JPH0437631B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は乾電池を電源とする携帯電子機器の電
源回路に関する。

乾電池を電源とする携帯電子機器に於て、その
欠点は機器の使用状態及び経過時間と共に乾電池
の出力電圧が変動低下することであつて、機器の
電子回路を安定に動作させる場合は定電圧回路に
よつて電源を安定化する手段が取られている。

然るに定電圧回路は高い電源電圧を低い定電圧
に安定化するのが通常で、乾電池を電源とする場
合は乾電池の終止電圧と定電圧回路の出力電圧の
差が少ない程乾電池のエネルギー使用効率が高
い。

また定電圧回路は何らかの形で基準電圧源を必
要とし、通常はツエナーダイオードが使用され
る。

然るに電子チユーナー等を搭載した携帯電子機
器、例えば液晶マトリクスパネルを表示部材とし
たテレビジヨン受像機ではチユーナのバリキヤツ
プに印加する同調用高圧安定化電源を必要とす
る。

従つてこのような電子機器に於ては同調用高圧
安定化電源は昇圧回路で高電圧を作成し、これを
安定化し、他のシステム電源は別個に乾電池の電
圧を安定化する方法が取られている。

本発明の目的は同調用高圧安定化電源を電圧基
準としてツエナダイオードでは得られないような
低い安定化システム電源を提供するもので以下図
面にもとづいて本発明を説明する。

第１図は従来の液晶テレビジヨン受像機等に使
用されていた同調用高圧安定化電源及びシステム
用安定化電源の一例であつて、１０１は電源用乾
電池、１０２は高圧安定化電源、１０３はシステ
ム用低圧安定化電源、１０４は高圧出力端子、１
０５は低圧出力端子、１０６は共通端子であつ
て、高圧安定化電源１０２は、昇圧コイル１０
７、昇圧トランジスタ１０８、制御トランジスタ
１０９、バイアス抵抗１１０、接地抵抗１１１、
共振コンデンサ１１２、結合コンデンサ１１３、
ダイオード１１４、平滑コンデンサ１１５、ツエ
ナーダイオード１１６、帰還抵抗１１７で構成さ
れ、自励発振の２次側電圧をダイオード１１４で
整流して高電圧を得ている。出力電圧はツエナー
ダイオード１１６を経由してトランジスタ１０９
を導通してトランジスタ１０８のベースバイアス
電圧を制御して定電圧出力を得ている。

低圧安定化電源１０３は電流制御トランジスタ
１１８、電圧検出トランジスタ１１９、ツエナー
ダイオード１２０、バイアス抵抗１２１、電流制
限抵抗１１２、可変抵抗１２３で構成され、ツエ
ナーダイオード１２０を基準電圧として出力電圧
を可変抵抗で分割した被制御電圧との差を電圧検
出トランジスタ１１９で検出し、トランジスタ１
１８のバイアスを制御して出力電圧の安定化を計
つている。

この定電圧回路の欠点は高圧及び低圧の両安定
化回路にそれぞれ電圧基準としてのツエナーダイ
オードが必要なこと、乾電池を電源とする比較的
低電圧に適した２〜3Vの低圧ツエナーダイオー
ドが得難いこと、トランジスタ１１８が所謂エミ
ツタホロワ形であることから入出力間の限界電位
差を少なくできず乾電池のエネルギー使用効率が
悪い等であつた。

第２図は本発明による液晶テレビジヨン受像機
の電源回路の一実施例であつて、２０１は電源用
乾電池、２０２は第１図の１０２に例示したと同
等の高圧安定化電源、２０４は高圧出力端子、２
０５はシステム用低圧安定化電源の出力端子、２
０６は共通端子であつて、低圧安定化電源は、
PNPトランジスタ２０７，２１０、NPNトラン
ジスタ２０８，２０９、抵抗２１１，２１２，２
１３，２１４、コンデンサ２１５、可変抵抗２１
６で構成されている。

即ち高圧安定化電源の出力２０５を可変抵抗２
１６で分圧した基準電圧と、低圧安定化出力２０
５との電圧差を電圧検出トランジスタ２１０で検
出し、電流増巾トランジスタ２０９，２０８で増
巾後制御トランジスタ２０７に印加する。電圧検
出トランジスタ２１０のエミツタは高圧安定化電
源の出力を可変抵抗２１６で分圧した基準電圧源
に接続され、ベースは被制御電圧である低圧安定
化出力に接続している。

