JPH04357279A - 巨大建造物 - Google Patents

巨大建造物

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JPH04357279A
JPH04357279A JP1586191A JP1586191A JPH04357279A JP H04357279 A JPH04357279 A JP H04357279A JP 1586191 A JP1586191 A JP 1586191A JP 1586191 A JP1586191 A JP 1586191A JP H04357279 A JPH04357279 A JP H04357279A
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building
truss
huge
dimensional
dimensional truss
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Yasuyoshi Miyatake
宮武 保義
Kenichi Sugizaki
杉崎 健一
Yoshimoto Kawai
川井 喜大
Teruyuki Nakatsuji
照幸 中辻
Yoshihisa Takebayashi
竹林 芳久
Teruo Fukunaga
福長 照雄
Junichiro Maeda
純一郎 前田
Tadahiko Okumura
忠彦 奥村
Koji Matsumoto
松本 孝次
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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Shimizu Construction Co Ltd
Shimizu Corp
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  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は巨大建造物に係わり、特
に、巨大な立体トラスをインフラストラクチュアとして
、その内部空間に建築物を設けるようにした巨大建造物
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、大都市は例えば地下高騰、交通渋
滞、環境悪化等の多くの問題をかかえており、それら都
市問題を解決するべく、各種の都市機能を備えてそれ自
体が一つの都市であるような巨大かつ超高層の建造物を
新たに建設しようという構想がある。そして、例えば、
高さ1000mにも及ぶ超々高層ビルや、高さ4000
mにも及ぶ巨大な山形のフレームからなる建造物の提案
がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
超々高層の建築物を築造するにあたっては下記の如き問
題を生ずる。
【0004】すなわち、まず、超々高層の建造物を支え
るために、その下部、特に基礎部としてまとまった広大
な面積を支配するという問題がある。このため、広大な
整地面を必要とする。また、地震対策として充分な耐震
機能等を付加、あるいは新たに開発する必要がある。さ
らに、建物自体に充分な強度をもたせるために、当然に
各構成部材等が巨大なものとなり、工期も極めて長期間
を要する。また、超々高層建築物では当然その断面積も
大きくなるため、特に建物内部は外界から遠く離れた場
所に位置するものとなり、自然光および自然の風を取り
入れるのが極めて難しいといった欠点もある。
【0005】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、上記の如き欠点を一挙に排除し得、特に巨大であり
ながら自然の光と風を充分に享受することができ、かつ
、建設場所も比較的自由に選ぶことのできる巨大建造物
を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
斜材、水平材、およびこれら斜材と水平材との交点に形
成された節点を備えて構成された巨大な立体トラスユニ
ットと、該立体トラスユニットの構成する内部空間に築
