JPH04342870A - 混合用副室式エンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、燃料と空気との混合を
行なう副室を有する混合用副室式エンジンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

【０００３】従来より、ガソリンエンジンにおいては、
燃料をインジェクタ（電磁式燃料噴射弁）による噴射に
より供給するシステムが提供されている。

【０００４】このようなシステムは、吸気通路内の吸気
に対し噴霧状の燃料を混合することにより、適切な空燃
比の混合気を得ている。

【０００５】一方、ディーゼルエンジンにおいては、燃
焼室内に向け、高圧に加圧された燃料を噴射し、燃焼室
内で混合気を生成させ、ついで燃焼を行なわせている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、ガソリンエ
ンジンにおいて、ディーゼルエンジンと同様に燃焼室に
直接燃料を噴射することが考えられるが、このような手
段による場合、次のような課題がある。

【０００７】■燃料を高圧化するためのポンプが必要で
あり、このようなポンプは高価である。

【０００８】■噴射された燃料は噴霧状態であり、この
燃料は、シリンダ内で気化し、空気と混合されるため、
混合気形成に時間がかかり、良好な燃焼が成立しにくい
。

【０００９】■従来のマニホルド噴射用インジェクタを
用いた場合は、安価で装備できるものの、高圧に対する
シール性が無く、高圧の燃焼圧が外部から作用すると、
燃焼ガスがインジェクタに逆流し、実用性がない。

【００１０】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、燃料と空気との混合を行なう副室を有するよ
うにして、安価な従来のインジェクタを用いながら、直
接燃焼室部に燃料を噴射できるようにした、混合用副室
式エンジンを提供することを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】このため、本発明の混合
用副室式エンジンは、燃焼室と、同燃焼室を構成する構
造部材と、上記燃焼室へ燃料を供給するインジェクタと
、上記燃焼室に圧縮空気を供給すべく上記構造部材に形
成された圧縮空気路と、上記構造部材において上記燃焼
室に開口するように形成された副室とをそなえ、同副室
において燃料と空気との混合を行なわせるべく、同副室
に上記圧縮空気路が連通されるとともに、上記インジェ
クタの噴射口が上記副室へ向かうように配設されて、上
記副室の上記燃焼室への開口を開閉しうる副室弁が設け
られたことを特徴としている（請求項１）。

【００１２】また、本発明の混合用副室式エンジンは、
請求項１記載のものにおいて、上記副室の上記燃焼室へ
の開口に、燃料と空気との混合気を上記燃焼室の所望部
分へ噴射する噴口を有するジェットピースが設けられた
ことを特徴としている（請求項２）。

【００１３】さらに、本発明の混合用副室式エンジンは
、請求項１記載のものにおいて、上記副室が、上記圧縮
空気路に連通する空気室と、同空気室に連通路を介して
連通するとともに上記インジェクタの噴射口に連通する
混合気室とで構成されていることを特徴としている（請
求項３）。

【００１４】またさらに、本発明の混合用副室式エンジ
ンは、請求項１記載のものにおいて、上記副室内へ導入
される空気が旋回流となるように、上記圧縮空気路の上
記副室への接続部分が螺旋状に構成されていることを特
徴としてる（請求項４）。

【００１５】

【作用】上述の本発明の混合用副室式エンジンでは、副
室に、圧縮空気が供給されるとともに、燃料がインジェ
クタを介し供給され、混合された後、副室弁の開作動に
伴い、燃焼室へ供給される（請求項１）。

【００１６】また、副室の上記燃焼室への開口に、ジェ
ットピースを設ければ、副室内の混合気は、ジェットピ
ースの噴口から上記燃焼室の所望部分へ噴射される（請
求項２）。

【００１７】さらに、副室を、空気室と混合気室とで構
成すれば、空気室の圧縮空気が連通路を介して混合気室
へ供給され、その後、この混合気室で、燃料と混合され
てから、副室弁の開作動に伴い、燃焼室へ供給される（
請求項３）。

【００１８】またさらに、上記圧縮空気路の上記副室へ
の接続部分を螺旋状に構成すれば、副室内へ導入される
空気が旋回流となる（請求項４）。

【００１９】

【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図１は本発明の第１実施例としての混合用
副室式エンジンの要部構成を示す模式的縦断面図、図２
は本発明の第２実施例としての混合用副室式エンジンの
要部構成を示す模式的縦断面図、図３は本発明の第３実
施例としての混合用副室式エンジンの要部構成を示す模
式的縦断面図であり、図４，図５は本発明の第４実施例
としての混合用副室式エンジンの要部構成を示すもので
、図４はその模式的縦断面図、図５はその一部の模式的
水平断面図である。

