JPH045180Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は耳栓付水中メガネに係わり、更に詳し
くは顔の目部分のみならず、鼻部分をも覆うこと
のできる水中メガネ、例えば目と鼻部分のみを覆
う水中マスク、顔部分の全体を覆うフルフエイス
マスク等のスキユーバダイビングに用いる水中メ
ガネと耳栓を一体化した考案の改良に関する。

〔従来の技術〕

周知の通り、スキユーバダイビングが広く普及
している。所でこの場合、スキユーバダイバー
は、それ自体独立した耳の耳道に挿着する為の小
さい耳栓を付けずにスキユーバダイビングをする
傾向がみられる。すると、耳道には、潜水深度に
応じて水が入つたり出たりして圧力補正が図られ
るので、耳道が狭い難聴の傾向が増加する不具合
がみられる。いわゆるサーフアー耳と称されるも
のである。又鼓膜が破れる危険もあり、仮に破れ
ると三半器官に至り、冷たい水温が平衡感覚を狂
わせスキユーバダイビング時天地が不明となり危
険となる。そこで、これらの点だけを考慮する
と、考え方としては耳栓を付けてスキユーバダイ
ビングをすることが望まれている。

所が、耳道に、それ自体独立した小さい耳栓を
挿着すると実際には次の如き問題がある。

その１は、耳栓の外には当然のことながら水圧
がかかる。従つて大深度になると大きな水圧によ
つて耳栓が耳道の中に嵌り込み、抜けなくなる等
非常に危険である。従つて実際には、耳栓を付け
られないのが実情であり、上述した問題を生じて
いた。

その２は、近頃水中に於いて、水中に於ける音
を楽しんだり、水中に於いて会話する事を楽しむ
ようになつてきたが、耳栓をしているのでこれら
の音が聞こえず、より具体的には大きい音でない
と明瞭に聞えず障害となつていた。

そこで、実開昭53−120099号にみられるよう
に、マスク本体内の空間に連通するようにして２
本の空気連通管を連結し、それらの端末を耳栓と
した技術が提案されている。上記の場合各端末の
耳栓は耳道に入れ込む先端の細い部分と、奥の方
の大径のふくらんだつまみ部より成る。

〔考案が解決しようとする課題〕

上記技術によると、a.耳栓をしない場合の不具
合、即ち難聴の増加防止、平衡感覚が失われる事
等の防止を図り得ることは勿論のこと、b.大深度
に潜水しても水圧によつて耳栓が耳道に嵌り込む
ことか、耳栓自体が破断することが如き恐れがな
く、又c.この耳栓を付ける事によつて水中で生じ
た音、水中での会話音を明瞭に聞くことができ、
水中ダイビングをより興趣に富んだものとするこ
とができるものであるが、この従来技術の耳栓の
場合、耳道に装着した時の水のシール性に問題が
ある。

即ち、従来技術の耳栓は先端の細径の部分を耳
道中に装着するものであるがこの先端部分は誰で
も装置できるように比較的細い特定の太さに設定
される一方、ダイバーは各自耳道の太さが異なる
のが通常であるから、装置時水が細径の先端部分
の外周を経て耳道に侵入したりして危険であり、
又浸水した水は連通管を介してマスク本体中にも
入り込まないとも限らず、この場合には水中マス
クが使いずらくなり、上述した本来の利点が失わ
れることもある。そして、先端の奥の大径部分は
ふくらんだつまみなので、そこはシール性能に寄
与しない。

〔目的〕

従つて、本考案の目的とする所は、上述した耳
栓を連通管を介してマスク本体に一体的に取付け
た技術の良さを有することは勿論のこと、このよ
うな技術に於ける連通管先端の耳栓のシール性を
より向上し、上述したａ，ｂ，ｃの各利点を確実
に発揮するようにするにある。

