JPH04359152A - ディスク状金属試料の採取装置 - Google Patents
ディスク状金属試料の採取装置Info
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- JPH04359152A JPH04359152A JP3161113A JP16111391A JPH04359152A JP H04359152 A JPH04359152 A JP H04359152A JP 3161113 A JP3161113 A JP 3161113A JP 16111391 A JP16111391 A JP 16111391A JP H04359152 A JPH04359152 A JP H04359152A
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Landscapes
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- Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼等の溶融金属を採
取するに際し、ディスク状の金属試料を採取するための
装置に関する。
取するに際し、ディスク状の金属試料を採取するための
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融金属の試料採取装置としては
、カップ状の試料採取容器を用いるカップ状サンプラー
と、偏平状の試料採取容器を用いるディスク状サンプラ
ーとが公知である。
、カップ状の試料採取容器を用いるカップ状サンプラー
と、偏平状の試料採取容器を用いるディスク状サンプラ
ーとが公知である。
【0003】カップ状サンプラー及びディスク状サンプ
ラーにより採取された凝固試料は、何れも試料の一部分
をフラットな面に研磨し、その研磨面を発光分光分析に
供される。
ラーにより採取された凝固試料は、何れも試料の一部分
をフラットな面に研磨し、その研磨面を発光分光分析に
供される。
【0004】カップ状サンプラーにより採取された溶融
金属の凝固試料は、円柱状の試料であるため、発光分光
分析に供するに際し、該試料を横断方向に切断し、その
切断面を研磨することにより分析面を形成しなければな
らない。また、試料採取容器が大容量であるため、装置
全体の重量増と大型化を招くことが不可避である。
金属の凝固試料は、円柱状の試料であるため、発光分光
分析に供するに際し、該試料を横断方向に切断し、その
切断面を研磨することにより分析面を形成しなければな
らない。また、試料採取容器が大容量であるため、装置
全体の重量増と大型化を招くことが不可避である。
【0005】これに対して、ディスク状サンプラーの場
合は、採取した溶融金属の凝固試料を発光分光分析に供
するに際し、試料を切断する必要はなく、試料採取容器
の厚肉壁による急冷組織化が進んだディスク状試料のフ
ラット面を研磨すれば足りるから、分析面を形成するた
めの準備工程数の点において前記カップ状サンプラーよ
りも有利である。また、試料採取容器が小容量であるか
ら、装置全体の軽量化及び小型化の点においても前記カ
ップ状サンプラーよりも有利である。
合は、採取した溶融金属の凝固試料を発光分光分析に供
するに際し、試料を切断する必要はなく、試料採取容器
の厚肉壁による急冷組織化が進んだディスク状試料のフ
ラット面を研磨すれば足りるから、分析面を形成するた
めの準備工程数の点において前記カップ状サンプラーよ
りも有利である。また、試料採取容器が小容量であるか
ら、装置全体の軽量化及び小型化の点においても前記カ
ップ状サンプラーよりも有利である。
【0006】ところで、従来、溶融金属の試料採取装置
は、試料採取容器に測温素子を挿入し、該測温素子の先
端を容器内における溶融金属の最終凝固点の近傍に配置
せしめたものが公知である。この測温素子の目的は、採
取した溶融金属の凝固温度を測定することにより、該金
属中の炭素含有量を推定せしめるためである。そこで、
測温素子により溶融金属の凝固温度を正確に測定するた
めには、試料採取容器の容量を可及的に大とすることに
より温度測定点近傍における急冷・急凝固を防止し、測
温素子により検知され記録される温度指示波形中に凝固
温度の平衡保持された領域が示されていなければならな
い。
は、試料採取容器に測温素子を挿入し、該測温素子の先
端を容器内における溶融金属の最終凝固点の近傍に配置
せしめたものが公知である。この測温素子の目的は、採
取した溶融金属の凝固温度を測定することにより、該金
属中の炭素含有量を推定せしめるためである。そこで、
測温素子により溶融金属の凝固温度を正確に測定するた
めには、試料採取容器の容量を可及的に大とすることに
より温度測定点近傍における急冷・急凝固を防止し、測
温素子により検知され記録される温度指示波形中に凝固
温度の平衡保持された領域が示されていなければならな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、従来の
技術において、試料採取容器により採取した溶融金属の
凝固温度を、測温素子により測定するためには、試料採
取容器の容量を可及的に大としなければならないと考え
られており、通常、カップ状サンプラーが用いられてい
た。換言すれば、このような凝固温度測定のためには、
ディスク状サンプラーは不適当であると考えられていた
。蓋し、ディスク状サンプラーは、試料採取容器を厚肉
壁により形成するのが一般的であり、しかも、該容器内
の容量を小さく形成することにより、流入した溶融金属
を急冷し短時間のうちに凝固せしめてしまい、該容器中
に測温素子を配置して凝固温度測定を意図しても、測温
素子により検知される温度指示波形中に前述したような
平衡保持領域を示さないからである。
技術において、試料採取容器により採取した溶融金属の
凝固温度を、測温素子により測定するためには、試料採
取容器の容量を可及的に大としなければならないと考え
られており、通常、カップ状サンプラーが用いられてい
た。換言すれば、このような凝固温度測定のためには、
ディスク状サンプラーは不適当であると考えられていた
。蓋し、ディスク状サンプラーは、試料採取容器を厚肉
壁により形成するのが一般的であり、しかも、該容器内
の容量を小さく形成することにより、流入した溶融金属
を急冷し短時間のうちに凝固せしめてしまい、該容器中
に測温素子を配置して凝固温度測定を意図しても、測温
素子により検知される温度指示波形中に前述したような
平衡保持領域を示さないからである。
【0008】このため、ディスク状サンプラーを用いた
従来の装置において、発光分光分析用の凝固試料の採取
と同時に、凝固温度の測定を行う複合型プローブを構成
するためには、ディスク状サンプラーと併設して、別途
、凝固温度測定専用のカップ状サンプラーを設け、この
専用のカップ状サンプラーの内部に測温素子を挿入して
いるのが現状であり、このような二つのサンプラーの併
用によるコスト高及び装置の大型化を余儀なくされてい
た。
従来の装置において、発光分光分析用の凝固試料の採取
と同時に、凝固温度の測定を行う複合型プローブを構成
するためには、ディスク状サンプラーと併設して、別途
、凝固温度測定専用のカップ状サンプラーを設け、この
専用のカップ状サンプラーの内部に測温素子を挿入して
いるのが現状であり、このような二つのサンプラーの併
用によるコスト高及び装置の大型化を余儀なくされてい
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述したディ
スク状サンプラーの利点を認識し、カップ状サンプラー
ではなくディスク状サンプラーを選択し採用した上で、
測温素子により、採取した溶融金属の凝固温度を好適に
測定することができるようにした装置を提供するもので
ある。
スク状サンプラーの利点を認識し、カップ状サンプラー
ではなくディスク状サンプラーを選択し採用した上で、
測温素子により、採取した溶融金属の凝固温度を好適に
測定することができるようにした装置を提供するもので
ある。
