JPH05103698A - アルカリ性ホスフアターゼのイソ酵素とイソホルムの分離、識別、量化方法 - Google Patents

アルカリ性ホスフアターゼのイソ酵素とイソホルムの分離、識別、量化方法

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JPH05103698A
JPH05103698A JP4024672A JP2467292A JPH05103698A JP H05103698 A JPH05103698 A JP H05103698A JP 4024672 A JP4024672 A JP 4024672A JP 2467292 A JP2467292 A JP 2467292A JP H05103698 A JPH05103698 A JP H05103698A
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Roland Chevigne
ローラン・シユヴイニユ
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Analis SA
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    • B01D57/02Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C by electrophoresis
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/007Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving isoenzyme profiles
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
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Abstract

(57)【要約】 本発明は主として、体液または組織抽出物のサンプルに
おいて、支持体媒質に、一つの緩衝液と、少なくとも1
種の非イオン系洗剤と少なくとも1種のアニオン系洗剤
とを加えて、アルカリ性ホスファターゼのイソ酵素とイ
ソホルムの分離と識別と量化のための方法に関するもの
である。肝臓、骨、胎盤、高分子、腸のイソ酵素とLp
Xに結びつくイソ酵素は、特に、できる限り、確認試験
に依存することを避けて、確実に検証することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は本質的に、体液または、組織の抽
出液中に存在するアルカリ性ホスファターゼのイソ酵素
とイソホルムを分離しかつ識別(同定)することことを
可能にする電気泳動法に関するものである。
【0002】本発明はまた、本発明の電気泳動法で確認
されたイソ酵素とイソホルムを量化(quantifi
cation)することを可能にする濃度測定法(de
nsitometric method)に関するもの
である。
【0003】本発明はまた、本発明の方法の実施に利用
する調剤及び本方法の生成物にも関する。
【0004】ALPと略称されるアルカリ性ホスファタ
ーゼという用語は(EC3.1.3.1)はアルカリ性
のpHにおいてリン酸エステルの加水分解を触媒する酵
素を包括するものである。
【0005】ALPは細胞膜に存在し、かつ、生体の殆
どの組織内にみられる。それらの位置に応じて、腸酵
素、腎酵素、骨酵素、肝酵素、胎盤酵素、及び胎児期の
腸酵素と言う。ALPはまた、血清中にも循環してい
る。
【0006】人間の生体内では、4種類の遺伝子がAL
Pの発現を制御している。すなわち普通のある組織遺伝
子(特に骨酵素、肝酵素、及び腎酵素をコードする)
と、腸遺伝子、胎盤遺伝子、胎児腸遺伝子であり、それ
ぞれのかかる遺伝子は対応するイソ酵素をコードする。
【0007】これらのイソ酵素のそれぞれは、それらの
物理化学的特性は変更するが、その生物学的特性は保存
する翻訳後の一つまたは幾つかの修正を施して、イソホ
ルムとすることができる。
【0008】次のようなイソホルムは現在公知である。
