JPH04349329A - 陰極線管内の有害付着物除去方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】［発明の目的］

【０００２】

【産業上の利用分野】この発明は、陰極線管の製造工程
における各種管内部材の配置されたバルブ内の有害付着
物を除去する陰極線管内の有害付着物除去方法に関する
。

【０００３】

【従来の技術】陰極線管の一例としてカラー受像管につ
いて述べると、図３に示すように、カラー受像管は、パ
ネル１およびこのパネル１に一体に接合された漏斗状の
ファンネル２からなるバルブ３を有し、そのパネル１内
面に３色蛍光体層からなる蛍光体スクリーン４が形成さ
れ、この蛍光体スクリーン４に対向して、その内側に多
数の電子ビーム通過孔の形成されたシャドウマスク５が
装着されている。そしてこのシャドウマスク５に内部磁
気遮蔽体６が取付けられている。またファンネル２のネ
ック７内に３電子ビームを放出する電子銃８が配置され
ている。さらにファンネル２の径大部９からネック７の
隣接部にかけて、その内面に導電被膜１０が塗布形成さ
れている。

【０００４】このようにカラー受像管は、バルブ３内に
各種管内部材が配置されているが、管が大形化すると、
そのバルブ３内の各種管内部材も大きくなり、量も多く
なる。また高精細化カラー受像管では、シャドウマスク
５の電子ビーム通過孔およびその配列ピッチが小さく精
細化する。

【０００５】そのため、管製造工程において、バルブ３
内に必要部材以外の物が侵入あるいは管内部材に付着し
て持込まれると、それが何らかの機会に脱落して、シャ
ドウマスク５の電子ビーム通過孔の目詰まり、蛍光体ス
クリーン４の欠点、電子銃８の電極タツチ、放電などの
耐電圧不良をおこし、製造歩留を低下させる。したがっ
て、カラー受像管は、その製造工程の主要ポイントにお
いて、種々の防塵、除塵手段がとり入れられている。

【０００６】この防塵、除塵には、つぎのことが重要で
ある。

【０００７】（イ）　　管製造工程においてバルブ内に
侵入あるいは管内部材に付着して持込まれる物は、シャ
ドウマスク、内部磁気遮蔽体、その他金属性部材の付着
物、およびこれら金属性部材自体に発生しているバリや
溶接スプラッシュなどのほかに、パネル内面からの蛍光
体、ファンネル内面からの導電被膜の微粒子、その他有
機材料の残渣、さらには部品包装材料、製造工程の環境
から入込む衣類や紙などの繊維、油脂かす、建材など、
各種様々な大きさ、重さの物があり、その要因の一つだ
けを取除いても解決しないこと （ロ）　　管製造工程においてバルブ３内に侵入あるい
は管内部材に付着して持込まれる物が、大きさ、重さが
それぞれ異なるばかりでなく、有機物、無機物など様々
な物が混入する場合が多いので、単一な除塵手段では除
去しきれず、また除塵の条件次第では、逆効果になるな
ど、除塵手段の設定が困難なことなどである。

【０００８】ところで、この管製造工程においてバルブ
内に侵入する有害付着物の除去方法として、特開昭５８
−２３１４６号公報には、電子銃を封止する前のバルブ
のネック端部開口から噴気発音体を挿入して、この噴気
発音体から発する音波とバルブ外に配置された超音波振
動子とにより加振して有害付着物を除去する方法が示さ
れている。しかしこの有害付着物除去方法は、両者の振
動周波数が１８〜２２ｋＨｚ　とほぼ同じ帯域にあるた
め、結果的に単一な除塵手段と大差なく、各種有害付着
物を有効に除去する方法として、なお不十分である。

