JP4873724B2 - 暗渠の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圃場に埋設されている暗渠を洗浄する方法に関する。
水田や畑地等の圃場において給水および排水を制御することは、良好な作物生育を確保したり良好な作業性を確保したりするために欠かすことができない。例えば、水田において、稲の苗を成長させる観点から、稲の幼苗の植え付け時、或いはその生育時には、水田に供給される灌漑用水の水位を田面(水田の地表面)上、10cm程度に保つことが好ましい。また、幼苗を水没させて霜から保護する目的で、水位を田面上20cm程度にまで上げる深水が行われることもある。
その一方で、苗が成長したら、根の発育促進の観点から、今度は水田を干上げるいわゆる「中干し」を行うことが好ましい。また、余剰水は、稲刈り等における農業機械の運行に悪影響を及ぼすこともある。
ところで、平成14年に公表された「米政策改革大綱」によって、水田農業政策・米政策の大転換が図られた。この大綱では、需給調整のあり方として、目標数量による生産調整方式の導入を宣言する一方、水田利用のあり方として、田畑輪換を中心とした持続的輪作体系に基づく水田営農、水利用事情等を踏まえた畑地化等を推進する旨が謳われている。
このような田畑輪換や畑地化において課題となるのは圃場の水捌けである。すなわち、畑地において、水捌けが悪く作物の根圏域に水分が常時停滞している場合には、水田における場合とは異なり、作物根は呼吸や養分吸収ができず、生育が阻害されて十分な収穫量が得られないのである。
そこで、排水をコントロールしたり水捌けを改善したりする目的で、圃場の地中に暗渠を埋設することが広く行われている。以下、暗渠について図16及び図17を用いて例示説明する。図16の断面図は、暗渠吸水管91を暗渠排水口90が排水路82に到達するような状態で圃場8に埋設したシンプルな構成の暗渠を示している。暗渠吸水管91は、有孔ポリ管や土管であり、通常、1/100〜1/1000程度の下向き傾斜を持たせて、その上流端が用水路の法尻から2m程度離れるような状態で圃場8に埋設されている。そして、暗渠吸水管91の周辺とその上部には、暗渠9の通水性を高めること等を目的として、籾殻や砂利などの疎水材等95が埋設されている。ここで、暗渠吸水管91の周辺に暗渠吸水管91を被覆するための被覆材を埋設し、被覆材の上部にのみ疎水材を埋設する場合もある(以下、疎水材や被覆材を疎水材等と称する)。疎水材等95の上には、埋め戻し土85を堆積させてある。また、暗渠吸水管91の下流側には水閘94が立設されている。
一方、図17の平面図に例示する暗渠は、広範囲に亘って圃場8の水捌けを改善等するためのもので、複数個(本図では三個)の暗渠吸水管91に加え、暗渠集水管92、水閘94及び暗渠導水管93で構成されている。複数の暗渠吸水管91は、通常、7.5〜15m程度の間隔で圃場8に埋設されている。暗渠吸水管91の下流側開口部は、排水路82の法尻から2m程度離れた位置で暗渠集水管92とフォーク形状に連通接続され、この暗渠集水管92の一端側は、暗渠導水管93と連通接続されている。暗渠導水管93には、暗渠集水管92寄りに水閘94が立設されている。そして、暗渠導水管93の他端側である暗渠排水口90が排水路82に到達している。
ここで、本明細書において、「暗渠管」は、暗渠吸水管91に加え、暗渠集水管92や暗渠導水管93が存在する場合にはこれらも含んだ概念である。また、「暗渠」は、暗渠管に加え、疎水材等が存在する場合にはこれも含んだ概念である。
これらの暗渠において、圃場8の水捌けを改善したり中干しをする場合には、水閘94を開けることで暗渠管に溜まった余剰水を暗渠排水口90から排出するのである。しかし、暗渠を埋設して数年経過すると、当初の排水性能が得られなくなるという課題があった。これは、暗渠管の内部に泥土や有機物等の異物が溜まること等が大きな原因である。例えば、圃場内の土が還元されて鉄分が溶出し、暗渠吸水管内で再沈殿して赤褐色の堆積土が溜まったり暗渠吸水管の内面に付着したりするのである。また、疎水材等についても、前記赤褐色の堆積土等で目詰まりして通水性が低下し、暗渠の排水性能が悪化することが多い。
そこで、悪化した排水性能を回復させるために、暗渠管を洗浄する方法等が、例えば、下記特許文献1〜3に記載されている。
特許文献1には、「暗渠パイプの上流端に連通させた立上り管を利用して暗渠パイプ内に送水しながら動力噴霧機に連通させた弾力ホースを暗渠パイプ内に挿入し、弾力ホースの先端の逆噴射ノズルより高圧水を噴射して暗渠パイプ内面に付着した土砂、酸化物を剥離させて内部の水と共に外部へ排出することを特徴とする、暗渠パイプの目詰り除去方法。」が開示されている。
そして、これによって「簡易にしかも安価に作業をなし得る」と記載され、また、「圃場条件や時期に関係なく何時でも目詰り除去作業をなし得る」とも記載されている。
また、特許文献2には、「圧力水供給用ホースに接続される継手部を具えた基体と、該基体にベアリングを介して支持された回転体とから成り、回転体の半球状頭部に偏心空室を形成するとともに、回転体の裾部に切線方向に圧力水を噴出する複数の孔を穿設し、該孔から圧力水が噴出することにより回転体が自動的に回転し、かつ震動するようになっていることを特徴とする暗渠排水管掃除用震動ノズル。」が開示されている。