すなわち、免疫グロブリンに結合したイソ酵素、四分裂
イソ酵素、シアル酸分か異常であるイソ酵素、細胞膜デ
ブリスに結合したイソ酵素(高分子と称する)、リポ蛋
白、例えばLpXに結合したイソ酵素。
【0009】アルカリ性ホスファターゼの各種のイソ酵
素とイソホルムの数と量は、一方では個人の年令に応
じ、また他方では健康状態に応じて著しく変る。
【0010】骨イソ酵素と、肝イソ酵素については特別
に調査した、つまり、骨系統及び/または肝−胆汁系に
影響する一切の一次ないし二次病理学は場合によって、
血清中の骨イソ酵素及び/または肝イソ酵素の増加また
は減少を起させかつ、他のイソ酵素または一つないし幾
つかのイソホルムの出現を伴う可能性があるからであ
る。
【0011】周知のように、血清の骨イソ酵素の割合は
幼児から成人に向けて減少し、大増殖の時点でピークを
示す。幼児時代の増殖の停止が、骨イソ酵素の割合の異
常減少によって認められる。大増殖に伴って、血清中
に、第二の骨酵素部分が表われるが、これは四量体とし
て表われる。
【0012】この部分は正常な成人の血清にはないが、
しかし、病的な増殖性隆起が骨のレベルで存在する場合
はこれは成人にみられる(パゼット病、骨の腫瘍転
移)。
【0013】骨破壊作用の特徴は、シアル酸分が少ない
骨イソ酵素が存在することであろう。
【0014】肝イソ酵素は、健康な個人の全生涯を通じ
てその割合は通常は一定である。
【0015】繊維症のように肝臓の変性病は、肝臓の濾
過不良を起しかつ、肝細胞の漸進的な破壊を招く病気で
あるが、結局は肝イソ酵素の減少そして、消滅を招くこ
とになる。
【0016】肝臓内または肝臓外胆汁帯(例えば近傍の
腫瘍によって起る肝炎や硬変症や、肝臓転移や肝臓圧
迫)は逆に、高分子の肝胆汁またはアルファ1部分と言
われるイソホルム(膜のデブリスに結合された)ならび
に様々なリポ蛋白に結びつく肝臓イソホルムのような他
のイソホルムの出現を伴う肝臓イソ酵素の増大を越すこ
とになろう。
【0017】急性炎症がない場合は、シアル酸分が低下
した肝臓イソ酵素が存在することは腫瘍の存在の兆候で
ある。
【0018】シアール酸の含量が異常である肝イソ酵素
が見られるのは幼児の一過性血中リン酸塩過剰症の場合
である(幼児の場合の気道または消化道ビールス感
染)。
【0019】アルカリ性ホスファターゼの別の類型のイ
ソ酵素の識別によって病理学的障害を検知することもで
きる。
【0020】このようにして、妊娠以外の胎盤性のイソ
酵素の存在は腫瘍性の病状が急速に進んでいる兆候であ
り、腸のイソ酵素とイソホルムの量が多ければ、ある血
液循環系の病気のしるしでありかつ、胎児期の腸イソ酵
素は肝臓の初期の腫瘍(肝腫)の場合に見られることは
公知である。
【0021】したがって、アルカリ性ホスファターゼの
調査によって、診断上のみならず、病気の変化を追求す
るか、または処理効果を明確に表出するための患者の監
視上、かなりの助けとなろう。
【0022】各種のイソ酵素は通常アガロースまたはポ
リアクリルアミドゲルを用い、または酢酸セルロース膜
上を用いた電気泳動により分離される。
【0023】用いた技法次第では、検知されないか、は
っきり識別できないイソ酵素またはイソホルムもある。
感度も、必ずしも満足なものばかりではなく、したがっ
て早期の病理学的検知の妨げとなっている。
【0024】様々な類型の電気泳動の結果に及ぼす非イ
オン系洗剤の利用の影響は文献に記述されている。Fi
shman Lは「サンプル及びゲル母材にTrito
nX−100を用いる人体組織、血清及び腹水液のアル
カリ性ホスファターゼのアクリルアミド円板ゲル電気泳
動」という題名でBiochemicalMedici
ne、9巻3号、1974年3月、309〜315頁に
発表されている論文において、各種サンプル中及びアク
リルアミドゲルへの非イオン系洗剤Triton X−
100の利用によって、このゲル中への高分子のイソ酵
素を浸透せしめることができ、これはこの洗剤がない場
合は添加点に留っていて一つの拡散域のように見えるこ
とを明らかにした。
【0025】このことは「アルカリ性ホスファターゼイ
ソ酵素」という題名で、CLINICAL CHEMI
STRY、28巻10号、1982年10月、2007
