JPH05105827A - 発泡性防火材料 - Google Patents

発泡性防火材料

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JPH05105827A
JPH05105827A JP29839291A JP29839291A JPH05105827A JP H05105827 A JPH05105827 A JP H05105827A JP 29839291 A JP29839291 A JP 29839291A JP 29839291 A JP29839291 A JP 29839291A JP H05105827 A JPH05105827 A JP H05105827A
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JP
Japan
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foamable
water
foam
layer
foamable fireproof
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JP29839291A
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English (en)
Inventor
Nobuo Yamamura
信雄 山村
Takayuki Akimoto
孝之 秋元
Riyou Imami
領 今見
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GENGEN KAGAKU KOGYO KK
Original Assignee
GENGEN KAGAKU KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐湿性及び防火性の両機能を満足し,しかも
密着性に優れ,硬化時間の短い発泡性防火材料を提供す
ること。 【構成】 アクリル系及びメタクリル系等の紫外線硬化
型材料12を分散質とし,加熱により発泡する未発泡状
態の発泡材料11(例えば水ガラス)を分散媒とするエ
マルション状態の発泡性防火材料10。上記発泡性防火
材料10の施工は,木材などの下地材5の上に,耐水性
の下塗層3を塗布し,その上に中塗層として発泡性防火
材料10を塗布し,次いで,紫外線を照射して紫外線硬
化型材料を反応硬化させ,更にその上に上塗層4を塗布
し,これら3層よりなる塗膜2を形成する。火災等の加
熱時には,上記発泡材料11が発泡し,優れた防火性を
示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,建築物の内装および外
装用に適した発泡性防火材料に関するものであり,特に
木質系建築物の難燃化に効果があり,硬化時間の短い防
火材料に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年,建築素材として木材の良さが見直さ
れつつあり,また建築基準法の木造関係の改正も行われ
て,準防火地域でも3階建ての木造住宅を建てる事がで
きるようになった。それにともない,木造建築物の防火
対策が大きな課題としてクローズアップしてきており,
たとえば木材等の可燃性の材料を用いた防火戸等を開発
する動きも盛んになってきている。
【0003】そして,従来より,木材およびファイバー
ボード等の木質系材料あるいはポリウレタンフォーム等
の合成樹脂系材料等の可燃性材料に防火性を付与するた
めの方法としては,素材中に各種難燃剤を混合する方
法,防火材料を塗装する方法および耐火性ボード等を貼
る方法等が知られている。そして,難燃剤を素材中に混
合する方法としては,たとえばトリフェニルフォスフェ
ート等の有機リン化合物を,合成樹脂中に混合する事が