そして、これによって「暗渠排水管掃除用ノズルを特に震動式に構成したので、圧力水の噴射が有効に作用して、掃除が仲々難しい暗渠排水管の掃除を完全に行うことができる。」と記載されている。
一方、特許文献3には、「灌漑用水路から、導水管で給水桝に用水を取り入れ、上げ底なメッシュスクリーンでゴミを除去し、連絡渠からの空気を抜き、連絡渠を通して暗渠排水管に供給し、一時的な多量通水により強制流下させ、暗渠排水管の泥土を取り除き、目詰まりを除去する為の暗渠排水管清掃装置で、管水路や開水路タイプに合い、暗渠排水管を利用した作物の地下灌漑を行う、暗渠灌漑清掃装置。」と記載されている。
そして、これによって「暗渠管内に付着した泥土を除去し、暗渠排水機能の回復を図るための清掃には、灌漑用水を取り入れ、自然圧を利用するので、労力がいらない。また、ゴミは、メッシュスクリーンで、除去するので付かない。また、田畑の作物の冠水には、地表からではなく、地下から灌漑を行うため、地表面がベタつかない。また、圃場内の地表に、灌漑用施設がないので、農作業機械の運行や他作業に支障がない。」と記載されている。
特開平01-210534号公報(特許請求の範囲、3頁目の左側段落) 特開昭62-117688号公報(特許請求の範囲、発明の効果) 特開2004-324390号公報(特許請求の範囲、段落0007)
しかし、上記特許文献1に開示された暗渠パイプの目詰り除去方法は、動力噴霧機に連通させた弾力ホースの先端に逆噴射ノズルを取付けて暗渠パイプ内に挿入するため、これら動力噴霧機、弾力ホース及び逆噴射ノズルを揃える必要があり、手軽に実施できるものではなかった。
また、暗渠吸水管の周辺やその上部に埋設されている疎水材等を洗浄できるものではなかった。
さらに、フォーク形状の配管方式では、暗渠吸水管と暗渠集水管との接続箇所等である屈曲部が支障となって、暗渠管を万遍なく洗浄することが困難であった。
ここで、例えば、暗渠吸水管と暗渠集水管の上流端にそれぞれ立上管を設け、ここから弾力ホースを挿入すれば、全ての暗渠管を万遍なく洗浄することができるとも考えられる。しかし、複数箇所に立上管を設ける必要があるばかりか作業も煩雑となり現実的ではない。
このような課題は、上記特許文献2に開示された暗渠排水管掃除用震動ノズルを用いて暗渠管を洗浄した場合でも同様に存在していた。
これらの課題を解決し、忙しい農作業の合間であっても、暗渠管のみならず疎水材等まで簡易かつ手軽に洗浄でき、屈曲部を有する配管方式であっても暗渠管を万遍なく洗浄することができる暗渠の洗浄方法が切望されていた。
一方、上記特許文献3には、当該文献記載の暗渠灌漑清掃装置を用いて暗渠吸水管(暗渠排水管)に供給した後、水閘を一気に開いて、一時的な多量通水により洗浄水を強制流下させて暗渠吸水管(暗渠排水管)を洗浄する旨が記載されている。
しかし、疎水材等を洗浄する方法等は具体的に開示されていない。
また、この暗渠灌漑清掃装置は、エアー抜き等の構造物が圃場に飛び出しているため、農作業に支障が生じやすいものであった。
さらに、この暗渠灌漑清掃装置は、メッシュスクリーンを備えた給水枡に加えて、上流側の連絡渠やエアー抜きも必要であり、施工単価が非常に高いものであった。
これらの課題を解決し、暗渠管のみならず疎水材等まで簡易かつ手軽に洗浄することができる暗渠の洗浄方法等も切望されていた。
本発明は、上記課題を解決するものであり、暗渠管のみならず疎水材等まで洗浄することができ、屈曲部を有する配管方式であっても暗渠管を万遍なく洗浄することができる、簡易かつ手軽な暗渠の洗浄方法を提供するものである。
上記課題を解決するために、暗渠排水口から上方を向くように設けられて暗渠管と連通している縦長の貯水枡に暗渠管から溢れた洗浄水が貯溜されるまで、洗浄水を暗渠に供給する洗浄水供給工程と、洗浄水供給工程の後、暗渠排水口よりも高い位置で貯水枡に配設してある開閉自在の吐水口を開放して、暗渠に供給された洗浄水を異物とともに吐水する洗浄水吐水工程と、を有する、圃場に埋設された暗渠の洗浄方法とした。ここで、前述したように、「暗渠」は、暗渠管のほか疎水材等も含んだ概念である。
この洗浄方法によれば、洗浄水供給工程において、暗渠管から溢れた洗浄水が貯水枡に貯溜されるまで洗浄水を暗渠に供給することで、暗渠管のみならず疎水材等にまで洗浄水を供給でき、その後の洗浄水吐水工程において、暗渠管及び疎水材等に供給した洗浄水を、これらに付着等していた異物とともに吐水するため、暗渠管のみならず疎水材等まで洗浄することができ、且つ、屈曲部を有する配管方式であっても暗渠管の全体を万遍なく洗浄することができる。洗浄水吐水工程では、水頭差を利用して暗渠に供給された洗浄水に暗渠排水口に向かう水流を生じさせ、暗渠に付着している異物を洗い流しつつ洗浄水を吐水する。
また、動力噴霧機、弾力ホース又は逆噴射ノズル等不要であり、暗渠を簡易かつ手軽に洗浄することができる。
