JPH0444185Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【産業上の利用分野】 この考案は、遠心濾過作用を利用して、汚泥を
濃縮する汚泥遠心濃縮装置に関するものである。

【従来の技術】

従来から、汚泥の濃縮のために最も広く用いら
れている汚泥遠心濃縮装置は、上端が開放された
円錐台形の内面を有し、周壁に多数の透孔が形成
された回転バスケツトと、この回転バスケツトの
内面に沿つて配置された濾布と、この濾布の内側
に原汚泥を供給する汚泥供給管とを有している。 そして、汚泥供給管によつて濾布の内側に供給
された原汚泥を、回転バスケツトの回転によつて
生じる遠心力の作用で、小径側から大径側に向け
て移動させる間に、水分を濾布および回転バスケ
ツトの透孔を通して除去して、汚泥を濃縮させる
ようにしたものである。

【考案が解決しようとする課題】

従来の汚泥遠心濃縮装置は以上のように構成さ
れているので、原汚泥中に夾雑物や砂等がある
と、これらが濾布の内面に付着し、濾布の有効濾
布面積が減少して、汚泥の濃縮度が低下してしま
う。また、夾雑物や砂等が濾布の内面に付着した
ために回転バスケツトの回転バランスが崩れて、
回転バスケツトに振動が発生してします。そし
て、回転バスケツトに振動が発生すると、濾布が
回転バスケツトから外れたり、破損し易くなるな
どの問題点があつた。 この考案は上記のような問題点を解消するため
になされたもので、原汚泥中の夾雑物を予め除去
した汚泥を回転バスケツトの濾布の内側に供給で
きる汚泥遠心濃縮装置を得ることを目的とする。

【課題を解決するための手段】

この考案に係る汚泥遠心濃縮装置は、汚泥供給
管によつて回転バスケツトの濾布の内側に供給さ
れる原汚泥中の夾雑物などをストレーナによつて
除去するようにしたものである。

【作用】

この考案におけるストレーナは、原汚泥中の夾
雑物を予め除去し、夾雑物のない汚泥を回転バス
ケツトの濾布の内側に供給する。

【実施例】

以下、この考案の一実施例を図について説明す
る。 第１図において、１は回転バスケツト、２は濾
布、３は汚泥供給管をそれぞれ示す。回転バスケ
ツト１は、上端が開放されていて、下端から上端
にかけて次第に大径となる円錐台形の内面を有
し、その周壁には多数の透孔１ａが形成されてい
る。 そして、回転バスケツト１の中心部の下部が垂
直な回転軸４の上端に同一軸線状に固定されてい
る。また、濾布２も上記同様の円錐台形に形成さ
れていて、この濾布２は回転バスケツト１の内面
に配置されている。そして、濾布２の中心部と周
縁部とが回転バスケツト１の中心部と周壁とに押
え板５と複数の取付ピン６などによつて脱着可能
に取付けられている。なお、押え板５は円板状に
形成されていて、複数のボルト７などによつて濾
布２の中心部の上から回転バスケツト１の中心部
に固定されている。また、原汚泥を供給する汚泥
供給管３の先端３ａは濾布２の中心部の真上に下
向きに開放されている。 そして、８がこの考案のストレーナである。こ
のストレーナ８は、押え板５の上部に一体に固定
されて、汚泥供給管３の先端３ａの真下で回転バ
スケツト１の中心に配置されている。なお、この
ストレーナ８は、上端が開放されていて、汚泥供
給管３の先端３ａより大径の円筒形や円錐台形に
形成されている。そして、このストレーナ８は、
パンチングメタル、ウエツジワイヤー、樹脂など
で構成されたものであり、その周壁には、第２図
Ａ，Ｂ，Ｃに示すような多数のパンチ穴８ａ，横
スリツト８ｂ，縦スリツト８ｃなどが設けられて
いる。 次に動作について説明する。 原汚泥は、汚泥供給管３の先端３ａからストレ
ーナ８内に導入されて、このストレーナ８内で原
汚泥中の夾雑物が除去される。そして、夾雑物が
除去された汚泥が、ストレーナ８の多数のパンチ
穴８ａ，横スリツト８ｂ，縦スリツト８ｃなどを
通つて濾布２の内側に供給される。 そして、濾布２の内側に供給された汚泥は、回
転バスケツト１の回転によつて生じる遠心力の作
用で、小径側から大径側に向けて移動され、この
間に、水分が濾布２および透孔１ａを通して除去
されて、汚泥が濃縮される。 この際、ストレーナ８が原汚泥中の夾雑物を予
め除去するので、夾雑物の少ない汚泥を回転バス
ケツト１の濾布２の内側に供給することができ
て、夾雑物が濾布２の内側に付着することを極力
防止することができる。従つて、夾雑物が濾布２
の内面に付着したために生じる濾布の有効濾過面
積の減少や回転バスケツト１の振動発生と言つた
不都合を未然に防止することができる。 なお、当然ストレーナ８の清掃、交換が必要と
なるが、清掃の時期の判断は、原汚泥の供給が計
量タンクからの自然流下であれば、タンクの液面
上昇を検知すれば良く、定量ポンプによる供給で
あれば吐出圧の上昇を検知すれば良い。また、分
離液や濃縮液が出てこないことで知ることも可能
である。そして、ストレーナ８の清掃、交換を行
う際には、ボルト７を外して、押え板５ごとスト
レーナ８を回転バスケツト１内から取外せば良
い。 なお、上記実施例では、ストレーナ８を汚泥供
給管３から分離して、回転バスケツト１内の押え
板５上に設けたものを示したが、第３図に示すよ
うに、ストレーナ８を汚泥供給管３の先端３ａの
外周に複数のボルト９などによつて脱着可能に取
付けても良い。また、第４図に示すように、汚泥
供給管３の途中に設けられたトラツプ１０内にス
トレーナ８を脱着可能に収容させても良い。 そして、これら第３図および第４図に示す何れ
の場合でも、汚泥供給管３によつて供給する原汚
泥中の夾雑物をストレーナ８によつて予め除去し
て、夾雑物のない汚泥を濾布２の内側に供給する
ことができる。

