JPH0475069B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は米麦などの穀類を整粒と細粒等に選別
分離し、その整粒を所定量づつ袋詰るための選別
装置に関する。

【従来の技術】

一般に、この種の選別装置としては、（第３図
参照）多孔壁選別筒１を回転自在に横架した横形
選別機２の一側に穀物タンク３を備えた揚穀機４
を立設し、前記穀物タンク３の下部に台秤５を設
けて関連的に連絡した選別装置が従来から多用さ
れている。該選別装置の多孔壁選別筒１の選別作
用は、第４図で示すとおり、多孔壁選別筒１に供
給された穀粒が筒底部に集積して形成した穀粒層
Ａを多孔壁選別筒１の回転により図の矢印Ｂで示
す回転方向に上送する間に、穀粒層Ａの上端側に
ある穀粒が雪崩状に流れて反対側の多孔壁面の所
定選別区域Ｃに流下し、その穀粒流動時に粒径の
小さい未熟粒などの細粒が該多孔壁面に設けた各
通孔から抜け出して機外に排除され、粒径の大き
い整粒は多孔壁選別筒１内部を低位側に流動して
筒端末部から排出される。第３図は掬上装置６に
よつて掬上げられた整粒が整粒取出口７から機外
に取出される構成である。この種の選別機は金網
の３分の１程度しか常時穀粒と接触しないため処
理能力が少ない。選別能率を増大するには、多孔
壁選別筒内の穀粒層Ａの雪崩れ現象を活発化する
と共に、前記選別区域Ｃの面積を大きくする必要
がある。そのために多孔壁選別筒は大きくなり装
置全体を大型化する欠点を有する。また第３図の
整粒の袋詰には、図示するように揚穀機４の上部
一側に吊架した穀物タンク３に整粒を貯留すると
共に、高位置に設けた前記タンクから排出して軽
量袋詰するので、穀物タンクの安定性の面から揚
穀機下部に広い基台を必要とする。また、選別機
から切離して別体に形成されるので、製作費を高
くすると共に、その運搬・組立等に多大な手数が
必要となる。そして、運転時には、その設置面積
が大きく一般農家での据付および運転作業に不便
である等の欠点を有していた。 一方、特開昭58−153562号公報に開示された縦
型粒体選別機が知られている。このものは、ケー
シング内に円筒状選別網体が装設されるととも
に、該選別網体の内部に揚穀用スパイラル翼付軸
が配設されている。そして、前記選別網体の下方
内部に通じる穀粒投入口から投入された穀粒はス
パイラル翼上に乗せられて選別網体内を上昇する
間に選別作用を受け、小粒は選別網体外に排除さ
れ、大粒のみが選別網体の上端部まで揚送されて
選別網体の上部側方に設けたホツパーに取出され
るものである。この縦型粒体選別機によれば、第
３図に示した選別装置における欠点の幾部かは解
消できるものの、上昇式選別網体であることか
ら、選別網体と揚穀用スパイラル翼付軸との間〓
を米粒の大きさより狭くするため砕粒を生じやす
いこと、機械停止時に選別網体内に相当量の残留
穀粒があるなどの新たな欠点を生じるものであ
る。

【発明が解決しようとする課題】

本発明は上記の諸欠点に鑑み、整粒取出用タン
ク部と竪形回転選別筒体部とを空間を介して上下
関係に配して一体化すると共に、上部に供給部
を、下部に排出部を設けて立設したので多孔壁選
別筒の略全周面に穀粒を均量的に、かつ螺旋状に
公転させながら流動して効率的な選別作用を実施
することができ、選別筒を可及的に小さくして装
置全体を小型に形設することにより、前述した従
来装置の欠点を解消することのできる穀類の竪形
選別装置を開発して提供せんとするものである。