造された建築物と、を有して成る巨大建造物であって、
前記建築物は、少なくともその上下を前記立体トラスユ
ニットの有する所要の節点に支持されていることを特徴
とするものである。請求項2に係る発明は、請求項1記
載の巨大建造物において、前記立体トラスユニットを、
正三角形若しくは正方形を成す頂点部に配された水平分
布節点と、これら水平分布節点をつないで正三角形若し
くは正方形を形成する水平材と、該正三角形若しくは正
方形の平面と直交する中心軸上にあって該平面を挟んで
相対向した位置にそれぞれ位置した上下節点と、該上下
節点から前記各水平分布節点に向けて延在した斜材とで
構成し、かつ前記建築物を、少なくともその上下を前記
立体トラスユニットの前記上下節点に支持させたことを
特徴とするものである。請求項3に係る発明は、請求項
2に記載した前記立体トラスを1単位として該立体トラ
スを三次元方向に複数接続することにより立体トラスを
構成し、該立体トラスを構成する任意の立体トラスユニ
ットの内部に前記建築物を構築して成るものである。請
求項4に係る発明は、請求項3記載の巨大建造物におい
て、前記立体トラスを全体としてピラミッド形に構成し
たことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】請求項1記載の巨大建造物では、建築物が構造
的に強固な立体トラスユニットによって少なくとも上下
を支持されるので、該建築物の構造的信頼性が極めて高
いものとなり、該建築物を超高層とした場合でも構造的
な簡略化を図れる。
【0008】請求項2記載の巨大建造物ではさらに、立
体トラスユニットを一般的形状とすることで、設計,製
作,施工面での効率化が図れる。
【0009】請求項3記載の巨大建造物では、建築物が
三次元方向に点在して存在するものとなる。このため、
巨大建造物の内部にまで太陽光,自然風を導くことが可
能である。
【0010】請求項4記載の巨大建造物では、載荷荷重
が低層部において効果的に分散され、該巨大建造物を構
成する立体トラスをほぼ同一部材にて構成することがで
きる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は本発明の請求項4に係る巨大建造物を
示すものである。この図において、全体として符号1で
示すものが巨大建造物である。この巨大建造物1は、主
として、立体トラス2と、この立体トラスの内部に構築
された建築物3,3,…とを備えて構成されている。
【0012】前記立体トラス2について説明すると、多
数の水平材5,5,…、および斜材6,6,…、それに
、これら水平材5と斜材6との交点に位置したノード(
節点)7,7,…とから構成されている。この場合該立
体トラス2は、全体として四角錐状すなわちピラミッド
形に構成され、また、前記水平材5,5,…によって上
下方向に区切られる部分を仮に「層」と称すると、8層
に構成されたものとなっている。
【0013】ところで、前記立体トラス2はその内部に
、前記水平材5,斜材6,ノード7によってある区切ら
れた空間を構成している。この場合前記建築物3は、該
立体トラス2の構成する空間のうち、図2に示す如き空
間内に設けられている。この空間は、水平面内において
正方形を成す頂点部に配された4つの水平分布ノード(
水平分布節点)7a,7a,…と、これら4つの水平分
布ノード7a,7a,…をつないで正方形を形成する4
本の水平材5,5,…と、該正方形の平面と直交する中
心軸上における該平面を挟んで相対向した上下位置にそ
れぞれ位置した2つの上下ノード(上下節点)7b,7
bと、これら上下ノード7b,7bから前記各4つの水
平分布ノード7a,7a,…に向けて延在した計8本の
斜材6,6,…とにより囲まれた空間である。いま、上
記空間を構成している部分、すなわち、前記4つの水平
分布ノード7a、および4本の水平材5、2つの上下ノ
ード7b、8本の斜材6とで構成された部分を「トラス
ユニット(立体トラスユニット)」と称し、これを符号
10で示すものとする。すなわち、前記建築物3は、こ
のトラスユニット10の構成する空間内に位置して構築
されている。ただし、ここで断っておくと、前記立体ト