【0010】この点について、本発明者は、永年の研究
の結果、採取した溶融金属を凝固せしめる試料採取容器
の構成として、発光分光分析に適した試料を得ると共に
、溶融金属の凝固温度を安定して正確に測定するために
は、次の条件を満たすことが必要であることを知見した
。
の結果、採取した溶融金属を凝固せしめる試料採取容器
の構成として、発光分光分析に適した試料を得ると共に
、溶融金属の凝固温度を安定して正確に測定するために
は、次の条件を満たすことが必要であることを知見した
。
【0011】第一に、凝固試料の均質な組織を得るため
には、試料採取容器を、熱伝導性及び比熱の大きい材料
で形成することが必要である。
には、試料採取容器を、熱伝導性及び比熱の大きい材料
で形成することが必要である。
【0012】第二に、試料採取容器の内部において、凝
固温度を測定する測温素子の近傍に試料が巣を発生しな
いこと、即ち、容器に対する溶融金属の充填が良好であ
ることが必要である。
固温度を測定する測温素子の近傍に試料が巣を発生しな
いこと、即ち、容器に対する溶融金属の充填が良好であ
ることが必要である。
【0013】第三に、ディスク状サンプラーとしつつも
、凝固温度測定の精度を安定せしめるためには、試料採
取容器の容量は可能な限り大である方が良い。
、凝固温度測定の精度を安定せしめるためには、試料採
取容器の容量は可能な限り大である方が良い。
【0014】第四に、前述した凝固試料の均質な組織を
得るために試料採取容器の冷却特性を良好ならしめる反
面、測温素子による凝固温度の測定を安定ならしめるた
めには、該容器の壁厚を容器の容量との関係で最適値に
設定する必要がある。
得るために試料採取容器の冷却特性を良好ならしめる反
面、測温素子による凝固温度の測定を安定ならしめるた
めには、該容器の壁厚を容器の容量との関係で最適値に
設定する必要がある。
【0015】前記第一、第二の条件を満たすためには、
従来より種々研究がなされており、その結果、今日にお
いて、これらの点の課題に対しては、多くの解決手段が
提案されている。
従来より種々研究がなされており、その結果、今日にお
いて、これらの点の課題に対しては、多くの解決手段が
提案されている。
【0016】然しながら、前記第三、第四の条件につい
ては、従来より、全く研究がなされていない。前述した
ように、従来、ディスク状サンプラーにおいて凝固温度
を測温素子により測定することには無理があり、安定し
た正確な測温を行うことは困難と考えられて来たからで
ある。このため、従来、稀には、特開昭63−3237
0号公報に示されるように、ディスク状サンプラーにお
いて測温素子を設けた装置が提案されていた事実がある
が、それは測温精度を期待できず、極めて信頼性が低い
ことを承知で提供されたものであるといわざるを得ない
。
ては、従来より、全く研究がなされていない。前述した
ように、従来、ディスク状サンプラーにおいて凝固温度
を測温素子により測定することには無理があり、安定し
た正確な測温を行うことは困難と考えられて来たからで
ある。このため、従来、稀には、特開昭63−3237
0号公報に示されるように、ディスク状サンプラーにお
いて測温素子を設けた装置が提案されていた事実がある
が、それは測温精度を期待できず、極めて信頼性が低い
ことを承知で提供されたものであるといわざるを得ない
。
【0017】本発明者は、ディスク状サンプラーにおい
て溶融金属の凝固温度を安定して正確に測温するために
は、特に、前記第三、第四の条件が重要であることを認
識し、この点の研究を行い、実験を重ねた結果、次の場
合に前記第三、第四の条件を満たすことができることを
知得した。
て溶融金属の凝固温度を安定して正確に測温するために
は、特に、前記第三、第四の条件が重要であることを認
識し、この点の研究を行い、実験を重ねた結果、次の場
合に前記第三、第四の条件を満たすことができることを
知得した。
【0018】即ち、本発明者が知得したことは、幅寸法
w、厚さ寸法dを、w>dとしたディスク状試料を得る
ためのディスク状サンプラーにおいて、鋼等の金属製の
試料採取容器が、該容器の採取室における少なくともデ
ィスク状試料のフラット面に臨む上下壁の肉厚tを、7
.0≦t/d×100≦14.0(但しd≧18mm)
に構成することである。
w、厚さ寸法dを、w>dとしたディスク状試料を得る
ためのディスク状サンプラーにおいて、鋼等の金属製の
試料採取容器が、該容器の採取室における少なくともデ
ィスク状試料のフラット面に臨む上下壁の肉厚tを、7
.0≦t/d×100≦14.0(但しd≧18mm)
に構成することである。
【0019】先ず、前提条件として、d≧18mmでな
ければならないのは、試料の厚さdが18mm未満であ
ると、容器の壁厚tとの関係に関わらず、溶融金属が容
器に流入するや否や短時間のうちに凝固してしまい、凝
固温度を安定して測定することができず、前記第三の条
件を充足できないからである。また、このような過度の
急冷により試料周囲からの凝固が早期に進行するため、
溶融金属の採取室内への充填が良好でなく、凝固試料の
内部に巣を生じてしまい、前記第二の条件を充足できな
いからである。
ければならないのは、試料の厚さdが18mm未満であ
ると、容器の壁厚tとの関係に関わらず、溶融金属が容
器に流入するや否や短時間のうちに凝固してしまい、凝
固温度を安定して測定することができず、前記第三の条
件を充足できないからである。また、このような過度の
急冷により試料周囲からの凝固が早期に進行するため、
溶融金属の採取室内への充填が良好でなく、凝固試料の
内部に巣を生じてしまい、前記第二の条件を充足できな
いからである。
【0020】次に、前記t/d×100の下限値が7.
0以上でなければならないのは、これが7.0未満であ
ると、試料の厚さdに対して容器の壁厚tが相対的に薄
過ぎて溶融金属の好ましい冷却特性を得ることができな
いからである。即ち、このような場合、採取した溶融金
属の冷却が好適に進行しないため、凝固温度点の測定が
困難で前記第三の条件を充足できないばかりか、凝固後
の試料が発光分光分析に適する均質な組織を示さず前記
第一の条件を充足できないからである。
0以上でなければならないのは、これが7.0未満であ
ると、試料の厚さdに対して容器の壁厚tが相対的に薄
過ぎて溶融金属の好ましい冷却特性を得ることができな
いからである。即ち、このような場合、採取した溶融金
属の冷却が好適に進行しないため、凝固温度点の測定が
困難で前記第三の条件を充足できないばかりか、凝固後
の試料が発光分光分析に適する均質な組織を示さず前記
第一の条件を充足できないからである。
【0021】一方、前記t/d×100の上限値を14
.0以下にすべきことは、本発明者において、試料の厚
さdを規定する容器内の寸法と、壁厚tを異ならしめた
種々の試料採取容器を多数実験した結果から得られた最
大の成果である。即ち、上述した従来技術における認識
の下では、ディスク状サンプラーの容器壁厚は、急冷を
目的とする限り、出来るだけ厚い方が良いことになるが
、本発明が目的とする凝固温度の安定した測定のために
は、前記第四の条件として述べたように、容器の壁厚を
、容器の容量との関係で最適値に設置しなければならな
い。換言すれば、必要最小限の急冷を可能とする反面、
容器の熱吸収が過多であってはならず、採取された溶融
金属の冷却中に示される温度冷却曲線が、凝固温度点に
おいて平衡保持領域を示し、測温素子による凝固温度の
検出を可能とするものでなければならない。
.0以下にすべきことは、本発明者において、試料の厚
さdを規定する容器内の寸法と、壁厚tを異ならしめた
種々の試料採取容器を多数実験した結果から得られた最
大の成果である。即ち、上述した従来技術における認識
の下では、ディスク状サンプラーの容器壁厚は、急冷を
目的とする限り、出来るだけ厚い方が良いことになるが
、本発明が目的とする凝固温度の安定した測定のために
は、前記第四の条件として述べたように、容器の壁厚を
、容器の容量との関係で最適値に設置しなければならな
い。換言すれば、必要最小限の急冷を可能とする反面、
容器の熱吸収が過多であってはならず、採取された溶融
