5ΔλD )の
光を使うことにより、被測定物中の粒子の熱速度に関す
る情報が無くても、測定した入射光強度Iinと透過光強
度Iout の比から上記式(1)により測定物9中の粒子
密度Nを求めることが出来る。
【0032】なお自然広がりの影響が強い領域の波長を
用いるために、本実施例では中心波長λ0 からドップラ
ー広がりの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD 以上離れた
波長の光を測定光としたが、これは好ましい値であっ
て、自然広がりの影響が強い領域の波長を用いることが
出来れば、半値半幅ΔλD の何倍でも良い。
用いるために、本実施例では中心波長λ0 からドップラ
ー広がりの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD 以上離れた
波長の光を測定光としたが、これは好ましい値であっ
て、自然広がりの影響が強い領域の波長を用いることが
出来れば、半値半幅ΔλD の何倍でも良い。
【0033】また、被測定物9中の粒子としてガス中の
原子の密度を求める場合、原子によってはスペクトル線
が図7に示すような超微細構造を持つ場合がある。超微
細構造は、一部の元素の一部のスペクトルについては明
らかになっているが、一般的には、明らかになっていな
いので情報はきわめて少なく、スペクトル線の観測等に
よらなければならない。実験的手法等で超微細構造を推
定し、スペクトル線の中心波長λ0 から、超微細構造に
よるスペクトル線の広がりΔλH 以上離れた波長を用い
れば、超微細構造の影響を避けることができる。なお超
微細構造の広がりΔλH とは、図7に示すように最短波
長λ01の中心から最長波長λ04の中心までの波長差を示
す。
原子の密度を求める場合、原子によってはスペクトル線
が図7に示すような超微細構造を持つ場合がある。超微
細構造は、一部の元素の一部のスペクトルについては明
らかになっているが、一般的には、明らかになっていな
いので情報はきわめて少なく、スペクトル線の観測等に
よらなければならない。実験的手法等で超微細構造を推
定し、スペクトル線の中心波長λ0 から、超微細構造に
よるスペクトル線の広がりΔλH 以上離れた波長を用い
れば、超微細構造の影響を避けることができる。なお超
微細構造の広がりΔλH とは、図7に示すように最短波
長λ01の中心から最長波長λ04の中心までの波長差を示
す。
【0034】従って、本実施例では、測定物9中の粒子
のスペクトル線の中心波長をλ0 、スペクトル線のドッ
プラー広がりの半値半幅をΔλD、さらに前記スペクト
ル線が超微細構造を持つ場合にはその広がりをΔλH と
した時、ドップラー広がりの半値半幅の5倍の波長幅5
ΔλDと超微細構造の広がりΔλH のうち大きい方をΔ
λとすれば、スペクトル線の中心波長λ0 からΔλ以上
離れた波長の光を測定光7として用い、この光が被測定
物9に入射する以前の光強度Iinと透過後の光強度I
out との比から式(1)により粒子密度Nを求めること
ができる。
のスペクトル線の中心波長をλ0 、スペクトル線のドッ
プラー広がりの半値半幅をΔλD、さらに前記スペクト
ル線が超微細構造を持つ場合にはその広がりをΔλH と
した時、ドップラー広がりの半値半幅の5倍の波長幅5
ΔλDと超微細構造の広がりΔλH のうち大きい方をΔ
λとすれば、スペクトル線の中心波長λ0 からΔλ以上
離れた波長の光を測定光7として用い、この光が被測定
物9に入射する以前の光強度Iinと透過後の光強度I
out との比から式(1)により粒子密度Nを求めること
ができる。
【0035】なお、測定光9の波長幅幅は、自然広がり
の線型に対して十分細く、かつドップラー広がりと重な
らないように、ドップラー広がりと同程度か、それ以下
とする。
の線型に対して十分細く、かつドップラー広がりと重な
らないように、ドップラー広がりと同程度か、それ以下
とする。
【0036】従来、外部から入射した光の吸収量から粒
子密度を測定する技術では粒子のスペクトル線の超微細
構造、衝突広がり、ドップラー広がりを正確に知る必要
があったが、本実施例によれば測定に使用する波長の選
択のために、単にそのオーダーがわかれば良い。従っ
て、従来の粒子密度測定装置に比べて、本実施例の粒子
密度測定装置1は、はるかに使いやすい。
