JPH0463552A - 養殖動物の体色又は肉色改善用組成物及び動物の養殖方法 - Google Patents

養殖動物の体色又は肉色改善用組成物及び動物の養殖方法

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JPH0463552A
JPH0463552A JP2174141A JP17414190A JPH0463552A JP H0463552 A JPH0463552 A JP H0463552A JP 2174141 A JP2174141 A JP 2174141A JP 17414190 A JP17414190 A JP 17414190A JP H0463552 A JPH0463552 A JP H0463552A
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JP
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oil
astaxanthin
squid
composition
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JP2174141A
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Hiroshi Miura
弘 三浦
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は養殖動物の体色又は肉色の改善に優れた効果を
示し、養殖動物の商品価値を高め得る養殖動物の体色又
は肉色改善用組成物に関し、更にかかる組成物を用いた
動物の養殖方法に関する。
〔従来の技術及びその課題〕
近年、特に、高級魚介類、甲殻類などの需要が高まる一
方、漁獲海域の制約などもあって、高級魚介類の養殖に
よる生産が次第に盛んになり、養殖は水産業において重
要な役割を担うに至っている。
また、高級泊向が高まるにつれ、魚介類の鮮度や肉質だ
けでなく、肉色、体色などの外観も商品価値を大きく左
右するようになってきた。
外観は主として、形と色より成っているが、体表及び筋
肉の色調は外観を構成する重要な要素となっている。
水産動物の体表及び筋肉に存在する色素は、化学構造か
ら分類すると、カロチノイド群、胆汁色素群、ナフトキ
ノン系色素群、メラニン、プテリジン系色素群、その他
の色素に大別される。
カニ、クルマエビなどの甲殻類、マダイ、錦ゴイ、キン
ギョ、サケ、マス類の体色及び肉色などの赤色系の色、
及びブリの表皮の色などはいずれもカロチノイド群の色
素に由来する。
水産動物に良く見られるカロチノイドには、β−カロチ
ン、ルティン、ゼア−1サンチン、ツナキサンチン、ア
スタキサンチンなど現在までに多くのものが知られてい
る。
魚介類の体色等を彩る赤色系の色の主カロチノイドはア
スタキサンチンであり、ブリの表皮の色などはツナキサ
ンチンが色素源であることが知られている。また、水産
動物の体色、肉色は主カロチノイドの他にいくつかのカ
ロチノイドによって独特の色を形成していることが多い
しかし、魚介類などはいずれもカロチノイドを生合成で
きないので、餌からカロチノイドを摂取している。
クルマエビ、キンギョ、ヒゴイなどは、餅から摂取した
前駆体となるカロチノイドからアスタキサンチンへの代
謝も可能であるが、マダイ、サケ、マス類などは、他の
カロチノイドからアスタキサンチンへの転換能を欠くた
め、体色等の改善には、アスタキサンチンを含む餌から
直接アスタキサンチンを摂取させることが必要である。
一方、ブリは前駆体であるアスタキサンチンからツナキ
サンチンへの転換能を有する。
従って、ブリにはツナキサンチン又はアスタキサンチン
を含んだ飼料の給餌が有効であることが知られている。
以上のようにアスタキサンチンは体表の色又は肉色の改
善に重要な役割を担っている。