【考案の効果】

以上のように、この考案によれば、原汚泥中の
夾雑物をストレーナによつて予め除去して、夾雑
物のない汚泥を回転バスケツトの濾布の内側に供
給して、汚泥の遠心濃縮を行えるように構成した
ので、夾雑物が濾布の内面に付着することを極力
防止することができて、濾布の有効濾過面積の減
少を抑制して、汚泥の濃縮度を向上させることが
できる。また、回転バスケツトの回転バランスの
崩れによる振動の発生を防止して、回転バスケツ
トを安定良く回転させることができるので、汚泥
の遠心濾過作用を安定して効率良く行える上に、
濾布が回転バスケツトから外れたり、破損するこ
とを極力防止することができて、濾布の寿命を延
ばすことができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例による汚泥遠心濃
縮装置を示す断面側面図、第２図Ａ，Ｂ，Ｃはス
トレーナの概略斜視図、第３図はこの考案の他の
実施例を示す断面側面図、第４図はこの考案のも
う１つの他の実施例を示す断面側面図である。 １は回転バスケツト、１ａは透孔、２は濾布、
３は汚泥供給管、３ａは汚泥供給管の先端、５は
押え板、７，９はボルト、８はストレーナ、１０
はトラツプ。なお、図中、同一符号は同一、又は
相当部分を示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 上端が開放された円錐台形の内面を有し、周
   壁に多数の透孔が形成された回転バスケツト
   と、この回転バスケツトの内面に沿つて配置さ
   れた濾布と、この濾布の内側に原汚泥を供給す
   る汚泥供給管とを備えた汚泥遠心濃縮装置にお
   いて、上記汚泥供給管によつて上記濾布の内側
   に供給される原汚泥中の夾雑物を除去するスト
   レーナを設けたことを特徴とする汚泥遠心濃縮
   装置。 (2) 上記ストレーナを上記汚泥供給管の先端の真
   下で上記回転バスケツト内の中心に設けたこと
   を特徴とする請求項１記載の汚泥遠心濃縮装
   置。 (3) 上記ストレーナを上記汚泥供給管の先端に設
   けたことを特徴とする請求項１記載の汚泥遠心
   濃縮装置。 (4) 上記ストレーナを収容したトラツプを上記汚
   泥供給管の途中に設けたことを特徴とする請求
   項１記載の汚泥遠心濃縮装置。