ラス2は上記の如きトラスユニット10が三次元方向に
多数隣接して構成されているものであるが、隣接するト
ラスユニット10どうしは互いにその一部を共有するも
のであるから、例えば、ある一つのトラスユニット10
を構成する水平分布ノード7aは、同時に、隣接した他
のトラスユニットの上下ノード7bを構成しているもの
となっているのである。
【0014】ちなみに、本実施例において、前記トラス
ユニット10は正八面体をなすものであり、前記各水平
材5および斜材6の長さすなわちスパンは約350m、
前記各ノード7の外径は約50mとなっている。
【0015】前記斜材6は、本実施例においては外径約
16mの中空の管を構成している。ただし、ここでは、
図3に示すように二重管構造となっている。さらに詳し
く説明すれば、この場合この斜材6は、図3に示すよう
に、円弧版状に形成された多数のセグメント11,11
,…をその長手方向および幅方向に接続することにより
構成されている。すなわち、ちょうどトンネルにおける
セグメント覆工体の如しである。図示例のものでは、8
個のセグメント11により1リングが形成されるものと
なっている。前記セグメント11はGFRP(ガラス繊
維強化プラスチック)よりなる。各セグメント11は、
その厚みが約1mであり、内部を中空とされ、内部には
、少なくとも2気圧以上の圧縮空気が充填されている。 そして、これらセグメント11を図3に示す如くリング
状に接続することにより、このセグメント11を構成す
る外板11aと内板11bとで、二重の管が構成された
ものとなっているのである。この場合、これら外板11
aおよび内板11bの板厚は共に約25cmである。 なお、立体トラス2の第1層を構成する斜材6のみにつ
いては、そのセグメント11の内部には超強高度コンク
リートが充填されている。また、この斜材6の外面、つ
まり前記各セグメント11の外面には、板厚約1mm〜
2mmのチタン合金板12が設けられている。
【0016】前記水平材5は、図4に示すように、主と
して外管13と、この外管13の内部に縦横に組まれた
補強構造体14とで構成されている。本実施例において
該水平材5は外径約10mである。これら外管13およ
び補強構造体14はこの場合、共にCFRP(カーボン
繊維強化プラスチック)より構成されている。また、外
管13は、前記斜材6と同様に円弧板状に分割されたも
のとなっている。
【0017】前記ノード7は中空の球体である。このノ
ード7の断面構造を図5に示す。このノード7は前記斜
材6と同様に、多数の中空のセグメント15,15,…
を接続することによりその主体を構成されている。この
場合、各セグメント15の厚みは約4mであり、これら
セグメント15の内部にはやはり圧縮空気が充填されて
いる。これらセグメント15により構成された球体の外
側には、図5に示すように、約1mの間隙を介してチタ
ン合金板12、あるいはフレネルレンズを構成する強化
ガラス若しくは強化プラスチックが設けられている。
【0018】前記建築物3は、上述したように前記トラ
スユニット10の内部空間に構築されたもので、本実施
例では1棟の階高は約500m(約100階建て)のも
のとなっている。この建築物3は図2あるいは図6に示
すように、その下部を支持シャフト17を介して前記ト
ラスユニット10の下部のノード7bに支持され、上部
を同支持シャフト17を介して同立体トラスユニット1
0の上部のノード7bに支持されたものとなっている。 この場合、前記支持シャフト17は前記建築物3を貫通
して設けられており、建築物3のコアを構成している。
【0019】そして、図1に示すように、前記建築物3
は、前記立体トラス2が構成する多数のトラスユニット
10,10,…のうちの任意のものに設けられた構成と
なっている。ただし、勿論、この立体トラス2が形成す
る全てのトラスユニット10,10,…に対応させて建
築物3を設けることも可能である。これら建築物3は、
一般の建築物同様、居住用またはオフィス、あるいはレ
ジャー施設等として利用される。
【0020】ところで、前記斜材6の内部には、本実施
例の場合図3に示すように、外径約5mの4本のチュー
ブ19が隣接して設けられている。そしてこの場合、こ
れら4本のチューブ19のうち、相対する2本のチュー
