JPH05105U - 誘導コードチツププロテクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 誘導コードチップの先端部に設けたプロテク
タの非接触性を向上させることにある。 【構成】 誘導コード固定部の先端部に固定可能であっ
て、そこから突出した導電性のプラグよりも長い絶縁性
の遮蔽部を有すると共に、該遮蔽部には、プラグに接続
する電極の誘導コードチップ接続部のみが通過可能な切
欠部が形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は誘導コードチッププロテクタ、特に誘導コードチップ先端部から突出 したプラグに人の指等が接触しないようにした誘導コードチッププロテクタに関 する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、誘導コードチップとは、電極又は他の機器に接続するために誘導コー ドの先端に設けられた接続片をいう。 従来の誘導コードチップは、図５（Ａ）に示すように、先端から金属性のプラ グ１１が突き出ており、該ブラグ１１にはシェル１２内を貫通する誘導コード１ ３が接続している。 この誘導コードチップを使用する場合は、例えば、そのプラグ１１を使い捨て でなく長時間の使用に耐える耐久性の電極（例えば、バンド型四肢電極や吸着型 胸部電極）に接続し、誘導コード１３を心電計に接続する。 また、誘導コードチップの他の使用方法としては、上記とは反対に、誘導コー ド１３を使い捨て電極（例えば、マグネット型胸部電極）に接続し、プラグ１１ を心電計に接続された接続コードの中継部に接続する。 このいずれの場合も、患者の生体から電極を介して誘導された心電図信号は、 図５（Ａ）に示す誘導コードチップを経て心電計に入力され、所定の処理がなさ れるようになっている。 しかし、上記図５（Ａ）に示す従来の誘導コードチップは、プラグ１１が露出 しているため、このプラグ１１を商用電源に接続したコネクタ２１等の雌型ピン ２１Ａに誤って差し込むという課題があった。 この課題を解決するために、本願の出願人は、平成３年３月６日に実用新案登 録出願をした（実願平３−１９６６５）。 その技術内容の一部は、具体的に概略すれば、図５（Ｂ）に示すように、誘導 コードチップを構成するコード固定部１０から突出したプラグ２０の両側に位置 する２つの遮蔽部３０Ａ、３０Ｂとから構成されている誘導コードチッププロテ クタ３０である。 このプロテクタ３０を設けたことにより、従来と異なり、商用電源用コネクタ ２１の雌型ピン２１Ａにプラグ２０を誤って差し込むことがなくなり（図５（Ｂ ））、人体に危険が及ぶ事態が回避されるようになった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図５（Ｂ）に示す誘導コードチッププロテクタは、２つの遮蔽部３０ Ａ、３０Ｂとの間隔が大き過ぎるので、人の指等がその中を通ってプラグ２０に 容易に接触するという課題がある（図５（Ｃ））。 例えば、耐久性のバンド型四肢電極や吸着型胸部電極にプラグ２０を接続して 心電図をとる場合、標準１２誘導用に用意された１０本の誘導コードを全部使用 するとは限らず、何本かは遊んでいる誘導コード、従って誘導コードチップがあ る。 この場合、図５（Ｃ）の左の図のように、遊んでいる誘導コードチップに人の 手が触れた場合に、人の指が遮蔽部３０Ａ、３０Ｂの間から入り、その指がプラ グ２０に接触する。 しかるに、現在は、部屋の中にコンピュータ、エアコン、冷蔵庫等の電気製品 が沢山配置されており、これら電気製品と上記心電計等の医療機器とは、アース が共通である。 しかも、これらの電気製品と医療機器との間には、電圧、電流等の規格上の統 一はなされてはいない。 従って、冷蔵庫等の電気製品からの漏れ電流が人体を伝わって指が接触してい るプラグ２０へ入力し、他の遊んでいない誘導コードチップを介して患者の生体 内に入るという危険がある。 また、図５（Ｃ）の中央の図に示すように、ベッドの鉄枠４０にプラグ２０が 接触したり、同図の右の図に示すように、金属製の机５０の隅にプラグ２０が接 触する場合がある。 この場合も、部屋に配置した電気製品からの漏れ電流が、上記ベッドの鉄枠４ ０や机５０を通ってプラグ２０に入力し、他の遊んでいない誘導コードチップを 介して患者の生体内に入るという危険がある。 本考案の目的は、誘導コードチップの先端部に設けたプロテクタの非接触性を 向上させることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記課題は、誘導コード固定部１の先端部１Ａに固定可能であって、そこから 突出した導電性のプラグ２よりも長い絶縁性の遮蔽部を有すると共に、該遮蔽部 には、プラグ２に接続する電極の誘導コードチップ接続部のみが通過可能な切欠 部が形成されていることを特徴とする誘導コードチッププロテクタにより、解決 される。

