JPH0444664Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は水田や畑等の圃場に埋設した暗渠パ
イプの上流端に連通させ、暗渠パイプの掃除作業
を円滑に行うための立上り管に関するものであ
る。

従来の技術 従来、水田、畑等の圃場の土壌水分をコントロ
ールするために埋設した暗渠パイプにおいては、
上流端は閉塞するか、又はエルボを用いて空気管
を鉛直に立上げているものである。

考案が解決しようとする問題点 従つて、空気管を鉛直に立上げた場合において
は、暗渠パイプの上流端は空気に触れやすく、暗
渠パイプの外周に埋設している疎水材のモミガラ
が腐蝕してその結果土砂の流入の可能性が大きく
なるものであり、また、鉛直に立上つた空気管に
おいては屈曲部の半径が小さく、暗渠パイプの掃
除用ホースの挿入が困難であり、従つて、圃場の
排水路に突出した暗渠パイプの末端より掃除用ホ
ースを挿入し、先端の逆噴射ノズルより高圧水
（約100Kg／cm²）を逆噴射させてその推力によりホ
ースを進行させながらパイプに付着した土砂や酸
化物を剥皮させるため、高圧水を圧送するポンプ
は大型となり、作業性が低く、また経費も高価と
なり易い欠点があつた。

この様な問題点を解消する目的において、本考
案は水平から上方部に大きな半径でわん曲したパ
イプの上端にＴ型管を連通させると共に上方部の
中間位置に分岐管を突設させた暗渠パイプ用立上
り管であつて、暗渠パイプの上流端に連通設する
ことによつて暗渠パイプの掃除用ホースの挿入時
に水田や用水路の水を送水して掃除用ホースの挿
入時の抵抗を極減させ、作業性を向上させ得るこ
とを特徴とするものである。

問題点を解決するための手段 以下、本考案の構成を図面を参照しながら説明
する。

水平部１より鉛直方向や斜上方の上方部２へ大
きな半径でわん曲させたＬ型管３の上方部２の中
間位置に水平部１と同一方向へ分岐管４を突設す
ると共に上方部２の上端にＴ型管５を連通させ、
水田や畑等の圃場６の地下に埋設した暗渠パイプ
７の上流端にＬ型管３の水平部１を連通させて分
岐管４を圃場６へ向けると共に上方部２上端のＴ
型管５を畦畔８上面より突出させ、分岐管４の先
端やＴ型管５の横継手管にキヤツプ９ａを嵌着さ
せると共にＴ型管５の上端口に嵌着させたキヤツ
プ９ｂより吊下した棒１０の下端に止水栓１１を
固定して分岐管４の連通部の下方で止水栓１１を
Ｌ型管３内に嵌着させた暗渠パイプ用立上り管１
２を構成するものである。尚、図中１３はストレ
ーナ、１４は用水路、１５はジエツトポンプ、１
６は揚水ホース、１７は掃除用弾力補強ホースを
示す。

作用効果 本考案になる暗渠パイプ用立上り管１２は通常
状態においては、キヤツプ９ａやキヤツプ９ｂで
もつて分岐管４やＴ型管５を閉鎖しておくもので
ある。そして、暗渠パイプ７が長期使用中に土砂
や酸化物が付着して目詰りし、排水率が低下した
ため暗渠パイプ７内を掃除する場合には、第２図
に示す様に分岐管４のキヤツプ９ａや、Ｔ型管５
のキヤツプ９ａ，９ｂを取外し、分岐管４の先端
に円盤型ストレーナ１３を嵌着して水田の水を分
岐管４よりＬ型管３を介して暗渠パイプ７内へ流
入させ、また用水路１４内にジエツトポンプ１５
を配置して揚水ホース１６でＴ型管５の横継手管
に連通させ、用水路１４内の水をジエツトポンプ
１５でもつてＬ型管３内へ送水するものであり、
水田や用水路の水の送水により暗渠パイプ７内面
の土砂や酸化物は柔軟化されるものである。その
後掃除用の水を先端より噴射させる弾力補強ホー
ス１７をＴ型管５の上端よりＬ型管３、暗渠パイ
プ７内へと手作業でもつて挿入しながら暗渠パイ
プ７内面に付着した土砂や酸化物を剥離させ、弾
力補強ホース１７が暗渠パイプ７を末端へと貫通
した後にパイプ内の水と共に土砂や酸化物が排出
され、弾力補強ホース１７を引抜きした後におい
ても立上り管１２を利用して暗渠パイプ７内へ送
水して残留物を洗い流し、その後円盤型ストレー
ナ１３、揚水ホース１６を取外してキヤツプ９ａ
を嵌着すると共に上端に止水栓１１付のキヤツプ
９ｂを嵌着するものである。

従つて、本考案の暗渠用立上り管１２によつて
暗渠パイプ７内への水田や用水路内の水の送水を
なして内部で目詰りした土砂や酸化物の柔軟化を
うながし、更にＬ型管３がわん曲部の半径が大き
いために弾力補強ホース１７の挿入も容易であ
り、暗渠パイプ７の掃除における作業性を向上さ
せ得るものである。また、本考案の立上り管１２
は、転換畠における地表残留水の排水にも兼用し
得るもので、分岐管４の先端に土砂流入を防ぐフ
イルターを取付けて効率的な排水をもなし得る
等、前記した様な顕著な諸効果を奏するものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る暗渠用立上り管を示した
断面図、第２図は暗渠用立上り管を利用した掃除
作業を示した断面図、第３図はストレーナの平面
図、第４図はその正面図である。 ３……Ｌ型管、４……分岐管、５……Ｔ型管、
７……暗渠パイプ、９ａ，９ｂ……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平部より上方部へ大きな半径でわん曲したＬ
   型管よりなり、該Ｌ型管の上方部の中間位置に水
   平部と同一方向へ分岐管を突設すると共に上方部
   の上端にＴ型管を連通させ、水田や畑等の圃場の
   地下に埋設した暗渠パイプの上流端にＬ型管を連
   通させて分岐管を圃場へ向けると共に上端のＴ型
   管を畦畔の上面より突出させ、分岐管やＴ型管の
   横継手管にキヤツプを嵌着すると共に止水栓付の
   キヤツプをＴ型管の上端口に嵌着したことを特徴
   とする、暗渠パイプにおける立上り管。