ブ19A,19Cはエレベータ構成用のチューブとなっ
ており、一方が上り線用、他方が下り線用となっている
。また、他の2本のチューブ19のうち一方のチューブ
19Bは例えば配管,配電を施した設備用のチューブと
なっており、他方のチューブ19Dは例えば物資等を搬
送するための物流用のチューブとなっている。これら4
本のチューブ19は、斜材6を構成する前記セグメント
11と同様GFRPより構成されており、図3に示す通
り、隣り合うものどうしが互いに接するとともに、各チ
ューブ19はそれぞれ斜材16の内面に接している。 つまり、これら4本のチューブ19が斜材6の補強体と
しても作用しているわけである。
【0021】また、前記水平材5の内部は、図4に示す
ように、前記補強構造体14によりその断面において6
つの区間に分割された構成とされている。すなわち、こ
の場合、前記補強構造体14は、前記外管13の直径部
に対応して水平に設けられ、該外管13を上下に2分割
する水平中央隔壁14aと、この水平中央隔壁14aの
上下に該水平中央隔壁14aと平行に設けられた上部隔
壁14bおよび下部隔壁14cと、前記水平中央隔壁1
4aと交差して前記上部隔壁14b−下部隔壁14c間
に設けられた垂直中央隔壁14dとから構成されている
。これによって、前記外管13の内部は6つの室21,
21,…に分割されている。これら6つの室21は、例
えば図7に示すように、最上部の室21Aが例えば配電
,通信のためのケーブル敷設用通路、最下部の室21F
は例えば配管用通路として利用される。また、中央の上
下2層のうち1層目を構成する室21Dおよび室21E
には、それぞれ交通網の上り線22および下り線23が
構成される。さらに、2層目を構成する室21Bおよび
室21Cのうち一方の室21Bには動く歩道24が、他
方の室21Cには物資の搬送システム25が構成される
【0022】そして、前記各ノード7の内部には、上記
水平材5の内部に構成された交通網、あるいは物流網、
施設網と、前記斜材6の内部に構成されたエレベータお
よび物流網、あるいは施設網との交点として、各種ター
ミナル、あるいは駅などが構成されている。さらに、少
なくとも内部に前記建築物3を擁するトラスユニット1
0を構成する6つのノード7は、例えば、そのうちの1
つが前記建築物3に供給するためのエネルギー供給源(
例えば発電所)を備え、他の一つが水の供給・処理施設
を備え、さらに他の一つが建築物3より排出された不要
物の処理施設等を備えるといったような構成となってい
る。つまり、各建築物3およびその建築物3を擁するト
ラスユニット10は、それら自体で独立・完結した住環
境システムを構成できるものとなっている。
【0023】また、本実施例のものでは、図6に示すよ
うに、トラスユニット10を構成して同一平面内に位置
した4つの水平分布ノード7aのうちのいくつかのもの
からは、該トラスユニット10が擁する建築物3に向け
てほぼ水平にアクセス26が架設してある。該アクセス
26により、上下ノード7b,7bを介さずとも前記水
平分布ノード7aより直接前記建築物3への出入りが行
なえるようになっている。
【0024】なお、図1において符号30,30,…で
示すものは、前記立体トラス2の第1層目に対応して構
築された建築物である。これらの建築物30,30,…
は日照条件の特に良い立体トラス2の外周部に設けられ
たものであり、特に住居用として利用される。ただし、
本実施例においてこれら建築物30は、図示のように2
本の斜材6,6間にわたって構成されており、上下のノ
ード7b,7bに支持された上記の建築物3,3,…と
はその構成は異なる。
【0025】以下に、上記構成とされた巨大建造物の作
用・効果について説明する。上記巨大建造物1において
は、前記立体トラス2が建造物のいわゆるインフラスト
ラクチャーとして機能する。
【0026】上記巨大建造物1は、まず前記立体トラス
2を構築後、該立体トラス2の構成する前記トラスユニ
ット10の内部に建築物3,3,…を構築していけばよ
い。
【0027】立体トラス2が構成するトラスユニット1
0は多数に及ぶ。そこで、この立体トラス2が構成する
全てのトラスユニット10,10,…に建築物3,3,