色素を含む飼料の給餌による蕃殖魚の色調の改善は、−
船釣には色揚げと称されている。
色揚げに用いられるアスタキサンチン源の主なものとし
ては、カニ殻、ブリガニ、南極オキアミ、イサザアミの
生又は冷凍品、それらのミール、乾燥品、及びそれらの
色素抽出油、ホヤの被嚢などがある。最も一般的には、
オキアミ類のミール、アミ類、ブリガニなどの色素抽出
油、アミ類の生又は冷凍品が用いられている。
乾燥品ではその効果が低いため、特別に製造されるアミ
類のミール、それらの生又は冷凍品が主に使用されてい
る。また、植物性のアスタキサンチン色素源としては、
パプリカ、ホウセン力などが挙げられる。
しかし、経済性、原料供給の安定性、原料中のアスタキ
サンチンなどの色素源の貯蔵安定性などには、それぞれ
に一長一短がある。例えば色揚げの目的達成のために生
又は冷凍のアミ類を大量給餌すると、栄養素のバランス
を保ち難くなり、さらにその鮮度にもよるが、いわゆる
アミ臭が養殖魚に転移して著しく商品価値を損なうなど
の問題が生ずることになる。
最近、ファフィアなどアスクキサチン生産酵母による色
挙げの研究やヘマトコッカスなどの微細藻類によるアス
タキサンチンの生産等も研究されているが、十分実用化
できる段階には至っていない。
また、アスタキサンチン及びカンタキサンチンの合成も
試みられている。このうち、合成カンタキサンチンは、
欧米等ではサケ、マス類の色揚げに利用されるようにな
ってきた。この合成カンタキサンチンは天然のアスタキ
サンチンより安価ではあるが、養殖業界では天然指向が
強いこと、また、カンタキサンチンによる色揚げでは天
然の肉色より橙色が強くなり、天然品とはやや異なる不
自然な色相を呈することなどから実用的ではない。また
、カンタキサンチンはその分子内に水酸基をもたないた
め、肉タンパク質との結合性が弱く、調理加工時におけ
る色調の安定性に劣るなどの問題点が認められている。
動植物中に存在する天然のアスタキサンチンは、高級脂
肪酸とのジエステル型又はモノエステル型及び遊離型の
三つに大別される。またタンパク質と結合した色素タン
パクとしても存在する。さらにアスタキサンチンには三
種の立体異性体も存在する。アスタキサンチンの保存安
定性は、ジエステル型が良く、遊離型は劣る。
しかし、いずれにしてもアスタキサンチン等のカロチノ
イド系色素は不安定な物質であり、酸化又は分解しやす
く、酸素存在下、熱、光、特に紫外線、その他酸などに
より非常に変質しやすい物質であることが知られている
従って、動植物からの色素の分離工程、精製工程、貯蔵
条件やそれらの期間など実際に利用するまでの一連の過
程で品質保持に十分留意する必要がある。
カロチノイド系色素の分子構造は、多くの二重結合を有
する長鎖の炭化水素の部分構造をもつことから、一般的
には油溶性であり、動植物油、アルコール類、アセトン
などのケトン類、エステル類、エーテル類、クロロホル
ムなどのハロゲン化炭化水素等の有機溶媒に熔は易く、
水には溶は難い。
動植物からのカロチノイドの分離は、直接油分として分
離する、油分の少ないものは動植物油で色素骨を抽出す
る、又は有機溶媒等で油分などと共に抽出するなどの方
法が採用されている。色素抽出に用いられる油は最も一
般的にはタラ肝油が挙げられ、その他にイワシ油、大豆
油等が挙げられる。動植物からの色素源は乾燥品(例え
ばミール)では色揚げ効率が悪いので通常は上記油で抽
出し、色素を含むワイドオイルの形態で商品化されてい
る。
養殖動物の色揚げは、カロチノイド系色素を飼料中に混
合して給餌し、摂取させることによって実施されている
。これを効果的、経済的に有利に、出来るだけ短時間に
所定通り色揚げできることが望ましい。
しかるに、飼料中のカロチノイド系色素の濃度が、一定
濃度以下では、長期間、例えば4ケ月以上飼育しても養
殖動物の体色又は肉色を実質的に改善することは不可能
である。一般的には色素源としてアスタキサンチンを用