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために本発明は、竪形機筒
の内部下方に多孔壁選別筒を回転自在に立設し、
該多孔壁選別筒の内部に螺旋状翼片を周囲に捲回
した回転筒体を嵌装し、前記多孔壁選別筒の上部
に設けた給穀部を前記竪形機筒の中間側壁部に設
けた供給口に連絡すると共に、前記選別筒の下部
に設けた整粒排出口と前記竪形機筒の上端部に設
けた整粒取出用タンク部とを竪形機筒に添設した
揚穀機によつて連絡するという技術的手段を講じ
た。

【作用】

供給口から供穀部に供給された被選別穀粒は、
差速回転する多孔壁選別筒と回転筒体とで構成さ
れる空間部に流入する。この穀粒は回転筒体の回
転により下部への輸送作用と遠心力を受け、多孔
壁選別筒に接触し、攪拌されながら次第に下降す
る。そして、多孔壁選別筒に接触した穀粒のうち
細粒は多孔壁選別筒１の通孔を通り抜けて細粒室
に集められ細粒排出口から機外に排出される。一
方、多孔壁選別筒に接触しても通孔を通り抜けな
い整粒は、多孔壁選別筒の下端へと移送された
後、整粒掻出用翼車で整粒排出口に掻出され揚穀
機を介して整粒取出用タンクに一時貯留される。

【実施例】

本発明を実施例図について説明する。第１図を
参照して、竪形機筒８の内部に多孔壁選別筒９を
回転自在に立設すると共に、該選別筒９の内部に
螺旋状翼片１０を周囲に捲回した回転筒体１１を
嵌装する。この回転筒体１１は、下部劃壁板１２
に固着した電動機１３によつて回転する整粒掻出
用翼車１４に一体的に連結されて回転し、多孔壁
選別筒９は、上部劃壁板１５に固着した電動機１
６によつて回転する回転輪１７に一体的に連結さ
れて前記回転筒体１１と差速を有して回転する。
電動機１６の側部に穀粒を選別筒９内に供給する
給穀部１８を設けると共に、該給穀部１８を前記
機筒８の中間側壁部に設けた供給口１９に連絡す
る。また、多孔壁選別筒９の周囲には細粒室２０
を設けると共に、選別筒９の外周下端部に複数個
の細粒掻出用翼片２１……を固着し、細粒室２０
の下部一側に細粒排出口２２を設ける。また、選
別筒体９内部下方には、整粒掻出用翼車１４によ
つて集められた整粒を下部劃壁板１２を貫通して
排出する整粒排出口２３を設け、この整粒排出口
２３と前記機筒８の上端部に設けた整粒取出用タ
ンク部２４とを整粒粒下路２８及びバケツトコン
ベアから成る揚穀機２５によつて連結する。前記
整粒取出用タンク部２４には、自動排出弁２６を
備えた整粒排出樋２７を設けると共に、この排出
弁２６は、下部に設ける秤量装置（図示してな
い）の穀粒重量の測定信号によつて開閉するよう
に構成される。２９は整粒取出用タンク部２４内
に設けた整粒拡散案内板、３０は供給口１９に設
けた上下動する開閉板、３１は開閉板３０に設け
たスロワー用開窓、３２は整粒排出樋２７を上下
動する樋体案内装置である。 次に、上述の構成における作用を説明する。図
外の穀粒用スロワー（例えば、籾摺選別装置に設
けた玄米排出用スロワー等）の送穀管を竪形機筒
８の供給口１９に設けたスロワー用開窓３１に嵌
挿し、籾摺選別装置で選別されら穀粒（玄米）を
揚穀して給穀部１８に供給する。給穀部１８内に
供給された穀粒は、回転筒体１１の回転により螺
旋状翼片１０の上端部から流入すると共に、その
穀粒は回転する翼片面との接触により遠心力を受
け、外周に設けた多孔壁選別筒９面側に偏流し多
孔壁選別筒内面に接触しながら傾下状に旋回して
下方の排出側に流動する。この穀粒の旋回流動行
程において、（第５図参照）多孔壁選別筒９面に
接触した穀粒のうち粒径の小さい細粒（未熟粒、
砕粒等）は、多孔壁選別筒９に設けた多孔壁の通
孔から遠心力によつて抜け出して細粒室２０に流
出する。一方、粒径の大きい整粒は、回転する多
孔壁選別筒９との接触による摩擦力により筒体１
１側に押返されて点線矢印のように翼片面上で攪
拌作用を受け多孔壁選別筒９面に接触した細粒
は、遠心力によつて前記同様に通孔から細粒室２
０に流出する。この選別作用を継続的に繰返し受
けて多孔壁選別筒９内に残つた整粒は下降して多
孔壁選別筒９底部に集積すると共に、該底部で回
転する整粒掻出用翼車１４によつて整粒排出口２
３から排出される。また、前記細粒室２０の底部
に集積した細粒は選別筒９と共に回転する細粒掻
出用翼片２１によつて細粒排出口２２から機外に
排出されることになる。前記整粒排出口２３から
流出する整粒は、整粒流下路２８を流れて揚穀機
２５下部の供給部に流入すると共に、バケツトコ
ンベアの回転によつて機筒８上部に設けた整粒取
出用タンク部２４に揚穀供給されて貯留される。
そして整粒を袋詰する場合は、前述した従来装置
と同様に整粒取出用タンク部２４に設けた整粒排
出樋２７の自動排出弁２６を下部に設けた秤量装
置（図示してない）の重量検出部の信号によつて
開閉し、整粒を適宜に排出して包装用袋に袋詰め
する。 なお、前記多孔壁選別筒は、穀粒の粒子形状に
よつては、回転を停止して選別作用を実施する場
合があり、また前記螺旋状翼片１０には穀粒の公
転攪拌作用を促す条溝または突脈等を設ける場合
がある。