行われている。しかしこの方法は,木材のように素材の
形態からして,難燃剤との混合が極めて難しい材料には
適用する事が容易ではない。
【0004】
【解決しようとする課題】ところで,木材,ファイバー
ボード等の表面に塗装する形式の防火材料としては,一
般に,有機系防火材料と無機系防火材料とがある。そし
て,上記有機系防火材料としては,特開昭63─905
76,特開昭64─24872,特開平2─20296
8等に見られるごとく,アルキルシリケート樹脂,アク
リル系エマルション,メラミン樹脂,シリコン樹脂等の
皮膜成分に,炭酸水素ナトリウム等の発泡成分と,水酸
化アルミニウム,燐酸アンモニウム,有機ハロゲン化物
等の難燃成分,およびタルク,スノーテックス等の無機
質充填成分等の各機能性成分を混合して成るものがあ
る。
【0005】しかしながら,これらの有機系防火材料
は,防火性能を付与するために皮膜成分に水溶性ポリマ
ーを用いる事が多い。そのため,耐水性が劣る。一方,
皮膜成分に非水溶性ポリマーを用いるなどして充分な耐
水性を付与したものは,防火性能が充分ではないという
二律背反をなし,耐水性と防火性能の両立が難しい。ま
た,無機系防火材料としては,セメント系防火材料と水
ガラス系防火材料とが知られている。しかし,前者は薄
層塗布が難しい。また,後者は特開昭63─29568
3,特開平1─92290に見られるごとく,いわゆる
水ガラスを主成分とし,これに水ガラスの硬化促進剤や
発泡剤や無機充填剤等を添加したものである。このもの
は,薄層塗布は可能であるが,水ガラスの持つ高い吸水
性を防止する事が極めて困難である。
【0006】また,水ガラスの防火原理は,水ガラスに
含まれている水の蒸発による,発泡層の形成によるもの
である。そのため,塗膜を乾燥すればするほどその発泡
能力が小さくなって,防火機能が低下するという乾燥塗
膜として用いるには本質的な欠点を持っている。また,
防火機能の低下を補うために,水ガラスの塗布厚さを厚
くすることが考えられるが,水ガラスの乾燥は極端な塗
膜内拡散律速である。そのため,塗布厚さを増すとその
乾燥にはますます長時間を要することになって,実質的
に実用化が不可能となる。
【0007】さらに,水ガラスは高アルカリ性であるた
め,これを木質材料に直接密着させると木質成分が分解
して着色してしまう。耐火性ボードは,石綿セメント
板,石膏板等数多く知られ,建築基準法でいう防火構造
材として合格したものも多い。しかしながら,これらは
いずれも一定の構造と形状を持っているため,任意の部
分に施工することが難しい。本発明は,かかる従来の問
題点に鑑み,耐湿性及び防火性の両機能を満足し,硬化
時間が短い発泡性防火材料を提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題の解決手段】本発明は,紫外線硬化型材料と加熱
により発泡する未発泡状態の発泡材料との混合物からな
ると共に,該混合物は発泡材料を分散媒とし,紫外線硬
化型材料を分散質とするエマルション状態にあることを
特徴とする発泡性防火材料にある。本発明の発泡性防火
材料は,紫外線硬化型材料をいわば油相分散質とし,上
記発泡材料を水相分散媒とする水中油型エマルション
(乳濁液)状態にある。なお,この発泡性防火材料は,
塗布前は流動性の大きなエマルション状態にあるが,後
述のごとく,塗布後においては紫外線を照射して硬化さ
せる。それ故,塗膜中においては固化状態にある。
【0009】また,紫外線硬化型材料が,発泡材料の中
に小さな粒子として分散している。そして,発泡材料と
して水ガラス,或いは発泡性水系ポリマーを用いる場合
には,これらはその中に水分を有している。そのため,
発泡材料はこの水分を含んだまま,紫外線硬化型材料を
分散させていることとなる。それ故,後述のごとく,火
災時には,上記発泡材料中の水が蒸発気化して,防火材