子密度を測定する技術では粒子のスペクトル線の超微細
構造、衝突広がり、ドップラー広がりを正確に知る必要
があったが、本実施例によれば測定に使用する波長の選
択のために、単にそのオーダーがわかれば良い。従っ
て、従来の粒子密度測定装置に比べて、本実施例の粒子
密度測定装置1は、はるかに使いやすい。
【0037】また、従来技術では、スペクトル線の線型
がドップラー広がりで決まるスペクトル線の中心波長λ
0 付近では、吸収割合が大きくなる。このため、被測定
物9が大きく被測定物中の光路長Lが長い場合や、被測
定物中の粒子の密度Nが高い場合は、スペクトル線の中
心付近では、透過光強度Iout が検出不可能な程度にま
で小さくなってしまい、式(1)により粒子密度Nを求
めることができなくなる。 しかし、本実施例の粒子密
度測定装置1では、スペクトル線の中心波長λ0 から離
れた自然広がりの影響の大きい領域の波長の光を測定光
7として使うので、被測定物9に入射される測定光7の
粒子による吸収も小さく、粒子のスペクトル線の線型も
ローレンツ型と与えられるので、式(1)により粒子密
度Nを求めることが出来る。
がドップラー広がりで決まるスペクトル線の中心波長λ
0 付近では、吸収割合が大きくなる。このため、被測定
物9が大きく被測定物中の光路長Lが長い場合や、被測
定物中の粒子の密度Nが高い場合は、スペクトル線の中
心付近では、透過光強度Iout が検出不可能な程度にま
で小さくなってしまい、式(1)により粒子密度Nを求
めることができなくなる。 しかし、本実施例の粒子密
度測定装置1では、スペクトル線の中心波長λ0 から離
れた自然広がりの影響の大きい領域の波長の光を測定光
7として使うので、被測定物9に入射される測定光7の
粒子による吸収も小さく、粒子のスペクトル線の線型も
ローレンツ型と与えられるので、式(1)により粒子密
度Nを求めることが出来る。
【0038】第2実施例
次に第2実施例について図3及び図4を用いて説明す
る。第2実施例の粒子密度測定装置13は、図3に示す
如く、波長可変の光源15と、光強度検出器5と、記録
装置17とで構成している。
る。第2実施例の粒子密度測定装置13は、図3に示す
如く、波長可変の光源15と、光強度検出器5と、記録
装置17とで構成している。
【0039】記録装置17と光源15とは信号線21で
接続し、光源15から放射される光の波長に対応した信
号を記録装置17に送る。また記録装置17と光強度検
出器3とは信号線19で接続し、検出した光強度に対応
した信号を記録装置17に送る。
接続し、光源15から放射される光の波長に対応した信
号を記録装置17に送る。また記録装置17と光強度検
出器3とは信号線19で接続し、検出した光強度に対応
した信号を記録装置17に送る。
【0040】そして、測定光の波長と被測定物9内の光
路長の少なくとも一方を調整することにより、スペクト
ル線の中心波長をλ0 、ドップラー広がりの半値半幅Δ
λD 、さらに、前記スペクトル線が超微細構造を持つ場
合にはその広がりをΔλH とした時、ドップラー広がり
の半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD とΔλH のうち大き
い方をΔλとすれば、λO +Δλにおける透過光強度I
out が入射光強度Iinに対して50%以下となるよう
に、測定システムが調整されている。この透過光強度の
入射光強度に対する割合は、50%以下がこの好ましい
値であり、この値以外でも良い場合もある。
路長の少なくとも一方を調整することにより、スペクト
ル線の中心波長をλ0 、ドップラー広がりの半値半幅Δ
λD 、さらに、前記スペクトル線が超微細構造を持つ場
合にはその広がりをΔλH とした時、ドップラー広がり
の半値半幅の5倍の波長幅5ΔλD とΔλH のうち大き
い方をΔλとすれば、λO +Δλにおける透過光強度I
out が入射光強度Iinに対して50%以下となるよう
に、測定システムが調整されている。この透過光強度の
入射光強度に対する割合は、50%以下がこの好ましい
値であり、この値以外でも良い場合もある。
【0041】本実施例では、光源15から発射する測定
光の波長を変化させることにより、記録装置17に各波
長での透過光強度が記録される。このグラフは、被測定
物9中の粒子による測定光の吸収により得られるものな