金属の冷却中に示される温度冷却曲線が、凝固温度点に
おいて平衡保持領域を示し、測温素子による凝固温度の
検出を可能とするものでなければならない。
【0022】この点に関して、本発明者の実験によれば
、測温素子により検知される温度指示波形が平衡保持領
域を示すために最適な溶融金属の冷却曲線を得るために
容器の壁厚tを定めるに際しては、単なる容器の容量で
はなく、ディスク状試料の厚さdが決定的な要因になる
という驚くべき結果が判明した。そして、この目的のた
めには、前記t/d×100の上限値を14.0以下に
しなければならないことが実験上判明した。その理由は
必ずしも確かではないが、本発明者の推測によれば、前
記t/d×100が14.0を越えると、ディスク状試
料のフラット面に臨んで接触面積が最も大とされた容器
の上下壁において、試料の厚さdに対する容器の壁厚t
が相対的に厚過ぎて、試料からの熱吸収能力が過多にな
り、容器から放出される潜熱が未凝固残湯の温度を平衡
凝固温度まで引き上げることが充分でなくなるからであ
ると考えられる。
、測温素子により検知される温度指示波形が平衡保持領
域を示すために最適な溶融金属の冷却曲線を得るために
容器の壁厚tを定めるに際しては、単なる容器の容量で
はなく、ディスク状試料の厚さdが決定的な要因になる
という驚くべき結果が判明した。そして、この目的のた
めには、前記t/d×100の上限値を14.0以下に
しなければならないことが実験上判明した。その理由は
必ずしも確かではないが、本発明者の推測によれば、前
記t/d×100が14.0を越えると、ディスク状試
料のフラット面に臨んで接触面積が最も大とされた容器
の上下壁において、試料の厚さdに対する容器の壁厚t
が相対的に厚過ぎて、試料からの熱吸収能力が過多にな
り、容器から放出される潜熱が未凝固残湯の温度を平衡
凝固温度まで引き上げることが充分でなくなるからであ
ると考えられる。
【0023】而して、本発明が前記目的達成のために第
一の手段として構成したところは、充填された溶融金属
を幅寸法wよりも厚さ寸法dを小としたディスク状の試
料となるように凝固せしるための採取室を形成した金属
製の試料採取容器を備え、該試料採取容器内に挿入した
測温素子の先端を前記採取室内における溶融金属の最終
凝固点の近傍に配置して成る装置において、前記試料採
取容器が、該採取室の少なくともディスク状試料のフラ
ット面に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×10
0≦14.0(但しd≧18mm)に構成した点にある
。
一の手段として構成したところは、充填された溶融金属
を幅寸法wよりも厚さ寸法dを小としたディスク状の試
料となるように凝固せしるための採取室を形成した金属
製の試料採取容器を備え、該試料採取容器内に挿入した
測温素子の先端を前記採取室内における溶融金属の最終
凝固点の近傍に配置して成る装置において、前記試料採
取容器が、該採取室の少なくともディスク状試料のフラ
ット面に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×10
0≦14.0(但しd≧18mm)に構成した点にある
。
【0024】また、本発明が第二の手段として構成した
ところは、充填された溶融金属を幅寸法wよりも厚さ寸
法dを小としたディスク状の試料となるように凝固せし
るための厚肉試料採取室と、該厚肉試料採取室に連なる
薄肉試料採取室とを一連に形成した金属製の試料採取容
器を備え、該試料採取容器内に挿入した測温素子の先端
を前記厚肉試料採取室内における溶融金属の最終凝固点
の近傍に配置して成る装置において、前記試料採取容器
が、該採取室の少なくともディスク状試料のフラット面
に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×100≦1
4.0(但しd≧18mm)に構成した点にある。
ところは、充填された溶融金属を幅寸法wよりも厚さ寸
法dを小としたディスク状の試料となるように凝固せし
るための厚肉試料採取室と、該厚肉試料採取室に連なる
薄肉試料採取室とを一連に形成した金属製の試料採取容
器を備え、該試料採取容器内に挿入した測温素子の先端
を前記厚肉試料採取室内における溶融金属の最終凝固点
の近傍に配置して成る装置において、前記試料採取容器
が、該採取室の少なくともディスク状試料のフラット面
に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×100≦1
4.0(但しd≧18mm)に構成した点にある。
【0025】更に、本発明が第三の手段として構成した
ところは、側部に流入口を設けた流入案内容器と、該流
入案内容器の下方に連通連結された試料採取容器と、両
容器の間に介装された両容器を連通せしめる小径連通路
を形成した仕切体とから成り、前記試料採取容器は、一
対の半割状の金属製皿部材を対向して突き合わせること
により構成され、前記仕切体の小径連通路に接続される
ボス部と、該ボス部に連なり充填された溶融金属を幅寸
法wよりも厚さ寸法dを小としたディスク状の試料とな
るように凝固せしるための厚肉試料採取室と、該厚肉試
料採取室に連なる薄肉試料採取室とを一連に形成し、前
記試料採取容器は、前記厚肉試料採取室の少なくともデ
ィスク状試料のフラット面に臨む上下壁の肉厚tを、7
.0≦t/d×100≦14.0(但しd≧18mm)
に構成して成り、前記仕切体は、金属よりも熱伝導率の
低い保温材により成形されて成り、前記流入案内容器の
上部から仕切体の小径連通路を通じて試料採取容器内に
延びる測温素子を設け、該測温素子の先端を前記厚肉試
料採取室のほぼ中央に位置せしめた点にある。
ところは、側部に流入口を設けた流入案内容器と、該流
入案内容器の下方に連通連結された試料採取容器と、両
容器の間に介装された両容器を連通せしめる小径連通路
を形成した仕切体とから成り、前記試料採取容器は、一
対の半割状の金属製皿部材を対向して突き合わせること
により構成され、前記仕切体の小径連通路に接続される
ボス部と、該ボス部に連なり充填された溶融金属を幅寸
法wよりも厚さ寸法dを小としたディスク状の試料とな
るように凝固せしるための厚肉試料採取室と、該厚肉試
料採取室に連なる薄肉試料採取室とを一連に形成し、前
記試料採取容器は、前記厚肉試料採取室の少なくともデ
ィスク状試料のフラット面に臨む上下壁の肉厚tを、7
.0≦t/d×100≦14.0(但しd≧18mm)
に構成して成り、前記仕切体は、金属よりも熱伝導率の
低い保温材により成形されて成り、前記流入案内容器の
上部から仕切体の小径連通路を通じて試料採取容器内に
延びる測温素子を設け、該測温素子の先端を前記厚肉試
料採取室のほぼ中央に位置せしめた点にある。
【0026】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を詳述す
る。
る。
【0027】図1において、ディスク状金属試料の採取
装置の外装を構成するプローブ本体1は、内部に流入案
内容器2と、該流入案内容器2の下方に連通連結された
試料採取容器3と、両容器2、3の間に介装され両容器
を連通せしめる小径連通路4を形成した仕切体5を内装
している。前記プローブ本体1は、内外二層構造とした
紙管製の保護管6、7を含み、内側の保護管6の内周側
に積層された紙管製の保持管8、9を含む。上側の保持
管8は、前記仕切体5及び流入案内容器2の外周を抱持
しつつ尾端方向に延び、下側の保持管9は、プローブ本
体1の先端近傍部に配置されている。前記流入案内容器
2の側部には、流入口10を形成したセラミック製のノ
ズル11を設けている。図示省略しているが、ノズル1
1の開口はプローブ本体1の外周に設けられた薄紙等の
保護膜により被覆されている。尚、プローブ本体1の先
端部は、セラミック製の栓体12により閉塞されており
、溶融金属浴の温度を測定するための温度測定素子13
を設けている。
装置の外装を構成するプローブ本体1は、内部に流入案
内容器2と、該流入案内容器2の下方に連通連結された