【０００５】

【作用】

上記のように、本考案によれば、図１に示すように、誘導コード固定部１の先 端部１Ａに固定可能であって、そこから突出した導電性のプラグ２よりも長い絶 縁性の遮蔽部を有すると共に、該遮蔽部には、プラグ２に接続する電極の誘導コ ードチップ接続部のみが通過可能な切欠部が形成されていることを特徴とする誘 導コードチッププロテクタが、提供される。 上記構成によれば、導電性のプラグ２よりも長い絶縁性の遮蔽部を有すると共 に、該遮蔽部には、プラグ２に接続する電極の誘導コードチップ接続部のみが通 過可能な切欠部が形成されている（図４（Ａ）、（Ｂ））。 従って、従来と異なり、図４（Ｃ）に示すように、電極の誘導コードチップ接 続部以外の人の指等がプラグ２に接触することはなくなり、部屋に配置した電気 製品からの漏れ電流が、遊んでいる誘導コードチップを介して患者の生体内に入 るという危険がなくなった。 つまり、誘導コードチップの先端部に設けたプロテクタの非接触性が向上した 。

【０００６】

【実施例】 以下、本考案を、実施例により添付図面を参照して、説明する。 図１は、本考案の実施例を示す全体図である。 本考案は、請求項１に記載したように、誘導コード固定部１の先端部１Ａに固 定可能であって、そこから突出した導電性のプラグ２よりも長い絶縁性の遮蔽部 を有すると共に、該遮蔽部には、プラグ２に接続する電極の誘導コードチップ接 続部のみが通過可能な切欠部が形成されていることを特徴とする誘導コードチッ ププロテクタである。

【０００７】 本考案の対象となる誘導コードチップは、記述したように、電極又は他の機器 に接続するために誘導コードの先端に設けられた接続片をいう。 図１において、誘導コードチップは、誘導コード固定部１を有している。 この誘導コード固定部１は、絶縁性であって、例えばプラスチックで形成され 、その内部を誘導コード４が貫通して固定されており、全体として円筒状である 。 上記誘導コード固定部１は、先端部１Ａと中間部１Ｂと基端部１Ｃとから成り 、該中間部１Ｂと基端部１Ｃとの間には、円環状の突起１Ｅ、１Ｆ、１Ｇが設け られていて、手で持つときに滑らないようになっている。 また、上記誘導コード固定部１の基端部１Ｃの後方には、誘導コード４を締め 付ける締付部１Ｄが、該基端部１Ｃと一体的に設けられ、誘導コード４が曲がり 易いように複数個の破れ目１Ｄ１が形成されている。 更に、誘導コード固定部１の中間部１Ｂには、誘導識別記号１ＢＡ、例えば、 右手誘導ならば英字の「Ｒ」が記されている。

