JPH0510593B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は断熱壁にて本体を構成する低温シヨー
ケース等における配線支持装置に関する。

(ロ) 従来の技術 実公昭59−33968号公報（F25D21／04）には一
方の空間の温度が他方の空間の空気の露点以下で
ある両空間を仕切る断熱壁中を貫通して、一方の
空間から他方の空間に通じる線状の物体を配設す
るさいに、前記断熱壁の貫通部である開口に木枠
を設け、この木枠内に防湿層によつて囲まれる断
熱材を充填し、更にこの断熱材を貫通しその両端
が両空間に位置する管及びこの管内に通されこの
管内に充填されたシリコン樹脂にて前記管内に固
着される前記物体を設け、この物体が断熱壁から
他方の空間に延び出す部分に断熱壁から離れるに
従つて縮径するコーンを被着してなる、低温室に
通ずる物体の結露防止構造が示されている。

(ハ) 発明が解決しようとする問題点 上記従来の技術によれば、物体を固定するため
の構成部品として木枠、防湿層、断熱材、木枠の
蓋、管、この管内に充填されるシリコン樹脂、コ
ーンの７部品が必要であり、部品点数が多く、そ
の取付手間がかゝるばかりでなく、木枠内に発泡
ウレタンを充填して断熱材を形成する発泡工程作
業及び管内にシリコン樹脂を注入する注入作業等
大がかりな現場作業を強いられる問題点が生じ
た。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本発明は上記問題点を解決するために、低温区
域となる冷気通路９に配置された送風フアン８を
支持するフアンケース７が載置されると共に、こ
のフアンケースよりも風上側の部位に形成され、
前記フアンケース７よりも風下側に位置する冷却
器６からの露水を外部に排出する排水口１５を備
えた底壁３Ａと、温暖区域となる外部に配置され
た電気端子板１９と、前記フアンケース７と排水
口１５との間の前記底壁３Ａに形成された貫通孔
２１に取付けられ、前記底壁３Ａ上面よりも上方
に延びる延長部２４を有する熱絶縁性の案内管２
０と、この案内管の内径よりもその外径が漸大き
く、前記案内管に挿入され一端を前記低温区域の
冷気に晒される露呈部分２６、他端を前記温暖区
域の暖気に晒される露呈部分２７とする伸縮自在
な断熱管２５と、この断熱管に通され前記送風フ
アン８から電気端子板１９に延びる複数本の被覆
電線２８と、前記断熱管２５の両露呈部分２６，
２７を締め付けこの断熱管内で前記被覆電線２８
を結束させるバンド２９，３０とにより構成され
る断熱壁３における配線支持装置を提供するもの
である。

(ホ) 作用 上記手段によれば、案内管２０の延長部２４
は、前記底壁３Ａ上面よりも上方に延びている関
係上、底壁３Ａ上面を通つて冷却器６から排水口
１５に至る露水による断熱管２５の水濡れを回避
する作用をなす他送風フアン８に至る被覆電線２
８の垂れ下がりも阻止する作用をなす。

又、貫通孔２１はフアンケース７と排水口１５
との間に形成されている関係上、断熱管２５の露
呈部分２６は、冷却器６及び送風フアン８の風上
側に位置することになり、このため温度が比較的
高い帰還冷気の雰囲気中に置かれていることにな
り、露呈部分２６の凍結を回避できる。

又、案内管２０は熱絶縁性、断熱管２５は断熱
性であるために、貫通孔２１を介しての低温、温
暖両区域の相互の熱伝導を防止することができる
ことに加え、案内管２０に挿通される伸縮自在な
断熱管２５は自らの弾力でもつて案内管２０の内
面を押圧する作用なすために、断熱管２５はその
弾力でもつて案内管２０に簡単に取り付けられ、
しかも案内管２０の内面との間における気密効果
が向上し、又、バンド２９，３０でもつて断熱管
２５の両露呈部分２６，２７を締め付けることに
より、断熱管２５に通された複数本の被覆電線２
８の結束と同時に断熱管２５のシールが行なえ、
この断熱管２５内に断熱壁３の厚さ寸法よりも長
い断熱空間３３を形成して断熱管２５内の空気に
よる低温、温暖両区域への熱伝導を防止できる。

