JPH0441933A - 樹脂製インペラの締結方法 - Google Patents

樹脂製インペラの締結方法

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JPH0441933A
JPH0441933A JP14384190A JP14384190A JPH0441933A JP H0441933 A JPH0441933 A JP H0441933A JP 14384190 A JP14384190 A JP 14384190A JP 14384190 A JP14384190 A JP 14384190A JP H0441933 A JPH0441933 A JP H0441933A
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JP
Japan
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torque
fastening
impeller
resin
resin impeller
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JP14384190A
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English (en)
Inventor
Hikari Iio
光 飯尾
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) この発明は、コンプレッサ用樹脂製インペラを備えたタ
ーボチャージャにおいて、前記樹脂製インペラをタービ
ンロータtteAl、f:シャフトに締結するのに利用
される樹脂製インペラの締結方法に関するものである。 (従来の技術) 従来、過給式エンジンに用いるターボチャージャのコン
プレッサとしてアルミニウム製インペラを用いることが
よく行われており、このようなアルミニウム製インペラ
をタービンロータを接合したシャフトに締結する締結方
法としては、例えば第2図に示すように1図示しないタ
ービンロータを接合したシャフト11に、アルミニウム
製インペラ12の軸孔12aをスリーブ13の部分にま
で挿通し、ボス部14およびワッシャ15を介してナツ
ト16をねじ込む構成として、室温雰囲気中で図示しな
いトルクレンチを用いて所定のトルク値でナツト16を
締め付ける方法を採用していた(なお、この種の過給式
エンジンに用いるターボチャージャに関しては1例えば
、「新編自動工学便覧く第41A>J昭和58年9月3
0日 社団法人自動車技術会発行の第1−30頁〜第1
−32頁の12・4φ2タ一ボ過給機Jに説明がなされ
ている。)。 ところで、その一方においては、コンプレッサインペラ
やタービンロータの軽量化についても鋭意研究がなされ
ており、コンプレッサインペラとしては樹脂製インペラ
を用いることが検討され、タービンロータとしてはセラ
ミックスや金属間化合物などを用いることが検討され、
一部実用化されている。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来のアルミニウム製インペ
ラに用いていたシャフトに対する締結方法を樹脂製イン
ペラに流用した場合には、締め付けトルクの低下が発生
するおそれがないとはいえないという問題点があり、こ
のような問題点を解決することが課題としてあった。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題にかんがみてなされ
たものであり、ターボチャージャのコンプレッサ側のイ
ンペラ用材料として高分子材料ないしは高分子基複合材
料を用いた場合に生じる軸力低下をナツト部座面と樹脂
製インペラポス部間の摩擦力の増加によって補うことに
より締結力を維持させ、締め付けトルクの低下が発生し
ないようにすることを目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) この発明に係わる樹脂製インペラの締結方法は、コンプ