試料採取容器3と、両容器2、3の間に介装され両容器
を連通せしめる小径連通路4を形成した仕切体5を内装
している。前記プローブ本体1は、内外二層構造とした
紙管製の保護管6、7を含み、内側の保護管6の内周側
に積層された紙管製の保持管8、9を含む。上側の保持
管8は、前記仕切体5及び流入案内容器2の外周を抱持
しつつ尾端方向に延び、下側の保持管9は、プローブ本
体1の先端近傍部に配置されている。前記流入案内容器
2の側部には、流入口10を形成したセラミック製のノ
ズル11を設けている。図示省略しているが、ノズル1
1の開口はプローブ本体1の外周に設けられた薄紙等の
保護膜により被覆されている。尚、プローブ本体1の先
端部は、セラミック製の栓体12により閉塞されており
、溶融金属浴の温度を測定するための温度測定素子13
を設けている。
【0028】前記流入案内容器2は、断面円形のカップ
状に形成されており、図示実施例では、鋼等の金属製の
円筒状周壁14と、該周壁14の頂部を閉塞する鋼等の
金属製の円板状頂壁15とから構成されているが、一体
の有底カップ状に構成しても良い。
状に形成されており、図示実施例では、鋼等の金属製の
円筒状周壁14と、該周壁14の頂部を閉塞する鋼等の
金属製の円板状頂壁15とから構成されているが、一体
の有底カップ状に構成しても良い。
【0029】前記試料採取容器3は、鋼等から成る一対
の半割状の金属製皿部材16を対向して突き合わせるこ
とにより構成され、前記仕切体5の小径連通路4に接続
されるボス部17と、該ボス部17に連なる厚肉試料採
取室18と、該厚肉試料採取室18に連なる薄肉試料採
取室19とを一連に形成している。即ち、図2(A)に
示すように、前記皿部材16は、前記ボス部17を形成
するための半割筒部20と、深さを9mm〜13mm程
度とした深皿部21と、深さを約2mm程度とした舌片
状の浅皿部22とを一体に備え、このため、前記深皿部
21を形成するための底壁21a及び側壁21bと、前
記浅皿部22を形成するための底壁22a及び側壁22
bを備えている。図2(A)には一方の皿部材16だけ
を示しているが、同形同大の皿部材16の一対を用い、
両皿部材16、16を対向して突き合わせることにより
試料採取容器3を形成する。
の半割状の金属製皿部材16を対向して突き合わせるこ
とにより構成され、前記仕切体5の小径連通路4に接続
されるボス部17と、該ボス部17に連なる厚肉試料採
取室18と、該厚肉試料採取室18に連なる薄肉試料採
取室19とを一連に形成している。即ち、図2(A)に
示すように、前記皿部材16は、前記ボス部17を形成
するための半割筒部20と、深さを9mm〜13mm程
度とした深皿部21と、深さを約2mm程度とした舌片
状の浅皿部22とを一体に備え、このため、前記深皿部
21を形成するための底壁21a及び側壁21bと、前
記浅皿部22を形成するための底壁22a及び側壁22
bを備えている。図2(A)には一方の皿部材16だけ
を示しているが、同形同大の皿部材16の一対を用い、
両皿部材16、16を対向して突き合わせることにより
試料採取容器3を形成する。
【0030】前記仕切体5は、金属よりも熱伝導率の低
い保温材、例えばシェルモールドにより、分厚い円盤状
に成形されている。このように仕切体5をシェルモール
ドの成形物としておけば、通気性を備えるので、試料採
取容器3内のエアーやガスの排気性に優れ、該容器3内
における凝固試料に巣が発生することを防止できる。あ
わせて、シェルモールドの成形物によれば、外力により
崩壊容易であるため、採取した凝固試料を取出すに際し
て、試料採取容器3内の凝固試料と流入案内容器2内の
不要凝固金属との分離を容易に行い得る。
い保温材、例えばシェルモールドにより、分厚い円盤状
に成形されている。このように仕切体5をシェルモール
ドの成形物としておけば、通気性を備えるので、試料採
取容器3内のエアーやガスの排気性に優れ、該容器3内
における凝固試料に巣が発生することを防止できる。あ
わせて、シェルモールドの成形物によれば、外力により
崩壊容易であるため、採取した凝固試料を取出すに際し
て、試料採取容器3内の凝固試料と流入案内容器2内の
不要凝固金属との分離を容易に行い得る。
【0031】この仕切体5は、予め一対の皿部材16、
16を突き合わせることにより組み立てられた試料採取
容器3のボス部17を取り囲んで一体に成形される。従
って、一対の皿部材16、16は、ボス部17を仕切体
5の内部に埋入し保持されるので、これにより突き合わ
せ状態を維持される。然しながら、この仕切体5による
固定保持だけでは充分でない場合は、皿部材16、16
の浅皿部22、22を固定保持するために、図2(B)
に示すような一対の板状の鋼製クリップ23が使用され
る。即ち、一対のクリップ23、23により、一対の皿
部材16、16の浅皿部22を挟持固定する。このクリ
ップ23、23は、前述した本来のクリップ機能の他、
薄肉試料採取室19の放熱機能を有し、該採取室19内
に流入した溶融金属の急冷化を一層促進せしめる。従っ
て、必要に応じて、使用すべきクリップ23の数を増減
選択することが自由である。
16を突き合わせることにより組み立てられた試料採取
容器3のボス部17を取り囲んで一体に成形される。従
って、一対の皿部材16、16は、ボス部17を仕切体
5の内部に埋入し保持されるので、これにより突き合わ
せ状態を維持される。然しながら、この仕切体5による
固定保持だけでは充分でない場合は、皿部材16、16
の浅皿部22、22を固定保持するために、図2(B)
に示すような一対の板状の鋼製クリップ23が使用され
る。即ち、一対のクリップ23、23により、一対の皿
部材16、16の浅皿部22を挟持固定する。このクリ
ップ23、23は、前述した本来のクリップ機能の他、
薄肉試料採取室19の放熱機能を有し、該採取室19内
に流入した溶融金属の急冷化を一層促進せしめる。従っ
て、必要に応じて、使用すべきクリップ23の数を増減
選択することが自由である。
【0032】この試料採取容器3と仕切体5のプリアセ
ンブリされた構成物の二つの実施例を図3(A)及び(
B)に示している。
ンブリされた構成物の二つの実施例を図3(A)及び(
B)に示している。
【0033】図3(A)に示す第一実施例において、試
料採取容器3のボス部17には、石英管等から成るガイ
ド筒24が挿入され、このガイド筒24とボス部17を
取り囲んで仕切体5を成形している。従って、仕切体5
の小径連通路4は、このガイド筒24により構成され、
しかも、このガイド筒24は、仕切体5から突出する袖
口部25を有する。
料採取容器3のボス部17には、石英管等から成るガイ
ド筒24が挿入され、このガイド筒24とボス部17を
取り囲んで仕切体5を成形している。従って、仕切体5
の小径連通路4は、このガイド筒24により構成され、
しかも、このガイド筒24は、仕切体5から突出する袖
口部25を有する。
【0034】図3(B)に示す第二実施例において、試
料採取容器3のボス部17を取り囲みつつ、該ボス部7
の軸長を越える分厚い仕切体5を成形している。成形時
にコアーピンを用いることにより、仕切体5には、ボス
部17から内径を等しくして延長された小径連通路4が
形成され、仕切体5の端面に位置する小径連通路4の開
口部にはテーパ状拡大部26が形成される。
料採取容器3のボス部17を取り囲みつつ、該ボス部7
の軸長を越える分厚い仕切体5を成形している。成形時
にコアーピンを用いることにより、仕切体5には、ボス
部17から内径を等しくして延長された小径連通路4が
形成され、仕切体5の端面に位置する小径連通路4の開
口部にはテーパ状拡大部26が形成される。
【0035】図3(A)に示す第一実施例及び図3(B
)に示す第二実施例の何れの場合も、円盤状に成形され
た仕切体5の外径は、流入案内容器2の外径とほぼ等し
く、図1に示すように、該仕切体5を流入案内容器2の
下端に突き合わせた状態で、仕切体5及び流入案内容器
2を一体として保持管8により抱持される。
)に示す第二実施例の何れの場合も、円盤状に成形され
た仕切体5の外径は、流入案内容器2の外径とほぼ等し