〜2016頁、Winston−Salem、Wash
ington U.S.に発表のMOSS等の論文に確
認されている。
【0026】もう一つ米国特許US−A−4 030
995に提案されているのは分子量が600ないし20
00の範囲内にあるTriton、Brijまたは、T
weenのような非イオン系の各種洗剤を、アガロース
ゲルまたはセルロース膜上でのアルカリ性ホスファター
ゼの電気泳動用に使用することである。各イソ酵素は支
持体内に浸透し、感度は改善されるが、分離の質に影響
は及ぼさない。
【0027】アニオン系洗剤については、これは各種の
イソホルムに負の電荷をもたらし、泳動の全長にわたっ
て、これらイソホルムを拡げることを可能にならしめ
る。しかし、これらの利用には欠点がある。すなわち、
これらの洗剤は電流を増加させ(ゲル破壊の危険あり)
かつ従って、ジュール効果を増大させ(酸素の変質が可
能)、これらの洗剤は、また、往々にして蛋白質(従っ
て酵素)のレベルにおいて変性剤であり、これらは「抗
酵素」(anti−enzymes)にさえなり、つま
り、ホスファターゼ作用の抑止を起させさえする可能性
がある。最後に、これらの洗剤は、与えられたイソホル
ムの場合、余りも大きい電荷を与える可能性があり、電
気泳動の際イソホルムを余りにも強く泳動させかつ、こ
れをゲルから逸出させさえする可能性がある。
【0028】カチオン系洗剤のみを使用する場合は、そ
の電荷が変る高分子部分が、血清蛋白の電気泳動におい
てそれが採る方向とは反対方向へ泳動し、したがって、
解釈が難しくなる。
【0029】これらの一切の理由から、アニオン系また
はカチオン系の洗剤はアルカリ性ホスファターゼの識別
用としては、電気泳動技法には、普通、全く使用されな
い。
【0030】現在まで、特に、骨及び肝臓のイソ酵素の
正しい分離と確実な識別を得ることができたのは、二重
分析を必要とする補助技法に依存する場合だけであっ
た。
【0031】したがって、同じ支持体上に分析すべきサ
ンプルのみならず、56℃で10分間熱変性を施したサ
ンプルも泳動させて、酢酸セルローズ膜上で電気泳動を
実施することは公知である。
【0032】イソ酵素源(肝臓または骨の)次第で様々
な速度でアルカリ性ホスファターゼからシアル酸の残渣
を除去するノイラミニダーゼでサンプルを処理すること
は、これも、公知であり、これによって肝酵素または骨
酵素に相当する電気泳動帯の分離を確実に改善すること
ができる。公知の各技法によれば、濃度測定分析によっ
てでさえも、補助試験に依存することなしには2分離部
分を、はっきりとは観察することはできない、注目すべ
きことだが、ノイラミニダーゼは無唾液グリコプリテイ
ン(asialoglycoproteins)で構成
された腸管イソ酵素には作用しない。
【0033】各二重分析技法は不幸にして遅くて、経費
が高い。
【0034】洗剤の使用を含む公知の各方法による分析
時間も、洗剤が一般にゲルに添加されるのはゲルの鋳込
み(casting)と冷却の後であるという事実によ
って長くなる。すなわちいわゆる電気泳動の前に必要な
のは、30分間、平衡化と称する緩衝液にゲルを入れる
ことである。このような緩衝液の保存時間はほんの僅か
(60日)にすぎないし、従って1年もかかる分析を実
施する場合は更新せねばならない。
【0035】本発明の目的はアルカリ性ホスファターゼ
の骨または肝イソ酵素を正しく分離することと、一切の
他のイソ酵素またはイソホルムをはっきりと、識別して
しかも非常に強い感度を与えることを可能ならしめる電
気泳動技法を提供することである。
【0036】同様に、本発明の目的はサンプルの二重分
析には頼らずに実施することができるような分離を可能
ならしめることである。
【0037】本発明のもう一つの目的は体液または組織
抽出物中のアルカリ性ホスファターゼの、骨イソ酵素と
肝イソ酵素を直接量化(quantificatio
n)することを可能ならしめる電気泳動法を提供するこ
とである。
【0038】特に興味ある一つの目的はすぐ使える状態
にあり、保存が長くかつ、サンプルを立派に着色するこ
とができ、しかも、より簡単な方法の過程において使用
可能であり、かつ公知の各技法で採用する手順に比べ