ここで、洗浄水吐水工程において、“暗渠排水口よりも高い位置”で貯水枡に配設してある開閉自在の吐水口を開放することが重要である。すなわち、暗渠排水口と同等の高さ又は低い位置に吐水口を配設して、ここから洗浄水を吐水した場合、(1)吐水口から暗渠管に空気が侵入して暗渠管の内側空間の上部に空気溜まりができやすく、その結果、暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しにくくなったり、(2)暗渠に供給した洗浄水が急速に吐水されるため、暗渠排水口に近い暗渠の下流側の洗浄水のみが一気に吐水され、上流側の洗浄水が吐水されにくくなる結果、暗渠の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じたりするのである。しかし、“暗渠排水口よりも高い位置”で貯水枡に配設してある開閉自在の吐水口を開放することで、暗渠管の内部に空気が侵入しにくくなるため暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しやすくなり、一方、暗渠の下流端側の洗浄水のみが一気に吐水される現象を抑制することができるため暗渠の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じにくくなるのである。
洗浄水供給工程では、連絡管を介して貯水枡の側方に立設されている下流側注水管に洗浄水を注水して、下流側注水管から連絡管と貯水枡を経て、洗浄水を暗渠に供給し、連絡管は、暗渠排水口よりも低い位置で貯水枡と接続されていることを特徴とする、暗渠の洗浄方法とすることもできる。
この洗浄方法によれば、連絡管は、暗渠排水口よりも低い位置で貯水枡と接続されているため、下流側注水管に注水した洗浄水が、下流側注水管から連絡管を通り、暗渠排水口よりも低い箇所から貯水枡に流入した後、暗渠に供給されるようになる。すると、暗渠内部に空気が存在する場合であっても暗渠排水口の上部から貯水枡を経て外部に抜け出やすくなり、短時間のうちに洗浄水を供給することができるのである。
洗浄水供給工程では、暗渠の上流端に連接してある上流側注水管に注水して、上流側注水管から洗浄水を暗渠に供給することを特徴とする、暗渠の洗浄方法とすることもできる。
上記洗浄方法によれば、暗渠管の内部に空気が存在する場合であっても、上流端に連接してある上流側注水管から供給された洗浄水に押されて、下流端の暗渠排水口から貯水枡を介して空気が外部に抜け出やすいため、短時間のうちに洗浄水を供給できるのである。暗渠の上流端に立上管を設けてある場合には、この立上管を上流側注水管とし、この上端開口部から洗浄水を注水すればよい。
洗浄水供給工程では、貯水枡に注水して、貯水枡から洗浄水を暗渠に供給することを特徴とする、暗渠の洗浄方法とすることができる。
この洗浄方法によれば、貯水枡から洗浄水を暗渠に供給すればよく、下流側注水管や上流側注水管を準備等する必要がないため、暗渠をより簡易かつ手軽に洗浄することができる。洗浄水は、貯水枡の上端開口部から貯水枡に注水すればよい。
洗浄水吐水工程では、暗渠排水口よりも高い位置で且つ各々の設置高さを異にした状態で複数個が貯水枡に配設してある開閉自在の吐水口を、上側の吐水口から順番に開放して、暗渠に供給された洗浄水を段階的に吐水することを特徴とする、暗渠の洗浄方法とすることもできる。
この洗浄方法によれば、洗浄水を吐水する際に、より一層、暗渠管の内部に空気が侵入しにくくなるため暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しやすくなる。一方で、より一層、暗渠の下流端側の洗浄水のみが一気に吐水されにくくなるため暗渠の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じにくくなる。
洗浄水供給工程と洗浄水吐水工程の後、開放状態にある吐水口を閉止する吐水口閉止工程を有し、上記一連の工程を所定回数繰り返すことを特徴とする、暗渠の洗浄方法とすることも好ましい。
この洗浄方法によれば、洗浄水供給工程と洗浄水吐水工程を繰り返すことにより、暗渠管を十分に洗浄することができる。
中干期間及び稲刈り期間を除いた稲作期間に暗渠の内部を洗浄することを特徴とする、暗渠の洗浄方法とすることもできる。
稲作期間(中干期間と稲刈り期間を除く)は、暗渠管に水が入っており(水閘が閉じられている)圃場の地中水分も多い。このような状況は、暗渠の内部を洗浄水等の水で満たしやすくなり、この洗浄方法によれば、貯水枡に洗浄水が貯溜されるまで洗浄水を供給することが短時間で可能となる。即ち、暗渠にもともと存在する水を洗浄水として有効活用できるのである。
洗浄水供給工程の前に、暗渠排水口との連通接続口を下部に有する貯水枡を、暗渠排水口から上方を向くように設ける、貯水枡取付工程を有する暗渠の洗浄方法とすることも好ましい。
本発明により、暗渠管のみならず疎水材等まで洗浄することができ、屈曲部を有する配管方式であっても暗渠管を万遍なく洗浄することができる、簡易かつ手軽な暗渠の洗浄方法を提供することができる。
以下、図を用いて、本発明の実施形態を例示説明する。図1〜図6は第一洗浄方法を説明するための図であり、図7〜図11は第二洗浄方法を説明するための図である。また、図12〜図14は第三洗浄方法を説明するための図であり、図15は第四洗浄方法を説明するための図である。なお、前述したように、図16及び図17は暗渠自体の構成等を説明するための図である。まず、図1〜図6を用いて、暗渠の第一洗浄方法を説明する。
[第一洗浄方法]