いる場合、飼料中に20 ppm以上、望ましくは40
〜150pp+n含有させ、1〜3ケ月間程度飼育する
ことによって、十分な色揚げ効果を得られることが知ら
れている。また、アスタキサンチン給餌量に対し生体中
に蓄積される量は、そのうちの極く一部の量にすぎない
ことも知られている。しかし、生体内でのカロチノイド
の吸収、代謝などについて研究は進んでいるが、現在に
至っても未解明の点も多い。
色揚げに関してはマダイのような体色改善と、サケ、マ
スなどの肉色改善の何れの場合でも飼料中のアスタキサ
ンチン含有量及び飼育期間はほぼ同じであることは既に
研究されている。
養殖動物の色揚げに関しては、一定濃度以上のカロチノ
イド系色素源を経済的に有利にかつ安定的に得られるこ
とと給餌したカロチノイド系色素の生体内で吸収、蓄積
効率をいかに高めるかが当面する大きな課題であり、そ
のような組成物或いは養殖方法の開発が強く望まれてい
るところである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは上記現状に鑑み、養殖動物の生体内で吸収
、蓄積効率を高め、経済的に有利に色揚げできる方法を
開発し、商品価値の高い養殖魚類等の生産に寄与するこ
とを目的に鋭意研究した結果、本発明を完成するに至っ
た。
すなわち本発明は、アスタキサンチンを主成分とするカ
ロチノイド系色素を20ppm以上含有するイカ油から
なる養殖動物の体色又は肉色改善用組成物、及びかかる
組成物を含有する飼料を給餌することを特徴とする動物
の養殖方法を提供するものである。
本発明の組成物はアスタキサンチンを主成分とするカロ
チノイド系色素の濃度が20ppm以上のイカ油を単独
で、或いはイカ油中のカロチノイド系色素濃度が低い場
合はこれに更にその他の色素源より抽出されたカロチノ
イド系色素を添加してなる。
本発明の組成物を用いた養殖方法は、従来のように植物
油、例えば大豆油や、動物油、例えばタラ油(タラ肝油
)、イワシ油等とカロチノイド系色素からなる組成物を
給餌した場合に比べ、著しく効率の良い色揚げを可能と
する。
例えば、飼料中の色素濃度を同一にした場合は、色揚げ
に要する期間が1/2〜1/3となる。また、飼料中の
色素濃度が低く、これまで3ケ月程度の飼育期間では色
揚げ効果が実質的に認められないような濃度であっても
色揚げが可能となる。従って、天然物から得られる色素
源で、これまで色素濃度が低いために利用困難であった
ものも利用可能となる。例えば飼料中のカロチノイド系
色素、特に主成分であるアスタキサンチンの濃度が10
〜15ppmでも2〜2.5ヶ月で十分な色揚げ効果が
認められ、本発明以外の組成物では15ppmで2.5
ケ月飼育してもわずかに効果が認められる程度であり、
20ppmの場合でも2.5ケ月後においても色揚げの
効果は不十分であった。
イカ油はその大部分が内臓に存在している。
通常イカ油は加工時に排出される内臓を80°C以上1
00°C前後の温度で加熱処理を行なってタンパク質を
変性した後、タンパク質を固形物として分離し、また液
相骨を油と水層に分離して得られる。
イカ油の製法は上記の方法に限定されるものではなく、
より好ましくは高温処理工程のないものである。高温処
理工程があるとその処理方法にもよるが、イカ油の変質
劣化が起こる。高温処理を行なわずにイカ油を製造する
方法としては例えば次の方法が挙げられる。
即ち、新鮮なイカ内臓に有機酸(低級カルボン酸01〜
.)、又は無機酸(リン酸、硫酸、塩酸など)を加えp
Hを1.5〜5.O1更に好ましくは2.0〜4.5に
調整するか、これらの酸の塩類、例えば塩化ナトリウム
を3.0〜25%、好ましくは10〜20%添加するか
、又はソルビン酸ないしソルビン酸カリウムを0.01
〜1.0%の範囲で添加する等の方法によりイカ内臓の
自己分解(又は自己消化)を開始又は促進させ、更に抗
カビ剤等を添加し、5〜60°Cで十分自己分解させ液