ので、吸収スペクトルと呼ばれる。被測定物9中の光路
長Lと粒子の密度Nと波長によっては、吸収スペクトル
において、自然広がりの影響が強い領域でも透過光強度
Iout が検出レベル以下(透過光強度0)になり得る。
光の波長を変化させることにより、記録装置17に各波
長での透過光強度が記録される。このグラフは、被測定
物9中の粒子による測定光の吸収により得られるものな
ので、吸収スペクトルと呼ばれる。被測定物9中の光路
長Lと粒子の密度Nと波長によっては、吸収スペクトル
において、自然広がりの影響が強い領域でも透過光強度
Iout が検出レベル以下(透過光強度0)になり得る。
【0042】このとき測定される吸収スペクトルを図4
に示す。このような吸収スペクトルは、被測定粒子のス
ペクトル線の線型が自然広がりの線型として既知である
ので、式(1)により光路長Lと粒子密度Nとの積をパ
ラメータとして予め計算することが出来、透過光強度I
out が零(0)となる波長幅も同様に予め計算すること
が出来る。被測定物9中の光路長Lも既知であるので、
測定された透過光0の波長幅A(図4)より粒子密度N
を測定することが出来る。検出レベルの下限は、用いる
光強度検出器5により異なるが、透過光強度Iout が入
射光強度Iinの1%以下になった場合を透過光強度I
out が0と考えて良い。
に示す。このような吸収スペクトルは、被測定粒子のス
ペクトル線の線型が自然広がりの線型として既知である
ので、式(1)により光路長Lと粒子密度Nとの積をパ
ラメータとして予め計算することが出来、透過光強度I
out が零(0)となる波長幅も同様に予め計算すること
が出来る。被測定物9中の光路長Lも既知であるので、
測定された透過光0の波長幅A(図4)より粒子密度N
を測定することが出来る。検出レベルの下限は、用いる
光強度検出器5により異なるが、透過光強度Iout が入
射光強度Iinの1%以下になった場合を透過光強度I
out が0と考えて良い。
【0043】また、システムの状況により、入射光強度
Iinが正確に求められず、図4に示す如くスペクトル線
しか観測できない場合は、この波長範囲で測定された最
大の透過光強度Iout に対して強度が1%以下となる波
長幅をもとに粒子密度Nを求めても良い。
Iinが正確に求められず、図4に示す如くスペクトル線
しか観測できない場合は、この波長範囲で測定された最
大の透過光強度Iout に対して強度が1%以下となる波
長幅をもとに粒子密度Nを求めても良い。
【0044】このように上記実施例では、被測定物9の
体積が大きく光路長Lが長い場合や、粒子密度Nが高い
場合に粒子のスペクトル線の中心付近での透過光が0と
なるときでも、測定に用いる波長を適当に選んで、スペ
クトル線の線型で自然広がりの影響が強くなる波長領域
での透過光が0となるシステムを構成するので、透過光
強度Iout の入射光強度Iinに対する比をとらなくて
も、透過光の測定だけで、粒子密度Nを求めることが出
来る。
体積が大きく光路長Lが長い場合や、粒子密度Nが高い
場合に粒子のスペクトル線の中心付近での透過光が0と
なるときでも、測定に用いる波長を適当に選んで、スペ
クトル線の線型で自然広がりの影響が強くなる波長領域
での透過光が0となるシステムを構成するので、透過光
強度Iout の入射光強度Iinに対する比をとらなくて
も、透過光の測定だけで、粒子密度Nを求めることが出
来る。
【0045】第3実施例
次に第3実施例について図5を用いて説明する。本実施
例は、光源3と、光強度検出器5の他に、光源3からの
光が多重回被測定物中を透過するように複数枚のミラー
で構成したミラー群23を設けている。このミラー群2
3によって、被測定物中を透過する光路長Lを任意に変
えることが出来る。
例は、光源3と、光強度検出器5の他に、光源3からの
光が多重回被測定物中を透過するように複数枚のミラー
で構成したミラー群23を設けている。このミラー群2
3によって、被測定物中を透過する光路長Lを任意に変
えることが出来る。
【0046】本発明は、スペクトル線の線型が自然広が
りの成分のみで決定されるような領域の波長の光を測定
光として用いることを特徴としているが、この領域の波
長で測定し易いような透過光量が得られなければならな
い。前述した式(1)に示す如く透過光強度Iout は、