…を構築することもできるし、いくつかの任意のトラス
ユニット10のみに建築物3を構築することもできる。 したがって、上記巨大建造物1は、各トラスユニット1
0毎に分譲することも可能である。このような場合にお
いて特に、上述した如く各トラスユニット10自体が完
結したクローズドシステムを構成していることが有効に
機能するものとなる。勿論、従来一般の分譲方法、すな
わち各建築物3の内部を細かく分譲することも可能であ
る。
【0028】また、上記のように、各建築物3は各立体
トラス10に対応させて設けることができるので、各建
築物3,3,…をそれぞれ異なる構成とすることも可能
である。図8および図9に建築物3のその他の構成例を
示す。図1等と同じ構成要素には同一符号を付してある
。図8に示す建築物3′は全体が四角錐状に構成された
ものである。図9に示す建築物3″は全体として正八面
体状に構成されたものである。何れの建築物3′,3″
も上記建築物3と同様、上部をトラスユニット10の上
部ノード7bに支持され、かつ下部をトラスユニット1
0の下部ノード7bに支持されたものとなっている。ま
た、建築物3はこれら図8,図9に図示した以外の構成
、例えば球形状などとすることもできる。
【0029】また、上記巨大建造物1は、インフラスト
ラクチャーとしての立体トラス2の内部に建築物3,3
,…が三次元方向に点在する構造であるから、該巨大建
造物1内部にも外界と連通した空間が充分に存在するも
のとなる。したがって、巨大な構造物であるにも拘わら
ず、太陽光や自然風がその内部にまで充分に行き渡り、
光と風を充分に享受できる極めて快適な生活空間が創造
されるのである。
【0030】また、上記巨大建造物1は上述の如く前記
立体トラス2によりその骨子が構成され、かつその立体
トラス2は四角錐状、すなわちいわゆるピラミッド状に
構成されている。このような構成の立体トラスにおいて
は、上部荷重は下方において分散されるものとなる。し
たがって、例えば極端な例として、建築物3が立体トラ
ス2の上層部に集中した場合、あるいは立体トラス2の
外周部に偏在したような場合でも、それら編荷重が下方
においては効果的に分散され、このような偏荷重に対し
ても強い建造物となっている。
【0031】さらに、このように該建造物1の支持構造
体を立体トラスとしたことにより、上部荷重が下層にお
いて広く分散されることから、前記立体トラス2におい
ては、通常の建築物のように下層部に上層部の積載荷重
が集中することがない。したがって、前記立体トラス2
の構成部材すなわち前記水平材5,斜材6,ノード7は
、立体トラス2の最下層部から最上層部にかけて全て同
一寸法のものを使用することが可能である。これにより
、それら各部材の製作コストの削減、およびトラスユニ
ット2全体の構築工期の短縮化が図れ、これらより単期
間,低コストでの施工を実現できる。
【0032】さらに、上記立体トラス2の如きトラス構
造においては、一般に、前記斜材6には軸方向の圧縮力
が働き、一方前記水平材5には軸方向の引張力が働く。 その際、斜材6に作用する引張力は水平材5に作用する
圧縮力の数倍〜十数倍(絶対値)といった大きいもので
ある。上記実施例の前記斜材6では、上述の如く該斜材
6を構成する前記セグメント11内部に圧縮空気を充填
することで、その強大な圧縮力による座屈の発生を有効
に防止したものとなっている。前記ノード7に関しての
圧縮空気も同様の理由からである。
【0033】また、上記建造物1は、全体としては広大
な底面積を有するものとなるが、図1に示すように、地
上に対しては、最下部に位置したノード7,7,…のみ
が接した構造である。したがって、該建造物1は、この
ような広大な底部を有するとはいえ、その底面積に対す
る地上部分を全て占有することはなく、上記した最下部
に位置したノード7,7,…に対応した部分のみに基礎
を構築すればよい。したがって、上記建造物1を構築す
るには、それら点在する基礎構築部分のみ確保できれば
良く、例えば、既存の都市の上方に該建造物1を築くこ
とも不可能ではない。しかも、この建造物1の全体の荷
重は上述の如く下部においては分散されるから、各々の
基礎は小規模なものでよいのである。
【0034】さらに、建築物3について述べれば、各建
