JPH0480595A - 蓄熱システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、蓄熱システム、より詳しくは電子レンジによ
り加熱しうる携帯用暖房器に使用される蓄熱システムに
関する。

（従来技術） 従来、空調機器の省エネルギー、夜間電力利用等に関連
して蓄熱材の開発が盛んであり、実用化された機器、製
品も多い。

ここで扱う携帯用暖房器（カイロ）についても溶融型蓄
熱材と電気加熱器を組み合わせた再使用可能のカイロ、
化学蓄熱材（鉄粉）の酸化反応を利用した使い捨て方式
のカイロ等の商品が上型されている。

しかしながら、前者はカイロ自体に電気加熱器、制御機
構が組み込まれており高価であり、後者のカイロは適当
な反応物質（酸素）が必要であり、能力を引き出すため
、混合と空気の供給が不可欠でありしばしば面倒な操作
を強いられる。

ところで、近年電子レンジは一般家庭に広く普及してお
り、電子レンジで短時間に加熱することにより長時間の
保温が可能となる蓄熱システムが構築できれば、カイロ
自体に電気加熱器、制御機構を備えていない安価な、そ
して蓄熱剤の混合や空気供給等のための操作が不要なカ
イロを提供することが可能となる。

このような蓄熱システムに使用できる蓄熱材は、化学構
造上、結晶水又はＯＨ基を有していなければならないし
、一方、蓄熱のためには、蓄熱量が大きい、利用温度に
近い融点を有する、加温しても分解しない、無機有水塩
化合物などに見られる液体冷却時の過冷却現象が無（安
定的に熱を取り出せる、蒸気圧が低い、などの特性が要
求される。

現在のところ、電子レンジにより有効に加熱されうる性
質、及び蓄熱体として有効に作用しうる性質の双方を兼
ね備えた単一の材料は見出されていない。

また、蓄熱システムを電子レンジで加熱されうる材料、
例えば酢酸ナトリウム３水塩やポリエチレングリコール
のみにより構成し、該システムを電子レンジにより加熱
した場合、熱の利用時に結晶が生成しないなどのいわゆ
る過冷却現象が起り、熱を有効に取り出せないなど問題
が生しる。

（発明が解決しようとする課題） 従って、本発明は、蓄熱システムと一体化した加熱手段
を備える必要がなく、しかも蓄熱剤の混合、空気供給等
の操作が不要な蓄熱システムであって、電子レンジで加
熱でき、カイロとして使用した場合に、加熱時間を安全
側に制御でき、かつ、過冷却現象が生じ難い蓄熱システ
ムを提供することを目的とする。

（課題を解決するための手段） 上記の目的を達成するために、本発明の蓄熱システムは
、マイクロ波により加熱されうるポリエチレングリコー
ルを封入した電磁波透過性の第一の容器を、パラフィン
を封入した電磁波透過性の第二の容器内に収納してなる
ことを特徴とするがポリエチレングリコールは必ずしも
容器に入れなくてもよく、パラフィンと混合状態で第二
の容器に封入することもできる。

ポリエチレングリコールは、分子中にＯＨを有するため
、電子レンジのマイクロ波により加熱されることができ
、加温しても分解せず、蒸気圧も比較的低い。ただし、
低分子量のポリエチレングリコールにおいては分子量の
バラツキ等に起因する過冷却現象が認められる。また、
ポリエチレングリコールは、それ自体も大きな凝固潜熱
を有するため、システムの蓄熱量を大きくする上で有利
である。ポリエチレングリコールの融点は特に限定され
ず、利用温度により適宜選択されるが、本発明の蓄熱シ
ステムを携帯用カイロとして利用する場合、人の体温よ
りやや高い温度、例えば４３〜６０°Ｃの融点が好まし
い。このようなポリエチレングリコールとしては、分子
量１５００〜２００００の物がある。上記性質を備えた
材料であれば、ポリエチレングリコールの代わりに使用
することも可能である。

パラフィンは、蓄熱材として優れた性質を有するが、分
子中にＯＨ基を有しないため、マイクロ波により直接加
熱することはできないが、ポリエチレングリコールから
の顕熱、潜熱等で溶融させることができ、溶融型蓄熱材
として機能する材料である。また、パラフィンは凝固潜
熱が大きく、熱的に安定で分解せず、過冷却の問題を生
じないという蓄熱材として優れた性質を有する。パラフ
ィンの融点は特に限定されず、利用温度により選択され
るが、本発明の蓄熱システムを携帯用カイロとして利用
する場合、人の体温よりやや高い温度、例えば４４〜６
０°Ｃの融点が好ましい。また、ポリエチレングリコー
ルの融点より低い融点を有するパラフィンを組み合わせ
て使用することにより、人体への熱伝達をさらにマイル
ドなものとすることができる。なお、上記の蓄熱材とし
ての性質を備えた材料であれば、パラフィンの代わりに
使用することも可能である。

