JPH0436474Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案、発光ダイオード等のデジタル表示装置
で時刻を表示する電子時計の時刻修正装置に関す
る。

〔従来技術とその問題点〕

LED（ライト、エミツテイング、ダイオード）
を表示部に用いた電子時計が実用化されている。

このLEDを用いた電子時計においては、LED
を点灯する為にLEDに流す消費電流が大きい。
この為、スイツチ操作でLEDを一定時間表示す
るようにしている。

しかしながら、時刻修正においては、修正中時
刻表示をし続けなければならない為電源の消耗が
大きい。

〔考案の目的〕

本考案は、上記従来の欠点に鑑み、時刻修正中
であつても消費電流が少ない電子時計の時刻修正
装置を提供することを目的とする。

〔考案の要点〕

本考案は上述した目的を達成するために、修正
状態に設定された表示部で修正桁を表示した状態
で、一定時間修正スイツチが操作されなかつたか
ら表示部の表示を消去し、そして表示が消去され
てから所定時間内に修正スイツチが操作された場
合には表示部に修正状態の表示を継続させ、所定
時間内に修正スイツチが操作されなかつた場合に
は修正状態から通常状態に自動的に復帰させるよ
うにしたことを要旨とする。

〔考案の実施例〕

以下本考案の実施例について図面を参照しなが
ら詳述する。

第２図は本考案の時刻修正装置を有する電子腕
時計の外観図である。同図において、電子腕時計
１は時計ケース２の中央に指針表示部３及び指針
表示部３下方にデジタル表示部４を有しており、
時計ケース２の左側面にはスイツチS₂が配設さ
れ、右側面にはスイツチS₁、リユーズＲが配設さ
れている。指針表示部３は時針３ａ、分針３ｂ、
秒針３ｃにより時刻表示を行つている。

液晶表示部４はセグメント状のLEDで構成さ
れ、同時に時刻を表示する。

このようにな外観構成を有する電子腕時計１は
第１図に示すような回路を有している。

この電子腕時計の回路構成を以下に説明する。

第１図は電子時計の回路ブロツク図である。同
回路には電子時計の機能としての計時部以外に時
刻修正部を含んでいる。

時計部の構成は、先ず水晶振動子等で構成され
る発振器回路５の高周波信号を分周回路６へ出力
し、分周回路６では入力した高周波信号を１Hz信
号まで分周する。この１Hz信号は分周回路６から
秒カウンタ及びパルスモータ駆動回路８へ出力さ
れる。

パルスモータ駆動回路８へ出力された１Hz信号
は、例えば位相が相反し、しかも２秒毎に位相が
反転し、モータを駆動するに充分な電圧（信号）
となる。そして、この信号をパルスモータ９へ出
力し、図示しないロータを駆動し、歯車機構（輪
列機構）１０へ駆動力を伝達する。この歯車機構
１０は複数枚の歯車で構成され、１秒毎に180度
回転するロータの回転速度を順次歯車機構１０に
より減速しつつ、上述秒針３ｃ、分針３ｂ、時計
３ａを運針し、時刻を刻む機構である。

また、秒カウンタ７へ入力した１Hz信号は、秒
カウンタ７内で60カウントされると（１Hz信号が
60回入力すると）、分カウンタ１２へ１分信号を
出力する。また、秒カウンタ７は、秒カウント中
のカウントデータ（秒データ）をバス線を介して
ANDゲート１３、及び±30秒修正回路１４へ出
力している。

１分信号が入力する分カウンタ１２では、上述
と同様に（秒カウンタ７と同様に）、１分信号を
60カウントすると時カウンタ１５へ１時間信号を
出力する。また、この分カウンタ１２は、分カウ
ントデータ（分データ）をバス線を介してAND
ゲート１６へ出力している。

カウンタ１５は時カウントデータ（時間デー
タ）をバス線を介してANDゲート１８へ出力し
ている。

以上のように１Hzの基準信号は、秒、分、時カ
ウンタ７，１２，１５により、順次時刻データを
得て対応するANDゲート１３，１６，１８へ出
力する。一方、各カウンタ７，１２，１５やデー
タが出力されるANDゲート１３，１６，１８、
は信号ａ〜ｐにより制御される。

信号発生部２０は上記信号ａ〜ｐを発生するも
ので、前述のスイツチS₁、S₂、ORゲート２１〜
２４、タイマ２７，２８、フリツプフロツプ回路
（以下、F.Fで示す）２９，３０、シフトレジス
タ２５、信号選択回路２６とで構成されている。