従つて電圧検出トランジスタ２１０は基準電源
と被制御電圧間に差を生じるとコレクタ電流も変
動し、この結果基準電源を作成している可変抵抗
のドロツプで基準電圧も変動することになるが、
トランジスタ２１０は極く微少電流領域で動作さ
せるため可変抵抗２１６を極端に大きな値、例え
ば10MΩ以上にしない限り基準電圧の変動は実用
上無視できる。

トランジスタ２０９及び２０８はダーリトン接
続した電流増巾回路でトランジスタ２１０のコレ
クタ電流を増巾して制御トランジスタ２０７のベ
ース電流を制御する。抵抗２１２，２１４はトラ
ンジスタ２０７，２０８，２０９の暴走を阻止す
る電流制限抵抗、抵抗２１３は温度上昇による暗
電流増加を抑え、コンデンサ２１５は系の発振防
止用である。

また抵抗２１１は起動性を良くするため側路電
流を流す側路抵抗で、負荷と入力電源電圧の変動
巾を考慮して電流を側路するとトランジスタ２０
７はコレクタ損失の小さなもので代替できる。

また制御トランジスタ２０７はコレクタホロワ
であることから飽和領域まで使用することがで
き、入力電圧と出力安定化電圧の差が0.1〜0.2V
と少なく乾電池を電源とした時のエネルギー使用
効率が高い。

更に制御できる最低電圧はトランジスタ２０９
と２０８のダーリントン接続のベース・エミツタ
電圧で制限されるだけであるから１トランジスタ
当り0.7Vとして、約1.5V程度の低圧安定化がで
きる。これは第１図１０３に示したツエナーダイ
オードを基準電圧とする定電圧回路では得られな
い低圧安定化回路である。

第３図は本発明の他の実施例であつて、３０１
は電源用乾電池、３０２は高圧安定化電源、３０
４は高圧出力端子、３０５はシステム用低圧安定
化電源の出力端子、３０６は共通端子、３０７〜
３１０はトランジスタ、３１１〜３１４は抵抗、
３１５はコンデンサ、３１６は可変抵抗で第３図
と全く同一構成である。３１７，３１８は温度補
償用ダイオードで可変抵抗３１６の接地側に直列
に挿入する。

第４図及び第５図は第３図に示した本発明の特
性図を示し、第４図は乾電池を電源としたときの
経時特性、第５図は入出力電圧特性を示す。第５
図で入力電圧が１〜2V間で特性が不連続な点は
低圧安定化電源の基準となる高圧安定化回路の昇
圧回路が作動始める点である。

以上説明した如く、液晶テレビジヨンの如く同
調用の昇圧した高圧安定化電源と、システム用低
圧安定化電源を必要とする電子機器にあつては、
従来の電源回路の如く高圧、低圧各々単独に電圧
基準を設けるよりは、本発明の如く高圧安定化電
源を基準電圧として、第２図及び第３図に示すよ
うな構成にすれば構成も単純化され、かつ、乾電
池を電源とする機器にあつてはエネルギーの使用
効率も高く、結果として同一乾電池を用いても電
池寿命を延長できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の液晶テレビジヨン受像機の電源
回路図、第２図は本発明の一実施例による電源回
路の回路図、第３図は本発明の他の実施例を示す
回路図、第４図、第５図は第３図の電源回路の特
性図を示す。 １０２，２０２，３０２……高圧安定化回路、
２０７〜２１０，３０７〜３１０……トランジス
タ、２１６，３１６……可変抵抗。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 同調用高圧安定化電源とシステム用低圧安定
   化電源を使用する液晶テレビジヨン受像機に於
   て、該高圧安定化電源を分圧する分割抵抗と、該
   分圧点にエミツタ、該低圧安定化電源の出力にベ
   ースを接する電圧検出PNPトランジスタと、該
   電圧検出トランジスタのコレクタ電流を増巾する
   電流増巾NPNトランジスタと、該電流増巾トラ
   ンジスタでベース電流を制御する制御PNPトラ
   ンジスタとを備え、該制御トランジスタのエミツ
   タは該低圧安定化電源の入力、コレクタは該低圧
   安定化電源の出力としたことを特徴とする液晶テ
   レビジヨンの電源回路。