料を発泡させ,優れた防火能力を発揮するのである。ま
た,本発明の発泡性防火材料を塗装施工するに当たって
は,後述のごとく,木材等の下地材の上に下塗層を塗布
し,その上に該発泡性防火材料を塗布し,次いで紫外線
を照射して紫外線硬化型材料を反応硬化させ,その後上
塗層を塗布する。
【0010】また,本発明の発泡性防火材料において
は,防火性能向上のために,発泡材料100部(固形分
重量,以下同じ)に対する紫外線硬化型材料の混合割合
を10〜250部とすることが好ましい。また,好まし
くは10〜200部,更に好ましくは10〜125部で
ある。紫外線硬化型材料の割合を多くするとエマルショ
ンが不安定になり,一方これを少なくすると塗膜の硬化
速度と硬化程度が低下する。
【0011】上記紫外線硬化型材料としては,例えばア
クリル系オリゴマー,アクリル系モノマー,メタクリル
系オリゴマー,メタクリル系モノマー,不飽和ポリエス
テル系ポリマー,ビニル系モノマーなどがある。更に,
例えばアクリル系およびメタクリル系オリゴマーには,
ウレタン系,エポキシ系,ポリエステル系,ポリエーテ
ル系などがある。また,発泡材料として水ガラスを用い
た場合には,紫外線硬化型材料としては,耐アルカリ性
を有する樹脂を用いることが好ましい。水ガラスは強ア
ルカリ性を有するため,樹脂がこれに接触すると分解あ
るいは変色するおそれがあるためである。
【0012】次に,上記発泡材料は,火災時等の高温加
熱によって発泡する性質を有するもので,未発泡状態の
ものを用いる。かかる発泡材料としては,水ガラス或い
は発泡性水系ポリマーがある。上記水ガラスとは,いわ
ゆる溶解性シリケートのことであって,アルカリメタル
シリケートあるいは4級アンモニウムシリケート等いず
れでも良い。またこれらは混合して用いても良い。アル
カリメタルシリケートとしては,一般にナトリウムシリ
ケート,カリウムシリケート,リチウムシリケートが知
られている。通常多く用いられているのはナトリウムシ
リケートであって,工業的にはMR値の異なる3種が生
産されている。
【0013】また,これらは,含水率,粘度等物性は大
きく異なるが,成るべく水を大量に含んでおり,かつ,
水中油型エマルション状態を形成するものが好ましい。
また,INDUSTRIAL AND ENGINEE
RING CHEMISTRY,61(4)29(19
69)に記述されているように,上記水ガラス中にはア
ルミニウム,亜鉛などの金属イオンや,グリコール,グ
リセリン,糖,ポリエチレングリコール,ポリビニルア
ルコールなどのポリオール等水ガラスと適合性を有する
如何なる物質が含まれていても良い。
【0014】水ガラスと適合性のある物質は数多くあ
り,それらは例えば,ADHESIVES AGE,
JULY 30(1967),大阪工業技術試験所季
報,30(1)1(1979),愛知工業技術センター
報告,18 10(1982),表面,19(10)5
4(1981),等に記載されている。更に,たとえば
水ガラス膜を柔らかくし,発泡性を高めることを目的
に,カセイソーダやカセイカリのようなアルカリ性物質
を添加することもできる。また,上記発泡性水系ポリマ
ーとしては,蔗糖,果糖等の多糖類,ポリ燐酸塩等があ
る。
【0015】また,本発明の発泡性防火材料において
は,紫外線硬化型材料と発泡材料との混合物の中に収縮
防止剤を含むことが好ましい。上記収縮防止剤として
は,親水性不燃性粉体と親油性不燃性粉体がある。親水
性不燃性粉体としては酸化チタン,アルミナ,ジルコニ
ア,酸化珪素などの無機顔料がある。また,親油性不燃
性粉体としてはカーボンブラック,テフロン粉体などの
有機顔料がある。これらの収縮防止剤は,混合使用して
も良い。
【0016】これらの収縮防止剤を添加すると,火災時
に加熱により形成された発泡層が硬くなって,火炎の圧
力と温度による発泡層の収縮を少なくすることができ