て、持続時間をかなり短くした電気泳動キットを提供す
ることである。
【0039】驚くべきことは電気泳動で用いられるアガ
ロースのゲルでは非イオン系洗剤とアニオン系洗剤の同
時使用によって上記の各目的を達成することができた。
【0040】本発明によれば、支持媒体上に緩衝液と、
少なくとも1種の非イオン系の洗剤と、少なくとも1種
類のアニオン系洗剤を加えることを特徴とする、体液ま
たは組織抽出物サンプル中のアルカリ性ホスファターゼ
のイソ酵素とイソホルムを分離し、識別するための電気
泳動法が提供される。これらの洗剤は緩衝液に溶けてい
る方が好ましい。
【0041】好ましくは、各洗剤が緩衝液中に存在する
量は0.1ないし10g/lである。
【0042】有利には、非イオン系洗剤とアニオン系洗
剤の割合は1:0.5ないし2:1の範囲内にある。
【0043】好ましくは、緩衝液のpHは8ないし11
の範囲内にある。好ましい一実施態様ではpHは9.4
5である。
【0044】使用緩衝液は好ましくはホウ酸を含むトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタンである。
【0045】アニオン系洗剤は胆汁酸(biliary
acids)と胆汁塩から選ぶことができ、かつ、こ
の場合、好ましくは、デオキシコール酸ナトリウムまた
はタウロコール酸ナトリウムからなっていてもよい。
【0046】または、アニオン系洗剤は次式の化合物か
らなっていてもよい。 R1 −XNa (ここにR1 は炭素原子が6ないし12の直鎖または分
岐アルキル鎖を表わし、またXは硫酸塩、スルホン酸塩
及びカルボン酸塩の群から選んだ基を表わす)
【0047】本発明の方法では、アニオン系洗剤として
そのアミン官能基が、炭素原子が6ないし12であるN
−アルキルまたはN−アルキル置換基を担持するアミノ
酸誘導体を用いることもできる。
【0048】電気泳動用の支持媒質は酢酸セルローズ
膜、ポリアクリルアミドまたはアガロースゲルであって
もよい。
【0049】この最後の場合(アガロースゲル)、各洗
剤はゲルの鋳造(casting)に先立ってアガロー
スの緩衝化液に添加するか、あるいは平衡緩衝液に混ぜ
て、既に鋳造したゲルに添加してもよい。
【0050】非イオン系の洗剤はTriton、Bri
j及びTween型の各誘導体や、リュブロル、エチル
フエニルポリオキシエチレングリコール及びN,N−ジ
メチルドデシルアミンN−オキサイドからなる群から選
ばれる。
【0051】本発明の方法には更に、本方法で分離され
識別されたアルカリ性ホスファターゼのイソ酵素とイソ
ホルムの量化の段階も含むことができる。この量化は、
5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルフォスフエー
トと、ニトロテトラゾリウムブルーを含む溶液中で15
分間ゲルをインキュベートした後、約600nmで濃度
測定分析により実施することができる。
【0052】本発明のもう一つの目的はアガロースゲル
と、少なくとも1種の非イオン系洗剤と少なくとも1種
のアニオン系洗剤からなる洗剤薬品とを含む、アルカリ
性ホスファターゼのイソ酵素の電気泳動用キットであ
る。好ましくは、これらキットのアガロースゲルはこれ
に緩衝液に溶かした洗剤を、アガロースを含むゲルの凝
固の前に添加して製作する。
【0053】各洗剤は上記のものから選ぶ。
【0054】本発明の他の目的はこれら洗剤を含むアガ
ロースのゲルである。有利な方法としては、本発明のキ
ットの作成に当って、アガロースが凝固する前に各洗剤
の他に、クロルヘキシジンを添加する。この物質は良好
な保存料であり、本発明の一目的はこの目的で、実験室
の試薬にこれを利用することである。
【0055】本発明のもう一つの目的は体液や組織抽出
物のサンプル中のイソ酵素やイソホルムの識別と量化の
ために本発明のキットを利用することである。
【0056】本発明は下記に再記載する(実施例1ない
し4)電気泳動ゲルの調製の実施例ならびに使用実施例
(実施例5)によって例示する。
【0057】実施例 1ないし4(調製) アガロースの標準溶液は下記のように調製する。すなわ
ち、1lの蒸溜水に、下記を逐次添加する。すなわち、