築物3は、上記説明したように、それぞれ前記立体トラ
ス2の構成するトラスユニット10の内部空間に、少な
くともその上下を前記トラスユニット10の上下ノード
7b,7bに支持されたものである。そして、このこと
は下記の如き効果を奏するものとなる。すなわち、通常
一般の建築物は下部のみによって支持されている。した
がって、建築物が巨大化、特に高層化すればそれだけそ
の支持構造体には莫大な積載荷重あるいは地震等の外力
に耐え得るだけの強固な構造が要求されることとなる。 これに対し、上記建築物3にあっては、少なくとも上下
2点により支持されているため、該建築物3自体の構造
を簡略化できるのである。このことは、この実施例の如
く建築物3が超高層のものである場合において特に有益
である。
【0035】さらに、上記建造物1においては、例えば
図6,図8,図9に示したように、建築物3と水平分布
ノード7aとを接続することも可能である。図示例のも
のは何れも前記アクセス26によって接続されたものと
しているが、これらアクセス26を補強部材として機能
させることが可能である。このような構造とした場合に
は、建築物3を上下方向のみならず水平方向からも支持
するものとなり、建築物3の構造的信頼性はより向上す
る。逆の言い方をするならば、建築物3の構造をより簡
略化できる。
【0036】さらに言えば、上記建造物1において、前
記建築物3とトラスユニット10との接合部等に、建築
物3に対する制振機能あるいは免震機構を付加すること
は当然可能である。かかる場合においても、本発明に係
る上記建造物1においては、建築物3とトラスユニット
10との接合箇所が複数箇所存在、すなわち建築物3の
支持荷重が分散しているため、それら個々の制振・免震
機構の小型化を図れることにもなる。
【0037】またさらに、上記実施例では、該建造物1
は平坦な地盤上に構築したものとして図示、あるいは説
明したが、前記立体トラス2(建造物1)は起伏のある
地盤、あるいはその一部が例えば丘陵部に差しかかるよ
うな地盤上にも、それら地盤を平坦に整地することなく
そのまま構築することが可能である。つまり、例えば、
前記立体トラス2の一部が丘陵部に差しかかるような場
合であれば、立体トラス2におけるその丘陵部に対応す
る部分はその丘陵部から立ち上げるような構成、すなわ
ち、その丘陵部に対応した部分が切り欠かれた如き形状
とすればよいのである。
【0038】次に、図10は本発明の他の実施例を示し
たものである。この図10に示す建造物1′は、上記実
施例で説明した前記トラスユニット10を1つのみ有し
たものである。その他各部の構成は上記実施例のものと
同じである。ただし、本図においてはトラスユニット1
0の内部に構築される建築物の図示を省略している。
【0039】本発明に係る巨大建造物1の骨子は、既に
述べてきたようにトラスユニット10と、その内部に上
下ノード7b,7bに支持されて構築された建築物3で
あるが、この実施例に示す該建造物1′は、本発明に係
る建造物の実質的な最小単位となる。トラスユニット1
0は、図2に示した如くそれ自体では自立可能な形状で
はなから、1体のみのトラスユニット10を備えた建造
物を実際に構築する場合には一般には本図に示す如き形
態となる。
【0040】ただし、本発明は、トラスユニット10を
上記形状に限定するものではない。例えば、前記トラス
ユニット10において、水平分布ノード7aを例えば五
角形あるいは六角形等のその他の多角形状に配置して構
成しても一向に構わないのである。特に、本発明に係る
建造物を、この実施例のように1体のトラスユニット1
0のみで構成する場合には、該トラスユニット10を図
10に示すように一般的な立体トラス(水平分布ノード
7aが正三角形あるいは正方形状に配置された立体トラ
ス)とする必要は全くない。
【0041】また、図11は、図1に示した建造物1の
他の構成例を示したものである。当実施例のものでは、
トラスユニット2の最下部のノード7,7,…が地面3
1より下部に、すなわち地盤32中に設けられた構成と
なっている。また、それに伴って、最下部の水平材5も
地盤32中に存在し、一種の地中梁を構成している。図
中符号33は基礎である。建造物1を上記の如き構成と
してもよい。