【発明の効果】

本発明の穀類の竪形選別装置は、整粒取出用タ
ンク部と回転選別筒体部とを空間を介して上下関
係に配して一体化すると共に、上部に供給部を、
下部に排出部を設けて立設したので多孔壁選別筒
の略全周面に穀粒を均量的に、かつ螺旋状に公転
させながら流動して効率的な選別作用を実施で
き、選別筒を可及的に小さくして装置全体を小型
に形設できると共に揚穀方式選別筒のもつ細粒発
生や残留穀物排出機能などの前述した従来装置の
欠点を完全に排除でき、その構造を一体的に簡潔
化して製作費を廉価にできると共に、その据付・
運搬等を容易にし、袋詰作業を簡易化にして一般
農家での利用を便益にする等の効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本装置の側断面図、第２図は本装置の
一部を切開した平面図、第３図は従来装置の側面
図、第４図は従来装置の選別筒の断面図、第５図
は本装置の選別筒の断面図である。 １……多孔壁選別筒、２……横形選別機、３…
…穀物タンク、４……揚穀機、５……台秤、６…
…掬上装置、７……整粒取出口、８……竪形機
筒、９……多孔壁選別筒、１０……螺旋状翼片、
１１……回転筒体、１２……下部劃壁板、１３…
…電動機、１４……整粒掻出用翼車、１５……上
部劃壁板、１６……電動機、１７……回転輪、１
８……給穀部、１９……供給口、２０……細粒
室、２１……細粒掻出用翼片、２２……細粒排出
口、２３……整粒排出口、２４……整粒取出用タ
ンク部、２５……揚穀機、２６……自動排出弁、
２７……整粒排出樋、２８……整粒流下路、２９
……拡散案内板、３０……開閉板、３１……スロ
ワー用開窓、３２……樋体案内装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 竪形機筒の内部下方に多孔壁選別筒を回転自
   在に立設し、該多孔壁選別筒の内部に螺旋状翼片
   を周囲に捲回した回転筒体を嵌装し、前記多孔壁
   選別筒の上部に設けた給穀部を前記竪形機筒の中
   間側壁部に設けた供給口に連絡すると共に、前記
   多孔壁選別筒の下部に設けた整粒排出口と前記竪
   形機筒の上端部に設けた整粒取出用タンク部とを
   竪形機筒に添設した揚穀機によつて連絡したこと
   を特徴とする穀類の竪形選別装置。