【００２０】まず、第１実施例について説明すると、図
１に示すように、４サイクルレシプロエンジンＥにおい
て、燃焼室３が、構造部材としてのシリンダブロック４
およびシリンダヘッド５により形成されている。

【００２１】そして、シリンダヘッド５には、圧縮空気
源に連結された圧縮空気路７が設けられるとともに、燃
料供給源に連結されたインジェクタ６が装備されている
。

【００２２】また、燃焼室３に一部を開口する副室８が
、構造部材としてのシリンダヘッド５に形成されている
。

【００２３】燃焼室３への開口８Ａは、副室弁９により
開閉されるようになっており、副室弁９を先端にそなえ
た弁ステム９Ａが、副室８内を延在し、シリンダヘッド
５に形成された貫通孔５Ａに、バルブガイド１１を介し
嵌挿されている。

【００２４】弁ステム９Ａとバルブガイド１１下端との
間には、ステムシールロア１３が介装されている。

【００２５】ステムシールロア１３は、テフロン等の素
材で形成されており、潤滑油供給のない状態で弁ステム
９Ａとバルブガイド１１との間にシール性を保ちながら
、弁ステム９Ａが往復動を支障なく行なえるようになっ
ている。

【００２６】そして、バルブガイド１１の上端と弁ステ
ム９Ａとの間には、ステムシールアッパ１２が設けられ
ている。

【００２７】ステムシールアッパ１２は、ゴム等の素材
で形成されており、弁ステム９Ａとバルブガイド１１と
の間への所要量の潤滑油供給を許容しながら、弁ステム
９Ａの往復動を許容するとともに、弁ステム９Ａとバル
ブガイド１１との間のシール性を確保できるようになっ
ている。

【００２８】ところで、圧縮空気路７は副室８に連通接
続されている。

【００２９】また、インジェクタ６は、その噴射口６Ａ
を副室８に向かうように装備されている。

【００３０】これにより、副室８へ、圧縮空気路７から
圧縮空気が供給されるとともに、インジェクタ６から燃
料が噴射されるようになっている。

【００３１】なお、圧縮空気路７から供給される圧縮空
気圧は、副室弁９が開状態にあるときの燃焼室３内の圧
力より高くなるように設定されている。

【００３２】また、インジェクタ６からの燃料噴射圧力
は、圧縮空気圧力（例えば１０ｋｇｆ／ｃｍ２　）より
１〜３ｋｇｆ／ｃｍ２　程度高くなるように設定されて
いる。

【００３３】上述の構成により、本実施例では、副室８
に圧縮空気路７を介し常時圧縮空気が供給されている。

【００３４】そして、燃焼行程もしくは排気行程中の所
定のタイミングで、インジェクタ６から副室８へ向け燃
料が噴射され、副室８内で空気と燃料との混合が行なわ
れる。

【００３５】次いで、燃焼室３内の圧力が圧縮空気圧よ
り低い期間である吸気行程もしくは圧縮行程前半におい
て、副室弁９がタイミングカムにより開かれ、副室８内
の混合気が燃焼室３内へ向け噴出される。

【００３６】このとき、副室弁９による開口面積は小さ
いため、副室弁９の周囲から噴射される混合気の流速は
音速レベルとなり、気化していない燃料があったとして
も、弁部の乱れにより微粒化される。

【００３７】すなわち、燃料は副室８内で空気と一部混
合された後、さらに副室弁９から噴出されるときに微粒
化されるため、きわめて良好な空気との混合が行なわれ
、適正な燃焼が行なわれる。

【００３８】そして、インジェクタ６には、燃焼室３内
のような高圧が作用しないため、通常のマニホルド噴射
に用いられる安価なインジェクタを採用しても支障なく
作動が行なわれる。

【００３９】また、副室８内への燃料噴射は、副室弁９
が開いていない期間中の比較的長い期間に行なえるため
、ダイナミックレンジの小さいインジェクタを採用する
こともできる。

【００４０】次に、本発明の第２実施例について説明す
ると、この第２実施例は、図２に示すように構成されて
おり、図１に示す第１実施例とそのほとんどを同様に構
成され、図１と同一の符号はほぼ同様のものを示してい
る。

【００４１】そして、この第２実施例では、図２に示す
ように、副室８から燃焼室３へ至る開口８Ａにジェット
ピース１４が嵌挿されている。

【００４２】このジェットピース１４は、開口８Ａに固
着された円筒部１４Ｂと、この円筒部１４Ｂの先端開口
を覆う底部１４Ｃとをそなえて形成されており、底部１
４Ｃには、燃料と空気との混合気を燃焼室３の所望部分
へ噴射する数個（１個でもよい）の噴口１４Ａが形成さ
れている。