化する。イカ油の製造に用いられる有機酸としては少量
でpHを所望に調整できるギ酸が最も好ましく、無機酸
ではリン酸が好ましい。
自己分解を行なう温度が低いと分解時間が長くなり、ま
た70°C以上の温度では自己分解に必要な酵素が失活
する。従ってより好ましくは20〜40°Cである。自
己分解を行なっている間、原料の攪拌は連続して或いは
時々攪拌する程度でも良い。
上記の条件で1〜10日間でイカ内臓をスラリー状液化
物(フィッシュ・サイレージ)とし、油分を上層より分
離してイカ油を得ることができる。なお、この自己分解
を行なうに際してエトキシキン、BIIT (2,6−
ジーt−ブチル−Pクレゾール)等の抗酸化剤を添加し
ておくことは油及びビタミン類、その他の油溶性の有効
成分の変質又は劣化を少なくするために有益である。ま
た、始めから存在する自己酵素の他に、タンパク質分解
酵素の添加も有効である。
本発明において、必要に応じてイカ油に添加されるアス
タキサンチンを主成分とするカロチノイド系色素は特に
限定されない。例えば色素源としてはオキアミ、イサザ
アミ等のアミ類、エビ類、カニ類、ブリガニ等の甲殻類
等から抽出したカロチンイド系色素が用いられる。
通常、イカ内臓を80〜100°C前後の高温で処理し
て得られるイカ油中にはアスタキサンチン等のカロチノ
イド系色素は痕跡程度か或いは殆ど含有されていない。
これは処理工程で色素が不可逆的に酸化、分解して変質
してしまうためと推定される。これに対しフィッシュ・
サイレージを経由する穏和な条件で製造されるイカ油に
は数ppmから200ppm前後のアスタキサンチンが
含まれる。イカ油中のカロチノイド系色素の濃度はイカ
内臓の鮮度、捕獲される時期等により左右される。しか
し、フィッシュ・サイレージを経由する方法によればカ
ロチノイド系色素を有益に利用できる。通常の方法では
高温処理工程があるのでカロチノイド系色素は殆ど含ま
れないか、カロチノイド系色素の濃度は10pprrl
以下である。
一般に飼料は、飼育動物の成長段階、環境条件、体調等
に応じて各栄養素の構成成分を最適に調整することが望
ましく、従って飼料に添加できる油量も制約を受け、魚
類等の場合、多くとも30%前後が実質上その上限にな
る。
イカ油中の色素濃度が20ppm以下になると飼料中の
色素濃度(乾物基準、以下同じ)を5 ppm以上に保
つことは困難となる。本発明においても飼料中の色素濃
度が5 ppm以下では2〜4ケ月飼育しても実質的に
は色揚げ効果を確実にすることは困難である。従ってイ
カ油中の色素濃度は少なくとも2oppm以上であるこ
とが要求される。
以上のことから、製造面或いは取り扱いの面から実用的
にはイカ油中のカロチノイド系色素の濃度は40〜11
0000pp程度、更に好ましくは300〜2000p
pmである。あまり濃度が高くなると飼料と混合する時
均−に混入することが困難となり、また天然物から得ら
れる色素源中のカロチノイド系色素は一般に濃度が低い
のでこれを高濃度にして用いるとコストが高くなり、経
済的に有利でない。
本発明の組成物はイカ油を単独で、或いはイカ油中の色
素濃度が20ppm以上となるように甲殻類等から得た
アスタキサンチンを主成分とするカロチノイド系色素を
添加することによって調製される。カロチノイド系色素
の添加量はイカ油中に初めから含まれている色素濃度を
考慮して決められる。イカ油中に初めから含まれている
色素を所望の濃度に姦めて得ることも可能である。しか
し、カロチノイド系色素の濃度が300〜2000pp
m程度になるように色素源を添加することがより実用的
で好ましい。
アスタキサンチンには3種の立体異性体が存在し、また
高級脂肪酸とのモノエステル型、ジエステル型及び遊離
型の3つに大別される。また、タンパク質と結合した色
素タンパクとしても存在する。本発明においてはこれら
のアスタキサンチンのうちいずれの形態のものを使用し