(ヘ) 実施例 以下図面により本発明の実施例を説明すると、
１は前面に商品収納及び取出用の開口２を形成し
た断熱壁３にて本体を構成してなる低温シヨーケ
ースで、前記断熱壁３の内面より適当間隔を存し
て区画板４を配設することにより除霜用の電気ヒ
ータ５を備えたプレートフイン形冷却器６及びフ
アンケース７に支持された軸流形の送風フアン８
を設置する冷気通路９と、複数枚の棚１０及び螢
光灯１１を備えた貯蔵室１２と、前記開口２の上
下両縁に沿つて相互に相対向する吹出、吸込両口
１３，１４とを形成し、前記冷却器６で熱交換さ
れた冷気を送風フアン８でもつて第３図の如く強
制循環することにより前記開口２に冷たいエアー
カーテンACを形成して貯蔵室１２の冷却を図り、
収納貯蔵品を所定温度に保存する。前記断熱壁３
の底壁３Ａには主として除霜時に冷却器６から流
れて来る露水を外部に排出するための排水口１５
が形成され、この排水口には排水管１６が接続さ
れている。１７は前記断熱壁３の前壁３Ｂ下部に
形成された横方向に長いレースウエイで、このレ
ースウエイには前記電気ヒータ５への通電を制御
する制御器１８や電気端子板１９等が配置されて
いる。

２０は前記フアンケース７と排水口１５との間
の前記底壁３Ａに形成された貫通孔２１に取付け
られた可撓性の案内管で、ゴム又は樹脂等の熱絶
縁材からなり、前記底壁３Ａの表裏両面に接する
上下一対のフランジ２２，２３と、この上フラン
ジ２２から上方に延び低温区域となる冷気通路９
内に突出する延長部２４とを一体に形成してい
る。この延長部２４は冷気通路９内を水で洗浄す
る際に案内管２０の上端に水がかゝりにくゝ、又
後述する被覆電線が底壁３Ａ表面に垂れ下がらな
い様にするために設けられている。２５は前記案
内管２０に挿入される伸縮自在な断熱管で、無数
の独立気泡を形成した弾性発泡樹脂、例えば発泡
ポリエチレンのビニル被覆を施した断熱材からな
り、その外径は前記案内管２０の内径よりも若干
大きく、案内管２０に挿入された際には若干収縮
され、この収縮に伴なう反撥力でもつてその外面
が案内管２０の内面を押圧することにより案内管
２０との間の摩擦係数が大きくなつてこの案内管
２０内に支持される。この断熱管２５は前記案内
管２０よりもその長さが長く、案内管２０に挿入
された状態では、その上端は低温区域となる冷気
通路９内の冷気に晒される露呈部分２６となり、
又下端は温暖区域となる外部の暖気に晒される露
呈部分２７となる。２８は前記断熱管２５に通さ
れ低温区域から温暖区域に延びる複数本の被覆電
線で、この被覆電線によつて前記電気ヒータ５、
送風フアン８、螢光灯１１等の電気部品が制御器
１８や電気端子板１９に接続されている。２９，
３０は線状部材又は帯状部材等からなるバンド
で、この両バンドでもつて前記両露呈部分２６，
２７の２ケ所を締め付けることにより、断熱管２
５がその２ケ所において内径が狭くなるように中
心方向に絞られて変形して突部３１，３２が形成
され、この突部が被覆電線２８に当たることによ
りこの被覆電線２８は結束される。３３はバンド
２９，３０の締め付けに伴ない前記断熱管２５内
の両突部３１，３２間に形成された断熱空間で、
その長さは前記底壁３Ａの厚み寸法より長く、断
熱管２５内を通しての空気の流通を阻止する。