く、図1に示すように、該仕切体5を流入案内容器2の
下端に突き合わせた状態で、仕切体5及び流入案内容器
2を一体として保持管8により抱持される。
【0036】図1に示すように、プローブ本体1には、
流入案内容器2の上部に位置して温度検出手段27が内
装されている。この温度検出手段27の測温素子28は
、流入案内容器2を貫通し、仕切体5の小径連通路4を
挿通して、試料採取容器3内に延び、該測温素子28の
先端を厚肉試料採取室18のほぼ中央に位置せしめてい
る。尚、流入案内容器2の内部に位置する測温素子28
の基部は、保護スリーブ29により保護されている。
流入案内容器2の上部に位置して温度検出手段27が内
装されている。この温度検出手段27の測温素子28は
、流入案内容器2を貫通し、仕切体5の小径連通路4を
挿通して、試料採取容器3内に延び、該測温素子28の
先端を厚肉試料採取室18のほぼ中央に位置せしめてい
る。尚、流入案内容器2の内部に位置する測温素子28
の基部は、保護スリーブ29により保護されている。
【0037】上記実施例の構成に基づくディスク状金属
試料の採取装置によれば、プローブ本体1を溶融金属中
に浸漬すると、スラグ層を通過して溶融金属浴中の所定
位置まで沈下した後に、上述した保護膜が喪失してノズ
ル11を開口せしめ、該ノズル11の流入口10を経て
流入する溶融金属を流入案内容器2に浸入せしめる。流
入案内容器2に浸入した溶融金属は、引き続き、小径連
通路4を経て試料採取容器3内に充填され、厚肉試料採
取室18及び薄肉試料採取室19の隅々まで充填される
。
試料の採取装置によれば、プローブ本体1を溶融金属中
に浸漬すると、スラグ層を通過して溶融金属浴中の所定
位置まで沈下した後に、上述した保護膜が喪失してノズ
ル11を開口せしめ、該ノズル11の流入口10を経て
流入する溶融金属を流入案内容器2に浸入せしめる。流
入案内容器2に浸入した溶融金属は、引き続き、小径連
通路4を経て試料採取容器3内に充填され、厚肉試料採
取室18及び薄肉試料採取室19の隅々まで充填される
。
【0038】ところで、薄肉試料採取室19は、その上
部の厚肉試料採取室18よりも容量が格段に小とされて
いるので、薄肉試料採取室19に流入した溶融金属は、
短時間のうちに均質に急冷され凝固する。このため、薄
肉試料採取室19内に充填された溶融金属は、上部にお
いて凝固収縮により内部に引け巣を発生する虞れがある
が、厚肉試料採取室18内に充填されている溶融金属は
その時点において未凝固状態にあり、この未凝固金属が
引き続き薄肉試料採取室19に浸入するので、所謂押し
湯効果により薄肉試料採取室19内の凝固試料を巣のな
い充填度の高いものとする。
部の厚肉試料採取室18よりも容量が格段に小とされて
いるので、薄肉試料採取室19に流入した溶融金属は、
短時間のうちに均質に急冷され凝固する。このため、薄
肉試料採取室19内に充填された溶融金属は、上部にお
いて凝固収縮により内部に引け巣を発生する虞れがある
が、厚肉試料採取室18内に充填されている溶融金属は
その時点において未凝固状態にあり、この未凝固金属が
引き続き薄肉試料採取室19に浸入するので、所謂押し
湯効果により薄肉試料採取室19内の凝固試料を巣のな
い充填度の高いものとする。
【0039】また、厚肉試料採取室18に充填された溶
融金属は、周壁(皿部材16、16の底壁21a及び側
壁21b)により外周部から急冷されるので、凝固時の
収縮により上部における内部に引け巣を発生する虞れが
あるが、流入案内容器2の底部及び小径連通路4に充填
されている溶融金属は、シェルモールド等の保温材から
成る仕切体5により奪熱を妨げられ謂わば保温状態で高
温の未凝固状態に維持されているから、この未凝固金属
が引き続き厚肉試料採取室18に浸入して、所謂押し湯
効果により厚肉試料採取室18内の凝固試料を巣のない
充填度の高いものとする。
融金属は、周壁(皿部材16、16の底壁21a及び側
壁21b)により外周部から急冷されるので、凝固時の
収縮により上部における内部に引け巣を発生する虞れが
あるが、流入案内容器2の底部及び小径連通路4に充填
されている溶融金属は、シェルモールド等の保温材から
成る仕切体5により奪熱を妨げられ謂わば保温状態で高
温の未凝固状態に維持されているから、この未凝固金属
が引き続き厚肉試料採取室18に浸入して、所謂押し湯
効果により厚肉試料採取室18内の凝固試料を巣のない
充填度の高いものとする。
【0040】更に、厚肉試料採取室18に充填された溶
融金属は、最終凝固時に発生する収縮孔や、残留エアー
による気泡の連結により、内部に巣を発生する虞れがあ
るが、前述のように厚肉試料採取室18の上部は、仕切
体5により保温された小径連通路4内における高温の溶
融金属に連なっているので、厚肉試料採取室18内の溶
融金属の凝固は下部及び側部から上方へ向けて進行する
ことになる。このため、万一、厚肉試料採取室18内の
溶融金属中に巣が発生するようなことがあっても、下方
から上方へ向けて進行する凝固に伴い、巣は上方に押し
上げられる。そして、巣が小径連通路4の近傍まで押し
上げられると、前述のように保温されている流入案内容
器2の底部及び小径連通路4内の未凝固金属が流下して
巣を埋めてしまうので、この点からしても、厚肉試料採
取室18内の凝固試料に巣が発生することは確実に防止
される。
融金属は、最終凝固時に発生する収縮孔や、残留エアー
による気泡の連結により、内部に巣を発生する虞れがあ
るが、前述のように厚肉試料採取室18の上部は、仕切
体5により保温された小径連通路4内における高温の溶
融金属に連なっているので、厚肉試料採取室18内の溶
融金属の凝固は下部及び側部から上方へ向けて進行する
ことになる。このため、万一、厚肉試料採取室18内の
溶融金属中に巣が発生するようなことがあっても、下方
から上方へ向けて進行する凝固に伴い、巣は上方に押し
上げられる。そして、巣が小径連通路4の近傍まで押し
上げられると、前述のように保温されている流入案内容
器2の底部及び小径連通路4内の未凝固金属が流下して
巣を埋めてしまうので、この点からしても、厚肉試料採
取室18内の凝固試料に巣が発生することは確実に防止
される。
【0041】ところで、試料採取容器3内に充填された
溶融金属は、厚肉試料採取室18のほぼ中央において凝
固時点の温度を測温素子28により検知され、該金属中
の炭素含有量を測定される。この際、前述のように、厚
肉試料採取室18内の溶融金属には、引け巣や収縮孔、
或いは気泡の連結による巣等が発生することはないから
、測温素子28による温度検知を確実に行うことができ
る。
溶融金属は、厚肉試料採取室18のほぼ中央において凝
固時点の温度を測温素子28により検知され、該金属中
の炭素含有量を測定される。この際、前述のように、厚
肉試料採取室18内の溶融金属には、引け巣や収縮孔、
或いは気泡の連結による巣等が発生することはないから
、測温素子28による温度検知を確実に行うことができ
る。
【0042】上述の通り、厚肉試料採取室18内の溶融
金属の凝固温度を測温素子28により安定して測定する
ためには、該溶融金属の温度冷却曲線が平衡保持領域を
示すことが必要である。このため、本発明は、その最大
の特徴として、図4に示すように、厚肉試料採取室18
の内法幅a(即ち、後述する図7に示す採取試料30の
厚肉部31の幅)と、内法長さ寸法b(即ち、後述する
図7に示す採取試料30の厚肉部31の長さ)と、内法
深さ寸法d(即ち、後述する図7に示す採取試料30の
厚肉部31の厚さ)を、a>d、b>dとしたディスク
状サンプラーにおいて、厚肉試料採取室18の少なくと
も上下壁、即ち、採取試料30のディスク状フラット面
(後述する図7に示す採取試料の厚肉部31のフラット
面34)に臨む底壁21a、21aの壁厚t1 を、7
.0≦t1 /d×100≦14.0(但しd≧18m
m)に構成している。
金属の凝固温度を測温素子28により安定して測定する
ためには、該溶融金属の温度冷却曲線が平衡保持領域を
示すことが必要である。このため、本発明は、その最大
の特徴として、図4に示すように、厚肉試料採取室18
の内法幅a(即ち、後述する図7に示す採取試料30の