【０００８】 誘導コード固定部１の先端部１Ａは、上記中間部１Ｂよりも径が小さい円筒で 形成され、該先端部１Ａから導電性のプラグ２が突出しており、該プラグ２には 、上記誘導コード４が接続している。 上記プラグ２は、図示するように、その中央が膨らみかつ弾力性がある所謂バ ナナ型でもよく、全体が中実円筒状の所謂ソリッド型でもよい。 上記誘導コード固定部１の先端部１Ａには、本考案に係る誘導コードチッププ ロテクタ３が固定されている。 上記誘導コードチッププロテクタ３（以下、単にプロテクタ３という。）は、 全体として円筒形かつ絶縁性であって、誘導コード固定部１の先端部１Ａと一体 的に形成してもよく、別の材料、例えば、プラスチックで形成してもよい。 上記プロテクタ３は、円筒形の基端部３Ｃ及び該基端部３Ｃと一体成形された ２つの第１遮蔽部３Ａ、第２遮蔽部３Ｂを有している。 上記基端部３Ｃは、上述したように、誘導コード固定部１の先端部１Ａと一体 的に形成してもよく、又は図１（Ｂ）に示すように、誘導コード固定部１の先端 部１Ａに取り付けてもよい。 即ち、図１（Ｂ）においては、プロテクタ３の基端部３Ｃの内側面に突起３Ｃ Ａ、３ＣＢが形成され、該突起３ＣＡ、３ＣＢが誘導コード固定部１の先端部１ Ａに形成された貫通孔１ＡＡと嵌合可能となっている。 これにより、本考案に係るプロテクタ３は、誘導コード固定部１の先端部１Ａ に固定することができる。

【０００９】 上記遮蔽部３Ａ、３Ｂは、プラグ２に対して両側に位置しかつプラグ２よりも いずれも長い（図１、図２）。 また、遮蔽部３Ａ、３Ｂには、図２、図４に示すように、プラグ２に接続する 電極の誘導コードチップ接続部のみが通過可能な切欠部が形成されている。 図２（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）は、この切欠部が２つの場合、図２（Ｄ）、（Ｅ ）、（Ｆ）は、切欠部が１つの場合である。 従って、第１遮蔽部３Ａ側から見ると、切欠部が２つの場合、即ち、切欠部４ 、５が形成されている場合は（図２（Ｂ））、切欠部５を通してプラグ２が観察 できるが、切欠部が１つの場合、即ち、切欠部４のみが形成されている場合は（ 図２（Ｅ））、プラグ２は観察できない。 また、図２（Ｃ）、（Ｆ）に示すように、上記プラグ２の中心と切欠部とのな す角θは９０度より小さいことが好ましい。 これは、具体的には、人の指だけでなく（図４（Ｃ））、９０度の角度を有す るベッドの鉄枠４０や金属製の机５０の隅にプラグ２０が接触しないようにする ためである（図４（Ｃ））。 更に、上記遮蔽部には、切欠部に平行な開口部６、７が形成されていることが 好ましい（図１、図２、図３）。 この開口部６、７は、その長さが上記切欠部の長さより若干小さく（図２、図 ３）、本考案に係るプロテクタ３を電極の誘導コードチップ接続部３１Ａ（図４ （Ａ））、４１Ａ（図４（Ｂ））に接続させる場合に、プラグ２を見易くするこ とにより、接続状態を確認するために設けられている。 また、この開口部６、７を設けたのは、誘導コードチッププロテクタ３全体の 軽量化のためでもある。 一方、第１遮蔽部３Ａと第２遮蔽部３Ｂとは、両者一体的に形成してもよいが 、図３に示すように、両者を、例えば超音波溶着により、接合してもよい。 図３（Ａ）は、第１遮蔽部３Ａの構成を、図３（Ｂ）は、第２遮蔽部３Ｂの構 成を、それぞれ示している。 上記両遮蔽部３Ａ、３Ｂは、記述した開口部６、７の部分で接合されるように なっている。 そのため、プロテクタ３の外側面上には、開口部６、７の両側に、接合部分８ 、９が現れている（図１（Ａ）、図２（Ａ）、（Ｄ））。 図３において、第１遮蔽部３Ａ（図３（Ａ））には、位置決め用凸部３Ａ１、 ３Ａ２、３Ａ３、３Ａ４及び超音波溶着用突起部Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４が形成 されていると共に、上記第２遮蔽部３Ｂ（図３（Ｂ））には、上記第１遮蔽部３ Ａの位置決め用凸部３Ａ１、３Ａ２、３Ａ３、３Ａ４に対応した位置決め用凹部 ３Ｂ１、３Ｂ２、３Ｂ３、３Ｂ４が形成されている。 この構成により、上記第１遮蔽部３Ａの位置決め用凸部３Ａ１、３Ａ２、３Ａ ３、３Ａ４を、第２遮蔽部３Ｂの対応位置決め用凹部３Ｂ１、３Ｂ２、３Ｂ３、 ３Ｂ４に挿入して位置決めを行った後、超音波を利用して溶着すれば、超音波溶 着用突起部Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４の部分が溶着し、両遮蔽部３Ａ、３Ｂは、接 合される。