図1は第一洗浄方法に用いる洗浄装置を示す分解斜視図であり、図2は同洗浄装置を示す斜視図、図3は同洗浄装置を示す縦断面図である。また、図4は同洗浄装置を暗渠に取り付けた状態を示す側面図である。さらに、図5は第一洗浄方法の洗浄手順を模式的に示す図であり、図6は図5におけるP部を拡大した断面図である。なお、図3の縦断面図において、本来であれば吐水口23は図示されない筈であるが、理解を助けるため、点線で表示してある。また、図5においては(a)図のみに符号を付し、これに対応する(b)図及び(c)図には符号を付していない。さらに、図5において、吐水口23を閉止した状態を×印で、開放した状態を○印で表示してある。
1.洗浄装置(第一洗浄方法)
まず、第一洗浄方法を説明するため、当該洗浄方法に用いる洗浄装置(以下、第一洗浄装置と称する)を説明する。図1に示すように、第一洗浄装置11は、貯水枡2と下流側注水管3と連絡管4とで構成される。なお、これら各要素の具体的な構成等は以下の説明や各図面によって限定されるものではない。
貯水枡2は縦長状であり、その下部に暗渠排水口との連通接続口21を有する。この連通接続口21は貯水枡2の下部側壁に設けられて水平方向に開口している。貯水枡2は、起立状態で、この連通接続口21を暗渠排水口に嵌合することによって、暗渠の内部と連通状態で暗渠排水口から上方を向くように取り付けられる。
また、貯水枡2は、連通接続口21よりも低い位置、即ち、連通接続口21に接続される暗渠排水口よりも低い位置に、連絡管4(詳細後述)を接続するための連絡管接続口22を有する。連絡管接続口22は、連通接続口21よりも低い位置である貯水枡2の下端側壁に設けられ、水平方向に開口している。開口方向は、連通接続口21と反対方向である。
さらに、貯水枡2は、連通接続口21よりも高い位置、即ち、連通接続口21に接続される暗渠排水口よりも高い位置に吐水口23を有する。吐水口23は貯水枡2の上下方向略中央部の側壁に設けられ、水平方向に開口している。吐水口23は、ねじ込み式の止水栓24が着脱自在に螺着することで開閉自在に構成されている。
なお、本実施の形態において、貯水枡2は、上から、垂直向き長管、第一チーズ管、垂直向き第一短管、第二チーズ管、垂直向き第二短管、第三チーズ管、垂直向き第四短管、底キャップを順次連結して構成され、第一チーズ管の水平開口部が開閉自在の吐水口23、第二チーズ管の水平開口部が暗渠排水口との連通接続口21、第三チーズ管の水平開口部が連絡管との連絡管接続口22を構成している。
下流側注水管3は垂直向きの長管であり、貯水枡2の側方に立設される。下流側注水管3の長さは、貯水枡2の長さより僅かに短い。下流側注水管3の上端開口部は、その内部に洗浄水を注水するための下流注水口31となる。一方、下流側注水管3の下端開口部32は、連絡管4と接続される。下流側注水管3は、貯水枡2と接続した連絡管4に接続されることによって、貯水枡2と連通した状態で貯水枡2の側方に立設される。
連絡管4は、水平短管にエルボ管を連結して構成されている。連絡管4は、下流注水口31から下流側注水管3に注水した洗浄水が、下流側注水管3から連絡管4を通り、暗渠排水口よりも低い箇所から貯水枡2に流入した後、暗渠に供給されるように、下流側注水管3の下端開口部32と、貯水枡2の連通接続口21よりも低い部分に設けられている連絡管接続口22と、を連通接続する。具体的には、水平短管の横向き開口部(一端開口部41)が貯水枡2の連絡管接続口22と、エルボ管の上向き開口部(他端開口部42)が下流側注水管3の下端開口部32とそれぞれ接続され、下流側注水管3と貯水枡2が連通接続されて、図2及び図3に示す第一洗浄装置11となる。
上記第一洗浄装置11は、図4に示すように、貯水枡2の連通接続口21を暗渠排水口90と嵌合して暗渠排水口90から上方を向くように暗渠9に取り付けられる。このとき、水閘94(図4参照)を閉じておくことが好ましい。第一洗浄装置11を暗渠9に取り付けた状態で、貯水枡2と下流側注水管3は、それぞれの上端が、ともに圃場8の表面高さとほぼ等しくなるような長さに構成されている。また、この状態で、吐水口23は、下流注水口31よりも低い位置で貯水枡2に配設されていることになる。吐水口23は、第一洗浄装置11を暗渠9に取り付けた状態で、埋設されている暗渠吸水管91の上流端の高さよりも高く(図示せず)、且つ埋設されている疎水材等95の高さよりも低い位置となるように貯水枡2に配設される。本第一洗浄装置では、吐水口23が、暗渠吸水管91の上流端の高さよりも若干高い位置となるように、貯水枡2に吐水口23を配設した。
2.洗浄水供給工程(第一洗浄方法)
次に、図5を用いて、第一洗浄方法の洗浄手順を説明する。まず、図5(a)に示すように、吐水口23を閉止した状態で、下流注水口31から下流側注水管3に洗浄水7を注水する。このとき、例えば、排水路の水を揚水ポンプで汲み上げて下流側注水管3に注水すればよい。洗浄水7を注水する際には、水閘94(図4参照)を開いておく。下流側注水管3に注水された洗浄水7は、下流側注水管3から連絡管4と貯水枡2の下部領域を経て、暗渠に供給される。このとき、洗浄水7は、暗渠排水口90よりも低い箇所(連絡管接続口22、図1参照)から貯水枡2に流入し、その内部で徐々に水位が上昇する結果、暗渠排水口90の下部から暗渠の内部に供給されることになる。すると、暗渠の内部に空気が存在する場合であっても、図6の上向き矢印に示すように、暗渠排水口90の上部から貯水枡2を経て外部に抜け出やすくなる。これによって、特に、洗浄水を供給する初期段階において効率よく供給作業を行うことができ、短時間で暗渠に洗浄水を供給することができるのである。