第−及び第二の容器は、電磁波透過性且つ熱伝導性の良
好な耐熱性材料、例えばガラス、プラスチック、シリコ
ン等よりなる。第一の容器の方がより高温に加熱される
ので、第二の容器よりも耐熱性に優れたものを使用する
ことが望ましい。第−及び第二の容器の形状は特に限定
されないが、例えば第一の容器の形状は両端がシールさ
れた筒状である。

第二の容器は、カイロとして使用する場合には、優れた
熱伝導性を有する材料、例えばポリプロピレンやＴＰＸ
　（飽和ポリエステル樹脂）が好ましい。

ポリエチレングリコールのみを蓄熱材として使用し、電
子レンジで加熱すると短時間で過加熱しやすく、しかも
、この熱を素早く吸収するものがないため、ついには容
器の耐熱限界を越えて容器に孔があくことがある。パラ
フィンを同時封入するとポリエチレングリコールの過熱
部分が早く吸収されることにより、これが防止されると
共に加熱時間の制御がやりやすくなる。

ポリエチレングリコールとパラフィンの量の関係は、例
えば分子量４０００のポリエチレングリコールと融点４
８〜５０°Ｃのパラフィンの場合重量比ｌ：３程度が良
く、その場合、ポリエチレングリコールは約１３０°Ｃ
に加熱されて、その保有熱でパラフィンの約８０％が溶
融する。

本発明の蓄熱システムは、例えば下記のように使用され
る。まず、本発明の蓄熱システムを電子レンジに入れ、
短時間（数分間）通電し、ポリエチレングリコールを溶
融させると共にこれを若干過加熱させ、融点より高い温
度まで温度上昇させる。加熱されたポリエチレングリコ
ールの顕熱及び潜熱は、パラフィンに伝達され、パラフ
ィンは電子レンジの中及び外で徐々に加熱されてその一
部又は全部が溶融する。溶融パラフィンはその後、固化
していく際に大量の凝固潜熱を放出し、保温材として機
能する。

本発明の蓄熱システムは、第一義的にはカイロとして使
用されるが、他の加熱目的に使用することも可能である
。

カイロとして使用する場合には、電子レンジで加熱した
容器を適当な保温材又は外装材にくるむのが好ましい。

（作用） 本発明の蓄熱システムにおいては、マイクロ波により、
第一の容器中のポリエチレングリコールが加熱される。

その後、ポリエチレングリコールの顕熱がパラフィンに
伝達されパラフィンが加熱されていく。一方、加熱され
た蓄熱システムが放熱する場合は、まずパラフィンが冷
却され、ポリエチレングリコールの顕熱がパラフィンに
伝達される。ポリエチレングリコールの温度が融点に達
すると徐々に凝固し、その際発生する大量の凝固潜熱も
パラフィンに伝達される。さらに温度が低下すると、パ
ラフィンも固化し始め、その際大量の凝固潜熱が発生す
る。この潜熱により蓄熱システムの急激な温度低下が防
止され、蓄熱システムの表面温度が長時間にわたって一
定温度に保たれ、保温効果を発揮する。

（実施例） 下記の第１表の性質を有するポリエチレングリコール及
びパラフィンを用いて、本発明の一実施例の蓄熱システ
ムを製造した。

ポリプロピレン製容器（縦１３０ｍｍ、横６０ｍｍ、深
さ２６ｍｍ）に下記の第１表に示す性質を有するパラフ
ィン１００ｃ＋ｆ７（８０ｇ）を入れ、パラフィン中に
下記の第１表に示す性質を有するポリエチレングリコー
ル１８ｃＩｌｌ（１６ｇ）を封入したガラス管（寸法　
外径１７ｍｍ、内径１３画、長さ１２０胴、両端をアル
ミニウムでシールしたもの）２本を浸漬させた。

容器を電子レンジ（出力５００Ｗ）に入れ、３分間通電
し、取り出した。ポリエチレングリコールの温度は約１
３０°Ｃであり、パラフィンは目視で約４０％が溶融し
た。さらに室内に１分間放置したところ、約８０容量％
のパラフィンが溶融した。

同一条件で電子レンジにかけた容器を厚さ８■のウレタ
ン製保温材で包んだところ、初湯５０°Ｃであったパラ
フィンは徐々に固化が進行し、保温材の表面温度４０°
Ｃ以上が６時間保持された。

第１表 化学式 ％式％） （発明の効果） 本発明の蓄熱システムは、電子レンジにより加熱され、
その後、長時間にわたって徐々に熱を放散し、良好な保
温効果を奏する。従って、蓄熱体と一体化した加熱手段
を備える必要がなく、しかも蓄熱剤の混合、空気供給等
の操作が不要である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　マイクロ波により加熱されうるポリエチレングリコー
   ルを封入した電磁波透過性の第一の容器を、パラフィン
   を封入した電磁波透過性の第二の容器内に収納してなる
   蓄熱システム。