JPH0459529B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はフレアガス燃料処理方法におけるフレ
アスタツクのパージ方法に関するものである。

従来の技術 一般に、プラントで発生する可燃性の廃ガスで
あるフレアガスは、安全上フレアスタツク内に供
給され、該フレアスタツクの頂部に装設されたフ
レアバーナにより高所で燃焼させられた後、大気
中に放出処理される。なお、フレアガスに着火す
るため、常時燃焼するパイロツトバーナがフレア
バーナに付設されている。上記処理方法におい
て、フレアガスの供給が停止されると、フレアス
タツク内の残留フレアガスがドラフト効果及び分
子拡散によりフレアスタツク頂部より徐々に大気
中に放散し、入れ替わりに空気が流入する。当初
フレアスタツク内はフレアガスが満たされて空気
がなかつたが、前記空気の流入により、フレアス
タツク内のフレアガスと空気との混合気が可燃範
囲に達してパイロツトバーナにより着火され、そ
の火炎がプラントに逆流したり、また、炭素鋼製
のフレアスタツクの内面を腐食したりするおそれ
がある。そこで、前記空気を流入を防止するた
め、不燃性のパージガスを常時フレアスタツク内
に供給するパージ方法が従来より採用されてい
た。パージガスは、酸素濃度が皆無又は皆無に近
い非腐食性のガス（例えば窒素ガス等）である。
そして、前記空気の流入速度は大気中の風速が大
きいほど大きくなるため、パージガスの供給量は
最大風速でも空気の流入を阻止できるように設定
され、安全が図られている。

発明が解決しようとする問題点 しかし、上記従来構成によれば、通常時は大気
中の風速が小さいため、この時は過剰のパージガ
スを供給していることになり、経済的にも不利で
あるという問題があつた。

本発明は、上記問題点を解消したフレアスタツ
クのパージ方法を提供することを目的とする。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するため、本発明のフレアス
タツクのパージ方法は、可燃性のフレアガスをフ
レアスタツク内に供給し、該フレアスタツクの頂
部に装設されたフレアバーナにより前記フレアガ
スを燃焼させて大気中に放出するフレアガス燃焼
処理方法において、前記フレアガスの供給が停止
されたときは前記フレアスタツク内の酸素濃度を
検出し、該酸素濃度が一定値以下の場合は、不燃
性のパージガスを必要最小限度の量だけ前記フレ
アスタツク内に供給し、前記酸素濃度が前記一定
値以上の場合は、前記パージガスの供給量を増加
させることにより、前記酸素濃度を前記一定値以
下に低下させることを特徴とするものである。

作 用 上記構成において、フレアガスのフレアスタツ
ク内への供給が停止されると、大気中の空気が
徐々にフレアスタツク内に流入し、残留フレアガ
スと混合する。この混合気の酸素濃度を検出し、
該濃度が一定値以下の場合には、パージガスを必
要最小限度の量だけフレアスタツク内に供給す
る。ここに、前記一定値は、混合気が着火しうる
最低の酸素濃度に設定され、また、パージガスの
必要最小限度の量は、通常時の小さな風速を想定
し、この場合には混合気の酸素濃度が前記位置に
達しないために必要な最小限度の量に設定されて
いる。また、風速が大きくなつて混合気の酸素濃
度が前記一定値以上となつた場合には、パージガ
スの供給量を増加させることにより、酸素濃度を
一定値以下に低下させるのである。

実施例 以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。本実施例のパージ方法が適用されたフレア
ガス燃焼処理装置１においては、フレアスタツク
２の頂部にフレアバーナ３が装設され、フレアバ
ーナ３にはパイロツトバーナ４が付設されてい
る。フレアスタツク２の下部にはフレアガスライ
ン５の一端が接続され、フレアガスライン５の途
中にはパージガスライン６の一端が接続されてい
る。パージガスライン６の途中には、上流側にし
や断弁７と下流側にオリフイス８とが介設される
とともに、しや断弁７とオリフイス８とをバイパ
スするバイパスライン９が接続されており、バイ
パスライン９の途中にはオリフイス１０が介設さ
れている。フレアスタツク２の中間部には締切り
弁１１を介して酸素濃度計１２が装着され、酸素
濃度計１２としや断弁７との間には制御機器１３
を介して制御回路１４が形成されている。なお、
両オリフイス８，１０はニードル弁等に置き換え
てもよく、また、しや断弁７にミニマムストツパ
を付設してバイパスライン９を省略してもよい。