暗渠に洗浄水7を供給し続けると、図5(b)に示すように、暗渠管から溢れた洗浄水7(暗渠に入りきらなかった洗浄水7)が貯水枡2に貯溜する。貯水枡2において、圃場の表面下20〜50cm程度の水位になるまで洗浄水7が貯溜し、この状態で水位が安定したら、洗浄水7の供給を止める。ここで、「水位が安定」とは、例えば、注水後2〜3分経過しても水位が殆ど変化しないことをいう。
ここで、貯水枡2における水位が圃場の表面下20〜50cm程度になると、それ以上は水位が上昇しにくくなる場合が多く、この水位まで洗浄水7を貯水枡2に貯溜させることが好ましい。水位が上昇しにくくなるのは、圃場の表面下20〜50cm程度よりも深い部分には通水性等に優れた疎水材等が埋設されているが、この疎水材等の上には比較的通水性の乏しい埋め戻し土を堆積してあることによる。すなわち、貯水枡2における洗浄水7の水位が、圃場に埋設されている疎水材等の高さ程度になるまで、洗浄水7を貯水枡2に貯溜させることが好ましい。
なお、圃場の大きさや埋設されている暗渠の数に応じて、洗浄水7が貯水枡2に貯溜されるまでの時間が異なるが、通常は、数時間程度を要し、この時間は農作業等をすればよい。
3.洗浄水吐水工程(第一洗浄方法)
最後に、図5(c)に示すように、開閉自在の吐水口23を開放し、水頭差を利用して、暗渠の内部に供給された洗浄水7を吐水口23から一気に吐水する。このとき、暗渠管や疎水材等に付着した異物も洗浄水7とともに吐水されるのである。吐水口23は、“暗渠排水口よりも高い位置”で貯水枡に配設してあるため、暗渠9の内部に空気が侵入しにくくなり暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しやすくなる。また、暗渠の下流端側の洗浄水のみが一気に吐水される現象を抑制することができるため暗渠9の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じにくくなるのである。
なお、吐水口23からの吐水が終了したら、第一洗浄装置11を暗渠排水口から取り外したり、連絡管4を貯水枡2の連絡管接続口22から取り外したりして、暗渠の内部に残った洗浄水7を完全に排水してもよい。だた、暗渠の内部に多量の外気が入り込むと、暗渠に溶出している鉄分が酸化されて、赤褐色の堆積土となることも考えられ、できれば避けたいところである。
上記第一洗浄方法よりも、さらに洗浄効果を高めるためには、以下に述べる第二洗浄方法を実施すればよい。
[第二洗浄方法]
以下、図7〜図11を用いて、暗渠の第二洗浄方法を説明する。図7は第二洗浄方法に用いる洗浄装置を示す分解斜視図であり、図8は同洗浄装置を示す斜視図であり、図9は同洗浄装置を暗渠に取り付けた状態を示す側面図である。また、図10は第二洗浄方法の洗浄手順を模式的に示す図であり、図11は図10に対応させて暗渠内の洗浄水の状況を模式的に示す図である。なお、図10及び図11において、(a)図のみに符号を付し、これに対応する(b)図〜(d)図には、原則として符号を付していない。また、図10において、吐水口23を閉止した状態を×印で、開放した状態を○印で表示してある。
1.洗浄装置(第二洗浄方法)
まず、第二洗浄方法を説明するため、当該洗浄方法に用いる洗浄装置(以下、第二洗浄装置と称する)を説明する。なお、以下の図において、前述した第一洗浄装置と同様の構成要素については同じ符号を付し、原則として、その説明を省略する。
図7及び図8に示すように、本第二洗浄装置12は、貯水枡2に二つの吐水口23a,23bが、各々の設置高さを異にした状態で配設してあることを特徴とする。二つの吐水口23a,23bは、ねじ込み式の止水栓24がそれぞれ着脱自在に螺着することで開閉自在に構成されている。
二つの吐水口23a,23bは、図9に示すように、第二洗浄装置12を暗渠9に取り付けた状態で、埋設されている疎水材等95の高さよりも低く、且つ、埋設されている暗渠吸水管91の上流端の高さよりも高い(図示せず)位置となるように、各々が貯水枡2に配設されている。本第二洗浄装置12では、下側の吐水口23bが、暗渠吸水管91の上流端の高さよりも若干高い位置となるように、貯水枡2に吐水口23bを配設した。また、上側の吐水口23aが、疎水材等95の高さよりも若干低い位置となるように、貯水枡2に吐水口23aを配設した。なお、暗渠排水口90との連通接続口21よりも高い位置に吐水口23a,23bが配設してある点や、第二洗浄装置12が、貯水枡2の連通接続口21を暗渠排水口90と嵌合して暗渠排水口90から上方を向くように暗渠9に取り付けられる点は、前述した第一洗浄装置11と同様である。
2.洗浄水供給工程(第二洗浄方法)
次に、図10を用いて、第二洗浄方法の洗浄手順を説明する。図10(a)及び図10(b)に示す洗浄水供給工程は、使用される第二洗浄装置12において上記差異があることを除けば、前述した第一洗浄方法と同様である。しかし、図10(c)以降の洗浄水吐水工程において、第一洗浄方法とは異なる。
3.洗浄水吐水工程(第二洗浄方法)