る。そして,収縮防止剤の粒径は細かいものほど好まし
い。例えば酸化珪素の場合,平均粒径7μmのものと1
2μmのものとでは,発泡層の収縮程度に明らかな差が
認められる。また,発泡材料100部に対する収縮防止
剤の混合割合は,5〜200部にすることが好ましい。
また,好ましくは10から100部である。収縮防止剤
の割合を多くすると,紫外線硬化型材料と発泡材料との
混合物の粘度が高くなって塗装が困難になり,また少な
くすると加熱発泡層の収縮防止効果が少なくなる。
【0017】更にまた,収縮防止剤は,親水性不燃性粉
体の場合には水相分散媒としての発泡材料中に,一方親
油性不燃性粉体の場合は油相分散質としての紫外線硬化
型材料中に混合するのが好ましい。また,収縮防止剤は
粉体として添加する以外に,粉体を予め水や有機溶剤の
ような液体に分散したものでも良い。そして,収縮防止
剤を紫外線硬化型材料と発泡材料との混合物に添加した
時に高粘化する場合は,塗布した後に,その上に収縮防
止剤を塗布或いは粉体のまま散布しても良い。また,発
泡性防火材料をいくつかの層に分けて塗布し,その間に
収縮防止剤を塗布或いは粉体散布しても良い。
【0018】本発明の防火材料は,エマルション状態を
形成させるために,通常配合される有機溶剤,乳化剤な
どを含有していても良い。上記有機溶剤としては,沸点
がおよそ30℃から160℃の有機溶剤,例えば酢酸エ
チル,酢酸ブチルのごとき低級アルキルアセテート,プ
ロピオン酸エチル,ブチルアルコール,イソブチルアル
コール,メチルイソブチルケトン,メチルエチルケト
ン,シクロヘキサノン,メチルセロソルブアセテート,
β─エトキシエチルアセテート,トルエン,キシレン等
がある。また,これらの有機溶剤を混合して用いても良
い。
【0019】上記乳化剤としては,例えばサポニン(ス
テロイド系),アルキレンオキサイド誘導体,(例えば
ポリエチレングリコール,ポリエチレン/ポリプロピレ
ングリコール縮合物,ポリエチレングリコールアルキル
またはアルキルアリールエーテル,ポリエチレングリコ
ールエステル類,ポリエチレングリコールソルビタンエ
ステル類,ポリアルキレングリコールアルキルアミンま
たはアミド類,シリコーンのポリエチレンオキサイド付
加物類),グリシドール誘導体(例えば,アルケニルコ
ハク酸ポリグリセリド,アルキルフェノールポリグリセ
リド),多価アルコールの脂肪酸エステル類,糖のアル
キルエステル類,同じくウレタン類またはエーテル類等
の非イオン性界面活性剤がある。
【0020】また,トリテルベノイド系サポニン,アル
キルカルボン酸塩,アルキルスルフォン酸塩,アルキル
ベンゼンスルフォン酸塩,アルキルナフタレンスルフォ
ン酸塩,アルキル硫酸エステル類,アルキル燐酸エステ
ル類,N─アシル─N─アルキルタウリン類,スルホコ
ハク酸エステル類,スルホアルキルポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類,ポリオキシエチレンアル
キル燐酸エステル類等のような,カルボキシ基,スルホ
基,ホスホ基,硫酸エステル基,燐酸エステル基などの
酸性基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類,アミノ
アルキルスルフォン酸類,アミノアルキル硫酸または燐
酸エステル類,アルキルベタイン類,アミンイミド類,
アミンオキシド類,等の両性界面活性剤; アルキルア
ミン塩類,脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩
類,ピリジニウム,イミダゾリウム等の複素環第4級ア
ンモニウム塩類,及び脂肪族または複素環を含むホスホ
ニウムまたはスルホニウム塩類等のカチオン系界面活性
剤がある。
【0021】更に,本発明の防火材料に水ガラスを使用