【０００９】実用化されている他の方法として、図４に
示すように、電子銃を封止する前のバルブ３のネック７
端部開口からエアノズル１２を挿入して空気を噴出させ
ながら、バルブ３外に配置された超音波振動子１３とハ
ンマーリング装置１４とにより振動を与えて有害付着物
を除去する方法がある。しかしこの方法でのハンマーリ
ング装置１４は、直接バルブ３を叩くため、超音波振動
と同時にバルブ３に加えることができない。またこの方
法では、ハンマーリング装置１４の叩きによりバルブ３
が躍ったり疵付いたりする。さらに叩きのサイクルが低
すぎるため、シャドウマスク５や内部磁気遮蔽体６など
の比較的機械的強度の低い管内部材を変形させたり、叩
きの衝撃により管内部材の固定部分などを損傷させたり
するなどの問題がある。特に小形管やシャドウマスク５
の板厚が薄い場合は、条件の設定幅が狭く、有害付着物
の除去が困難になるなどの問題がある。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】以上カラー受像管につ
いて説明したように、陰極線管の製造工程においては、
バルブ内に必要な管内部材以外の物が侵入あるいは管内
部材に付着して持込まれ、それが何らかの機会に脱落し
て各種問題をおこす。したがって陰極線管は、その製造
工程の主要ポイントにおいて、種々の防塵、除塵手段が
とり入れられている。この管製造工程においてバルブ内
に侵入あるいは管内部材に付着して持込まれる物は、各
種金属性部材の付着物およびこの金属性部材自体に発生
しているバリや溶接スプラッシュなどのほかに、パネル
内面からの蛍光体、ファンネル内面からの導電被膜の微
粒子、その他有機材料の残渣、部品包装材料、製造工程
の環境から入込む衣類や紙などの繊維、油脂かす、建材
などの各種様々な大きさ、重さの物があり、その要因の
一つだけを除去しても解決しないこと。さらに管製造工
程においてバルブ内に侵入あるいは管内部材に付着して
持込まれる物が、大きさ重さがそれぞれ異なるばかりで
なく、有機物、無機物など様々な物が混入する場合が多
いので、単一な除塵手段では除去しきれず、また除塵の
条件次第では、逆効果になるなど、除塵手段の設定が困
難なことなどの問題がある。

【００１１】このような陰極線管の製造工程におけるバ
ルブ内の有害付着物の除去方法として、従来バルブのネ
ック端部開口から噴気発音体を挿入して、この噴気発音
体から発する音波とバルブ外に配置された超音波振動子
とにより加振して有害付着物を除去する方法がある。し
かしこの有害付着物除去方法は、両者の振動周波数がほ
ぼ同じ帯域にあるため、単一な除塵手段と大差なく、各
種有害付着物を有効に除去する方法として不十分である
。

【００１２】このバルブ内の有害付着物の除去する他の
方法として、バルブのネック端部開口からエアノズルを
挿入して空気を噴出させながら、バルブ外に配置された
超音波振動子とハンマーリング装置とにより振動を与え
て有害付着物を除去する方法がある。しかしこの有害付
着物除去方法は、ハンマーリング装置によりバルブを直
接叩くため、超音波振動と同時に加えることができない
。また叩きによりバルブが躍ったり、疵付いたりする。 さらに叩きのサイクルが低すぎるため、比較的機械的強
度の低い管内部材が変形したり、叩きの衝撃により管内
部材の固定部分などが損傷するなどの問題がある。 特に小形管やシャドウマスクの板厚が薄い場合は、条件
の設定幅が狭く有害付着物の除去が困難になるなどの問
題がある。

【００１３】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
ものであり、陰極線管の製造工程において、各種管内部
材を変形したり、損傷したりすることなく、バルブ内の
有害付着物を効果的に除去できる方法を得ることを目的
とする。

【００１４】［発明の構成］

【００１５】

【課題を解決するための手段】陰極線管内の有害付着物
除去方法において、各種管内部材の配置された陰極線管
バルブのネック端部開口を下向きにしてこのネック端部
開口から気体噴出ノズルを挿入するとともに、バルブ外
に超音波振動子および交番磁界発生装置を配置し、上記
気体噴出ノズルからバルブ内に気体を導入しながら、超
音波振動子と交番磁界発生装置とにより周波数の異なる
２種類の振動を同時に印加して、バルブ内の有害付着物
を除去するようにした。

【００１６】

【作用】上記のように、超音波振動子と交番磁界発生装
置とにより振動を印加すると、超音波振動子と交番磁界
発生装置とでは、振動の周波数を大幅に異ならしめるこ
とができるので、超音波振動子の発生する比較的高い周
波数（１８〜２５ｋＨｚ　）の振動により、その周波数
で共振する比較的小形、軽量の有害付着物を脱落させる
。一方、交番磁界発生装置から比較的低い交番磁界（５
０〜１００Ｈｚ）を発生させることにより、その比較的
低い周波数で共振する比較的大形、重い有害付着物を脱
落させることができる。しかもその交番磁界は、磁性体
からなる管内部材に作用して振動させるので、２種類の
振動を同時に印加でき、しかも従来のハンマーリング装
置による叩きのようにバルブの躍りがなく、有害付着物
を有効に除去することができる。

