JPH046618Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 近年の外食産業の発展の中、ハンバーガーシヨ
ツプ、ドーナツツシヨツプ等のフアーストフード
店の店舗数も増加しており、これらの店舗では、
ハンバーガーやドーナツツ等の食料品の他、シエ
イク、コーヒー、コーラ等の飲料品も販売されて
いる。

上記の飲料品のうち、シエイクは、ミルク、ク
リーム、砂糖、香料等からなる原料液に空気を微
細な泡として均一に分散させた滑らかな舌触りの
冷たい飲料品で一般的には原料液を大形容器中で
高速攪拌して生成した飲料を小形容器に分注して
販売することが行われているが、分注すること
や、使用後容器の洗浄に多大の工数を要するもの
であり、またシエイクした飲料を長時間放置する
と上記泡が消えて目減りし風味を損なうため、販
売の都度、１杯ずつ作られることも行われてい
る。具体的には、第６図に示すように、上記原料
液を入れたカツプ１をテーブル等に固定されたミ
キサ（図示せず）の下方に持つて行き、ビーター
と称されるミキサーの攪拌羽根Ｂをカツプ１内に
位置させ、上記ビーターＢを回転させることによ
り、上記カツプ１内の原料液を攪拌し、シエイク
する。そして、第７図に示すように上記カツプ１
の開口に蓋体２を嵌着し、上記カツプ１を蓋して
購入者に手渡される。尚、上記カツプ１の上縁は
外側にロール状に巻かれており、このロール状部
３に、上記蓋体２の外周に形成したリム部４を係
合させることにより、上記蓋体２はカツプ１に嵌
着されており、上記カツプ１が多少傾いても内容
物が器外に溢れるのが防止されている。

そして、購入者がシエイクを飲むときには第８
図に示すように、上記蓋体２の上面に形成した十
文字の切込み５にストロー７の一端を押し付ける
ことにより、ストロー７を蓋体２に貫通させてい
る。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、上記カツプ内でシエイクを作る際
に、カツプ容器が液量に対して著しく余裕がない
限りビーターの高速回転によつて上記原料液ある
いはシエイクがカツプ外へ溢出・飛散して減量す
るので充填液に対するカツプのスペースフアクタ
ーが悪く、またこの飛沫がカツプの縁に付着した
り、更にはこの縁から外側に垂れてカツプを汚
し、見栄えも悪く、しかも不衛生で商品性に問題
があつた。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は上記問題点に鑑みてなされたもので、
カツプ内に収容した原料液を、ミキサーの攪拌羽
根によつて攪拌して飲料液を形成し、飲用に供す
る容器において、ドーム形状をなし、頂部にミキ
サーの攪拌羽根Ｂを挿入しうる寸法で、周縁に内
側に向けて凹入した補強リム部１６を形成した開
口穴１２を穿設し、内側面に周方向に一定間隔で
上下方向に延びる複数本の補強リブ１４を設け、
端縁外周にリム部１５を形成した蓋体１１と、中
央部に十文字の切込み２３が形成され、前記蓋体
１１の開口穴１２に嵌脱される副蓋２０と、開口
端縁外側に上記蓋体１１のリム部１５と嵌合する
ロール状部３を形成したカツプ１０とを組合せて
なる飲料用蓋付き容器である。

［作用］ 本考案に係る飲料用蓋付き容器は、蓋体をカツ
プに嵌め込んだ状態で、この蓋体の開口穴からミ
キサーの攪拌羽根を挿入して内部の原料液を攪拌
するため、飲料がカツプ外へ飛散することを防止
でき、更に、上記開口穴に副蓋を嵌め込むことに
より、密閉容器とすることができる。

［実施例］ 第１図乃至第５図は、本考案に係る飲料用蓋付
き容器の一実施例を示すものである。

図面において、１０は前述と同様のカツプ、１
１は蓋体、１２は蓋体１１の開口穴を示す。

上記蓋体１１はドーム形状をなす樹脂成形品
で、内側面には上下方向に沿う補強リブ１４が周
方向に一定間隔で複数本（本実施例では８本）形
成されており、下縁周縁部には、上記カツプ１０
開口縁のロール部３と係止し得る前述同様のリム
部１５が形成されている。

上記開口穴１２は、上記主蓋１７の略頂部に円
形形状に形成されたもので、この開口穴１２の径
は、前記ミキサーの攪拌羽根、即ち、ビーターＢ
を挿入し得る寸法に設定してあり、上記開口穴１
２の周縁には、内側に向けて凹入した補強リム部
１６が形成されている。