スペクトル線の放射の遷移確率と粒子密度Nと光路長L
の積で決まる。
りの成分のみで決定されるような領域の波長の光を測定
光として用いることを特徴としているが、この領域の波
長で測定し易いような透過光量が得られなければならな
い。前述した式(1)に示す如く透過光強度Iout は、
スペクトル線の放射の遷移確率と粒子密度Nと光路長L
の積で決まる。
【0047】従って、本実施例によれば、ミラー群23
によって被測定物9中の光路長Lを任意に変えることが
出来るので、測定し易いような透過光強度Iout を得る
ことが出来る。
によって被測定物9中の光路長Lを任意に変えることが
出来るので、測定し易いような透過光強度Iout を得る
ことが出来る。
【0048】第4実施例
次に第4実施例について図6を用いて説明する。本実施
例は、被測定物9中に直接光源3と、光強度検出器5を
設置し、光源3と光強度検出器5間の粒子の密度を上記
第1実施例、第2実施例及び第3実施例と同様に測定す
る例である。
例は、被測定物9中に直接光源3と、光強度検出器5を
設置し、光源3と光強度検出器5間の粒子の密度を上記
第1実施例、第2実施例及び第3実施例と同様に測定す
る例である。
【0049】このような測定は、例えば空気中の粒子の
密度を測定する場合や、海水中の粒子の密度を測定する
場合に適用する。
密度を測定する場合や、海水中の粒子の密度を測定する
場合に適用する。
【0050】なお上記各実施例では、粒子としてガス等
を構成する分子または原子の密度を測定する場合につい
て説明したが、これに限らず気体、液体状の被測定物中
に混合された粒子の密度を測定する場合にも本発明を適
用することが出来る。
を構成する分子または原子の密度を測定する場合につい
て説明したが、これに限らず気体、液体状の被測定物中
に混合された粒子の密度を測定する場合にも本発明を適
用することが出来る。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る粒子密
度測定装置によれば、スペクトル線が超微細構造を持た
ない場合は、スペクトル線の中心波長からドップラー広
がりの半値半幅の5倍以上離れた波長の光を測定光とし
て用いたり、スペクトル線が超微細構造を持つ場合は超
微細構造の広がりとドップラー広がりの半値半幅の5倍
のいずれか大きい波長差以上スペクトル線の中心から離
れた波長の光を測定光として用いたりするので、スペク
トル線の線型として自然広がりのみを考慮すればよく、
かつ任意の被測定対象の粒子に対して任意の形状を選択
でき、粒子の密度が高くても密度の測定が可能となると
いう優れた効果が得られる。
度測定装置によれば、スペクトル線が超微細構造を持た
ない場合は、スペクトル線の中心波長からドップラー広
がりの半値半幅の5倍以上離れた波長の光を測定光とし
て用いたり、スペクトル線が超微細構造を持つ場合は超
微細構造の広がりとドップラー広がりの半値半幅の5倍
のいずれか大きい波長差以上スペクトル線の中心から離
れた波長の光を測定光として用いたりするので、スペク
トル線の線型として自然広がりのみを考慮すればよく、
かつ任意の被測定対象の粒子に対して任意の形状を選択
でき、粒子の密度が高くても密度の測定が可能となると
いう優れた効果が得られる。
【図1】第1実施例の粒子密度測定装置の構成を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図2】スペクトル線の線型を決める自然広がりとドッ
プラー広がりの各成分の線型を示す図である。
プラー広がりの各成分の線型を示す図である。
【図3】第2実施例の粒子密度測定装置の構成を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図4】第2実施例において測定されるスペクトル線を
示す図である。
示す図である。
【図5】第3実施例の粒子密度測定装置の構成を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図6】第4実施例の粒子密度測定装置の構成を示すブ
ロック図である。
ロック図である。
【図7】スペクトル線の超微細構造を説明するための説
明図である。
明図である。
1、13 粒子密度測定装置
3、15 光源
5 光強度検出器
7 入射光
9 被測定物
11 透過光