厚肉部31の幅)と、内法長さ寸法b(即ち、後述する
図7に示す採取試料30の厚肉部31の長さ)と、内法
深さ寸法d(即ち、後述する図7に示す採取試料30の
厚肉部31の厚さ)を、a>d、b>dとしたディスク
状サンプラーにおいて、厚肉試料採取室18の少なくと
も上下壁、即ち、採取試料30のディスク状フラット面
(後述する図7に示す採取試料の厚肉部31のフラット
面34)に臨む底壁21a、21aの壁厚t1 を、7
.0≦t1 /d×100≦14.0(但しd≧18m
m)に構成している。
【0043】好ましい実施例において、厚肉試料採取室
18の側壁21bの壁厚t2 は、前記底壁21a、2
1aの壁厚t1 と等しく、t2 =t1 とされ、更
に、薄肉試料採取室19に至る試料採取容器3の全体に
わたる壁部の肉厚をほぼ均一に形成している。従って、
厚肉試料採取室18の全ての壁厚t1 及びt2 (即
ち、t)について、7.0≦t/d×100≦14.0
(但しd≧18mm)の数値範囲内に構成することが好
ましいが、本発明は、偏平の厚肉試料採取室18内でデ
ィスク状の試料を凝固採取するものであり、その冷却特
性は、底壁21a、21aの壁厚t1 により受ける影
響が最も大きいから、これらの壁厚t1 及びt2 の
うち、少なくとも底壁21aのt1 について前記数値
範囲内にあれば良いとするものである。
18の側壁21bの壁厚t2 は、前記底壁21a、2
1aの壁厚t1 と等しく、t2 =t1 とされ、更
に、薄肉試料採取室19に至る試料採取容器3の全体に
わたる壁部の肉厚をほぼ均一に形成している。従って、
厚肉試料採取室18の全ての壁厚t1 及びt2 (即
ち、t)について、7.0≦t/d×100≦14.0
(但しd≧18mm)の数値範囲内に構成することが好
ましいが、本発明は、偏平の厚肉試料採取室18内でデ
ィスク状の試料を凝固採取するものであり、その冷却特
性は、底壁21a、21aの壁厚t1 により受ける影
響が最も大きいから、これらの壁厚t1 及びt2 の
うち、少なくとも底壁21aのt1 について前記数値
範囲内にあれば良いとするものである。
【0044】下記に示す表1は、本発明者において、前
記厚肉試料採取室18の底壁21a、21a及び側壁2
1b、21bの壁厚tを種々異ならしめた試料採取容器
を用いて行った実験の結果を示しており、これらの実験
用の試料採取容器は、図1に示すようなプローブに組み
込まれ、該プローブを転炉内の溶鋼中に浸漬することに
より、該容器内に流入した溶鋼の平衡凝固温度を実地に
測定することにより実験に供された。実験の目的は、測
温素子により検知される温度指示波形を観察し、波形中
に見られる平衡保持領域の有無或いは長短を記録し、そ
れが採取試料の厚みdと容器の壁厚tとの関係からどの
ような影響を受けるかを分析することである。この実験
は、各テスト容器について、転炉操業の特性を考慮し、
溶鋼温度が1600度(摂氏)未満の場合と、1600
度(摂氏)以上の場合とにわけて行い、検知された温度
指示波形を記録した。この実験に供したテスト容器は、
図1乃至図4に示した実施例と同様の態様のものであり
、厚肉試料採取室18の条件を、a=一定(a>d)、
b=一定(b>d)、t2 =t1 (従って表1には
単にtと表示する)とした(但し、テスト容器の全てに
おいて、aは40mm、bは32mmである)。尚、表
1に示されるNo.1−1から7−4までの全てのテス
ト容器の各々について同じものを10個用意し、10本
のプローブを用いて10回の実験を行い、その平均結果
を記した。
記厚肉試料採取室18の底壁21a、21a及び側壁2
1b、21bの壁厚tを種々異ならしめた試料採取容器
を用いて行った実験の結果を示しており、これらの実験
用の試料採取容器は、図1に示すようなプローブに組み
込まれ、該プローブを転炉内の溶鋼中に浸漬することに
より、該容器内に流入した溶鋼の平衡凝固温度を実地に
測定することにより実験に供された。実験の目的は、測
温素子により検知される温度指示波形を観察し、波形中
に見られる平衡保持領域の有無或いは長短を記録し、そ
れが採取試料の厚みdと容器の壁厚tとの関係からどの
ような影響を受けるかを分析することである。この実験
は、各テスト容器について、転炉操業の特性を考慮し、
溶鋼温度が1600度(摂氏)未満の場合と、1600
度(摂氏)以上の場合とにわけて行い、検知された温度
指示波形を記録した。この実験に供したテスト容器は、
図1乃至図4に示した実施例と同様の態様のものであり
、厚肉試料採取室18の条件を、a=一定(a>d)、
b=一定(b>d)、t2 =t1 (従って表1には
単にtと表示する)とした(但し、テスト容器の全てに
おいて、aは40mm、bは32mmである)。尚、表
1に示されるNo.1−1から7−4までの全てのテス
ト容器の各々について同じものを10個用意し、10本
のプローブを用いて10回の実験を行い、その平均結果
を記した。
【0045】
【表1】
【0046】前記表1に示したNo.4−1の試料採取
容器を使用した実験において、厚肉試料採取室21内で
測温素子28により測定された「測温素子温度指示」の
結果と、これから類推される「溶鋼温度冷却曲線」は、
図5に示す通りである。図5において、(A)は160
0度(C)以上の溶鋼に浸漬した場合の結果を示してお
り、(B)は1600度(C)未満の溶鋼に浸漬した場
合の結果を示している。即ち、このNo.4−1の試料
採取容器によれば、t/d×100が8.0の数値であ
り、この場合、測温素子温度指示の波形中に充分な平衡
保持時間が示され、試料の凝固温度を容易に特定できる
。
容器を使用した実験において、厚肉試料採取室21内で
測温素子28により測定された「測温素子温度指示」の
結果と、これから類推される「溶鋼温度冷却曲線」は、
図5に示す通りである。図5において、(A)は160
0度(C)以上の溶鋼に浸漬した場合の結果を示してお
り、(B)は1600度(C)未満の溶鋼に浸漬した場
合の結果を示している。即ち、このNo.4−1の試料
採取容器によれば、t/d×100が8.0の数値であ
り、この場合、測温素子温度指示の波形中に充分な平衡
保持時間が示され、試料の凝固温度を容易に特定できる
。
【0047】ところで、前記表1から明らかなように、
試料の厚みdが18mm未満の場合は、全て不良な結果
しか得られなかった(表1のNo.1−1、1−2、1
−3を参照)。このように凝固温度の平衡保持領域が得
られない理由は、試料の冷却速度が過多になるためであ
ると推測される。従って、本件発明の前提条件としては
、試料の厚みdが18mm以上でなければならない。
試料の厚みdが18mm未満の場合は、全て不良な結果
しか得られなかった(表1のNo.1−1、1−2、1
−3を参照)。このように凝固温度の平衡保持領域が得
られない理由は、試料の冷却速度が過多になるためであ
ると推測される。従って、本件発明の前提条件としては
、試料の厚みdが18mm以上でなければならない。
【0048】そこで、試料の厚みdを18mm以上とし
た実験結果の中から、試料の厚み(厚肉試料採取室の深
さ)と容器壁厚の関係、即ち、t/d×100の数値の
下限値を探究した。この点について、前記表1のNo.
7−1に示すテスト容器(前記数値が6.4)によれば
、測温素子温度指示の波形中に示される平衡領域の点で
は満足する結果を得られたが、その反面、採取された凝
固試料は、発光分光分析用の試料としては不適切なもの
であった。即ち、この容器の実験では、容器壁部に部分
的な溶融の個所が見られ、得られた凝固試料中に容器の
金属素材が混入していた。その理由は、この容器では、
壁厚tに対して容器の容量が相対的に過大であり、t/
d×100が6.4と小さいために、壁厚tに対する相
対的な関係において溶融金属の熱量が大きいからである
と考えられる。従って、本発明において、t/d×10
0の下限値は7.0以上とすることが必要である。
た実験結果の中から、試料の厚み(厚肉試料採取室の深
さ)と容器壁厚の関係、即ち、t/d×100の数値の
下限値を探究した。この点について、前記表1のNo.