てもよい。
本発明の組成物は養殖動物の色揚げ効果に著しく有益で
あり、そのメカニズムについては十分解明されるに至っ
ていないが、カロチノイド系色素をより効率的に生体内
で吸収し、蓄積させる因子としてイカ油の構成脂肪酸が
関与しているものと推測される。
一般に海産動物の脂質には植物油や陸上動物の脂質には
ほとんどみられないエイコサペンタエン酸(EPA、 
Cz。)及びドコサヘキサエン酸(DHA、 Cwt)
などのω−3−高度不飽和脂肪酸が多量に含まれている
。また、海産動物でもイカはその分類体系的にも他の魚
類やアミ類等とは大きく異なっており、特殊な体系をな
している。また、脂質の構成脂肪酸、例えばEP^、 
DHA等の構成比のみを比較してもイワシ油、タラ油、
サンマ油、サメ油等の魚油或いはオキアミ等のアミ油と
も異なっている。イカ油はEPA とDHAの両者をバ
ランス良く、多く含有している。特にEPAと叶Aは人
に対する各種生理作用とりわけ血管拡張作用等の血管に
対する作用及び血液への生理作用、例えば血液粘度の増
減、コレステロールの増減、その他多くの血液に対する
生理作用のあることが研究されている。従って、魚類等
の動物に対する作用も類推される。
一方、カロチノイド系色素は生体内では血清を介して生
体内を転移する。例えばサケ、マス類の筋肉中のアスタ
キサンチンは産卵が近づくにつれて血清を介して皮や卵
巣に転移する。また甲殻類では血リンパを経て運ばれる
ことが知られている。これらのことからイカ油そのもの
が色揚げ効果を増進することが推測される。その他にも
イカ油中に含まれるビタミン類、その他の有益な微量成
分等がアスタキサンチン等のカロチノイド系色素と相乗
的に色揚げ効果を高めていることも考えられる。
本発明の養殖方法は、本発明の組成物を混合して製造し
た飼料を養殖動物に給餌することによって行なわれる。
例えば、本発明の組成物を混合して製造したモイストペ
レットをドナルドソントラウトにジマスを選抜飼育した
改良新種、以下同じ)に乾物基準で魚体重の2%/日相
当の割合で給餌し、一定期間飼育した結果、タラ油(タ
ラ肝油)、イワシ油或いは大豆油等とカロチノイド系色
素からなる組成物を混合して製造した飼料を給餌した対
照区より非常に優れた色揚げ効果が認められた。例えば
飼料中の色素濃度を同一にした場合、本発明の組成物よ
り調製した飼料を給餌した区は色揚げに要する期間が対
照区に比べ1/2〜1/3と短期間であるにもかかわら
ず、対照区と同程度の効果が認められた。また、飼料中
の色素濃度が低い場合、すなわち飼料中の乾燥物基準で
アスタキサンチンとして10〜15ppmの色素を含有
する飼料で同様に3ケ月程度飼育しても実質的に対照区
では色揚げ効果は認められなかったが、本発明の養殖方
法では十分色揚げ効果が認められた。
本発明の養殖方法に用いられる飼料は、例えば、本発明
の組成物に、魚粉、脱脂大豆、コーングルテンミール、
小麦粉、リン酸カルシウム、ビタミン配合剤及びカルボ
キシメチルセルロースのナトリウム塩等からなる配合飼
料と水を混合し、モイストペレットとして得ることがで
きる。
〔実 施 例〕
以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
(1)イカ油の調製 イカ油はフィッシュ・サイレージを経由して得た。
フィッシュ・サイレージの調製は新鮮なイカ内臓に、ギ
酸を重量比で3%、エトキシキンを0.04%、BHT
を0.02%添加し、良く混合した後約20°Cの室温
に保持し、1日2回攪拌し2日間自己酵素(イカ内臓に
含まれている酵素)により液化しスラリー状のフィッシ
ュ・サイレージを得た。このフィッシュ・サイレージを
遠沈管に取り遠心分離してイカ油を得た。
イカ油を得るために用いたイカはアカイカ(ムラサキイ
カ又はバカイカとも称される)、アルゼンチンイレック
ス及びトスイカの3種を用いた。なお、アカイカ及びア
ルゼンチンイレックスの2種はアカイカ科(スルメイカ