本第二洗浄方法では、上記洗浄水供給工程の後、図10(c)に示すように、まず、上側の吐水口23aのみを開放し、水頭差を利用して、暗渠に供給された洗浄水7をここから吐水する。このとき、暗渠管や疎水材等に付着した異物が洗浄水7とともに吐水される。しばらくすると、上側の吐水口からの吐水が終わるので、今度は、下側の吐水口23bを開放し、水頭差を利用して、残りの洗浄水7をここから吐水するのである。このときも、暗渠管や疎水材等に付着した異物が洗浄水7とともに吐水される。このように、暗渠に供給された洗浄水7を、上下二つの吐水口23a,23bから段階的に吐水するのである。
本第二洗浄方法によれば、前述した第一洗浄方法を用いた場合以上に、暗渠9の内部に空気が侵入しにくくなり暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しやすくなる。また、暗渠の下流端側の洗浄水のみが一気に吐水される現象を抑制することができるため暗渠9の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じにくくなる。
本第二洗浄方法の各洗浄手順において暗渠内部の洗浄水がどのように変化するか模式的に表現したものが図11である。本図において(a)〜(d)の各段階は、図10における(a)〜(d)の各段階と対応している。図11(b)に示す、貯水枡2に洗浄水7が貯溜して暗渠9に洗浄水7が溜まった状態から、同図(c)に示すように上側の吐水口23aのみを開放すると、吐水口23aから洗浄水7が吐水される。このとき、暗渠9における洗浄水7の水位がほぼ一様に低下して、洗浄水7が層状に排出される。次に、同図(d)に示すように、下側の吐水口23bを開放すると、同図(c)の状態から暗渠9における洗浄水7の水位がさらにほぼ一様に低下して、洗浄水7が層状に排出される。なお、図11において、疎水材等95と水閘94との間には土壌が存在し、一般的に、土壌は疎水材等95より通水性等が劣る。このため、洗浄水7の水位は、疎水材等95と前記土壌の境界部分において、本図(b)ないし(d)に示す様な直線状にならない場合もあると思われるが、これらの図では便宜上、水位を直線状に示してある。
このように、洗浄水の水位をほぼ一様に段階的に低下させて洗浄水を層状に排出することができるため、急激な水位低下が起こらなくなり、洗浄水が暗渠管を満水の状態で流れる区間及び時間が増える結果、暗渠管の全体を十分に洗浄することができるのである。また、これにより、前述した第一洗浄方法を用いた場合以上に、暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しやすくなるとともに、暗渠の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じにくくなるのである。
ここで、図11(d)の状態から、開放状態にある両吐水口23a,23bを閉止し(吐水口閉止工程)、再度、図11(a),(b)の洗浄水供給工程と図11(c),(d)の洗浄水吐水工程を行ってもよい。さらに、これらの洗浄水供給工程、洗浄水吐水工程及び吐水口閉止工程を複数回繰り返してもよい。
なお、図11(b)において、暗渠9に溜まった洗浄水7の水位が、水平になっておらず、暗渠9の上流側に向けて下方に傾斜した状態となっている。このような現象は、主に、暗渠吸水管91の管路が密閉されていないため、上流側で圧力が抜けることによる。
一方、圃場において、暗渠の上流端に立上管が立設されている場合は、以下に述べる第三洗浄方法がより簡易かつ手軽に実施できる。
[第三洗浄方法]
以下、図12〜図14を用いて、暗渠の第三洗浄方法を説明する。図12は第三洗浄方法に用いる洗浄装置を示す斜視図、図13は同洗浄装置を暗渠に取り付けた状態を示す断面図、図14は第三洗浄方法の洗浄手順を模式的に示す図である。本洗浄方法は、暗渠管と連通状態で、暗渠の上流端に立上管が連接されている場合に用いられる。例えば、図13に示すように、L字形の立上管(上流側注水管5)が暗渠の上流端に連接されている場合には、このL字形の立上管を上流側注水管5として、ここから暗渠の内部に洗浄水を供給するのである。L字形の立上管(上流側注水管5)は、上方を向くような状態で暗渠の上流端に連接され、その上端開口部は地表に現れている。
1.洗浄装置(第三洗浄方法)
まず、第三洗浄方法を説明するため、当該洗浄方法に用いる洗浄装置(以下、第三洗浄装置と称する)を説明する。図12に示すように、本第三洗浄装置13は、貯水枡2からなり、前述した第二洗浄装置12(図8等参照)と異なり下流側注水管(3)と連絡管(4)を有していない。また、連絡管(4)を有していないため、これと接続する連絡管接続口(22)を貯水枡2が備えていない点でも第二洗浄装置12と異なる。
2.洗浄水供給工程(第三洗浄方法)
次に、図13及び図14を用いて、第三洗浄方法の洗浄手順を説明する。まず、図14(a)に示すように、吐水口23a,23bを閉止した状態で、図13に示す、上流側注水管5の上端開口部である上流注水口51から上流側注水管5に洗浄水を注水する。注水された洗浄水は、上流側注水管5から暗渠9に供給される。
暗渠9に洗浄水を供給し続けると、図14(b)に示すように、暗渠管から溢れた洗浄水7(暗渠に入りきらなかった洗浄水7)が貯水枡2に貯溜し始める。前述した第一洗浄方法と同様、貯水枡2において水位が圃場表面下20〜50cm程度になるまで貯溜し、この状態で水位が安定したら、洗浄水の供給を止める。
3.洗浄水吐水工程(第三洗浄方法)