17 記録装置
19、21 信号線
23 ミラー群
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月31日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】 上記被測定物中の粒子のスペクトル線と
同じ波長の光を測定光として外部から被測定物中に入射
して被測定物中の粒子の光の吸収量を調べる方法では、
被測定物への入射前の光強度と被測定物を透過した後の
光強度の比と、被測定物中の粒子のスペクトル線の線型
と測定光の線型とを考慮して、被測定物中の粒子の密度
を求める。
同じ波長の光を測定光として外部から被測定物中に入射
して被測定物中の粒子の光の吸収量を調べる方法では、
被測定物への入射前の光強度と被測定物を透過した後の
光強度の比と、被測定物中の粒子のスペクトル線の線型
と測定光の線型とを考慮して、被測定物中の粒子の密度
を求める。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】 また、図7に示す如く粒子のスペクトル
線が複数の中心波長λ01、λ02、λ03、λ04が
存在する超微細構造を持つことがある。スペクトル線の
超微細構造に関するデータは少なく、超微細構造を持つ
スペクトル線の構造は多くの場合不明なので、このよう
なスペクトル線は使えない。
線が複数の中心波長λ01、λ02、λ03、λ04が
存在する超微細構造を持つことがある。スペクトル線の
超微細構造に関するデータは少なく、超微細構造を持つ
スペクトル線の構造は多くの場合不明なので、このよう
なスペクトル線は使えない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 ところで、実際の線型では、自然広がり
は、測定に用いるスペクトル線を放射する遷移の上下エ
ネルギー準位に関する光学的遷移の遷移確率から理論的
に計算することができる。
は、測定に用いるスペクトル線を放射する遷移の上下エ
ネルギー準位に関する光学的遷移の遷移確率から理論的
に計算することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】 なお、測定光9の波長幅は、自然広がり
の線型に対して十分細く、かつドップラー広がりと重な
らないように、ドップラー広がりと同程度か、それ以下
とする。
の線型に対して十分細く、かつドップラー広がりと重な
らないように、ドップラー広がりと同程度か、それ以下
とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】 そして、測定光の波長と被測定物9内の
光路長の少なくとも一方を調整することにより、スペク
トル線の中心波長をλ0、ドップラー広がりの半値半幅
ΔλD、さらに、前記スペクトル線が超微細構造を持つ
場合にはその広がりをΔλHとした時、ドップラー広が
りの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλDとΔλHのうち大
きい方をΔλとすれば、λ0+Δλにおける透過光強度
Ioutが入射光強度Iinに対して50%以下となる
ように、測定システムが調整されている。この透過光強
度の入射光強度に対する割合は、50%以下が好ましい
値であり、この値以外でも良い場合もある。
光路長の少なくとも一方を調整することにより、スペク
トル線の中心波長をλ0、ドップラー広がりの半値半幅
ΔλD、さらに、前記スペクトル線が超微細構造を持つ
場合にはその広がりをΔλHとした時、ドップラー広が
りの半値半幅の5倍の波長幅5ΔλDとΔλHのうち大
きい方をΔλとすれば、λ0+Δλにおける透過光強度
Ioutが入射光強度Iinに対して50%以下となる
ように、測定システムが調整されている。この透過光強
度の入射光強度に対する割合は、50%以下が好ましい
値であり、この値以外でも良い場合もある。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】 また、システムの状況により、入射光強
度日Iinが正確に求められず、図4に示す如くスペク
トル線しか観測できない場合は、この波長範囲で測定さ
れた最大の透過光強度Ioutに対して強度が1%以下