【００４３】噴口１４Ａは、混合気を所定の領域へ噴射
すべく、その延在方向を調整して形成され、又、所定の
位置に混合気層を形成すべく、燃料の噴出速度および到
達距離を所要の状態にするため、噴口１４Ａの口径が所
定の大きさに形成されている。

【００４４】上述の構成により、この第２実施例の構造
では、第１実施例と同様の作動に加えて、副室８から燃
焼室３への混合気噴出に際し、ジェットピース１４によ
り燃料の噴出方向が特定され、燃焼室３内の所定の位置
に混合気層が形成される。

【００４５】また、噴口１４Ａが所定の口径で形成され
ているため、燃料が所定の速度で噴出され、所定の位置
まで混合気が到達し、適正な位置に混合気層が形成され
るほか、噴口が所定数個形成されているため、混合気が
適度に分散される。

【００４６】そして、ジェットピース１４が有底円筒状
に形成されているため、混合気の噴出に際し、ジェット
ピース１４内で乱れが発生し、燃料の微粒化が促進され
るのである。

【００４７】次いで、本発明の第３実施例について説明
すると、この第３実施例は、図３に示すように構成され
ており、図２に示す第２実施例とそのほとんどを同様に
構成され、図２と同一の符号はほぼ同様のものを示して
いる。

【００４８】そして、この第３実施例では、図３に示す
ように、副室８の軸線方向中間部に連通路としての縮径
部８Ｂが形成され、この縮径部８Ｂを境界として、副室
８が、上流側の空気室８Ｄと下流側の混合気室８Ｃとに
分割されている。すなわち，、この実施例では、副室８
が、圧縮空気路７に連通する空気室８Ｄと、空気室８Ｄ
に縮径部８Ｂを介して連通するとともにインジェクタ６
の噴射口６Ａに連通する混合気室８Ｃとで構成されてい
ることになる。

【００４９】上述の構成により、この第３実施例の構造
では、第２実施例と同様の作動に加えて、インジェクタ
６から副室８への燃料の噴射に際し、燃料は縮径部８Ｂ
により空気室８Ｄへの流入を防止され、混合気室８Ｃに
おける空気と燃料との混合が効率良く行なわれる。

【００５０】また、副室弁９の開時において副室８から
燃焼室３へ混合気が噴出される際には、空気室８Ｄから
混合気室８Ｃへ向け圧縮空気が供給されるため、混合気
室８Ｃ内の混合気は全て燃焼室３へ噴出されるようにな
り、燃料の吹き残しが防止される。

【００５１】さらに、本発明の第４実施例について説明
すると、この第４実施例は、図４，図５に示すように構
成されており、図３に示す第３実施例とそのほとんどを
同様に構成され、図３と同一の符号はほぼ同様のものを
示している。

【００５２】そして、この第４実施例では、図４，図５
に示すように、圧縮空気路７の副室８への接続部分７Ａ
が螺旋状（以下、この接続部分７Ａを螺旋状路７Ａとい
う）に形成されており、副室８へ流入する圧縮空気を旋
回流とするように構成されている。

【００５３】上述の構成により、この第４実施例の構造
では、副室８への圧縮空気の流入に際し、螺旋状路７Ａ
により圧縮空気が旋回流となって流入する。

【００５４】これにより、副室８内の壁面に付着した燃
料が壁面からはぎ取られ、微粒化され気化されるように
なり、副室８内の燃料が残らず全て燃焼室３へ供給され
るのである。

【００５５】なお、上述の第２〜４実施例においても、
図示を省略しているが、第１実施例と同様に、弁ステム
９Ａが、貫通孔５Ａにバルブガイドを介し嵌挿され、弁
ステム９Ａとバルブガイド下端との間には、テフロン等
の素材からなるステムシールロアが介装されるとともに
、ルブガイド上端と弁ステム９Ａとの間には、ゴム等の
素材からなるステムシールアッパが設けられている。

【００５６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明の混合用副
室式エンジンによれば、燃焼室と、同燃焼室を構成する
構造部材と、上記燃焼室へ燃料を供給するインジェクタ
と、上記燃焼室に圧縮空気を供給すべく上記構造部材に
形成された圧縮空気路と、上記構造部材において上記燃
焼室に開口するように形成された副室とをそなえ、同副
室において燃料と空気との混合を行なわせるべく、同副
室に上記圧縮空気路が連通されるとともに、上記インジ
ェクタの噴射口が上記副室へ向かうように配設されて、
上記副室の上記燃焼室への開口を開閉しうる副室弁が設
けられるという簡素な構成で、次のような効果ないし利
点が得られる。