7−1に示すテスト容器(前記数値が6.4)によれば
、測温素子温度指示の波形中に示される平衡領域の点で
は満足する結果を得られたが、その反面、採取された凝
固試料は、発光分光分析用の試料としては不適切なもの
であった。即ち、この容器の実験では、容器壁部に部分
的な溶融の個所が見られ、得られた凝固試料中に容器の
金属素材が混入していた。その理由は、この容器では、
壁厚tに対して容器の容量が相対的に過大であり、t/
d×100が6.4と小さいために、壁厚tに対する相
対的な関係において溶融金属の熱量が大きいからである
と考えられる。従って、本発明において、t/d×10
0の下限値は7.0以上とすることが必要である。
【0049】一方、t/d×100の上限値を探究する
と、前記表1に示したNo.4−3に示すテスト容器は
、厚肉試料採取室の深さと壁厚の関係、即ち、t/d×
100を16.0とし、壁厚をかなり厚くしているため
、測温素子温度指示の波形中に平衡保持の安定領域を見
ることができなかった。このテスト容器を1600度C
以上の溶鋼を対象として行った実験により得られた「測
温素子温度指示」の波形は、図6に示す通りであり、平
衡安定領域を有しない。このため、これから類推される
「溶鋼温度冷却曲線」は極めて信頼性の低いものとなる
。これと同様に、表1において、t/d×100の値を
17.8としたNo.2−3の容器、同値を16.8と
したNo.3−3の容器、同値を14.5としたNo.
5−3の容器、同値を19.6としたNo.6−4の容
器、同値を18.0としたNo.7−4の容器について
も、平衡保持領域を全く得られないか又は不満足な平衡
保持領域のものであった。従って、本発明において、t
/d×100の上限値は14.0以下とすることが必要
である。
と、前記表1に示したNo.4−3に示すテスト容器は
、厚肉試料採取室の深さと壁厚の関係、即ち、t/d×
100を16.0とし、壁厚をかなり厚くしているため
、測温素子温度指示の波形中に平衡保持の安定領域を見
ることができなかった。このテスト容器を1600度C
以上の溶鋼を対象として行った実験により得られた「測
温素子温度指示」の波形は、図6に示す通りであり、平
衡安定領域を有しない。このため、これから類推される
「溶鋼温度冷却曲線」は極めて信頼性の低いものとなる
。これと同様に、表1において、t/d×100の値を
17.8としたNo.2−3の容器、同値を16.8と
したNo.3−3の容器、同値を14.5としたNo.
5−3の容器、同値を19.6としたNo.6−4の容
器、同値を18.0としたNo.7−4の容器について
も、平衡保持領域を全く得られないか又は不満足な平衡
保持領域のものであった。従って、本発明において、t
/d×100の上限値は14.0以下とすることが必要
である。
【0050】本実施例において、前述のようにして試料
採取容器3内で凝固せしめられた試料は、プローブ本体
1を溶融金属浴から引上げた後、該プローブ本体1を破
壊することにより試料採取容器3を取出し、一対の皿部
材16、16を分離することにより、図7に示すような
試料30として分析に供される。皿部材16、16の分
離は、クリップ23、23を取外すと共に、崩壊容易な
仕切体5を破壊することにより、簡単に行うことができ
る。
採取容器3内で凝固せしめられた試料は、プローブ本体
1を溶融金属浴から引上げた後、該プローブ本体1を破
壊することにより試料採取容器3を取出し、一対の皿部
材16、16を分離することにより、図7に示すような
試料30として分析に供される。皿部材16、16の分
離は、クリップ23、23を取外すと共に、崩壊容易な
仕切体5を破壊することにより、簡単に行うことができ
る。
【0051】取出された試料30は、厚肉試料採取室1
8に対応して成形された厚肉部31と、薄肉試料採取室
19に対応して成形された薄肉部32を一連に備えてい
る。薄肉部32は、その一部分をパンチャー等により打
抜き分離することにより、分離片33を燃焼分析に供さ
れる。一方、厚肉部31は、そのフラット面34を研磨
することにより、該研磨面を分析面として発光分光分析
に供される。この際、厚肉部31の内部には使用済の測
温素子28が埋入されているが、厚肉部31の表面にお
けるフラット面34を分析面とするので、測温素子28
が発光分光分析の支障になることはない。
8に対応して成形された厚肉部31と、薄肉試料採取室
19に対応して成形された薄肉部32を一連に備えてい
る。薄肉部32は、その一部分をパンチャー等により打
抜き分離することにより、分離片33を燃焼分析に供さ
れる。一方、厚肉部31は、そのフラット面34を研磨
することにより、該研磨面を分析面として発光分光分析
に供される。この際、厚肉部31の内部には使用済の測
温素子28が埋入されているが、厚肉部31の表面にお
けるフラット面34を分析面とするので、測温素子28
が発光分光分析の支障になることはない。
【0052】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成した結果、
次の効果を奏する。
次の効果を奏する。
【0053】請求項1に記載の本発明によれば、ディス
ク状サンプラーの利点を備えつつ、従来のように別個の
凝固温度測定専用のカップ状サンプラーを併設する必要
はなく、ディスク状サンプラー内の溶融金属の凝固温度
を測温素子により直接検知し、試料中の炭素含有量を測
定することが可能であるから、装置全体の小型化と低コ
スト化を図ることができる。
ク状サンプラーの利点を備えつつ、従来のように別個の
凝固温度測定専用のカップ状サンプラーを併設する必要
はなく、ディスク状サンプラー内の溶融金属の凝固温度
を測温素子により直接検知し、試料中の炭素含有量を測
定することが可能であるから、装置全体の小型化と低コ
スト化を図ることができる。
【0054】特に、本発明によれば、前述のように、試
料採取容器が、該採取室の少なくともディスク状試料の
フラット面に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×
100≦14.0(但しd≧18mm)に構成したので
、ディスク状試料を採取するディスク状サンプラーにお
いて、発光分光分析に適した均質な組織を有する凝固試
料を採取する目的と、試料内で測温素子により検知した
温度指示波形中に平衡保持領域を示して試料の凝固温度
を安定且つ正確に測定する目的という、従来では二律背
反すると認識されていた二つの目的を同時に達成するこ
とができた点に顕著な効果がある。
料採取容器が、該採取室の少なくともディスク状試料の
フラット面に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×
100≦14.0(但しd≧18mm)に構成したので
、ディスク状試料を採取するディスク状サンプラーにお
いて、発光分光分析に適した均質な組織を有する凝固試
料を採取する目的と、試料内で測温素子により検知した
温度指示波形中に平衡保持領域を示して試料の凝固温度
を安定且つ正確に測定する目的という、従来では二律背
反すると認識されていた二つの目的を同時に達成するこ
とができた点に顕著な効果がある。
【0055】請求項2に記載の本発明によれば、前記効
果に加えて、採取した凝固試料が厚肉部と薄肉部を備え
るので、厚肉部を発光分光分析に供すると同時に、薄肉
部を燃焼分析に供することができ、このように一つの試
料採取容器により二つの分析に供される試料を一度で採
取できるという効果がある。ディスク状サンプラーの利
点を備えつつ、
果に加えて、採取した凝固試料が厚肉部と薄肉部を備え
るので、厚肉部を発光分光分析に供すると同時に、薄肉
部を燃焼分析に供することができ、このように一つの試
料採取容器により二つの分析に供される試料を一度で採
取できるという効果がある。ディスク状サンプラーの利
点を備えつつ、
【0056】請求項3に記載の本発明によれば、前記効
果に加えて、流入案内容器の底部近傍において仕切体に
より保温された未凝固金属を試料採取容器内に浸入せし
める所謂押し湯機能を備えるので、試料採取容器内で得
られる凝固試料に巣を発生せしめないという効果がある
。
果に加えて、流入案内容器の底部近傍において仕切体に
より保温された未凝固金属を試料採取容器内に浸入せし
める所謂押し湯機能を備えるので、試料採取容器内で得
られる凝固試料に巣を発生せしめないという効果がある
。
【0057】請求項4に記載の本発明によれば、前記効
果に加えて、試料採取容器を構成する一対の皿部材を仕
切体により突き合わせ状態に保持し、試料採取容器を予
め組立状態にセットすることができ、装置の組立に際し
、このプリアセンブリされた構造物を流入案内容器の下
端に配置することができるので、組立作業が容易となる
。
果に加えて、試料採取容器を構成する一対の皿部材を仕
切体により突き合わせ状態に保持し、試料採取容器を予
め組立状態にセットすることができ、装置の組立に際し
、このプリアセンブリされた構造物を流入案内容器の下
端に配置することができるので、組立作業が容易となる
。
【0058】請求項5に記載の本発明によれば、前記効
果に加えて、仕切体がシェルモールドの成形物から成る
ので、前述した保温性に優れると共に、仕切体を容易に
崩壊せしめ、採取後の凝固試料を不要凝固金属から分離
して取出す作業が容易であるという効果がある。
果に加えて、仕切体がシェルモールドの成形物から成る
ので、前述した保温性に優れると共に、仕切体を容易に