〔課題を解決する為の手段〕

上記目的を達成する為に本考案は次の技術的手
段を有する。即ち、実施例に対応する添付図面中
の符号を用いてこれを説明すると、本考案は少な
くとも、顔の目、鼻部分を覆うようにして顔面に
密着して着装するマスク本体１と、このマスク本
体１にセツトされたガラス等の透明板２を有する
水中マスクやフルフエイスマスク等の水中メガネ
であつて、上記マスク本体１に、本体内の空気空
間に連通するようにして２本の空気連通管５ａ，
５ｂを連結し、上記空気連通管５ａ，５ｂの各端
末を耳の耳道に挿着する耳栓６ａ，６ｂとした耳
栓付水中メガネにおいて； 空気連通管５ａ，５ｂの端末の耳栓６ａ，６ｂ
には、その外周に円盤状の耳挿着用のストツパー
７，８，９を管の長手方向に沿つて而も所定間隔
を置いて複数形成し、シール性を向上させたもの
である。

〔作用〕

上記構成に基づくと、スキユーバダイビング時
ダイバーの肺に貯えられた空気は、鼻を通じて水
中メガネの本体１の空間に出入りし、且つ空気連
通管５ａ，５ｂを介して耳の耳道Ｅに達する。こ
こで肺に貯えられる空気の圧力は、その潜水深度
に於ける水圧と同圧であつて、その圧力の空気が
耳栓を介して耳道に達している。即ち、耳栓部分
の空気圧は、水圧と同じである。それ故に、潜水
深度が何であれ、耳栓６ａ，６ｂ部分は破壊しな
いし、又耳道に耳栓部分６ａ，６ｂが水圧によつ
て押し込まれることもない。従つて耳栓を安全に
用いることができる。特に、水中で生じた音は、
水中メガネの透明板２を共鳴させ、本体１内の空
気を振動させ、その空気を伝わつて耳に達する。
而も上記透明板２は音が放射されてくる方向に向
つて広く対向できる。故に音が明瞭に聞こえるも
のである。

そして、このように耳栓を安全に付けることが
できるので、難聴の予防、平衡感覚が失われる事
の予防を効果的に図れる。

所で、これらのことは次の作用によつて確実に
される。即ち各耳栓６ａ，６ｂ各々には、その外
周に円盤状のストツパー７，８，９が所定の間隔
を置いて一体的に形成されている。耳道に挿着す
る先端部分は、誰にでも適用できるように比較的
細径であるが、この先端を耳道に挿着した場合、
一番先端に近いストツパー７が耳道の開口部を閉
塞する。それは単に開口部を覆う以上に、外水圧
によつて密着する。而も単一ではなく、その奥に
もストツパーがあるので、それらが全て開口部の
閉塞に寄与する。この為耳道への水の浸水が確実
に防止される。

〔実施例〕

次に添付図面に従い本考案の実施例を詳述す
る。

この実施例では、スキユーバダイバーの目と鼻
部分のみを覆う水中マスクに適用した例を示す
が、顔面全部を覆うフルフエイスマスクにも当然
適用できるものである。図に於いて、１はマスク
本体であり、その前面にはガラス等の透明板２が
水密にセツトされている。上記マスク本体１はダ
イバーの目と鼻を覆い、ダイバーに装置した時、
マスク本体１内に空気空間が形成される。そし
て、取付けバンド３等を有している。

そして、上記マスク本体１に、このマスク本体
１と透明板２とが区画する空気空間に連通するよ
うにして両サイドの位置４ａ，４ｂ等適宜な位置
に空気連通管５ａ，５ｂを連結する。この空気連
通管５ａ，５ｂの長さは、水中メガネを目と鼻部
分に着装した時に耳の所に迄達する長さとする。
そして、上記空気連通管５ａ，５ｂの端末をその
まま耳の耳道Ｅに嵌め込む為の耳栓６ａ，６ｂと
するものである。

従つて空気連通管５ａ，５ｂの太さ自体は問わ
ないが、少なくとも端末の耳栓６ａ，６ｂ部分の
太さは耳道に過不足なく入る太さとするものであ
る。そして、上記耳栓６ａ，６ｂの外周に管の長
手方向に沿つて、円盤状の耳挿着用ストツパー
７，８，９を所定間隔を置いて複数形成する。上
記ストツパー７，８，９はシール性向上を図る為
のもので、円盤状であるが、先の方のストツパー
７から順にその大きさを段々大きくする等工夫し
てもよい。