【００１７】

【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。

【００１８】図１にその一実施例に係る有害付着物除去
装置を示す。この有害付着物除去装置は、パネル１とフ
ァンネル２とが一体に封着され、その内側に各種管内部
材が配置された電子銃封止前のカラー受像管バルブ３を
ネック７端部開口を下にして支持する支持台２０と、こ
の支持台２０に支持されたバルブ３のパネル１を押圧す
る上下動可能な硬質ゴムなどからなるバルブ押え２１と
、この支持台２０に支持されたバルブ３に対して、その
ネック７端部開口からバルブ３に挿入される気体噴出ノ
ズル２２と、そのバルブ３のパネル１の外側面に当接す
る超音波振動子２３と、同じくそのバルブ３のファンネ
ル２の外側面に当接する複数個の交番磁界発生コイル２
４とを備え、さらに上記支持台２０に支持されたバルブ
３のネック７端部の周りに、ネック７を介してバルブ３
外に取出された有害付着物を排出する減圧排出装置２５
が設けられている。

【００１９】その気体噴出ノズル２２は圧縮気体供給装
置（図示せず）に、超音波振動子２３は超音波発振装置
２６に、交番磁界発生コイル２４は交番周波数電源装置
２７にそれぞれ接続されている。

【００２０】上記電子銃を封止する前のカラー受像管バ
ルブ３の内側には、パネル１内面に形成された蛍光体ス
クリーン４、この蛍光体スクリーン４に対向して、その
内側に配置されたシャドウマスク５、このシャドウマス
ク５のマスクフレームに溶接されたフレームホルダーお
よびバルブ３の内側面に固定されたスタッドピンからな
るシャドウマスク支持手段２９、マスクフレームに溶接
された内部磁気遮蔽体６、ファンネル２の内面に塗布形
成された内部導電膜１０などの各種管内部材が配置され
ている。その蛍光体スクリーン４は３色蛍光体層からな
り、背面にアルミニウム蒸着膜が形成されている。また
シャドウマスク５や内部磁気遮蔽体６の表面には、酸化
膜が形成されている。

【００２１】上記除去装置による有害付着物の除去方法
は、つぎのようにおこなわれる。

【００２２】まず上記パネル１とファンネル２とが一体
に封着された電子銃封止前のバルブ３をネック７端部開
口を下にして支持台２０に支持させて、気体噴出ノズル
２２をネック７端部開口からバルブ３内に挿入させると
ともに、超音波振動子２３をパネル１の外側面に、また
交番磁界発生コイル２４をファンネル２の外側面に当接
させる。 そして、その気体噴出ノズル２２からたとえば空気を噴
出させながら、超音波振動子２３を励振すると同時に交
番磁界発生コイル２４を励磁することによりおこなわれ
る。

【００２３】図２にこの超音波振動子２３と交番磁界発
生コイル２４とによる加振状態を示す。この場合、超音
波振動子２３は、１８〜２５ｋＨｚ　の周波数でバルブ
３および各種管内部材を微振動させ、それらに付着して
いる比較的小形、軽量の有害付着物を共振させて脱落さ
せる。一方、交番磁界発生コイル２４は、５０〜１００
Ｈｚ程度の比較的低周波の交番磁界３１を発生し、シャ
ドウマスク５、内部磁気遮蔽体６など磁性体からなる管
内部材を比較的粗い大きな振幅で振動させ、その磁性体
からなる管内部材に付着している比較的大形、重い有害
付着物を共振させて脱落させる。そして、脱落した有害
付着物は、気体噴出ノズル２２から噴出する空気により
吹き飛ばされて管内を移動して、ネック７端部の周りに
設けられた減圧排出装置２５から排出される。

【００２４】したがって、上記方法により有害付着物を
除去すると、従来の叩きを併用した除去方法とは異なり
、２種類の異なる周波数の振動を同時に加えることがで
き、それにより大きさ、重さの異なる各種有害付着物を
効率よく脱落させることができる。