0.38モルのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタ
ン、0.062モルのホウ酸、pHを9.45にするた
めの約0.02モルの水酸化ナトリウム。完全溶解後、
10gのアガロースならびに、所望のゲルの特徴(組
織、保水率等)を得られるようにする周知の各添加物
を、強く攪拌し乍ら添加する。この混合物を95℃に加
熱する。完全に溶解したら、これを55℃に冷却する。
【0058】実施例 1 10エチレン残基を含む1gのエチルフエニルポリオキ
シエチレングリコ−ルと0.75gのN−ラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウムならびに200mgのクロルヘキ
シジンを標準溶液に添加する。溶解が完了したら、攪拌
を停止し、適当な支持体上でアガロースゲル(10×
7.5cmのゲル200ないし250個)の鋳込みを実
施する。
【0059】実施例 2 10エチレン残基を含む1gのエチルフエニルポリオキ
シエチレングリコ−ルと0.9gのN−ラウロイル−N
−メチルタウリン酸ナトリウムならびに200mgのク
ロルヘキシジンを標準溶液に添加する。完全溶解後、攪
拌を停止し、適当な支持体上でアガロースゲル(10×
7.5cmのゲル200ないし250個)の鋳込みを実
施する。
【0060】実施例 3 10エチレン残基を含む1gのポリオキシエチレンラウ
リルエーテル、PEG9−10(平均分子量582)と
0.75gのN−ラウロイルサルコシン酸ナトリウムな
らびに200mgのクロルヘキシジンを標準溶液に添加
する。完全溶解後、攪拌を停止し、適当な支持体上にア
ガロースゲル(10×7.5cmのゲル200ないし2
50個)を鋳込む。
【0061】実施例 4 10エチレン残基を含む1gのN−酸化ジメチルN−N
ドデシルアミンと0.75gのN−ラウロイルサルコシ
ン酸ナトリウムならびに200mgのクロルヘキシジン
を標準溶液に添加する。完全溶解後、攪拌を停止し、適
当な支持体上にアガロースゲル(10×7.5cmのゲ
ル200ないし250個)の鋳込むを実施する。
【0062】注目すべきことが、アガロースゲル中の保
存料薬品としてのクロルヘキシジンの使用(普通、外科
手術時に手の消毒用に、あるいは、例えば、口腔疾患の
場合、強力な消毒剤として、一般的に使用される)は、
特に、有利である。すなわち、得られる結果は、従来の
ナトリウムアシドを使用する場合と同様に良好である。
後者の場合は、例えば、水配管の場合、金属物体に接触
すれば、爆発性の化合物が形成されるおそれがある。
【0063】更に、出願人はこのために、アルカリ性ホ
スファターゼのイソ酵素の電気泳動分析以外の類型の電
気泳動分析を対象とするアガロースまたは寒天のゲル用
にクロルヘキシジンを使用して成功している。保存料薬
剤としてこのクロルヘキシジンの利用によって細菌やカ
ビ類や、酵母や藻類の、様々な実験室用試薬中での発生
が防止されるが、これは何度も繰返して効果があること
が判明した。
【0064】実施例 5(使用) 実施例1,2,3,4で述べた各調製法に従って求めた
ゲルをテーブル上に置き、吸い取って過剰の緩衝液を除
き、各サプルを普通の方法に従って電気泳動に供する。
この際、ゲルは150Vで25分間(10×7.5cm
のゲルの場合の値)電気泳動を施し、好ましくは、この
場合、電気泳動緩衝液として、アガロースの標準溶液の
調製に用いたと同じ緩衝液を使用する。電気泳動終了
後、ゲルは基質である5−ブロモ−4−クロロ−3−イ
ンドイルリン酸塩と、硝酸テトラゾリウムブルーを含む
pH10.6の緩衝液2−アミノ−2−メチルプロパノ
ール溶液10mlにより、45℃で15分間培養する。
次に、ゲルは蒸溜水及び1または5%酢酸溶液で洗浄
し、次に乾燥する。洗浄後、ゲルは、同様に吸い取り、
何回か圧搾し、そして乾燥する。
【0065】更に注目すべきことだが、硝酸テトラゾリ
ウムブルーは基質の、ある紫色の化合物への変態によっ
て得られる着色を増幅する。緩衝液中での15分間の培
養は素晴らしい成果を得るのには全く十分である。
【0066】これらのゲルは、電気泳動後は、サンプル
に含まれる各種のイソホルムとイソ酵素に応じた一連の
紫色の着色帯を呈し、かつ、殆どの場合、肉眼で識別す