上記構成に基くと、使用時は、マスク本体１を
目、鼻に当てがい、耳栓部分６ａ，６ｂを耳道Ｅ
に挿着する。ダイビング中のある潜水深度に於い
て、耳栓を構成している管にその深度の水圧Ｐが
かかる。

他方耳栓の管内部にも、肺に貯えられた空気が
鼻、空気連通管５ａ，５ｂを介して達している。
その空気圧は、その深度の水圧Ｐと同じ圧力Ｐで
ある。故に耳栓の管の内外は同圧であるから、耳
栓部分は深度に係わりなく破壊しない。且つ耳栓
６ａ，６ｂが耳に押し込まれることもない。故に
安全である。又ダイビング中、水中で生じた音
は、空気連通管５ａ，５ｂ及び耳栓６ａ，６ｂの
外周に当つて、それを振動させ、中の空気を振動
させ、管内空気を伝わつて耳に達することもある
が、ガラス板等の透明板２を共振させ、マスク本
体１内及び空気連通管５ａ，５ｂ中の空気を伝わ
つて耳に届く。故に音が明瞭に聴取される。而も
透明板２は、視野を確保する為のものであつて広
い。故に放射された音によりよく共振し易い。

従つて、水中の音がよりよく聴取されるもので
あり、水中に於ける行動がより興趣に富むことと
なる。而して円盤状のストツパー７，８，９があ
ることにより、水の耳への侵入がよりよく防止さ
れると共に、耳道Ｅへの挿着が決め易くなる等
種々の利点を呈する。

即ち、耳栓６ａ，６ｂの各々の先端を耳道に挿
着したとすると、そして先端の周りと耳道の間に
若干の空〓があつたとすると、そこから水が浸水
し易くなるが、円盤状のストツパー７が、耳道の
開口部を覆う。特に円盤状のストツパー７に外水
圧がかかり、耳道の開口部に密着される。故にシ
ールが確実に図れる。而もストツパーは複数なの
で、複重構造によつてこのシールが図られ、耳栓
を連通管の端末に形成したこの種技術の利点がよ
りよく図られる。

〔効果〕

以上詳述した如く、この考案によれば、水中メ
ガネを装着すれば耳栓を有するので、耳栓をしな
い場合の不具合、即ち難聴の増加や平衡感覚が失
われる事等の防止を図れる事は勿論のこと、いか
なる深度に於いても水圧によつて耳栓が破損した
り、耳栓が耳道に押込まれる如きことがなく安全
に用いられる。とりわけ、水中で生じた音、会話
音を明瞭に聴取できる等の利点を可能にすること
は勿論のこと、耳道にこの耳栓を挿着した時、耳
道の開口部に円盤状のストツパーが密接し、該部
分を閉塞するのでシール性が格段と向上する。而
も円盤状ストツパーは管の長手方向に沿つて複数
所定間隔を置いて形成されているから複重構造に
よつてこのシール性が可能にされ、上述したこの
種の水中メガネの利点がより発揮される。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本考案の実施例を示し、第１図は斜
視図、第２図は耳栓部分の部分断面図であり、図
中１はマスク本体、２は透明板、３は取付バン
ド、５ａ，５ｂは空気連通管、６ａ，６ｂは耳
栓、７，８，９は挿着用ストツパー、Ｅは耳道で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 少なくとも、顔の目、鼻部分を覆うようにして
   顔面に密着して着装するマスク本体１と、このマ
   スク本体１にセツトされたガラス等の透明板２を
   有する水中マスクやフルフエイスマスク等の水中
   メガネであつて、上記マスク本体１に、本体内の
   空気空間に連通するようにして２本の空気連通管
   ５ａ，５ｂを連結し、上記空気連通管５ａ，５ｂ
   の各端末を耳の耳道に挿着する耳栓６ａ，６ｂと
   した耳栓付水中メガネに於いて； 上記空気連通管５ａ，５ｂの端末の耳栓６ａ，
   ６ｂは、その外周に円盤状の耳挿着用ストツパー
   ７，８，９が管の長手方向に沿つて複数所定の間
   隔を置いて形成されていることを特徴とする耳栓
   付水中メガネ。