シフトレジスタ２５にはORゲート２４からシ
フト信号が入力する。シフトレジスタ２５は０〜
３までのリング状のレジスタで構成され、上述の
シフト信号が入力する毎に順次０→１→２→３→
０……と移動し、０〜３出力の中の１つの出力か
らハイレベルが信号選択回路２０へ出力される。

また、信号選択回路２０は行方向及び列方向に
マトリツクス状に配設された接続線の所定の交点
に○印で示すＮチヤンネルMOSトランジスタ
（以下Ｎ型トランジスタで示す）を接続して構成
されている。また、上述の各出力はこのＮ型トラ
ンジスタのゲートに接続されている。従つて、行
方向の接続線ａ〜ｐより見て、その接続線ａ〜ｐ
に設けられたＮ型トランジスタのゲート全てにハ
イレベルが入力している時、その行方向の接続線
が選択される。しかも、図示しない行方向のライ
ンはハイレベルが一端より入力している為、選択
された１本のラインの他端からはハイレベルが出
力される。この時、選択されたライン毎にハイレ
ベルを出力する出力信号（選択信号）をａ〜ｐで
示している。従つて、たとえばシフトレジスタ２
５の０端子よりハイレベルが出力され、修正用の
スイツチS₁がオフの時（ハイレベルのとき）、選
択信号ａが信号選択回路２０より出力される。ま
たシフトレジスタ２５の１端子よりハイレベルが
出力され、スイツチS₁がオフで、さらに、F.F２
９のＱ出力、F.F３０出力が共にハイレベルの
時、選択信号ｂが出力される。さらに、他の選択
信号ｃ〜ｐについて同様に選択される構成であ
る。

以上のようにして信号選択回路２０内で選択さ
れたａ〜ｐの信号の中で選択信号ｃは±30秒修正
回路１４へ出力される。選択信号ｇは分カウンタ
１２へ出力され、選択信号ｅは時カウンタ１５へ
出力される。また、選択信号ｌはORゲート３８
又は４０を介して各々ANDゲート１８又は１６
へ出力され、選択信号ｍはORゲート４０又は３
３を介して各々ANDゲート１６又は表示駆動回
路４３へ出力され、選択信号ｎはANDゲート３
９、ORゲート３８又は３２を介して各々ANDゲ
ート１８又は表示駆動回路４３へ出力され、選択
信号ＯはANDゲート４１、ORゲート４０又は３
３を介して各々ANDゲート１６又は表示駆動回
路４３へ出力されている。

また、選択信号ｂ〜ｋはオアゲート２１へも出
力され、オアゲート２１の出力はF.F２９のセツ
ト（Ｓ）端子及びタイマ２７にクリア端子へ出力
される。さらに、選択信号ａ〜ｋはアオゲート２
２へも出力され、オアゲート２２の出力は、F.F
３０のセツト（Ｓ）端子及びタイマ２８のクリア
端子へ出力される。タイマ２７は１秒タイマであ
り、タイマ２８は３秒タイマである。各タイマ２
７，２８は各々F.F２９，３０のＱ出力が入力
し、タイマ２７，２８の出力はオアゲート２３を
介してF.F２９，３０のリセツト端子へ入力して
いる。

一方、表示切換回路４２ではANDゲート１８
を介して入力する時データをアオゲート３２から
入力する選択信号ｍまたはＯによつて制御し、デ
ジタル表示部４の時表示部４ａへ出力する。表示
切換回路４３ではオアゲート３５を介して入力す
る秒データ又はデータをオアゲート３３から入力
する選択信号ｍまたはＯによつて制御し、デジタ
ル表示部４の秒または分表示部４ｂへ出力する。

また、コロン表示部４C₁へは選択信号ｌ，ｎ
〜ｐがオアゲート３６を介してANDゲート３７
へ入力することにより１Hz信号が供給され、コロ
ン表示部４C₂へは同じく選択信号ｌ，ｎ，Ｏが
オアゲート３４を介してANDゲート３１へ入力
することにより１Hz信号が供給される構成であ
る。

以上のような構成の本実施例の時刻修正装置に
おいて、以下にその動作をデジタル表示部４の表
示内容を基にして説明する。

通常、前述のように分周回路６から出力される
１Hzによりパルスモータ９、輪列機構１０等によ
り時針３ａ、分針３ｂ、秒針３ｃにより時刻を表
示している。この間スイツチS₁がオフ状態である
ため選択信号ｌ〜Ｏは出力されず、デジタル表示
部４には秒カウンタ７、分カウンタ１２、時カウ
ンタ１５から秒データ、分データ、時データが出
力されることはない。従つて、第３図のＡに示す
ようにデジタル表示部４は不灯であり、消費電流
がおさえられている。