以下、上記構成のフレアガス燃焼処理装置１に
ついて本発明のパージ方法を説明する。

プラント（図示省略）で発生した可燃性のフレ
アガスは、フレアガスライン５からフレアスタツ
ク２内に供給され、フレアバーナ３において常時
燃焼しているパイロツトバーナ４により着火され
て燃焼し、大気中に放出される。フレアガスのフ
レアスタツク２内への供給が停止されると、フレ
アスタツク２内の残留フレアガスはドラフト効果
及び分子拡散によりフレアスタツク２の頂部より
徐々に大気中に放散し、入れ替わりに空気が流入
して残留フレアガスと混合する。この混合気の酸
素濃度を酸素濃度計１２が検出し、電気信号とし
て制御機器１３に伝達する。酸素濃度が予め設定
された一定値以下の場合には、制御機器１３はし
や断弁７を閉じたままとしておき、不燃性のパー
ジガスがパージガスライン６からバイパスライン
９及びフレアガスライン５を経由してフレアスタ
ツク２内に供給される。ここに、前記一定値は、
混合気が着火しうる最低の酸素濃度に設定されて
いるが、フレアスタツク２が炭素鋼製の場合は、
混合気内の酸素によるフレアスタツク２の腐食防
止をも考慮して設定されるとともに、パージガス
を非腐食性（例えば窒素ガス等）にすることが好
ましい。また、オリフイス１０は、パージガスの
供給量が、予め想定された通常時の小さな風速の
場合には混合気の酸素濃度が前記一定値に達しな
いために必要な最小限度の量となるように設定さ
れている。一方、風速が大きくなつて混合気の酸
素濃度が前記一定値以上となつた場合には、酸素
濃度計１２より該濃度の電気信号を受けた制御機
器１３は、しや断弁７をひらいてパージガスの供
給量を増加し、混合気の酸素濃度を低下させる。
該酸素濃度が前記一定値以下に低下すると、制御
機器１３はしや断弁７を閉じ、パージガスは再び
バイパスライン９のみから必要最小限度の量だけ
供給されるのである。

発明の効果 以上述べたごとく本発明によれば、パージガス
の供給によりフレアスタツク内の残留フレアガス
の酸素濃度が着火限度以下に抑制されるので、残
留フレアガスが着火してその火炎がプラントに逆
流するおそれがないばかりでなく、パージガスの
供給量が常に適量に調節されるので経済的である
というすぐれた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明のフレアスタツクのパージ方法を
適用したフレアガス燃焼処理装置の一実施例を示
す系統図である。 １……フレアガス燃焼処理装置、２……フレア
スタツク、３……フレアバーナ、４……パイロツ
トバーナ、５……フレアガスライン、６……パー
ジガスライン、７……しや断弁、８……オリフイ
ス、９……バイパスライン、１０……オリフイ
ス、１１……締切り弁、１２……酸素濃度計、１
３……制御機器、１４……制御回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 可燃性のフレアガスをフレアスタツク内に供
   給し、該フレアスタツクの頂部に装設されたフレ
   アバーナにより前記フレアガスを燃焼させて大気
   中に放出するフレアガス燃焼処理方法において、
   前記フレアガスの供給が停止されたときは前記フ
   レアスタツク内の酸素濃度を検出し、該酸素濃度
   が一定値以下の場合は、不燃性のパージガスを必
   要最小限度の量だけ前記フレアスタツク内に供給
   し、前記酸素濃度が前記一定値以上の場合は、前
   記パージガスの供給量を増加させることにより、
   前記酸素濃度を前記一定値以下に低下させること
   を特徴とするフレアスタツクのパージ方法。