崩壊せしめ、採取後の凝固試料を不要凝固金属から分離
して取出す作業が容易であるという効果がある。
【0059】請求項6に記載の本発明によれば、前記効
果に加えて、試料採取容器を構成する一対の皿部材の相
互が、ボス部を仕切体により固定保持されると共に、薄
肉試料採取室の部分を外側からクリップにより固定保持
されるので、該一対の皿部材の相互合わせ面を確実に密
着せしめ、該合わせ面の部分で凝固試料が湯バリを生じ
ることを好適に防止できる。しかも、クリップを金属製
としておけば、該クリップに放熱機能を具備せしめ、薄
肉試料採取室の冷却能力をクリップの付加により向上で
きるという効果がある。
果に加えて、試料採取容器を構成する一対の皿部材の相
互が、ボス部を仕切体により固定保持されると共に、薄
肉試料採取室の部分を外側からクリップにより固定保持
されるので、該一対の皿部材の相互合わせ面を確実に密
着せしめ、該合わせ面の部分で凝固試料が湯バリを生じ
ることを好適に防止できる。しかも、クリップを金属製
としておけば、該クリップに放熱機能を具備せしめ、薄
肉試料採取室の冷却能力をクリップの付加により向上で
きるという効果がある。
【図1】本発明に係る採取装置を用いたプローブの一実
施例を示す縦断面図である。
施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の採取装置に用いる試料採取容器の1実
施例を示し、(A)は試料採取容器を構成する皿部材を
示す斜視図、(B)はクリップを示す斜視図である。
施例を示し、(A)は試料採取容器を構成する皿部材を
示す斜視図、(B)はクリップを示す斜視図である。
【図3】本発明の採取装置における試料採取容器と仕切
体の実施例を示し、(A)は第一実施例を示す縦断面図
、(B)は第二実施例を示す縦断面図である。
体の実施例を示し、(A)は第一実施例を示す縦断面図
、(B)は第二実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の採取装置における試料採取容器の一実
施例を示し、(A)は試料採取容器を半割して一方の皿
部材を示す平面図、(B)は試料採取容器の断面図であ
り(A)のB−B線に沿う断面図である。
施例を示し、(A)は試料採取容器を半割して一方の皿
部材を示す平面図、(B)は試料採取容器の断面図であ
り(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図5】本発明の一実施例に係る装置を用いた実験の結
果から得られた測温素子温度指示波形であり、(A)は
1600度C以上の溶鋼を対象として行った実験結果を
示し、(B)は1600度C未満の溶鋼を対象として行
った実験結果を示している。
果から得られた測温素子温度指示波形であり、(A)は
1600度C以上の溶鋼を対象として行った実験結果を
示し、(B)は1600度C未満の溶鋼を対象として行
った実験結果を示している。
【図6】本発明の範囲外の装置を用いて、1600度C
以上の溶鋼を対象として行った実験の結果から得られた
測温素子温度指示波形である。
以上の溶鋼を対象として行った実験の結果から得られた
測温素子温度指示波形である。
【図7】本発明の1実施例に係る装置により採取した凝
固試料の一例を示す斜視図である。
固試料の一例を示す斜視図である。
1 プローブ本体
2 流入案内容器
3 試料採取容器
4 小径連通路
5 仕切体
10 流入口
16 皿部材
17 ボス部
18 厚肉試料採取室
19 薄肉試料採取室
21 深皿部
21a 底壁
21b 側壁
22 浅皿部
22a 底壁
22b 側壁
23 クリップ
28 測温素子
30 試料
31 厚肉部
32 薄肉部
34 フラット部
d 試料厚さ(厚肉試料採取室の深さ)t
壁厚
壁厚
Claims (6)
- 【請求項1】 充填された溶融金属を幅寸法wよりも
厚さ寸法dを小としたディスク状の試料となるように凝
固せしるための採取室を形成した金属製の試料採取容器
を備え、該試料採取容器内に挿入した測温素子の先端を
前記採取室内における溶融金属の最終凝固点の近傍に配
置して成る装置において、前記試料採取容器が、該採取
室の少なくともディスク状試料のフラット面に臨む上下
壁の肉厚tを、7.0≦t/d×100≦14.0(但
しd≧18mm)に構成したことを特徴とするディスク
状金属試料の採取装置。 - 【請求項2】 充填された溶融金属を幅寸法wよりも
厚さ寸法dを小としたディスク状の試料となるように凝
固せしるための厚肉試料採取室と、該厚肉試料採取室に
連なる薄肉試料採取室とを一連に形成した金属製の試料
採取容器を備え、該試料採取容器内に挿入した測温素子
の先端を前記厚肉試料採取室内における溶融金属の最終
凝固点の近傍に配置して成る装置において、前記試料採
取容器が、該採取室の少なくともディスク状試料のフラ
ット面に臨む上下壁の肉厚tを、7.0≦t/d×10
0≦14.0(但しd≧18mm)に構成したことを特
徴とするディスク状金属試料の採取装置。 - 【請求項3】 側部に流入口を設けた流入案内容器と
、該流入案内容器の下方に連通連結された試料採取容器
と、両容器の間に介装された両容器を連通せしめる小径
連通路を形成した仕切体とから成り、前記試料採取容器
は、一対の半割状の金属製皿部材を対向して突き合わせ
ることにより構成され、前記仕切体の小径連通路に接続
されるボス部と、該ボス部に連なり充填された溶融金属
を幅寸法wよりも厚さ寸法dを小としたディスク状の試
料となるように凝固せしるための厚肉試料採取室と、該
厚肉試料採取室に連なる薄肉試料採取室とを一連に形成
し、前記試料採取容器は、前記厚肉試料採取室の少なく
ともディスク状試料のフラット面に臨む上下壁の肉厚t
を、7.0≦t/d×100≦14.0(但しd≧18
mm)に構成して成り、前記仕切体は、金属よりも熱伝
導率の低い保温材により成形されて成り、前記流入案内
容器の上部から仕切体の小径連通路を通じて試料採取容
器内に延びる測温素子を設け、該測温素子の先端を前記
厚肉試料採取室のほぼ中央に位置せしめたことを特徴と
するディスク状金属試料の採取装置。 - 【請求項4】 試料採取容器のボス部を取り囲んで仕
切体が予め一体に成形され、試料採取容器と共に該仕切
体を流入案内容器の下端に突き合わせ配置して成ること
を特徴とする請求項3に記載のディスク状金属試料の採
取装置。 - 【請求項5】 仕切体がシェルモールドの成形物から
成ることを特徴とする請求項3又は4に記載のディスク
状金属試料の採取装置。 - 【請求項6】 試料採取容器を構成する一対の皿部材
の相互を、薄肉試料採取室の部分で外側からクリップに
より固定して成ることを特徴とする請求項3乃至5の何
れかに記載のディスク状金属試料の採取装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3161113A JPH0697227B2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | ディスク状金属試料の採取装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3161113A JPH0697227B2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | ディスク状金属試料の採取装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04359152A true JPH04359152A (ja) | 1992-12-11 |
JPH0697227B2 JPH0697227B2 (ja) | 1994-11-30 |
Family
ID=15728857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3161113A Expired - Lifetime JPH0697227B2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | ディスク状金属試料の採取装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0697227B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012001815A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Heraeus Electro-Nite Internatl Nv | 金属溶湯の測定及び試料採取用の測定用プローブ |
-
1991
- 1991-06-04 JP JP3161113A patent/JPH0697227B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012001815A (ja) * | 2010-06-18 | 2012-01-05 | Heraeus Electro-Nite Internatl Nv | 金属溶湯の測定及び試料採取用の測定用プローブ |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0697227B2 (ja) | 1994-11-30 |
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