した場合,該水ガラスは塗料としても使用されるので,
塗料に通常配合される顔料や染料の他,水ガラス系塗料
に配合されるアセチレングリコール,超微粒子シリカな
どを含有していても良い。また,タルク,炭酸カルシウ
ム,スノーテック等のいわゆる体質顔料からなる充填
剤,粘度調整剤,有機ベントナイト等の沈降防止剤,シ
リコンなどからなる色分かれ防止剤,湿潤剤,レベリン
グ剤,消泡剤,スリップ剤,帯電防止剤,造膜助剤,凍
結安定剤,可塑剤,防腐剤などを含有していても良い。
上記粘度調整剤としては,例えばメチルセルロース,ポ
リビニルアルコール,ヒドロキシメチルセルロース,カ
ルボキシメチルセルロース,セルロースアセテート,ポ
リアクリル酸ソーダ,ポリビニルピロリドン,グァーガ
ムなどがある。
【0022】更にまた,本発明の防火材料は,木造建築
物の内装や外装に適用可能な防火材料であるので,防火
材料に通常用いられる発泡剤,難燃剤,軽量骨材,不燃
性繊維を含有しても良い。上記発泡剤としては,例えば
炭酸水素カリウム,炭酸水素ナトリウム等の炭酸水素
塩,アゾジカルボンアミド,ベンゼンスルホン酸ジフェ
ニルヒドラジン等がある。また,難燃剤としては,水酸
化アルミニウム,燐酸アルミニウム,有機ハロゲン化物
などの難燃剤がある。また,軽量骨材としては,発泡ク
レー,軽石,パーライト,シラスバルーン,ヒル石等が
ある。また,不燃性繊維としては,カーボンファイバ
ー,カーボンクロス,カーボンペーパー,カーボンシー
ト,カーボンマット等の炭素繊維,ロックウール,ガラ
ス繊維,アラミド繊維などがある。
【0023】本発明の発泡性防火材料の製造は,塗料の
製造と同様な方法で行う事ができ,プロペラ型,櫂型な
どの攪拌機,ディゾルバーなどの高速攪拌型分散機,サ
ンドミル,ボールミルなどの媒体分散機,ニーダー,3
本ロールミルなどの捏和機などを使用し,各種配合材料
を順次添加して混合分散する事により達成できる。即
ち,例えば,水ガラス,発泡性ポリマー等の未発泡状態
の発泡材料を攪拌機で攪拌しながら,必要に応じ前記各
種添加剤を添加した後,紫外線硬化型材料を添加する。
なお,予め紫外線硬化型材料中にも必要に応じ前記各種
添加剤を添加しておいても良い。この攪拌を高速攪拌型
分散機(回転数は,500〜15000RPM好ましく
は1500〜4000RPM)で行っても良い。また,
攪拌後に適当な分散機を用いて更に分散を続けても良
い。
【0024】また,添加時間にも制約はなく,必要に応
じて発泡材料中に,有機溶剤に溶解した上記紫外線硬化
型材料を瞬時に,あるいは時間をかけてゆっくりと添加
しても良い。更にまた,攪拌前にあるいは攪拌中に乳化
剤等の前記各種添加剤を適宜添加することができる。な
お,2種以上の発泡材料と2種以上の紫外線硬化型材料
を混合使用すること,発泡材料と紫外線硬化型材料と乳
化剤等の各種添加剤を適宜分割して添加しあるいは事前
に混合して,添加攪拌することを妨げるものではない。
【0025】本発明の発泡性防火材料を用いた施工構造
としては,木材等の下地材に耐アルカリ性かつ耐水性の
下塗層を塗布し,その上に発泡性防火材料を塗布し,次
いで該発泡性防火材料に紫外線を照射してこれを硬化さ
せ,更にその上に耐アルカリ性,かつ耐水性の上塗層を
塗布する発泡性防火材料の施工構造であって,上記発泡
性防火材料は紫外線硬化型材料と加熱により発泡する未
発泡状態の発泡材料との混合物からなると共に,該混合
物は発泡材料を分散媒とし,紫外線硬化型材料を分散質
とするエマルション状態にあることを特徴とする発泡性
防火材料の施工構造がある。
【0026】上記下塗層および上塗層に用いる耐アルカ
リ性・耐水性の樹脂としては,例えば,アクリル系樹
脂,エポキシ系樹脂,メラミン系樹脂,アミノ系樹脂,
フエノール系樹脂,ウレタン系樹脂,ポリエステル系樹
脂,シリコン系樹脂,フッ素系樹脂がある。これら樹脂
の硬化方法は,常温硬化,加熱硬化,紫外線硬化,電子