上記、洗浄水供給工程の後、前述した第二洗浄方法と同様、図14(c)に示すように、まず、上側の吐水口23aを開放して、暗渠の内部に供給された洗浄水をここから吐水し、この吐水が終了したら、下側の吐水口23bを開放して、残りの洗浄水をここから吐水するのである。
本第三洗浄方法によれば、暗渠管の内部に空気が存在する場合であっても、暗渠9の上流側から供給された洗浄水に押されて、下流端の暗渠排水口90から空気が外部に抜け出やすくなり、短時間のうちに洗浄水を供給できるのである。
暗渠の上流端に立上管が連接されていない場合は、L字形の立上管(上流側注水管5)を暗渠の上流端に連接すればよい。しかし、上流側注水管5を暗渠の上流端に連接しなくても、本第三洗浄装置を用いて、以下の洗浄方法を実施することができる。
[第四洗浄方法]
次に、暗渠の第四洗浄方法を説明する。図15は第四洗浄方法の洗浄手順を模式的に示す図である。本第四洗浄方法に用いる洗浄装置は、前述した第三洗浄装置13(図12参照)と同じ構成である。
図15を用いて、第四洗浄方法の洗浄手順を説明する。前述した第三洗浄方法との違いは、洗浄水供給工程において、図15(a)に示すように、貯水枡2の上端開口部を注水口25とし、ここから貯水枡2に洗浄水7を注水して、貯水枡2から洗浄水7を暗渠に供給する点である。
この洗浄方法によれば、下流側注水管や上流側注水管を準備等する必要がないため、暗渠をより簡易かつ手軽に洗浄することができる。しかし、暗渠管の内部に空気が存在する場合には、この空気が、洗浄水が注水される貯水枡2を経て外部に抜けにくいため、洗浄水を暗渠に供給するのに時間がかかるというデメリットがある。
以上説明した、第一洗浄方法から第四洗浄方法の全てにおいて、土中の水分が高い時期に実施することが好ましい。具体的には、中干期間と稲刈り期間とを除く稲作期間に実施することが好ましく、特に、湛水期間に実施することが最も好ましい。これらの期間は、暗渠管に水が入っており(水閘が閉じられている)圃場の地中水分も多いため、短時間のうちに、暗渠を洗浄水等の水で満たすことが可能となる。このとき、水閘は、洗浄装置を取り付けた後で開放する。
ここで、本発明の洗浄方法に用いる洗浄装置について列記しておく。
(1)
圃場に埋設した暗渠を洗浄するための暗渠の洗浄装置であって、暗渠排水口との連通接続口を下部に有し、暗渠排水口から上方を向くように設けられる縦長の貯水枡と、該貯水枡の側方に立設される下流側注水管と、該下流側注水管と前記貯水枡とを連通させる連絡管と、を備え、前記連絡管は、前記下流側注水管に注水した洗浄水が、前記下流側注水管から前記連絡管を通り、暗渠排水口よりも低い位置から前記貯水枡に流入した後、暗渠に供給されるように、前記下流側注水管の下端開口部と前記貯水枡の前記連通接続口よりも低い部分とを連通接続し、前記貯水枡は、前記連通接続口よりも高い位置に開閉自在の吐水口を有してなり、暗渠排水口から上方を向くように設けられた前記貯水枡に暗渠管から溢れた洗浄水が貯溜されるまで、前記下流側注水管から洗浄水を暗渠に供給し、その後、前記吐水口を開放して、暗渠に供給された洗浄水を異物とともに吐水するように構成した、暗渠の洗浄装置。
(2)
圃場に埋設した暗渠を洗浄するための暗渠の洗浄装置であって、暗渠排水口との連通接続口を下部に有し、暗渠排水口から上方を向くように設けられる縦長の貯水枡と、暗渠の上流端に連接する上流側注水管と、を備え、前記貯水枡は、前記連通接続口よりも高い位置に配設された開閉自在の吐水口を有し、暗渠排水口から上方を向くように設けられた前記貯水枡に暗渠管から溢れた洗浄水が貯溜されるまで、前記上流側注水管から洗浄水を暗渠に供給し、その後、前記吐水口を開放して、暗渠に供給された洗浄水を異物とともに吐水するように構成した、暗渠の洗浄装置。
(3)
圃場に埋設した暗渠を洗浄するための暗渠の洗浄装置であって、暗渠排水口との連通接続口を下部に有し、暗渠排水口から上方を向くように設けられる縦長の貯水枡からなり、該貯水枡は、前記連通接続口よりも高い位置に配設された開閉自在の吐水口を有してなり、暗渠排水口から上方を向くように設けられた前記貯水枡に暗渠管から溢れた洗浄水が貯溜されるまで、前記貯水枡から洗浄水を暗渠に供給し、その後、前記吐水口を開放して、暗渠に供給された洗浄水を異物とともに吐水するように構成した、暗渠の洗浄装置。
(4)
吐水口は、各々の設置高さを異にした状態で複数個が貯水枡に配設してあり、暗渠排水口から上方を向くように設けられた前記貯水枡に暗渠管から溢れた洗浄水が貯溜されるまで、洗浄水を暗渠に供給し、その後、前記複数個の吐水口を、上側の吐水口から順番に開放して、暗渠の内部に供給された洗浄水を前記吐水口から異物とともに段階的に吐水するように構成した上記(1)〜(3)いずれか記載の暗渠の洗浄装置。
以上、特定の実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
例えば、上記全ての洗浄装置において、吐水口(23,23a,23b)には、ねじ込み式の止水栓24を着脱自在に螺着させたが、これに限定されず、吐水口(23,23a,23b)を覆うような止水キャップを被せてもよい。要するに、吐水口を開閉自在に構成できればよく、この点で種々の公知の技術的手段を用いることができる。