【0042】また、先の図1、あるいは上記図11に示
した建造物1の立体トラス2において、最下部のノード
7,7,…にも水平材5,5,…を架設した構造とした
が、これら最下部の水平材5,5,…を設けない構成、
あるいは所要の部位のみに設けた構成としてもよい。
【0043】なお、上記各実施例に係る建造物1(1′
)は形状として四角錐状(ピラミッド形状)のもののみ
について示したが、本発明に係る巨大建造物の形状はこ
れに限定されない。例えば、本発明に係る巨大建造物は
、上記の如きピラミッド状のものが複数連設されたもの
であってもよいし、あるいはまた、上記ピラミッド状を
成す立体トラス2の斜面部分(傾斜部分)より別の小さ
なピラミッド状の立体トラスを立ち上げた如き複合ピラ
ミッド形としてもよい。また、例えば図1に示した建造
物1に他の立体トラスを隣接させて前記立体トラス2を
順次拡大していくようなことも可能である。
【0044】なお、上記実施例においては、前記立体ト
ラス2、すなわち前記水平材5,斜材6,ノード7をG
FRPあるいはCFRP等により構成したものとしたが
、本発明に係る立体トラス2を構成する材料はこれらの
ものに限定されるものではなく、その他の軽量高強度材
料により構成してもよい。
【0045】また、上記実施例においては、前記斜材6
およびノード7において、それらを構成する前記各セグ
メント11,15の内部には圧縮空気を直接充填する構
成としたが、それらセグメント11,15の中空とされ
た内部に、例えば多数のゴム袋を設け、それらゴム袋内
に圧縮空気を充填するようにしてもよい。このような構
成とした場合には、万一それらゴム袋の一つが破損した
ような場合でも、セグメント内部の圧縮空気が全て漏洩
してしまうのを防止でき、かつ補修も容易となる。
【0046】また、本発明に係る上記建造物1(1′)
において、建築物3を図2に示した如くその上下のみト
ラスユニット10(上下ノード7b,7b)に支持させ
た構成とした場合には、例えば前記支持シャフト17を
中心としてその建築物3全体を回転させるような構成と
することもできる。さらに、その際、建築物3の外壁を
ミラー状に形成し、建築物3を太陽の移動に同期させて
回転させ、太陽光の反射方向を制御することにより、建
造物1の内部にその反射光を導き、建造物内部をより明
るくすることもできる。
【0047】さらに、上記実施例においては、一例とし
て各部の寸法について説明したが、それら各部の寸法が
上記実施例のものに限定されないことは言うまでもない
【0048】さらに、上記実施例においては、前記トラ
スユニット10の構成として、水平分布ノード7aが4
点に配され正方形を構成する形態のものとしたが、本発
明に係るトラスユニット10は、前記水平分布ノード7
aが3点に配され正三角形を構成形態のものとしてもよ
い。
【0049】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明に係る巨大建
造物によれば下記の如き種々の優れた効果を奏すること
ができる。 イ.巨大な建造物でありながら、自然の光と風を充分に
享受することができる。 ロ.巨大な建造物でありながら、構築場所の地上面を全
面的に占有することがなく、立体トラスを支持する部分
のみに点在的に基礎を構築するだけでよい。 ハ.地盤形状に柔軟に対応でき、点在する基礎部のみを
除いては地上面に手を加える必要がない。したがって、
自然環境を破壊するおそれもなく、また、必要あらば既
存の都市上に構築することも可能である。 ニ.建築物を、立体トラスユニットの上下節点により、
少なくとも上下2点で支持するものであるから、建築物
を超高層のものとした場合にも構造の簡略化が図れる。 さらに、該建築物をトラスユニットの水平分布節点によ
って水平方向から支持することも可能であり、そのよう
に構成した場合には、トラスユニット内部の建築物の信
頼性をさらに向上させることができる。 ホ.上記ニに関連して、建築物に対して制振・免震機構
を付加する場合でも、建築物に対する支持点が複数存在
することから充分な制振・免震機能が発揮され、あるい
はそれら制振・免震機構の小型化を図ることができる。 ヘ.トラスユニットを三次元方向に多数接続し、特に全