線硬化のいずれでも良い。そして,紫外線硬化或いは電
子線硬化の場合には樹脂はポリマーでなく,モノマーあ
るいはオリゴマーであっても良い。また,施工方法とし
ては,下塗層,発泡性防火材料層(中塗層),上塗層の
いずれも,ローラー塗り,コテ塗り,刷毛塗り,スプレ
ー塗り,カーテンコーター,ロールコーター,バキュー
ムコーターなどの塗装装置を用いて塗布する。
【0027】上記塗膜の硬化方法は,中塗層である発泡
性防火材料層については,紫外線照射により硬化させ
る。また,加熱硬化や電子線硬化を併用しても良い。一
方,下塗層と上塗層については,用いた樹脂に応じて,
常温,加熱,紫外線照射,電子線照射などの硬化方法を
選択する。上記いずれの方法においても,塗膜の表面形
状や厚さや配合は自在に変化させる事ができ,例えば亀
裂防止や均一な発泡層を形成することを目的として前記
収縮防止剤を含有させる事もできる。
【0028】
【作用及び効果】本発明の発泡性防火材料は,発泡材料
を分散媒とし,紫外線硬化型材料を分散質とする水中油
型エマルション(乳濁液)状態にある。そして,該発泡
材料は木材等の下地材の上に,下塗層と上塗層に挟着さ
れた状態で塗布される。そして,火災の際には,その熱
によって内部の発泡材料が発泡し,断熱性の海綿状発泡
層を形成して,下地材を熱より保護する。これにより,
優れた防火能力を発揮する。上記の発泡は,例えば発泡
材料として水ガラスを用いる場合には,上記の熱によっ
て,水ガラス中の水分が蒸発して気化し,水ガラスを発
泡させることにより生ずる。また,発泡材料として発泡
性水系ポリマーを用いる場合にも,同様の理由により発
泡する(図1参照)。
【0029】そして,本発明において重要なことは,上
記紫外線硬化型材料が発泡材料と混合され,中塗層とし
て塗装されるまではエマルション状態にあり,中塗層と
して塗装した後は,紫外線によって硬化され,その後は
その上に上塗層が塗布されることである。また,紫外線
硬化後の紫外線硬化型材料を含む発泡性防火材料は,耐
水性,耐アルカリ性の下塗層と上塗層の間に中塗層とし
て存在することである。そのため,発泡材料は外気の水
分と接触することがなく,発泡材料の水溶解性を皆無と
することができ,発泡性防火材料を用いた中塗層の耐久
性が向上する。それ故,特に発泡材料として耐湿性に劣
る水ガラス,発泡性水系ポリマーを用いる場合には,そ
の効果が大きい。
【0030】また,上記のごとく水への溶解性が皆無で
あるにも拘わらず,発泡材料は高い発泡性を維持し,火
災の際には直ちに発泡を開始する。それ故,特に水ガラ
ス系防火材料の本質的な欠点であった,耐湿性と,防火
性との二律背反を解消することができる。また,発泡性
防火材料よりなる中塗層では紫外線硬化型材料が発泡材
料中に小さく粒子として分散しているため,発泡材料の
みの場合と比べて,耐アルカリ性,耐水性の下塗層およ
び上塗層との密着が良化する。また下塗層及び上塗層が
存在するため,被塗物である合板を分解,着色させるこ
とがない。
【0031】更に,発泡性防火材料には,紫外線硬化型
材料が含まれるため,塗布した後に紫外線を照射するこ
とにより,硬化時間を極めて短くすることができる。そ
の他,発泡材料単独では発泡性防火材料の塗布厚みを厚
くするとひび割れしやすいが,本発明の発泡性防火材料
は紫外線硬化型材料を含むため,膜が軟らかくひび割れ
しにくい。したがって,本発明によれば,耐湿性,防火
性の両機能を満足し,しかも硬化時間が短く,塗膜にひ
び割れを生じ難い,発泡性防火材料を提供することがで
きる。
【0032】
【実施例】
実施例1 本発明の実施例にかかる発泡性防火材料の施工法及び発
泡性防火材料の発泡につき,図1及び図2を用いて説明
する。即ち,木材等の下地材5に発泡性防火材料10を
施工するに当たっては,まず下地材5の表面に耐アルカ