【００１０】 以下、上記構成を有する本考案の作用を、図４に基づいて、説明する。 説明の便宜上、バンド型四肢電極（図４（Ａ））や吸着型胸部電極（図４（Ｂ ））といった耐久性電極に接続する場合について詳述するが、本考案は、これに 限定されることはなく、マグネット型胸部電極等の使い捨て電極にも適用できる ことは、勿論である。 図４（Ａ）に示すバンド型四肢電極３１は、電極板３１Ｂに取り付けたバンド ３１Ｃを四肢、例えば、手首に巻いて、心電図をとる場合に使用されることは、 よく知られている。 このバンド型四肢電極３１の電極板３１Ｂには、誘導コードチップ接続部３１ Ａが設けられている。 従って、図示するように、上記誘導コードチップ接続部３１Ａに対して、本考 案に係るプロテクタ３の切欠部４を近付けその中に挿入させることにより、換言 すれば、上記誘導コードチップ接続部３１Ａを本考案に係るプロテクタ３の切欠 部４に通過させることにより、誘導コードチップ接続部３１Ａにプラグ２を接続 させることができる。 これにより、患者の生体から心電図信号が誘導され、該心電図信号は、誘導コ ード固定部１から伸びる誘導コード４（図１）を介して心電計（図示省略）に入 力し、所定の処理がなされる。

【００１１】 図４（Ｂ）の吸着型胸部電極４１は、よく知られているように、ゴム球４１Ｃ を手で操作することにより、空気の吸着作用に基づいて、金属製のカップ４１Ｂ を患者の胸部に装着させる。 上記金属製のカップ４１Ｂは、電極の機能も備えているので、このカップ４１ Ｂに接合している誘導コードチップ接続部４１Ａに対して、プラグ２を接続すれ ば、心電図をとることができる。 即ち、図４（Ａ）と同様に、上記誘導コードチップ接続部４１Ａに対して、本 考案に係るプロテクタ３の切欠部４を近付けその中に挿入させることにより、換 言すれば、上記誘導コードチップ接続部４１Ａを本考案に係るプロテクタ３の切 欠部４に通過させることにより、誘導コードチップ接続部４１Ａにプラグ２を接 続させることができる。

【００１２】 上記のように、遮蔽部に、プラグ２に接続する電極の誘導コードチップ接続部 のみが通過可能な切欠部を形成したので、図４（Ｃ）に示すように、誘導コード チップ接続部３１Ａ、４１Ａ以外の人の指や、ベッドの鉄枠４０や、金属製の机 ５０がプラグ２に接触しなくなり、誘導コードチッププロテクタ３の非接触性は 、飛躍的に向上した。