類)のイレックス亜科又はアカイカ亜科に分類され、ト
スイカはテカギイカ科トスイカ属に分類される。
得られたイカ油にはカロチノイド系色素がアスタキサン
チンとして56〜92ppm含有されていた(高温処理
工程を経る製法ではアスタキサンチン濃度は痕跡程度か
、多くても5 ppH以下である)。
(2)イカ油とカロチノイド系色素からなる組成物の調
製 上記で得られたイカ油に、甲殻類からの抽出色素を添加
して調製した。
また、比較用の組成物としてタラ肝油、イワシ油及び大
豆油に、それぞれ甲殻類から抽出された色素を添加した
組成物を調製した。
各組成物の色素の添加量等を表−1に示す。
(3)飼料の調製と飼育試験 ■配合飼料の調製 配合飼料は魚粉、脱脂大豆、コーングルテンミール、小
麦粉、リン酸カルシウム、ビタミン配合剤及びCMC(
カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩)を表−2
に示した比率で配合して調製した。
表−2 ■モイストペレットの調製 表−1の各組成物60重量部と表−2の配合飼料240
重量部に水200重量部の割合で混合し、これをモイス
トペレットにした。この方法によって10種のモイスト
ペレットを得た。
■飼育試験 (a)飼 育 飼育試験は試験用の魚としてドナルドソントラウトを用
いて行なった。
試験開始時の平均魚体重は第一ブロックについては約3
25g、第ニブロックについては約350gであった。
第一ブロックの各試験区には16匹、第ニブロックの各
試験区には15匹ずつの魚を入れ、地下水を曝気した水
を用い、水温12〜15°Cの流水下で、■で得られた
モイストペレットを乾物重量で魚体重の2%相当となる
量を毎日2回に分けて給餌し、所定期間飼育した。
(b)評 価 試験終了後の魚は解剖して内臓の異常の有無を観察した
後、筋肉部を切身にしてすり舟状とし、色差計(日本電
色工業■製、ND−1001DP型)を用いて評価した
。また目視によって筋肉部の赤みについて評価した。2
つの評価結果には相関関係があった。
(C)飼育試験結果 飼育試験結果は表−3に示した。
◎・・・赤み良好 0・・・赤み充分 飼育試験終了後、魚を解剖して観察した結果、内臓の異
常所見はいずれにも認められなかった。
〔発明の効果〕
本発明のカロチノイド系色素を含有するイカ油からなる
養殖動物の体色又は肉色改善用組成物及び養殖方法によ
れば、これまで色揚げに利用できなかったような低濃度
のカロチノイド系色素源の有効な利用が可能となる。
更に飼料中の色素の濃度が同一であっても、より短期間
で色揚げの目的を達成でき、経済的にも有利である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アスタキサンチンを主成分とするカロチノイド系色
    素を20ppm以上含有するイカ油からなる養殖動物の
    体色又は肉色改善用組成物。 2 請求項1記載の組成物を含有する飼料を給餌するこ
    とを特徴とする動物の養殖方法。
JP2174141A 1990-06-29 1990-06-29 養殖動物の体色又は肉色改善用組成物及び動物の養殖方法 Pending JPH0463552A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004041105A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Nippon Suisan Kaisha Ltd 魚介類用飼料
JP2012530788A (ja) * 2010-09-01 2012-12-06 中国科学院南海海洋研究所 イカ内臓から抽出したオリゴペプチドとその調製方法、混合物及び海洋水産飼料タンパク源としての用途

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