かゝる構成の配線支持装置によれば、案内管２
０の延長部２４は、前記底壁３Ａ上面よりも上方
に延びている関係上、底壁３Ａ上面を通つて冷却
器６から排水口１５に至る露水によつて断熱管２
５が濡れることがなく、しかも送風フアン８に至
る被覆電線２８が底壁３Ａに垂れ下がることはな
く、垂れ下がりが起因する露水の流れを阻止した
り、底壁３Ａ上に塵埃が蓄積されるという不衛生
状態は回避される。又、貫通孔２１はフアンケー
ス７と排水口１５との間に形成されている関係
上、断熱管２５の露呈部分２６は、冷却器６及び
送風フアン８の風上側に位置することになり、こ
のため温度が比較的高い帰還冷気の雰囲気中に置
かれていることになり、露呈部分２６の凍結を回
避できる。又、案内管２０は熱絶縁性、断熱管２
５は断熱性であるために、貫通孔２１を介して低
温、温暖両区域の相互の熱伝導を防止することが
できることに加え、案内管２０に挿通される伸縮
自在な断熱管２５はその弾力でもつて案内管２０
の内面を押圧する作用なすために、断熱管２５は
自らの弾力でもつて案内管２０に簡単に取り付け
られ、しかも案内管２０の内面との間における気
密効果が向上し、又、バンド２９，３０でもつて
断熱管２５の両露呈部分２６，２７を締め付ける
ことにより、断熱管２５に通された複数本の被覆
電線２８の結束と同時に断熱管２５のシールが行
なえ、この断熱管２５内に断熱壁３の厚さ寸法よ
りも長い断熱空間３３を形成して断熱管２５内の
空気による低温、温暖両区域への熱伝導を防止で
きる。

(ト) 発明の効果 上述した本発明によれば、下記に列挙する効果
が生じる。

案内管に挿通される断熱管は、その外径が案
内管の内径よりも漸大きいために、自らの弾性
によつて案内管内に取り付けられることにな
り、断熱管の取付作業が頗る簡単となるばかり
でなく、案内管との間の気密効果も良くなる。

バンドでもつて断熱管の両露呈部分を締め付
けることにより、断熱管に通された被覆電線の
結束と断熱管のシールとを同時に行ない、結束
及びシール作業の簡略化が図れると共に、断熱
管を介して低温、温暖両区域への空気の流通を
阻止できる断熱空間を形成できる。

断熱管に両露呈部分を形成することにより、
バンドの締付作業を断熱壁から離れた位置で行
なえるばかりでなく、断熱空間の長さを断熱壁
の厚さ寸法より長くして断熱管による断熱効果
を向上できる。

案内管の延長部は、底壁上面よりも上方に延
びている関係上、底壁上面を通つて冷却器から
排水口に至る露水によつて断熱管が濡れること
がなく、断熱管の断熱効果の低下を防止でき、
しかも送風フアンに至る被覆電線が底壁に垂れ
下がることはなく、垂れ下がりが起因する露水
の流れを阻止したり、底壁上に塵埃が蓄積され
るという不衛生状態は回避される。

貫通孔はフアンケースと排水口との間に形成
されている関係上、断熱管の露呈部分は、冷却
器及び送風フアンの風上側に位置するため温度
が比較的高い帰還冷気の雰囲気中に置かれてい
ることになり、この結果、露呈部分の凍結を回
避でき、凍結による冷気の乱れを防止できる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本発明断熱壁における配線支持装
置の実施例を示し、第１図は要部縦断面図、第２
図は要部斜視図、第３図は配線装置を備えた低温
シヨーケースの縦断面図である。 ３……断熱壁、２０……案内管、２１……貫通
孔、２５……断熱管、２６，２７……露呈部分、
２８……被覆電線、２９，３０……バンド、３３
……断熱空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 低温区域となる冷気通路に配置された送風フ
   アンを支持するフアンケースが載置されると共
   に、このフアンケースよりも風上側の部位に形成
   され、前記フアンケースよりも風下側に位置する
   冷却器からの露水を外部に排出する排出口を備え
   た底壁と、温暖区域となる外部に配置された電気
   端子板と、前記フアンケースと排水口との間の前
   記底壁に形成された貫通孔に取付けられ、前記底
   壁上面よりも上方に延びる延長部を有する熱絶縁
   性の案内管と、この案内管の内径よりもその外径
   が漸大きく、前記案内管に挿入され一端を前記低
   温区域の冷気に晒される露呈部分、他端を前記温
   暖区域の暖気に晒される露呈部分とする伸縮自在
   な断熱管と、この断熱管に通され前記送風フアン
   から電気端子板に延びる複数本の被覆電線と、前
   記断熱管の両露呈部分を締め付けこの断熱管内で
   前記被覆電線を結束させるバンドとにより構成さ
   れる断熱壁における配線支持装置。