【００１３】

【考案の効果】

上記のように、本考案によれば、図１に示すように、誘導コード固定部１の先 端部１Ａに固定可能であって、そこから突出した導電性のプラグ２よりも長い絶 縁性の遮蔽部を有すると共に、該遮蔽部には、プラグ２に接続する電極の誘導コ ードチップ接続部のみが通過可能な切欠部が形成されていることを特徴とする誘 導コードチッププロテクタという技術的手段が講じられた。 上記構成によれば、導電性のプラグ２よりも長い絶縁性の遮蔽部を有すると共 に、該遮蔽部には、プラグ２に接続する電極の誘導コードチップ接続部のみが通 過可能な切欠部が形成されている（図４（Ａ）、（Ｂ））。 従って、従来と異なり、図４（Ｃ）に示すように、電極の誘導コードチップ接 続部以外の人の指等がプラグ２に接触することはなくなり、部屋に配置した電気 製品からの漏れ電流が、遊んでいる誘導コードチップを介して患者の生体内に入 るという危険がなくなった。 つまり、誘導コードチップの先端部に設けたプロテクタの非接触性が向上する という技術的効果を奏することとなった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す全体図である。

【図２】本考案の実施例を示す詳細図である。

【図３】本考案の実施例を示す分解図である。

【図４】本考案の作用説明図である。

【図５】従来技術の説明図である。

【符号の説明】

１ 誘導コード固定部 ２ プラグ ３ 誘導コードチッププロテクタ ４ 切欠部 ５ 切欠部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 清水 忠治 東京都文京区本郷２丁目35番８号 フクダ 電子株式会社本郷事業所内

Claims (9)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 誘導コード固定部１の先端部１Ａに固定
   可能であって、そこから突出した導電性のプラグ２より
   も長い絶縁性の遮蔽部を有すると共に、該遮蔽部には、
   プラグ２に接続する電極の誘導コードチップ接続部のみ
   が通過可能な切欠部が形成されていることを特徴とする
   誘導コードチッププロテクタ。
2. 【請求項２】 誘導コード固定部１の円筒状先端部１Ａ
   に対応した円筒状の基端部３Ｃを有し、該基端部３Ｃの
   内側面に形成された突起３ＣＡ、３ＣＢが上記先端部１
   Ａに形成された貫通孔１ＡＡに嵌合可能である請求項１
   記載の誘導コードチッププロテクタ。
3. 【請求項３】 上記遮蔽部には、切欠部に平行な開口部
   ６、７が形成されている請求項１記載の誘導コードチッ
   ププロテクタ。
4. 【請求項４】 上記遮蔽部が第１遮蔽部３Ａと第２遮蔽
   部３Ｂから成り、両者が接合されている請求項１記載の
   誘導コードチッププロテクタ。
5. 【請求項５】 上記第１遮蔽部３Ａと第２遮蔽部３Ｂと
   が、超音波溶着により、接合されている請求項４記載の
   誘導コードチッププロテクタ。
6. 【請求項６】 上記第１遮蔽部３Ａには、位置決め用凸
   部３Ａ１、３Ａ２、３Ａ３、３Ａ４及び超音波溶着用突
   起部Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４が形成されていると共に、
   上記第２遮蔽部３Ｂには、上記第１遮蔽部３Ａの位置決
   め用凸部３Ａ１、３Ａ２、３Ａ３、３Ａ４に対応した位
   置決め用凹部３Ｂ１、３Ｂ２、３Ｂ３、３Ｂ４が形成さ
   れている請求項５記載の誘導コードチッププロテクタ。
7. 【請求項７】 上記遮蔽部には、２つの切欠部４、５が
   形成されている請求項１記載の誘導コードチッププロテ
   クタ。
8. 【請求項８】 上記遮蔽部には、１つの切欠部４が形成
   されている請求項１記載の誘導コードチッププロテク
   タ。
9. 【請求項９】 上記プラグ２の中心と切欠部とのなす角
   θが９０度より小さい請求項１記載の誘導コードチップ
   プロテクタ。