リ性かつ耐水性の下塗層3を5〜50μmの厚みに塗布
する。次いで,該下塗層3の上に本発明にかかる発泡性
防火材料10を,100〜3000μmの厚みに塗布す
る。該発泡性防火材料10は,分散媒としての発泡材料
11と,その中に分散された紫外線硬化型材料12と,
その他の添加物とよりなる。
【0033】そして,発泡性防火材料10塗布後,その
表面に紫外線を照射し,紫外線硬化型材料12を硬化さ
せ,次いで中塗層を形成する。その後,発泡性防火材料
である中塗層の上に上塗層4を,厚み5〜300μmに
塗布する。そして,全体を自然乾燥させ塗膜2を形成す
る。一方,この塗膜2が,火災等により加熱されたとき
には,図2に示すごとく,中塗層の発泡性防火材料10
中の発泡材料11が加熱されて,前記のごとく発泡し,
大きな気泡110が多数発生する。そのため,下地材5
が火災から保護される。次に,本発明にかかる,各種発
泡性防火材料の具体的な実施例につき,その性能を比較
例と共に示す。
【0034】実施例2 本例においては,下記の発泡性防火材料を作成し,上記
実施例1と同様に,下塗層と上塗層との間に中塗層とし
て塗布した。下地材としては,合板を用いた。また,下
塗層及び上塗層としては,それぞれ,常温硬化型塗料で
あるユートンM GC−60(玄々化学工業(株)製)
とスイセイオパール SC−10(玄々化学工業(株)
製)を各層の厚さが35μmとなるようにスプレー塗装
し,3時間乾燥した。
【0035】本例における発泡性防火材料としては,紫
外線硬化型材料として市販のウレタンアクリレートオリ
ゴマー(固形分100%,東亜合成化学(株)製アロニ
ックスM400)100部と,紫外線重合開始剤として
のDAROCUR1173(MERCK JAPAN
LIMITED製)及びLUCIRIN TPO(BA
SF製)それぞれ1部を添加混合した。その後,これら
を珪酸ソーダ3A(固形分40% 愛知珪曹工業(株)
製)250部中に添加しつつ,ディゾルバーで攪拌分散
しエマルションを形成した。
【0036】その後,該エマルション状の発泡性防火材
料を中塗層として,厚み1000μmに塗布した。次い
で,紫外線硬化型材料の硬化のために,紫外線を5秒間
照射した。そして,その上に更に上塗層を塗布し,上記
のごとく乾燥させた。その後は,後述のごとき評価テス
トを行った。
【0037】実施例3 実施例2に示した発泡性防火材料中に,親水性の収縮防
止剤としてのアルミナ粉体(昭和電工(株)製 ホワイ
トモランダムWA)100部を添加した。その他は,実
施例2と同様である。
【0038】実施例4 実施例2に示した紫外線硬化型材料に,親油性の収縮防
止剤としてのテフロン粉体(Hoechst製 Hos
taflon TF9202)100部を添加した。そ
の他は,実施例2と同様である。
【0039】実施例5 実施例2に示した発泡材料に,親水性の収縮防止剤とし
ての酸化珪素粉体(日本アエロジル(株)製 E−30
0)12部を添加した。その他は,実施例2と同様であ
る。
【0040】比較例 発泡性防火材料として,実施例2と同様の珪酸ソーダ3
Aのみを用い,これを,実施例2と同様に下塗層の上に
塗布し,50℃で7日間加熱乾燥した。次いで,実施例
2と同様に,上塗層を塗布した。前記実施例2〜5及び
比較例の防火材料につき,耐水性,加熱時の発泡性,加
熱後の発泡層の耐収縮程度および中塗層と上塗層又は下
塗層の層間密着性を評価した。耐水性は,試験板の木口
に下塗層用塗料を塗布してから水中に24時間浸した後
の塗膜面の溶解状態で評価した。発泡性は,ガスバーナ
ーの火炎を塗膜面に5分間吹き付けた後における,発泡
層の成長高さと形状で評価した。層間密着性は碁盤目セ
ロテープ法で評価した。得られた結果を表1に示す。
【0041】表1において,耐水性に関しては,本発明
にかかる実施例2〜5は,いずれも高い耐水性を示し,
上記水浸漬においても塗膜に何の変化も生じなかった。