レッサ用樹脂製インペラを備えたターボチャージャの前
記樹脂製インペラをタービンロータを接合したシャフト
に締結する締結方法において、前記樹脂製インペラの締
結を、樹脂製インペラ用材料の圧縮降伏が発生する締め
付けトルクがシャフトの破損が発生する締め付けトルク
を下回る雰囲気湿度領域下において樹脂製インペラ用材
料の圧縮降伏が発生するトルク値よりも大きくかつ圧縮
破壊の発生するトルク値よりも小さな締め付けトルクを
負荷することによって行う構成としたことを特徴として
おり、このような樹脂製インペラの締結方法の構成を前
述した従来の課題を解決するための手段としている。 第1図は、この発明に係わる樹脂製インペラの締結方法
の一実施例を示す図であって、第1図に示すように、図
示しないタービンロータを接合したシャフト1に、樹脂
製インペラ2の軸孔2aをスリーブ3の部分にまで挿通
し、ボス部4およびワッシャ5を介してナツト6をねじ
込む構成としており、樹脂製インベア2はスリーブ3と
ワッシャ5とに挟まれた状態でナツト6を締め付けるこ
とでタービンロータと接合されたシャフト1に固定され
ている。 この場合、ナツト6を用いた締結作業は、通常、室温下
でトルクレンチを用いて所定のトルク値で締結する方法
をとっているが、ターボチャージャ付き車両の走行距離
の増加とともに、換言すればターボチャージャの実作動
時間の増加とともに、締結力が低下し、その結果として
ターボチャージャの回転部位のバランスが悪くなること
があるという問題点を有していた。 このアンバランスは、締結力の低下によってシャフトに
対するインペラの取り付け位相がわずかに変化し、この
結果、初期の組み立て状態において達成されていたバラ
ンスがくずれて、インペラ単体の持つアンバランスが顕
在化して生じる。 インペラの有するアンバランス値は1通常、中心部から
アンバランス部までの距離:dとその重量mとの積、d
・mで表わされるが、この値自体は非常に小さい。 しかし1周知のように、ターボチャージャは最高回転数
でloo、000rpm−130゜00Orpmに達す
る高速回転体であるため、上記のようなわずかなアンバ
ランスが非常に大きな振動Gの発生要因となる。 このようなターボチャージャ作動時に発生する振動Gは
、ターボチャージャ実用化初期時にはあまり問題とされ
なかったが、近年、車両の静粛性に対する要望のだかま
りに呼応してターボチャージャの振動Gが問題となるよ
うになってきた。 トコ口で、現在一般に使用されているアルミニウム製イ
ンペラ12に代わって樹脂製インペラ2を用いると、高
分子材料ないしは高分子基り合材材の場合には高温環境
下での応力緩和およびクリープ現象は宿命的現象である
ため、軸力低下は不可避とも言える。 この軸力低下は、締結力の低下要因となるため、アルミ
ニウム製インペラ以上に振動Gに関する問題は考慮され
るべきである。 したがって、締結トルクの低下によって生じる振動Gの
増大を防止する締結方法の開発が望まれていた。 そこで、本発明者は、締結力の低下が少ない樹脂製イン
ペラの締結方法を開発するため、まず、締結力の低下要
因を明らかにすることとした。 締結力の低下の発生要因としては、 (1)ターボチャージャの高速回転時に発生する遠心応
力・軸方向応力によるクリープ現象(2)高負荷走行後
、アフターアイドルを行うことなくキーオフした場合に
発生するヒートソークバック現象にともなう応力緩和 が考えられる。 そこで上記2項目の締結力への影響を調べた。 (1)ターボチャージャの高速回転時に発生する遠心応
力・軸方向応力によるクリープ現象まず、遠心応力およ
び軸方向応力によるクリープ現象と締結力の変化との関
係を調べた。 試験には30wt%の炭素短繊維強化ポリエーテルケト
ン樹脂(PEK−CF30)および30wt%の炭素類
#l維強化ポリエーテルケトン、/ポリエーテルイミド
樹脂(PEK/PE l−CF30)を用いて射出成形
によって作成した樹脂製インペラを用いた。なお、後者
の材料はポリエーテルケトン樹脂とポリエーテルイミド
