JPH0472178B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、地下タンクの残存液量を測定する装
置に関する。

（従来技術） 地下タンクに収容された燃料油等の残量測定に
は、フロート式や静電容量式等の液面計を使用し
て行われるが、タンク内にフロートや電極を設置
するために立上管等の付帯工事を必要とし、設置
にコストがかかるばかりでなく、保守や管理が面
倒であるという問題があつた。

（目的） 本発明はこのような問題に鑑み、ポンプと地下
タンクに接続するパイプに作用する負圧を測定す
ることにより、液量測定手段を挿入する立上管等
の付帯設備を不要とした新規な液量測定装置を提
供することを目的とする。

（実施例） そこで、以下に本発明の詳細を図示した実施例
に基づいて説明する。

第１図は、本発明の実施例を示す装置の構成図
であつて、図中符号１は、地下タンク２と計量機
３を接続する吸上管で、下端をタンク２の底部に
配設し、上端にチエツク弁４を介して給油ポンプ
５の吸込口に接続されている。このチエツク弁４
には第２図に示したようにその基体４ａに吸上管
１と連通する通孔４ｂを穿設して負圧検出器６を
気密状態となるように取付け、吸上管１に作用す
る負圧検出して電気信号に変換するように構成さ
れている。７は、負圧検出器６からの信号に基づ
いてタンク２内の燃料油量を表示する残存液量表
示装置である。なお、図中符号８は、ノズルスイ
ツチ９により駆動−停止するポンプ駆動用モータ
を、１０はポンプ５からの吐出流量を測定してパ
ルス発信器１１により計量パルスを出力する流量
計を、１７は給油ノズルを、１８は給油量表示計
をそれぞれ示している。

図３は、前述した残存液量表示装置の実施例を
示すもので、図中符号１２は、中央処理装置（以
下、CPUと呼ぶ）で、インターフエイス１３に
よりデイジタル信号に変換した負圧検出器６から
の信号と、計量機３からの流量パルス信号を取込
み、流量パルス信号により求められる流速Ｖと負
圧Pvの関係、及び吸上管１に作用する静水頭負
圧Phと残存液量Ｑの関係を表わす関係式、及び
演算プログラムを格納したROM１４のデータに
基づいて残存液量Ｑを算出して表示計１５に表示
するように構成されている。なお、図中符号１６
は、レジスタを構成するRAMを示している。

次に、このように構成した装置の動作を第５図
に示したフローチヤートに基づいて説明する。

装置を作動すると、ポンプ５が駆動されていな
い状態では負圧検出器６には、チエツク弁４から
タンク液面までの水頭ｈによる静水頭負圧Phが
作用する。

この静水頭負圧Phは、負圧検出器６により電
気信号に変換され、インターフエイス１３により
デイジタル信号に変換されてCPU１２に入力す
る。チエツク弁４とタンク２の底部までの高さＨ
と吸上管１内の水頭ｈとの差Ｈ−ｈは、タンク２
内の液面レベルに反比例するから、ROM１４に
格納された静水頭負圧Phと残存液量Ｑの関係に
基づいてタンク２の残存液量を求め、これを表示
計１５に表示する。またこの残存液量Ｑは、予め
設定した最小液量及び最大液量と比較されて、最
小液量値を下回つている場合には、タンクへの燃
料油の補給を促し、また最大液量値を上回つてい
る場合にはタンクへの燃料油の補給中止を指令す
る。

次に、ノズルスイツチ９をONにして給油を開
始すると、タンク２の燃料油はチエツク弁４、吸
上管１を介して吸上げられてノズル１７から自動
車燃料タンクに給油される。この燃料油の流れは
負圧Pvを発生させて、タンク２の残存液量Ｑに
応じた静水頭負圧Phが作用している負圧検出器
６に負圧Pvを作用させる。

給油動作による計量器３からの流量パルス、つ
まり繰り返し周波数が流速に比例するパルス信号
は、CPU１２に入力してROM１４に格納されて
いる吸上管１の流速Ｖと、この流速Ｖによる負圧
Pvとの関係（第４図Ａ）を示すデータに基づい
て、負圧Pv（いわゆる速度水頭圧）に変換され
る。ついで負圧検出器６により測定された負圧、
つまり全水頭圧Ｐ（静水頭による負圧Phと流れに
よる負圧Pvとの合計）から、流れによる負圧Pv
分を差し引いた静水頭圧Phの値が算出させる。
いうまでもなく静水頭圧Phは、タンク２の残存
液量Ｑに反比例するから（第４図Ｂ）、タンク２
の液量Ｑが求まることになる。このような工程を
一定周期で繰返しながらタンクの液量Ｑを時々
刻々に表示器１８に表示する。

ところで、第４図Ａに示した線図は、内径７cm
の吸上管１の流速（cm／秒）とこの流れによる負
圧（Pa＝0.986／100000atm）の関係を示すもの
で、毎分50リツトルの流量で給油を行うと、燃料
油は、流速120cm／秒で吸上管１を流れ、1.77Pa
程度の負圧を発生することを示している。

なお、この実施例においては、負圧検出器６を
チエツク弁４の基体に取付けているが、チエツク
弁４とタンク最大液面の範囲内ならばいずれの箇
所に設けても同様の作用を奏する。

また、この実施例においては、給油に伴つて発
生する負圧Pvを計量機の流量計からの流量パル
スにより求めているが、燃料油の流れによつて生
じる負圧だけを検出できる測定手段を別に設けて
もよい。

さらに、この実施例においては、残存液量表示
装置を独立して設けたが、計量機本体に組込むこ
とにより計量機の機能向上を図ることができる。

（発明の効果） 以上、説明したように本発明によれば、タンク
から計量機に至る吸上管の水頭による負圧を検出
するようにしたので、液面検出手段を用いる必要
がなく、タンク液量測定用の検尺棒挿入用の立上
管が不用となり、極めて安価にタンク内の残存液
量を測定することができるばかりでなく、吸上管
やチエツク弁の洩れを簡単に検出することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す装置の構成
図、第２図は、同上装置におけるチエツク弁の断
面図、第３図は、残存液量表示装置の一実施例を
示す回路のブロツク図、第４図Ａ，Ｂは、それぞ
れ吸上管を流れる燃料油の流速と負圧との関係、
及び静水頭負圧と残存液量の関係を示す線図、及
び第５図は、同上装置の動作を示すフローチヤー
トである。 １……吸上管、２……地下タンク、３……計量
機、４……チエツク弁、５……チエツク弁、６…
…負圧検出器、７……残存液量表示装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 地下タンクから液体を汲み上げるポンプの吸
   上管の上端部に連通させて設けた負圧検出手段
   と、該負圧検出手段からの信号により静水頭を求
   め、前記静水頭に基づいて前記地下タンク内の残
   存液量を演算する手段とからなる地下タンクの残
   存液量測定装置。