JPH0447718Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はカラービユアライトボツクスの光質検
知用器具に関するもので、反射光および透過光用
螢光演色対を取付けたものに関する。

〔従来の技術〕

カラービユアライトボツクスとは、カラー印刷
に際して印刷原稿となるリバーサルカラーフイル
ムの色を標準状態で見るために、螢光灯、反射
板、拡散透過板を主たる構成物とする箱状の照明
器であり、撮影現像済みのリバーサルカラーフイ
ルムを乳白色の拡散透過板の上に置き、下から照
明しながら色や形を見る道具である。

一般に、物体の色は照明の質によつて変つて見
えるため、カラー印刷物の色の仕上りは、一定の
照明光の下で印刷原稿であるリバーサルカラーフ
イルムと校正刷あるいは印刷仕上り品を比較して
検討するわけであるが、印刷物の方は上から照明
光を当てて、反射光の状態で見、リバーサルカラ
ーフイルムはカラービユアライトボツクスの上に
置いて透過光の状態で見ることになる。

そのために同時に２種の標準的な照明が必要に
なると共に、その２種は共通な光質を持たなけれ
ばならない。

印刷物の色の評価は、日本印刷学会が推薦して
いる色濃度5000°に±200°の光源の下で行われる
のが通例であり、実用的にはJIS−Z8726「光源の
演色性評価方法」による平均演出評価指数が98前
後の螢光灯が標準的な光源として用いられてい
る。欧米各国においても状況は類似している。

その際、透過用と反射用の２種の光源の光質は
共通していなければならなく、特に基準となるリ
バーサルカラーフイルムを見るためのカラービユ
アライトボツクスはデザイナーなどの発注者が用
いているものと、受注者である印刷会社が用いる
ものとが共通の光質をもつている必要がある。

しかし、カラービユアライトボツクスは螢光
灯、反射板、拡散透過板によつて構成されている
ため反射用と透過用の螢光灯の種類を共通にする
だけでは、同じ光質にならない。また、螢光灯の
経時変化や拡散透過板の経時変色などによつて光
質が変化する可能性もある。

〔考案が解決しようとする問題点〕

本考案は螢光演色対を利用したカラービユアラ
イトボツクス光質検知用器具であり、その原理は
色濃度5000°に平均演色評価数98の印刷物色評価
用螢光灯の下で、２枚の色票の色が色差1.0以下
に見えるように調整した螢光演色対を用いて、肉
眼で簡単に光質の合致性あるいはずれを検知する
もので、カラービユアライトボツクスの上に置い
て覗いて見るように鏡の反射を利用する。

また印刷物を照明する光源の光質を検知するた
めに、上部にも螢光演色対を取付けておく。その
場合に用いる螢光演色対は下記の色素配合をプラ
スチツク中に均一に分散させてシート状にする
か、塗料化してシート上に塗布する方法によつて
作成する。作成に際しては各色素の配合量を前記
の条件に合致する螢光演色対になるように色合せ
を行なう。以下に螢光演色対の色素配合の代表例
を記すが、上記の条件で色差が1.0以下になるよ
うな演色対であれば、いかなる色素配合を用いて
もかまわない。

非螢光性色票の色素配合は次の如くである。

ルチン型チタンホワイト顔料 チタニウムイエロー顔料 コバルトブルー顔料 溶性アゾ系レツド顔料 螢光性色票の色素配合は次の如くである。

アナターゼ型チタンホワイト顔料 ジスアゾイエロー顔料 銅フタロシアニンブルー顔料 塩基性染料系螢光赤色顔料 〔問題点を解決するための手段〕 本考案を図面について説明する。第１図におい
てＡはカラービユアライトボツクスで、カラービ
ユアライトボツクスＡの中には螢光灯１があり、
底壁近くには反射板２があり、カラービユアライ
トボツクスＡの上部には、拡散透過板（スリガラ
ス等）３がある。そして、拡散透過板３の上の画
像（例えばリバーサルカラーフイルム等）を拡散
透過板を通つた螢光灯１の光で見るものである。

しかしながら、印刷の原稿や印刷物の色は照明
する螢光灯の質によつては変つた色に見える。

そこで、本考案は色温度5000°に平均演色評価
数98の印刷物色評価用螢光灯の下で、２枚の色票
の色が色差1.0以下に見えるように調整した螢光
灯演色対を使用して、肉眼で簡単に光質を検知で
きるようにしたもので、第２図に示すように前壁
４、後壁５、両側壁６よりなる箱型の上面に天板
７を前壁４側に設け、その大きさは、側壁６の長
さの略半分程度であり、該天板の上面には反射光
用螢光演色対８を取付ける。螢光演色対８は前記
した非螢光性色票８Ａと螢光性色票８Ｂである。
該天板７の下面には反射面９が形成されるととも
に天板７を設けた両側壁６部にも反射面１０が設
けられる。反射面９，１０のかわりに完全吸収面
（黒色）を用いてもよい。そして前壁４には透過
光用螢光演色対１１が設けられる。透過光用螢光
演出対１１も反射光用螢光演色対８と同一の物が
使用される。反射光用螢光演色対８の非螢光性色
票８Ａを左側に設けたら透過光用螢光演色対１１
も左側に非螢光性色票を設ける。

また、後壁５には反射鏡１２が傾設されていて
該反射鏡１２の下方には底壁１３が設けられる
が、底壁１３はなくてもよい。

〔作用〕

したがつて、天板７の下面と両側壁６に形成さ
れている反射面９，１０により、カラービユアラ
イトボツクスＡの拡散透過板３を透過してきた螢
光灯光で透過光用螢光演色対１１を見るもので、
透過光用螢光演色対１１は反射鏡１２で反射さ
れ、上方の天板７のない所で見ればよいものであ
る。また、カラービユアライトボツクスＡを介さ
ない上部の螢光灯の光は反射光用螢光演色対８を
見ればよいものである。

〔考案の効果〕

本考案は以上説明したように、反射光用螢光演
色対と透過光用螢光演色対とを比較して見ること
ができる簡単な器具であり、コストも安価なもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はカラービユアライトボツクスの光質検
知の説明断面図、第２図は本考案に係る光質検知
用器具の斜面図である。 １……カラービユアライトボツクス内螢光灯、
２……反射鏡、３……拡散透過板、４……前壁、
５……後壁、６……側壁、７……天板、８……反
射光用螢光演色対、９，１０……反射面、１１…
…透過光用螢光演色対、１２……反射鏡、１３…
…底壁、１４……上部の螢光灯。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前壁４、後壁５、側壁６を有する箱型の上面の
   前壁４がわに天板７を設け、該天板７の上面に反
   射光用蛍光演色対８を取付け、該天板７の下面お
   よび両側面の内面を反射面９，１０に形成し、前
   壁の内面に透過光用蛍光演色対１１を取付け、後
   壁に反射鏡１２を透過光用蛍光演色対１１が上方
   より見られるように45度傾設し、ボツクスの中の
   蛍光灯で照明し、ボツクスの上の蛍光灯で照明さ
   れた反射光用蛍光演色対８と透過光用蛍光演色対
   １１とを比較して見ることを特徴とするカラービ
   ユアライトボツクスの光質検知用器具。