ここで、時刻を確認するためにスイツチS₁を１
回押すと同図の表示Ｂに切り替る。

これは、スイツチS₁を押したことにより、選択
信号ｌ〜Ｏが出力され表示切換回路４２，４３を
介して前述の秒、分、時データが表示部４へ出力
されたものである。また、この時同時にオアゲー
ト２２を介してF.F３０がセツトされタイマ２８
がスタートする。

その後、タイマ２８のタイマ時間（３秒）が過ぎ
るとF.F２８はリセツトされF.F３０のＱ出力は
ロー状態となるため、元の表示Ａに戻る。

ここで、本来の時刻と違つていたら時刻修正す
るためにスイツチS₂を押すことにより修正モード
に切り替る選択信号ｂを出力し（レジスタ２５は
初期Ｏ端子がハイレベル）、タイマ２７及び２８
をセツトし、例えば修正モードの表示Ｃへ移行す
る。この表示Ｃは秒を表わす数値の点滅である
が、表示Ｃの状態に遷移した後約１秒の間にスイ
ツチ操作S₁（セツト）またはS₂（桁セレクト）が操
作されなければタイマ２７がタイマ時間に達しF.
F２９をリセツトする。従つて表示セグメントの
一部分であるコロン表示部４C₁を点灯または点
滅させた状態でサブ表示状態Ｄに自動的に遷移す
る。表示Ｃの状態は１秒間に限らず修正操作に必
要十分な時間を保つように予めタイマ２７を設定
することができる。Ｄのサブ表示からセツト操作
S₁を押すとＣの表示に戻り、秒を確認しながら正
確な時刻をセツトできる。

さらに、スイツチS₂を押すと次の桁である例え
ば時の修正モードＥを表示する。表示Ｅの状態に
遷移した後約１秒の間にスイツチS₁（セツト）ま
たはS₂（桁セレクト）が操作されなければタイマ
２７がタイマ時間に達しF.F２９をリセツトす
る。従つて表示セグメントの一部分であるコロン
表示部４C₁を点灯または点滅させた状態でサブ
表示状態Ｆに自動的に遷移する。表示Ｅの状態は
上述と同様１秒間に限らず修正操作に必要十分な
時間を保つように予めタイマ２７を設定すること
ができる。Ｆのサブ表示からセツト操作用のスイ
ツチS₁を押すとＥ表示に戻り、正確な時間を確認
しながらセツトできる。

さらに、スイツチS₂を押すと次の桁である例え
ば分の修正モード表示Ｇを表示する。この分の修
正表示Ｇにおいても同様に、１秒間経過するとコ
ロン表示部４C₁の点灯する表示Ｈとなり、スイ
ツチS₁を操作すると元の表示Ｇに戻る。

以上のように、秒、時、分を修正する際各モー
ド表示Ｃ，Ｅ，Ｇで各１秒間のみ時刻を表示し、
１秒後には表示Ｄ，Ｆ，Ｈに示すようにコロン表
示部４C₁の点滅する表示となるため、デジタル
表示部４を構成するLEDの点灯時間が短く、無
駄な電力消費をすることがない。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明したように本考案によれば、比
較的時間のかかる時刻修正の際、低消費電流の表
示を行い修正時の消費電流を少なくし、電池寿命
を長くできる。また、実施例の如くLED時刻表
示付電子時計など表示素子に多くの消費電流を要
する時計に利用すると効果が大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本実施例の電子時計の外観図、第２図
は本実施例の電子時計の回路図、第３図は本実施
例の電子時計の表示状態変化の構成図である。 １……電子時計、４……デジタル表示部、２５
……レジスタ、２６……信号選択回路、４２，４
３……表示駆動回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 表示が消去されている表示部にスイツチ操作で
   時刻表示させる通常モードと、 前記表示部で修正桁を表示すると共に表示され
   た修正桁の内容を修正スイツチで修正する修正モ
   ードとを備えた電子時計の時刻修正装置におい
   て、 前記修正モードにおいて前記修正桁を表示した
   状態で一定時間前記修正スイツチが操作されなか
   つた際に前記修正桁の表示を消去する消去手段
   と、 この消去手段で前記表示部の表示が消去されて
   から所定時間内に前記修正スイツチが操作された
   際に前記表示部に再度前記修正桁の表示を行なわ
   せる表示制御手段と、 前記消去手段で前記表示部の表示が消去されて
   から前記所定時間内に前記修正スイツチが操作さ
   れなかつた際に前記修正モードから前記通常モー
   ドに復帰させるモード復帰手段と、 を具備してなる電子時計の時刻修正装置。