以下に上記構成の容器の使用要領および機能に
ついて説明する。

先ずカツプ１０にシエークの原料液を所定量入
れ、上記カツプ１０の上縁に蓋体１１を被せ、上
記カツプ１０のロール部３と上記蓋体１１のリム
部１５との嵌合により上記蓋体１１をカツプ１０
に係止する。

次に第４図に示すように上記蓋体１１の開口穴
１２からビーターＢを挿入して内部の原料液を攪
拌し、原料液中に空気を微細な泡として分散させ
てシエークとする。このとき、上記原料液あるい
はシエークが蓋体１１内周面に沿つて這い上つて
も開口穴１２周縁の補強リム部１６により外部へ
溢出することは阻止され、またビーターＢによつ
て飛沫となつて飛散しても、上記カツプ１０の内
周面並びに蓋体１１の内側面に付着するのみで、
器外への飛散が防止される。また、上記の蓋体１
１の内面に上記シエークあるいは原料液が付着し
たとしても、上記蓋体１１は側面に上下方向に延
びる補強リブが周方向に一定間隔で複数本形成さ
れたドーム形状をしているため、付着液はカツプ
１０内に速やかに流下し、見栄えのよい状態を保
つことができる。

尚、上記蓋体のドーム形状の高さは、カツプの
容量、充填される飲料の量、飲料の粘度、ビータ
ーの形状や回転速度などにより、実験的に決定さ
れる。

つぎに、第１図乃至第３図に示すように、蓋体
１１頂部の開口穴１２に副蓋２０を嵌着してこの
開口穴１２を閉鎖する。

上記副蓋２０は、上記開口穴１２に嵌合し得る
寸法形状の樹脂成型品で、周壁２１は下方に向け
て僅かに大径となるテーパ面に形成され、この周
壁２１の上端外周には、上記開口穴１２より大径
のフランジ部２２を形成して、上記開口穴１２に
嵌合させた際に内部に落ち込まないようにしてあ
る。

更に、上記副蓋２０の中央部には、前述同様に
ストロー差込み用の十文字の切込み２３が形成さ
れている。

このように、蓋体１１の開口穴１２を副蓋２０
で閉塞することにより、カツプ１０は完全に封止
することができるため、容器からの内容物の洩れ
が防止できると共に、容器内への塵等の侵入が防
止される。

このことは、上記シエークを客が持ち帰る場合
や車中等で飲用する場合に好適な容器であること
を意味している。

上記容器内の飲料を飲む際には、第５図に示す
ように副蓋２０に形成した十文字の切込み２３周
辺を下方に押し曲げることにより、上記ストロー
７を差込み、内容液を飲めばよい。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案に係る飲料用蓋付
き容器は、蓋体をカツプに嵌め込んだ状態で、こ
の蓋体の開口穴からミキサーの攪拌羽根を挿入し
て内部の原料液を攪拌するため、飲料が器外へ溢
出飛散することなく、更には気泡の発生により液
が増量しても蓋体が形成する空間内にも収容出来
るのでスペースフアクター良く充填出来、見栄え
が良く、しかも衛生的であり、更に、上記開口穴
に副蓋を嵌め込むことによりカツプを完全に蓋す
ることができるため、容器からの内容物の洩れが
防止できると共に、塵等の侵入が防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第５図は、本考案に係る飲料用蓋付
き容器の一実施例を示すもので、第１図は全体斜
視図、第２図は第１図の分解斜視図、第３図は第
１図の要部の縦断側面図、第４図並びに第５図は
上記飲料用蓋付き容器の利用方法を説明するため
の斜視図である。第６図乃至第８図は、在来の飲
料用蓋付き容器の一例を示すもので、夫々は、在
来の蓋付き容器における利用方法を説明するため
の斜視図である。 １０……カツプ、１１……蓋体、１２……蓋体
の開口穴、２０……副蓋、Ｂ……ミキサーの攪拌
羽根（ビーター）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カツプ内に収容した原料液を、ミキサーの攪拌
   羽根によつて攪拌して飲料液を形成し、飲用に供
   する容器において、ドーム形状をなし、頂部にミ
   キサーの攪拌羽根を挿入しうる寸法で、周縁に内
   側に向けて凹入した補強リム部を形成した開口穴
   を穿設し、内側面に周方向に一定間隔で上下方向
   に延びる複数本の補強リブを設け、端縁外周にリ
   ム部を形成した蓋体と、中央部に十文字の切込み
   が形成され、前記蓋体の開口穴に嵌脱される副蓋
   と、開口端縁外側に上記蓋体のリム部と嵌合する
   ロール状部を形成したカツプとを組合せてなる飲
   料用蓋付き容器。