【００５７】■燃料は、副室内で空気と一部混合された
後、さらに副室弁を介して燃焼室内に噴出される際に微
粒化が促進されるため極めて空気との混合が良好に行な
われ、適正な燃焼が行なわれるようになる。

【００５８】■インジェクタには燃焼室内におけるよう
な高圧が作用しないため、通常のマニホルド噴射に用い
られている安価なインジェクタを採用できるようになる
。

【００５９】■副室への燃料噴射は、副室弁が開いてい
る時以外の、比較的長い期間に行なえるようになり、ダ
イナミックレンジの小さいインジェクタでも使用できる
ようになる。

【００６０】また、上記副室の上記燃焼室への開口に、
噴口付きジェットピースを設けることもできるが（請求
項２）、このようにすれば、燃料と空気との混合気を燃
焼室の所望部分へ噴射できる利点がある。

【００６１】さらに、副室を、上記圧縮空気路に連通す
る空気室と、この空気室に連通路を介して連通するとと
もに上記インジェクタの噴射口に連通する混合気室とで
構成することもできるが（請求項３）、このようすれば
、燃料は連通路により空気室への流入を防止され、混合
気室における空気と燃料との混合が効率良く行なわれる
ほか、副室弁の開時において副室から燃焼室へ混合気が
噴出される際には、空気室から混合気室へ向け圧縮空気
が供給されるため、混合気室内の混合気は全て燃焼室へ
噴出されるようになり、燃料の吹き残しが防止される利
点もある。

【００６２】またさらに、副室内へ導入される空気が旋
回流となるように、上記圧縮空気路の上記副室への接続
部分を螺旋状に構成することもでき（請求項４）、この
ようにすれば、副室内の壁面に付着した燃料が壁面から
はぎ取られ、微粒化され気化されるようになり、副室内
の燃料が残らず全て燃焼室へ供給されるという利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例の要部構成を示す模式的縦
断面図である。

【図２】本発明の第２実施例の要部構成を示す模式的縦
断面図である。

【図３】本発明の第３実施例の要部構成を示す模式的縦
断面図である。

【図４】本発明の第４実施例の要部構成を示す模式的縦
断面図である。

【図５】本発明の第４実施例の一部構成を示す模式的水
平断面図である。

【符号の説明】

２　　ピストン ３　　燃焼室 ４　　シリンダブロック ５　　シリンダヘッド ５Ａ　　貫通孔 ６　　インジェクタ ６Ａ　　噴射口 ７　　圧縮空気路 ７Ａ　　螺旋状路 ８　　副室 ８Ａ　　開口 ８Ｂ　　縮径部（連通路） ８Ｃ　　混合気室 ８Ｄ　　空気室 ９　　副室弁 ９Ａ　　弁ステム １１　　バルブガイド １２　　ステムシールアッパ １３　　ステムシールロア １４　　ジェットピース １４Ａ　　噴口 １４Ｂ　　ジェットピース円筒部 １４Ｃ　　ジェットピース底部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　エンジンにおいて、燃焼室と、同燃焼
   室を構成する構造部材と、上記燃焼室へ燃料を供給する
   インジェクタと、上記燃焼室に圧縮空気を供給すべく上
   記構造部材に形成された圧縮空気路と、上記構造部材に
   おいて上記燃焼室に開口するように形成された副室とを
   そなえ、同副室において燃料と空気との混合を行なわせ
   るべく、同副室に上記圧縮空気路が連通されるとともに
   、上記インジェクタの噴射口が上記副室へ向かうように
   配設されて、上記副室の上記燃焼室への開口を開閉しう
   る副室弁が設けられたことを特徴とする、混合用副室式
   エンジン。
2. 【請求項２】　　上記副室の上記燃焼室への開口に、燃
   料と空気との混合気を上記燃焼室の所望部分へ噴射する
   噴口を有するジェットピースが設けられたことを特徴と
   する、請求項１記載の混合用副室式エンジン。
3. 【請求項３】　　上記副室が、上記圧縮空気路に連通す
   る空気室と、同空気室に連通路を介して連通するととも
   に上記インジェクタの噴射口に連通する混合気室とで構
   成されていることを特徴とする、請求項１記載の混合用
   副室式エンジン。
4. 【請求項４】　　上記副室内へ導入される空気が旋回流
   となるように、上記圧縮空気路の上記副室への接続部分
   が螺旋状に構成されていることを特徴とする、請求項１
   記載の混合用副室式エンジン。