樹脂の重量比8:2のポリマーブレンド材料であり、ポ
リエーテルケトン樹脂には英国1.C,1,社製の商品
名V I CTREX PEK”を使用し1、ポリエー
テルイミド樹脂にはGeneralElectric 
 F1a5tics社製の商品名”ULTEM”を使用
した。さらに、炭素繊維は東邦レーヨン製の商品名HT
A“BESFIGHT″7を使用した。 試験は以下の第1表に示す3条件で行い、締結トルクの
経詩変化を測定した。 試験N001および試験No、 3は単体連続耐久試験
で測定した結果を示し、試験2は実験用車両に搭載して
測定した結果を示し、試験温度はコンプレッサ用樹脂製
インペラ出口での値を示す。 第3図および第4図に試験No、  1および試験No
、 3の試験結果をそれぞれ示す、また、試験No、 
2については、10.OOOkm走行後、ターボチャー
ジャ組立体を取り外してトルク値を8足したところ、1
.3kgf*mであった。 第3図および第4図からも明らかなように、単体連続耐
久試験においても、また、実車耐久試験においても、締
結トルクの低下は発生しておらず、むしろ増加している
傾向が認められた。つまり、ターボチャージャの高速回
転にともなう遠心応力および軸方向応力によるクリープ
は、締結トルクの低下とは無関係と考えられた。 これは、インペラの締結に使用しているナツトが逆ネジ
であるために、インペラの回転方向がナツトの締め付け
方向と一致し、しかも回転中に作用する軸方向応力によ
ってナツト座面に樹脂製インペラポス部が押しつけられ
ているために2両者間の接触面積がわずかに増加したた
めと考えられた。 (2)高負荷走行後、アフターアイドルを行うことなく
キーオフした場合に発生するヒートンークバック現象に
ともなう応力緩和 次に、樹脂製インペラを組み込んだターボチャージャ組
立体を小型オーブン中に放置し、締結トルクの経時変化
を調べた。なお、ここで用いた樹脂製インペラの材料は
、30wt%炭素短繊維強化ポリエーテルケトン/ポリ
エーテルイミド(PEK/PE l−CF30)であり
、試験条件は第2表に示す通りであって、試験NO64
の結果を第5図に示し、試験No、  5 、6の結果
を第6図に示し、試験N017の結果を第7図に示し、
試験No、 8の結果を第8図に示し、試験No、9.
10の結果を第9図に示す。 第2表 第5図、第6図および第7図に示す結果からも明らかな
ように、試験温度150℃以下では締結トルクを現行の
アルミニウム製インペラの締結トルク1.Okgf−m
の50%増しに設定した150°C,1,5kgf−m
の場合を除くと、締結トルクの低下は生じていない。ま
た、第8図に示すように、試験温度が160℃になると
、締結トルクが1.Okgfllmでも0.1kgf−
m程度のトルク低下が発生するが、この時点で増し締め
を行うと以後締結トルクの低下は発生しない、そして、
締結トルクの低下が150℃〜160℃付近から発生す
るようになるのは、おそらく80%を占めるポリエーテ
ルケトン樹脂のガラス転移温度が約160℃であること
に起因していると考えられた。なお、本材料のガラス転
移温度は示差熱分析によると約180℃である。 さらに、試験No、9.10のごとく試験温度をガラス
転移温度よりも高い200℃に設定すると、第9図に示
すように締結トルクは大幅に低下し、低下時点で増し締
めを行っても初期設定値まで回復しないことが認められ
た。 この時の締結トルク0.2kgf−m 〜0.3kgf
smという値は、シャフトへの締め付け力がほとんど働
いていないことを意味しており、同軸上のタービンロー
タよりも回転数が小さくなる結果を生む、したがって、
過給性能を著しく低下させる原因となる。 また、初期設定トルクを大きくすると、トルク低下時の
残留締結トルクは確かに大きくなるが、増し締め番繰り
返すと初期設定トルクに無関係に一定値となってしまう
点が注目に値する。 つまり、アルミニウム製インペラと同様な締結方法を用
いると、試験温度200℃では初期設定トルクによらず