これに対し,比較例は,上記耐水テストにおいて,塗膜
が膨潤し,発泡性防火材料としては勿論のこと,塗膜の
機能も維持できなかった。また,初期発泡高さはいずれ
も30mm以上と充分であったが,耐収縮性に関して
は,実施例2および比較例においては,加熱終了後に発
泡高さが約10mmまで収縮した。実施例2では,収縮
防止剤を用いていないので,発泡後の収縮が大きい。
【0042】また,発泡性防火材料の中塗層と上塗層及
び下塗層との密着性は,実施例2〜5はいずれも高かっ
た。上記のごとく,発泡性防火材料に紫外線硬化型材料
と発泡材料を添加した実施例においては,その発泡性防
火材料の耐水性,加熱時の発泡性,及び層間密着性はい
ずれも良好な結果であった。また,収縮防止剤を添加し
た実施例3ないし5の場合は,いずれも発泡性防火材料
の加熱後の収縮が少なかった。
【0043】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,発泡性防火材料の塗装施工
状態を示す断面図。
【図2】実施例1において発泡性防火材料が加熱発泡し
た状態を示す断面図。
【符号の説明】
10...発泡性防火材料, 11...発泡材料, 110...発泡した気泡, 12...紫外線硬化型材料, 2...塗膜, 3...下塗層, 4...上塗層, 5...下地材,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 1/02 PCM 6770−4J 4/00 PDS 7921−4J 5/00 PPF 6904−4J 5/02 PPT 6904−4J PPU 6904−4J 5/18 PQR 6904−4J

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線硬化型材料と加熱により発泡する
    未発泡状態の発泡材料との混合物からなると共に,該混
    合物は発泡材料を分散媒とし,紫外線硬化型材料を分散
    質とするエマルション状態にあることを特徴とする発泡
    性防火材料。
  2. 【請求項2】 請求項1において,発泡材料は水ガラス
    又は発泡性水系ポリマーであることを特徴とする発泡性
    防火材料。
  3. 【請求項3】 請求項1および2において,紫外線硬化
    型材料と発泡材料との混合物の中に収縮防止剤を含むこ
    とを特徴とする発泡性防火材料。
  4. 【請求項4】 木材等の下地材に耐アルカリ性かつ耐水
    性の下塗層を塗布し,その上に発泡性防火材料を塗布
    し,次いで該発泡性防火材料に紫外線を照射してこれを
    硬化させ,更にその上に耐アルカリ性,かつ耐水性の上
    塗層を塗布する発泡性防火材料の施工構造であって,上
    記発泡性防火材料は紫外線硬化型材料と加熱により発泡
    する未発泡状態の発泡材料との混合物からなると共に,
    該混合物は発泡材料を分散媒とし,紫外線硬化型材料を
    分散質とするエマルション状態にあることを特徴とする
    発泡性防火材料の施工構造。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0827299A (ja) * 1994-07-14 1996-01-30 Furukawa Electric Co Ltd:The 防火用発泡性樹脂組成物
JP2008284467A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Nitto Denko Corp 光重合物層の製造方法
CN103480523A (zh) * 2013-10-03 2014-01-01 尤潘垦 一种苯板加压注射防火液装置

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