また、第二洗浄方法及び第三洗浄方法において、二つの吐水口23a,23bを設けた貯水枡2を用いているが、これに限定されず、吐水口を三つ以上設けてもよい。この場合でも、上側の吐水口から順番に開放して、暗渠の内部に供給された洗浄水を段階的に吐水する。これによって、より一層、暗渠管の内周面上部に付着している異物を洗い流しやすくなるとともに、暗渠の上流側と下流側で洗浄結果に大きな差が生じにくくなる。
また、吐水口を三つ以上設けた場合、上側の吐水口から所定の高さの吐水口まで順番に開放したら、その下側の吐水口を開放せずに、既に吐水が終わった吐水口を閉止して、洗浄水供給工程を行い、再び上記作業を繰り返してもよい。これによって、暗渠の所定箇所を選択的に繰り返し洗浄することができる。
また、第三洗浄方法において、暗渠の上流端にL字形の立上管が連接されている場合を例示したが、これに限定されず、上流端に直管状の立上管が連接されている場合でもよい。また、立上管のない圃場では、暗渠の上流端に直管状の立上管を連接して上流側注水管としてもよい。しかし、直管状の立上管を連接する場合等は、その上端開口部が圃場の表面に現れて農作業の邪魔になることから、L字形の立上管を暗渠の上流端に連接して上流側注水管とすることが好ましい。
また、上記各洗浄方法に使用された洗浄装置は、暗渠の内部に洗浄水等を貯める機能を備えており、暗渠に取り付けた状態で水閘としても使用することができる。すなわち、吐水口の開閉によって圃場の水分コントロール(圃場の深水管理)を行うのである。通常の水閘と比較して単純な構成であるため、丈夫で壊れにくい。また、暗渠の洗浄機能と水閘としての機能を備えており、多機能かつ便利である。水閘が設けてある場合には、この水閘を常に開放しておき、本洗浄装置に水閘としての機能を担わせればよい。
第一洗浄方法に用いる洗浄装置を示す分解斜視図である。 第一洗浄方法に用いる洗浄装置を示す斜視図である。 第一洗浄方法に用いる洗浄装置を示す縦断面図である。 第一洗浄方法に用いる洗浄装置を暗渠に取り付けた状態を示す側面図である。 第一洗浄方法の洗浄手順を断面図によって模式的に示す図である。 図5におけるP部を拡大した断面図である。 第二洗浄方法に用いる洗浄装置を示す分解斜視図である。 第二洗浄方法に用いる洗浄装置を示す斜視図である。 第二洗浄方法に用いる洗浄装置を暗渠に取り付けた状態を示す側面図である。 第二洗浄方法の洗浄手順を断面図によって模式的に示す図である。 図10に対応させて暗渠内の洗浄水の状況を模式的に示す図である。 第三洗浄方法に用いる洗浄装置を示す斜視図である。 第三洗浄方法に用いる洗浄装置を暗渠に取り付けた状態を示す断面図である。 第三洗浄方法の洗浄手順を断面図によって模式的に示す図である。 第四洗浄方法の洗浄手順を断面図によって模式的に示す図である。 暗渠を埋設した圃場の断面図である。 フォーク形状の配管方式を用いた暗渠を埋設した圃場の平面図である。
符号の説明
11,12,13 暗渠洗浄装置
2 貯水枡
21 連通接続口
22 連絡管接続口
23,23a,23b 吐水口
24 止水栓
25 注水口
3 下流側注水管
31 下流注水口
32 下端開口部
4 連絡管
41 一端開口部
42 他端開口部
5 上流側注水管
51 上流注水口
7 洗浄水
8 圃場
82 排水路
85 埋め戻し土
9 暗渠
90 暗渠排水口
91 暗渠吸水管
94 水閘
95 疎水材等

Claims (7)

  1. 暗渠排水口から上方を向くように設けられて暗渠管と連通している縦長の貯水枡に暗渠管から溢れた洗浄水が貯溜されるまで、洗浄水を暗渠に供給する洗浄水供給工程と、
    該洗浄水供給工程の後、前記暗渠排水口よりも高い位置で前記貯水枡に配設してある開閉自在の吐水口を開放して、暗渠に供給された洗浄水を異物とともに吐水する洗浄水吐水工程と、
    を有する、
    圃場に埋設された暗渠の洗浄方法。
  2. 洗浄水供給工程では、
    連絡管を介して貯水枡の側方に立設されている下流側注水管に洗浄水を注水して、該下流側注水管から前記連絡管と貯水枡を経て、洗浄水を暗渠に供給し、
    前記連絡管は、
    暗渠排水口よりも低い位置で貯水枡と接続されていることを特徴とする、
    請求項1記載の暗渠の洗浄方法。
  3. 洗浄水供給工程では、
    暗渠の上流端に連接してある上流側注水管に注水して、該上流側注水管から洗浄水を暗渠に供給することを特徴とする、
    請求項1記載の暗渠の洗浄方法。
  4. 洗浄水供給工程では、
    貯水枡に注水して、貯水枡から洗浄水を暗渠に供給することを特徴とする、
    請求項1記載の暗渠の洗浄方法。
  5. 洗浄水吐水工程では、
    暗渠排水口よりも高い位置で且つ各々の設置高さを異にした状態で複数個が貯水枡に配設してある開閉自在の吐水口を、上側の吐水口から順番に開放して、暗渠に供給された洗浄水を段階的に吐水することを特徴とする、
    請求項1〜4いずれか記載の暗渠の洗浄方法。
  6. 洗浄水供給工程と洗浄水吐水工程の後、
    開放状態にある吐水口を閉止する吐水口閉止工程を有し、
    上記一連の工程を所定回数繰り返すことを特徴とする、
    請求項1〜5いずれか記載の暗渠の洗浄方法。
  7. 中干期間及び稲刈り期間を除いた稲作期間に暗渠の内部を洗浄することを特徴とする、
    請求項1〜6いずれか記載の暗渠の洗浄方法。
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