0.6kgf・m 〜0.7kgf・m以上のトルク値
を維持することは困難であり、現行のアルミニウム製イ
ンペラなみの締結トルクを維持することは困難である。 ターボチャージャのコンプレッサ側となるインペラは、
その過給仕事による温度上昇が伴うため、高温下でも十
分な締結トルクを保持していることが必須であるが、単
に過給仕事による温度上昇だけを議論するのであれば、
本材料の場合、特に締結方法に関する新らたな開発を要
しない、なぜならば、現在実用化されているターボチャ
ージャのレベルでは、コンプレッサの最も温度が高い部
位でも130℃程度であり、特にナツト部はコンプレッ
サの入口に近いため、トルク低下が発生するような温度
には達しない。 しかしながら、高負荷走行後にアフターアイドリングを
行うことなくキーオフすると、オイルの循環が直ちに停
止するため、タービン/\ウジングからの伝熱によって
コンプレッサ/\ウジング内の温度が上昇し、ナツト部
局適温度は200℃前後にも達する。したがって、上記
の試験と同様な環境条件が実機使用中も発生する可能性
が大きく、これに対する対策が必要となってくる。 そこで、連続耐久試験および実車走行試験では、締結ト
ルクがむしろ増加していることから、連続耐久試験およ
び実車走行試験に供した樹脂製インペラを組み込んだタ
ーボチャージャ組立体を用いて、小型オーブン中におい
て200℃でのトルク変化測定を行った。 この結果、トルクの低下は全く発生せず、以上の試験結
果から樹脂製インペラの締結トルク低下は笑事走行距離
が少ない時点で(つまり、ターボチャージャの作動時間
が少ない時点で)ヒートソークバック状態になると発生
することが明らかとなった。 つまり、締め付けトルクの低下は無負荷状態のヒートソ
ークパック時に発生し、かつヒートソークパックが生じ
る以前にターボチャージャの作動した時間が短いほど著
しいことがわかった。 この事実は、初期のトルク低下が少ない締結方法を採用
すれば、走行距離の増加とともに締め付け力が増加して
いくために、ナツトに緩みによる異音発生は起こらない
ことを意味している。 次にナツトの緩みをできるかぎり少なぐすることについ
て検討を行った。 材料、とりわけ高分子材料や高分子基複合材料に応力を
作用させると、歪み勾配が発生し、これにともなってク
リープ現象が起こる。応力が作用していない場合には、
二つの部位A部とB部の皿に歪み勾配が存在しないため
、分子鎖の移動は可逆的である。つまり、A4+Bであ
る。ところが、荷重負荷によって歪み勾配が発生すると
、分子鎖の移動は非可逆的になる。つまり、A−Bまた
はB−+Aとなる。 しかし、低応力下または低温下では、このクリープ現象
は非常に緩やかであり、あたかもクリープ現象が生じて
いないかのように観察される。 これは、クリープ現象にともなう歪み変化速度が7レニ
ウム型の速度式にしたがうためである。 したがって、クリープ現象は高温・高応力下はど顕著と
なる。 さらに、高分子材料ないしは高分子基複合材料で特に顕
著な現象としては応力緩和が挙げられる。これは一定歪
み値に対する応力値が時間とともに低下していく現象で
あり、クリープ現象と同様に高温時はど著しい。 このような特性を有する高分子材料ないしは高分子基複
合材料を用いてインペラを作成した場合、高温環境下で
の締結トルクの低下は基本的には不可避である。 上記の締結トルクの経時変化測定に供した樹脂製インペ
ラの150℃での曲げ弾性率は400〜600kgf/
mm2程度であり、アルミニウム合金のそれと比較する
と178〜l/I Oに過ぎない。 したがって、樹脂製インペラの場合には、アルミニウム
製インペラと比較すると、高温環境下での軸力低下は非
常に大きいと考えられる。 そして、この軸力低下の主要因は、高温雰囲気下での低
弾性率と応力緩和現象によると考えられる。 そこで、軸力低下を補う手段として、ナツト座面と樹脂
製インペラポス部との摩擦力を大きくする手段を検討し
、これにともなって初期設定トルクの見直しを行った。 材料の弾性域で締結している限りにおいては、初期設定
トルクを大きくすると、時間・温度換算則を議論するま