ることができる。
【0067】様々な発生源の多くのサンプルの場合、信
頼性をもって、かつ補助分析に頼ることなく下記のイソ
酵素とイソホルムを識別することができた。すなわち、
リポ蛋白に結びつくイソ酵素、LpXに結びつくイソ酵
素で、X部分は一過性の幼児の血中リン酸過剰症におけ
る、高分子酵素、胎児期の腸酵素、四量体酵素(第二の
骨酵素、第二及び第三の胎盤酵素、様々な腸酵素のよう
なもの)、肝臓酵素、骨酵素、成人の腸酵素及び胎盤性
の肝、骨、腸酵素を表わし、これら酵素部分はそれぞれ
免疫グロブリンに結合した形で存在している。
【0068】約600nmでの比重測定分析によって、
与えられたサンプル中に存在する各種の酵素部分を正確
に定量することができる。もしこのような分析を経時的
に同一患者について実施すればこれらによって、病気の
動向の追跡、または精密な診断が可能となる。
【0069】上記の例は本発明の特に有利な実施態様を
例示しているけれども、これらは発明の範囲を制限する
ものでは全くない。
【0070】緩衝液中の非イオン系洗剤及びアニオン系
の洗剤の混合物は、支持体が例えば酢酸セルローズで構
成されているような電気泳動法にも利用することができ
る。
【0071】例えば、上記のように2洗剤を含むこのよ
うな緩衝液を含まないゲルBeckman Parag
on(登録商標)SPEを扱う場合は、このような従来
のゲルをこのような緩衝液中で培養させても本発明の枠
を逸脱するのではない。すなわち、方法はより時間がか
かっても得られる結果は全く同じであり、このような実
施方法は本発明の枠を逸脱しない代替法をなすもので
る。

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 体液または組織抽出物において、支持媒
    質上に緩衝液と、少なくとも1種類の非イオン系洗剤を
    加え、当該非イオン系洗剤の他に少なくとも1種類のア
    ニオン系洗剤を加えることを特徴とする、アルカリ性ホ
    スファターゼからイソ酵素ならびにイソホルムを分離
    し、識別する電気泳動法。
  2. 【請求項2】 これらの洗剤が緩衝液に溶解しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 各洗剤が緩衝液1lあたり0.1ないし
    10gの量だけ緩衝液中に存在していることを特徴とす
    る請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 非イオン系洗剤とアニオン系洗剤の比が
    1:0.5ないし2:1の範囲内にあることを特徴とす
    る請求項1ないし3の任意の1項記載の方法。
  5. 【請求項5】 緩衝液のpHが8ないし11の範囲内に
    あることを特徴とする請求項1ないし4の任意の1項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 使用緩衝液がホウ酸を含むトリス(ヒド
    ロキシメチル)アミノメタンであることを特徴とする前
    記各請求項の任意の1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 アニオン系洗剤が胆汁酸及び胆汁酸塩の
    内から選ばれることを特徴とする前記各請求項の内の任
    意の1項記載の方法。
  8. 【請求項8】 洗剤が胆汁酸塩、好ましくはデオキシコ
    ール酸ナトリウムまたはタウロコール酸ナトリウムであ
    ることを特徴とする請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 アニオン系洗剤が式 R1 −XNa (式中R1 は炭素原子が6ないし12の直鎖または分岐
    状のアルキル鎖を表わし、Xは硫酸塩、スルホン酸塩な
    らびにカルボン酸塩の群から選んだ基を表わす)の化合
    物からなることを特徴とする請求項1ないし6の任意の
    1項記載の方法。
  10. 【請求項10】 アニオン系洗剤が、そのアミン基が、
    炭素原子が6ないし12の置換基N−アルキルまたはN
    −アルキル置換基を担持するアミノ酸誘導体であること