となる波長幅をもとに粒子密度Nを求めても良い。光源
15から発射する測定光の線型が、非常に広い裾を持つ
場合には、図4に示した吸収スペクトルが中心でも透過
光強度が0にならないことがある。これは非常に広い裾
の部分の光が、吸収されずに透過するからである。しか
し、この場合も、図4に示したような盆型の吸収スペク
トルが得られるので、同様に密度を算出する波長幅Aを
決めることができる。
度日Iinが正確に求められず、図4に示す如くスペク
トル線しか観測できない場合は、この波長範囲で測定さ
れた最大の透過光強度Ioutに対して強度が1%以下
となる波長幅をもとに粒子密度Nを求めても良い。光源
15から発射する測定光の線型が、非常に広い裾を持つ
場合には、図4に示した吸収スペクトルが中心でも透過
光強度が0にならないことがある。これは非常に広い裾
の部分の光が、吸収されずに透過するからである。しか
し、この場合も、図4に示したような盆型の吸収スペク
トルが得られるので、同様に密度を算出する波長幅Aを
決めることができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
Claims (2)
- 【請求項1】 気体又は液体状の被測定物に測定光を照
射する光源と、前記被測定物を透過した透過光の強度を
検出する光強度検出器とで構成され、前記被測定物中の
粒子による光の吸収量をもとに、前記被測定物中の粒子
の密度を測定する粒子密度測定装置において、 前記測定物中の粒子のスペクトル線の中心波長をλ0 、
前記スペクトル線のドップラー広がりの半値半幅をΔλ
D 、さらに前記スペクトル線が超微細構造を持つ場合に
はその広がりをΔλH とした時、ドップラー広がりの半
値半幅の5倍の波長幅5ΔλD と超微細構造の広がりΔ
λH のうち大きい方をΔλとすれば、スペクトル線の中
心波長λ0 から前記Δλ以上離れた波長の光を測定光と
して用いたことを特徴とする粒子密度測定装置。 - 【請求項2】 前記測定光の波長と前記被測定物内の光
路長との少なくとも一方を調整することにより、前記λ
0 +前記Δλにおける透過光強度が入射光強度に対して
50%以下となるように測定システムを構成したことを
特徴とする請求項1記載の粒子密度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6349391A JPH0510873A (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | 粒子密度測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6349391A JPH0510873A (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | 粒子密度測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0510873A true JPH0510873A (ja) | 1993-01-19 |
Family
ID=13230831
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6349391A Pending JPH0510873A (ja) | 1991-03-27 | 1991-03-27 | 粒子密度測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0510873A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180042458A (ko) * | 2008-06-10 | 2018-04-25 | 엑스트랄리스 테크놀로지 리미티드 | 입자 검출 |
-
1991
- 1991-03-27 JP JP6349391A patent/JPH0510873A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20180042458A (ko) * | 2008-06-10 | 2018-04-25 | 엑스트랄리스 테크놀로지 리미티드 | 입자 검출 |
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