でもなく高温での軸力低下化は大きくなる。 しかし、逆にさらにトルクを高めることによって、降伏
応力付近で締め付ければ、永久歪みの効果で締結トルク
の低下化を小さくできると考えた。 インペラポス部をわずかに降伏させ、ナツトとの接触面
積を大きくすることによって、ナツトポス部間の摩擦力
を大きくすることができれば、トルク低下化を小さくで
きるはずである。具体的には、トルク低下後の値で1 
、Okgf Ilmを目標とした。 これは、連続耐久試験時に1 、Okgf−1の初期ト
ルクが試験後には1.2kgf・mになっていたことか
ら、1.Okgf番m以上残存していればターボチャー
ジャの作動時間項とともにトルク増が期待できるという
考えに基づ〈。 そこで、初期設定トルクをこれまで以上に大きくし、1
.6kgfIIm、1.7kgf11m。 1.8kgfIImに設定することにした。 その試験結果を第10図に示すや 第10図に示すように、初期トルクを大きくしても、締
結トルクは0.6〜0.7kgf・m以上にはならなか
った。さらに、初期設定トルクを大きくしたが、いずれ
の場合も第10図に示した結果と大差なく、やがてシャ
フトがねじ切れるようになったため試験を打ち切った。 また、まれにシャフトがねじ切れる前に樹脂製インペラ
にクラックが入り破損することがあった。つまり、シャ
フトの破損のほうがインペラポス部の降伏よりも先に発
生し、かつ材料の脆性破壊傾向が強いために軸穴から破
壊することがあった。 さらに、シャフト材料の変更によって破損トルクが高め
られたとしても、高分子基複合材料の圧縮降伏応力はト
ルクレンチを用いて与えるにはあまりにも大きく、さら
に脆性傾向が強くて圧縮降伏応力と圧縮破壊応力とが接
近しているために、圧縮降伏応力以上圧縮破壊応力未満
の応力を選択的に負荷することは極めて困難なことであ
ることが分った。 このことから、ナツト座面での摩擦力の増大によるトル
ク低下化の低減を行おうとする場合には、以下の条件を
同時に満たすことが必要であることがわかった。 ■締め付けトルクがシャフトの破損トルク以下であるこ
と。 ■締め付けトルクがトルクレンチで負荷可能な範囲にあ
ること。 ■材料の圧縮降伏応力値と圧縮破壊応力値の差がある程
度存在すること。 ■材料の破壊が脆性的ではない環境下でトルクを加える
こと。 この4つの条件を同時に満足する手段として、高温環境
下で樹脂製インペラ用材料の降伏応力相当トルクを負荷
する方法を検討した。 この方法を第11図を用いて説明する。 一般に、fa維強化樹脂材料は、室温下では脆性挙動が
著しく、この結果として、前記試験結果でも述べたよう
に、欠陥およびクラックの発生によって破壊することが
ある。 しかし、高温環境下では母相である樹脂材料の性質を反
映して延性破壊傾向に移行していくため、欠陥からの破
壊やクラックの発生する可能性が激減する。 第11図に示したように、高温環境下では圧縮降伏応力
値、圧縮破壊応力値がともに低下し、かつ両者の応力値
の差は高温になるほど大きくなる。 特に、ガラス転移温度以上では両者の絶対値は急激に低
下し、その差は顕著となる。 さらに奪回2温度が高くなると、シャフトの破損トルク
は雰囲気温度の影響をあまりうけないために、インペラ
用材料の圧縮降伏が生じる締め付けトルクがシャフトの
破損トルクより小さくなる。つまり、シャフトの破損よ
りもインペラポス部での極小規模降伏が先行するように
なる。 すなわち、樹脂製インペラの締結を、樹脂製インペラ用
材料の圧縮降伏が発生する締め付けトルクがシャフトの
破損が発生する締め付けトルクを下回る雰囲気温度領域
下において樹脂製インペラ用材料の圧縮降伏が発生する
トルク値よりも大きくかつ圧縮破壊の発生するトルク値
よりも小さな締め付けトルクを負荷して行った場合にの
み、軸力の低下代をナツト座面とインペラポス部間での
接触面積の増加にともなう摩擦方墳により最小限度にと
どめることが可能となる。 第12図にトルクの経時変化の測定結果を例示する。 第12図に示すように、締結トルクは50時間後に1.