体としてピラミッド状の立体トラスに構成した場合には
、載荷荷重が下方において分散されるため、この立体ト
ラスをほぼ同一部材によって構築することができ、短工
期、低コスト化を図れる。 ト.立体トラスユニットを多数、隣接・接続して立体ト
ラスを構成した場合には、それら各トラスユニット毎に
分譲することができる。かかる場合において、トラスユ
ニットの各取得者は、そのトラスユニットの内部にそれ
ぞれ自由な建築物を構築することができる。 チ.トラスユニットの接続形態、すなわち立体トラスの
形態は自由であり、かつ、増設も自由に行なうことがで
きる。 リ.トラスユニットを構成する水平材,斜材,節点の各
部材を人,物資の流通経路や物流のターミナル、あるい
はエネルギー供給設備等として利用することができ、1
つのトラスユニットにおいてそれ自体完結した住環境シ
ステムを構成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巨大建造物の一実施例を示す全体
斜視図である。
【図2】本発明に係る立体トラスユニットおよびその内
部に構築された建築物を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例による立体トラスの斜材を長
手方向と直交した断面で見た正面断面図である。
【図4】本発明の一実施例による立体トラスの水平材を
長手方向と直交した断面で見た正面断面図である。
【図5】本発明の一実施例によるノード(節点)の一部
を示す断面図である。
【図6】本発明の一実施例による巨大建造物の一部を示
す斜視図である。
【図7】本発明の一実施例による立体トラスの水平材を
長手方向と直交した断面で見た正面断面図である。
【図8】本発明の一実施例による巨大建造物の一部を示
す斜視図である。
【図9】本発明の一実施例による巨大建造物の一部を示
す斜視図である。
【図10】本発明の他の実施例による巨大建造物を示す
斜視図である。
【図11】本発明のその他の実施例による巨大建造物の
一部を示す立断面図である。
【符号の説明】
1,1′  巨大建造物 2  立体トラス 3,3′,3″  建築物 5  水平材 6  斜材 7  ノード(節点) 7a  水平分布ノード(水平分布節点)7b  上下
ノード(上下節点)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  斜材、水平材、およびこれら斜材と水
    平材との交点に形成された節点を備えて構成された巨大
    な立体トラスユニットと、該立体トラスユニットの構成
    する内部空間に築造された建築物と、を有して成る巨大
    建造物であって、前記建築物は、少なくともその上下を
    前記立体トラスユニットの有する所要の節点に支持され
    ていることを特徴とする巨大建造物。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の巨大建造物において、
    前記立体トラスユニットは、正三角形若しくは正方形を
    成す頂点部に配された水平分布節点と、これら水平分布
    節点をつないで正三角形若しくは正方形を形成する水平
    材と、該正三角形若しくは正方形の平面と直交する中心
    軸上にあって該平面を挟んで相対向した位置にそれぞれ
    位置した上下節点と、該上下節点から前記各水平分布節
    点に向けて延在した斜材とで構成され、前記建築物は、
    少なくともその上下を前記立体トラスユニットの前記上
    下節点に支持されていることを特徴とする巨大建造物。
  3. 【請求項3】  請求項2に記載した前記立体トラスユ
    ニットを1単位として該立体トラスユニットが三次元方
    向に複数接続されることにより立体トラスが構成され、
    該立体トラスを構成する任意の立体トラスユニットの内
    部に前記建築物が構築されて成る巨大建造物。
  4. 【請求項4】  請求項3記載の巨大建造物において、
    前記立体トラスは全体としてピラミッド形に構成されて
    いることを特徴とする巨大建造物。
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