JPH0478765B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、蓋付ケーソンを海底の所定位置に沈
設する際に使用する蓋付ケーソンの沈設用装置に
関するものである。

〔従来の技術〕

従来、蓋付ケーソンを海底に沈設する際には、
第５図の側面図及び第６図の平面図に示すような
複数の中空管５からなる浮力タワー１を沈設する
蓋付ケーソン２の上部に取付け、第４図に示すよ
うに、曳船５で蓋付ケーソン２の位置を調節しな
がら蓋付ケーソン２内に注水ポンプ６及び注水ホ
ース７により注水を行ない、蓋付ケーソン２を沈
設することが、ケーソン堤及びその構築方法に関
する特公昭61−32457の発明で知られている。

しかしながら、上記従来の装置では、曳船５で
蓋付ケーソン２の位置を調節するのが困難である
と共に、蓋付ケーソン２へ注水を行なうのに、水
中にある蓋付ケーソン２へ直に注水ポンプ６の注
水ホース７を接続するという水中での作業があ
り、所定の位置に確実に沈設するのが難しく、ま
た、作業性が良くないという問題があつた。

〔発明の解決しようとする課題〕

本発明は、前記従来の問題点を解決するために
なされたものであり、従来の施工に比べて確実
に、かつ容易に蓋付ケーソンを沈設可能な沈設用
装置を提供することを解決課題としたものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

上記の課題を解決するための手段として、本発
明の蓋付ケーソンの沈設用装置は、複数の中空の
鋼管を竪方向に立設してなるポンツーンの上部
に、アンカーワイヤー巻取用の複数のウインチを
設けると共に、これらの中空の鋼管の上端に、そ
の頭部を開閉する蓋部材を着脱可能に取付け、さ
らにこれらの鋼管の下端を、沈設しようとする蓋
付ケーソン内に開口してボルト・ナツトなどで着
脱可能に取付けることにより構成されている。

従つて、上記の沈設用装置を蓋付ケーソンの上
部に取付けた状態で所定の沈設位置に曳航し、中
空の鋼管を通じて蓋付ケーソン内に注水しながら
ウインチでアンカーワイヤーを巻取つて、所定の
位置に確実な沈設ができることになる。

〔実施例〕

以下図面を参照して本発明の実施例を説明する
が、第１図は本発明の一実施例における蓋付ケー
ソンの沈設用装置の側面図、第２図は第１図の平
面図、３−Ａ図から第３−Ｅ図は第１図の装置を
使用した沈設作業時の作業手順を説明する一連の
側面図である。

まず、第１図及び第２図に示すこの装置は、複
数の中空で下端が開放された鋼管１０を竪方向に
立設したポンツーン１１からなり、そのポンツー
ン１１の上部に、複数のウインチ、例えば本実施
例では４台のウインチ１２を設けている。

次に、これらの鋼管１０の頭部を開閉する蓋部
材１３が着脱可能に設けられており、さらに、上
記の下端が開放された鋼管１０は、沈設しようと
する蓋付ケーソン１４内にその下端を矢印Ｂのご
とく開口して、ボルト・ナツト１５によつて着脱
可能に取付けられるようになつている。

また、ポンツーン１１の鋼管１０には、防舷材
１６を取付けており、作業船１７のポンツーン１
１への接舷や固定を容易にしている。

次に、上記の構成からなる本発明の装置を使用
して蓋付ケーソン１４を沈設する作業手順を第３
−Ａ図から第３−Ｅ図までに従つて説明する。

まず、ドライドツクやケーソンバージ等で製作
された蓋付ケーソン１４の上部に、第３−Ａ図の
ごとく沈設用装置のポンツーン１１の鋼管１０の
下端を、ボルト・ナツト１５等で取付け、曳船５
にて沈設位置まで曳航する。

次に、第３−Ｂ図の沈設位置まで曳航したら、
複数のアンカー１８を打ち、各アンカー１８にそ
れぞれワイヤー１９を介して各ウインチ１２の巻
取りにより固定する。

さらに、第３−Ｃ図にて鋼管１０の頭部に設け
た蓋部材１３を開け、注水ポンプ６からの注水ポ
ンプ７をポンツーン１１の鋼管１０内へ挿入の上
固定して、蓋付ケーソン１４内へ注水を行ないな
がら、ウインチ１２でアンカー１８のワイヤー１
９を巻取り、所定の位置の捨石マウンド２０上へ
沈設する。

次に、第３−Ｄ図において、鋼管１０の頭部に
設けた蓋部材１３を開け、スラリー状の中詰砂Ｓ
をスラリーポンプ２１で注入し、蓋付ケーソン１
４内の余水Ｗを注水ポンプ６等を使つて排出し、
蓋付ケーソン１４内へ中詰砂Ｓが充填される。

以上のごとく沈設が終了したら、蓋付ケーソン
１４と、ポンツーン１１とを連結しているボル
ト・ナツト１５を取外し、鋼管１０の頭部の蓋部
材１３を閉め、鋼管１０内へ空気を注入してポン
ツーン１１に浮力を与えた後、第３−Ｅ図のごと
く曳船５によりこのポンツーン１１をケーソン製
作場所まで曳航し、そして、次の蓋付ケーソン１
４の沈設作業に繰返しこれを使用する。

なお、本実施例では、鋼管１０の周囲に防舷材
１６を取付けているので、中詰砂Ｓの注入時等に
作業船１７のポンツーン１１への溶接や固定が容
易になり、中詰砂の注入作業も容易に行なわれ
る。

〔発明の効果〕

以上に説明した本発明の沈設用装置によれば、
蓋付ケーソンを沈設する際に、アンカーワイヤー
をウインチで巻取ることにより蓋付ケーソンの沈
設位置を調整できるので、蓋付ケーソンを所定の
沈設位置に正確に沈設できるという効果がある。

また、鋼管の頭部に蓋部材を設け、水上から蓋
付ケーソン内へ注水及び中詰砂の注入がそこから
鋼管を通じて行なえるので、作業性がよく、能率
が向上するという利点がある。

さらに、蓋付ケーソン沈設後は、ポンツーンの
鋼管の頭部を閉め、鋼管内部に空気を注入するだ
けで、沈設用装置であるポンツーンに浮力を与
え、その移送が曳航により容易に行なえるという
利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における蓋付きケー
ソン沈設用装置の側面図、第２図は第１図の平面
図、第３−Ａ図から第３−Ｅ図は第１図の装置を
使用した沈設作業手順を説明する一連の側面図、
第４図は従来の蓋付ケーソンの沈設方法の説明
図、第５図は第４図に示す浮力タワーの拡大側面
図、第６図は第５図の平面図である。 １０……鋼管、１１……ポンツーン、１２……
ウインチ、１３……蓋部材、１４……蓋付ケーソ
ン、１５……ボルト・ナツト、１８……アンカ
ー、１９……ワイヤー。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 複数の中空の鋼管を立設してなるポンツーン
   の上部にアンカーワイヤー巻取り用の複数のウイ
   ンチを設けると共に、これらの鋼管の上端に蓋部
   材を着脱可能に取付け、さらに上記の鋼管の下端
   を蓋付ケーソン内に開口して着脱可能に取付けた
   蓋付ケーソンの沈設用装置。