    を特徴とする請求項1ないし6の任意の1項記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 支持媒質が酢酸セルローズの膜である
    ことを特徴とする前記各請求項の任意の1項記載の方
    法。
  12. 【請求項12】 支持媒質がポリアクリルアミドのゲル
    であることを特徴とする請求項1ないし10の任意の1
    項記載の方法。
  13. 【請求項13】 支持媒質がアガロースのゲルであるこ
    とを特徴とする請求項1ないし10の任意の1項記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 洗剤がゲルの鋳込み前に、アガロース
    緩衝液に加えられることを特徴とする請求項13記載の
    方法。
  15. 【請求項15】 洗剤が既に鋳込まれたアガロースのゲ
    ルに平衡緩衝液中の混合物として加えられることを特徴
    とする請求項13記載の方法。
  16. 【請求項16】 非イオン系の洗剤が、トリトン、Br
    ij及びTween型の誘導体やリュブロール、エチル
    フエニルポリオキシエチレングリコール及びN,N−ジ
    メチルドデシルアミンN−オキサイドからなる群から選
    ばれることを特徴とする前記各請求項9の任意の1項記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 アルカリ性ホスファターゼの分離識別
    されたイソ酵素とイソホルムの量化の段階も含んでいる
    ことを特徴とする前記各請求項の任意の1項記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 電気泳動の後5−ブロモ−4−クロロ
    −インドリルフォスフエートとニトロテトラゾリウムブ
    ルーを含む基質を用いてゲルのインキュベートを15分
    間行うことと、得られた着色帯を約600nmで濃度測
    定分析を行い、量化を可能ならしめることを特徴とする
    請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 アガロースのゲルと洗剤薬品とからな
    り、このアガロースのゲルが、洗剤薬品として少なくと
    も1種の非イオン系洗剤と少なくとも1種のアニオン系
    洗剤を含んでいることを特徴とするアルカリ性ホスファ
    ターゼのイソ酵素の電気泳動用キット。
  20. 【請求項20】 アガロースのゲルが、アガロースが凝
    固する前に、これに緩衝液に溶解した洗剤を導入して製
    造されることを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 このまたはこれらの洗剤が、請求項7
    ないし10の任意の1項の各洗剤から選ばれることと、
    このまたはこれらの非イオン系の洗剤が請求項16記載
    の洗剤から選ばれることを特徴とする請求項19と20
    の何れか1項記載のキット。
  22. 【請求項22】 請求項19ないし21の任意の1項記
    載のキットに含まれるアガロースのゲル。
  23. 【請求項23】 緩衝液に溶けたアガロースの標準溶液
    を調製し、これを加熱し、これを冷却せしめ、かつ、凝
    固前に、これに少なくとも1種の非イオン系洗剤と、少
    なくとも1種のアニオン系洗剤を添加することを特徴と
    するアルカリ性ホスファターゼのイソ酵素の電気泳動用
    のキットの製法。
  24. 【請求項24】 凝固の前に、クロルヘキシジンも添加
    することを特徴とする請求項23記載の方法。
  25. 【請求項25】 体液及び組織抽出物のサンプル中のア
    ルカリ性ホスファターゼの、イソ酵素とイソホルムの識
    別と量化のための、請求項19ないし21の任意の1項
    記載のキットの利用。
  26. 【請求項26】 請求項22記載のアガロースゲル中の
    薬剤保存料としてクロルヘキサジンの利用。
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