0kgfΦmまで低下するが、この時点で増し締めを行
うと、200時間経過後のトルク1.05kgf 11
mで目標の1.0kgf−m以上を維持していた。なお
、増し締めを行わず長時間200℃雰囲気下で放詮して
も、第12図に示すように1.0kgf−mより小さく
はならないことが確認された。また、本締結方法を用い
たターボチャージャ組立体を車両に取り付けてヒートソ
ークパック状態にしだ後5.OOOkmの実車走行試験
を行ったところ、締結トルクは1.3kgf番mが維持
されており、十分な効果が得られることが明らかとなっ
た。
【発明の効果】
この発明に係わる樹脂製インペラの締結方法では、コン
プレッサ用樹脂製インペラを備えたターボチャージャの
前記樹脂製インペラをタービンロータを接合したシャフ
トに締結する締結方法において、前記樹脂製インペラの
締結を、樹脂製インペラ用材料の圧縮降伏が発生する締
め付けトルクがシャフトの破損が発生する締め付けトル
クを下回る雰囲気温度領域下において樹脂製インペラ用
材料の圧縮降伏が発生するトルク値よりも大きくかつ圧
縮破壊の発生するトルク値よりも小さな締め付けトルク
を負荷することによって行う構成としたため、コンプレ
ッサ用インペラ材料として高分子材料ないしは高分子基
複合材料を用いた場合であっても、ナツト部座面と樹脂
製インペラポス部間の摩擦力の増加によって補うことに
より締結力を維持させることが可能となり、締め付けト
ルクの低下が発生しないようにすることが可能であるこ
とから、走行中の異音の発生要因となる締結トルクの低
下を防止することができるようになるという著大なる効
果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明に係わる樹脂製インペラの締結方法の
一実施例による締結構造を例示する断面説明図、!$2
図は従来のアルミニウム製インペラの締結方法による締
結構造を例示する断面説明図、第3図は試験温度=15
0℃、初期トルク:1 、Okgf IIm、回転数1
30.00Orpmでの耐久試験結果を示すグラフ、第
4図は試験温度=160℃、初期トルク+1.3kgf
*m1回転数:145,00Orpmでの耐久試験結果
を示すグラフ、第5図は試験温度:120℃、初期トル
ク: 1 、Okgf 11mでの締結クリープ試験結
果を示すグラフ、第6図は試験温度=150℃、初期ト
ルク: 1.3kgf *mおよび1.4kgf 11
mでの締結クリープ試験結果を示すグラフ、第7図は試
験温度=150℃、初期トルク:1.5kgf−mでの
締結クリープ試験結果を示すグラフ、第8図は試験温度
=160℃、初期トルク:1.Okgf・mでの締結ク
リープ試験結果を示すグラフ、第9図は試験温度:20
0℃、初期トルク:1.Okgfemおよび1.4kg
famでの締結クリープ試験結果を示すグラフ、!@1
0図は試験温度:200℃、初期トルク:1.6〜1.
8kgfsmで(7)締結クリープ試験結果を示すグラ
フ、第11図はこの発明に係わる樹脂製インペラの締結
方法の原理を示すグラフ、第12図はこの発明に係わる
樹脂製インペラの締結方法の効果を示すグラフである。 1・・・シャフト、2・・・樹脂製インペラ、2a・・
・軸孔、3・・・スリーブ、4・・・ボス部、5・・・
ワッシャ、6・・・ナツト。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)コンプレッサ用樹脂製インペラを備えたターボチ
    ャージャの前記樹脂製インペラをタービンロータを接合
    したシャフトに締結する締結方法において、前記樹脂製
    インペラの締結を、樹脂製インペラ用材料の圧縮降伏が
    発生する締め付けトルクがシャフトの破損が発生する締
    め付けトルクを下回る雰囲気温度領域下において樹脂製
    インペラ用材料の圧縮降伏が発生するトルク値よりも大
    きくかつ圧縮破壊の発生するトルク値よりも小さな締め
    付けトルクを負荷することによって行うことを特徴とす
    る樹脂製インペラの締結方法。
JP14384190A 1990-06-01 1990-06-01 樹脂製インペラの締結方法 Pending JPH0441933A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0578941U (ja) * 1992-04-02 1993-10-26 石川島播磨重工業株式会社 ファンエクジットガイドベーン
CN110701101A (zh) * 2019-10-14 2020-01-17 中国北方发动机研究所(天津) 一种带弹性台的压气机叶轮

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JPH0578941U (ja) * 1992-04-02 1993-10-26 石川島播磨重工業株式会社 ファンエクジットガイドベーン
CN110701101A (zh) * 2019-10-14 2020-01-17 中国北方发动机研究所(天津) 一种带弹性台的压气机叶轮

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