【００２５】表１にその一例として、２０インチカラー
受像管の電子銃封止前の封着済みのバルブ各３本につい
て、処理前、処理後にタッピングにより落下した１０μ
ｍ　以上の有害付着物の平均数およびそのうちの４０μ
ｍ　以上の粗大付着物の数を従来の超音波振動と叩きと
を併用した除去方法と比較して示す。なおこの場合、実
施例方法、従来方法ともに超音波振動子の周波数は、同
じ（１８〜２５ｋＨｚ　）であり、交番磁界発生コイル
（本実施例）には１００Ｖ，５０Ｈｚの交番周波数電源
装置を接続して交番磁界を発生させ、いずれの処理も１
２０秒加振した場合である。

【００２６】この表１からわかるように実施例方法によ
る除去方法は、従来方法にくらべて処理後のッピングに
より落下する数が少なく、その効果が顕著であり、特に
４０μｍ　以上の粗大物に対しても、大きな効果が得ら
れることが示されている。

【００２７】さらにこの例の除去方法は、従来方法のよ
うに直接パネルを叩く方法と異なり、管内部材のみを振
動させるので、バルブ３の躍りや疵付きがなく、シャド
ウマスク５やシャドウマスク５を支持するスタッドピン
などの固定部分に対する衝撃が少なく、したがってシャ
ドウマスク５の変形や固定部分の損傷劣化を軽減するこ
とができる。さらにこの例の除去方法によれば、単にバ
ルブ３を支持台２０に支持させるだけで自動的に装置を
動作させることが可能であるため、自動バルブ移載装置
と組合わせることにより、オンラインで効率よく有害付
着物を除去することができる。

【００２８】

【表１】

【００２９】なお、上記実施例では、交番磁界発生コイ
ルの電源として、交番磁界周波数電源装置を接続したが
、この電源装置にインバータなどの周波数変換装置を付
設して、交番磁界発生コイルから発生する交番磁界の周
波数を変更可能にすると、より有効に有害付着物を除去
することができるようになる。

【００３０】なお、この発明は、カラー受像管ばかりで
なく、その他陰極線管にも適用できる。

【００３１】

【発明の効果】各種管内部材の配置された陰極線管バル
ブのネック端部開口を下向きにしてこのネック端部開口
から気体噴出ノズルを挿入するとともに、バルブ外に超
音波振動子および交番磁界発生装置を配置して、その気
体噴出ノズルからバルブ内に気体を導入しながら、超音
波振動子と交番磁界発生装置とにより周波数の異なる２
種類の振動を同時に印加して、バルブ内の有害付着物を
除去すると、超音波振動子と交番磁界発生装置とでは、
振動の周波数を大幅に異ならしめることができるので、
超音波振動子の発生する比較的高い周波数の振動により
、その周波数で共振する比較的小形、軽量の有害付着物
を脱落させ、一方、交番磁界発生装置から比較的低い交
番磁界を発生させることにより、その比較的低い周波数
で共振する比較的大形、重い有害付着物を脱落させるこ
とができる。しかも周波数の異なる２種類の振動を同時
に印加することができるため、有害付着物を効率よく除
去することができる。しかもその交番磁界は、磁性体か
らなる管内部材に作用して振動させるので、従来のハン
マーリング装置による叩きの場合に生じたバルブの躍り
や損傷劣化を軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例に係る有害付着物除去装置
の構成を示す図である。

【図２】その有害付着物除去方法を説明するための図で
ある。

【図３】カラー受像管の構成を示す図である。

【図４】従来の有害付着物除去方法を説明するための図
である。

【符号の説明】 １…パネル ２…ファンネル ３…バルブ ４…蛍光体スクリーン ５…シャドウマスク ６…内部磁気遮蔽体 ７…ネック １０…内部導電膜 ２２…気体噴出ノズル ２３…超音波振動子 ２４…交番磁界発生コイル ２７…交番磁界周波数電源装置 ２９…マスク支持手段

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　各種管内部材の配置された陰極線管バ
   ルブのネック端部開口を下向きにしてこのネック端部開
   口から気体噴出ノズルを挿入するとともに、上記バルブ
   外に超音波振動子および交番磁界発生装置を配置して、
   上記気体噴出ノズルから上記バルブ内に気体を導入しな
   がら上記超音波振動子と上記交番磁界発生装置とにより
   周波数の異なる２種類の振動を同時に印加して、上記バ
   ルブ内の有害付着物を除去することを特徴とする陰極線
   管内の有害付着物除去方法。