JPH04341750A - 重水素放電管 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、分光光度計，液体クロ
マトグラフィなどの紫外域光源として用いられる重水素
放電管に係り、特に陽極構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】重水素放電管については、「日本分光学
会編、光源の特性と使い方（昭和６０年３月、学会出版
センター）の２０頁から３０頁」に記載せれている。

【０００３】重水素放電管は、コイル状の陰極と平板状
陽極の途中に放電を狭窄させるための小穴を有する構造
の放電管である。このため陽極近辺はいくつもの部品か
らなる複雑な形状の金属性遮蔽箱で絶縁されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の重水素
放電管に於いて、陽極が平行平板形状のため、電極を絶
縁している遮蔽箱構造が複雑であり、且ついくつもの部
品を使用しなければならないなどの欠点があった。

【０００５】本発明の目的は、陽極構造を簡単にし、電
極遮蔽箱を簡単な構造にすること、および光出力の安定
な重水素放電管を提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、陽極形状を
筒状もしくは棒状の簡単な構造にすることによって、遮
蔽箱を折り曲げなどの構造で作成可能であり、部品点数
の削減および組立て作業の効率向上が図れる。

【０００７】また陽極形状を棒状，凹状にし、外部を絶
縁して凹部を陽極として用いることおよび陽極先端を円
錐状にすることで陽極グローが陽極一点に集中する。従
って安定な光出力が得られ、上記目的を達成することが
できる。

【０００８】

【作用】重水素放電管は、図６に示す様な外観の放電管
であり、直流で点灯される。図において、１はバルブで
あり７のステムと溶着によって密閉容器となし、容器内
には１５の電極部と重水素ガスが封入してある。電極部
は図７に示すような構造であり、陰極３を構成するタン
グステン線からなるフィラメントに電子放射物質が塗布
してあり、陽極１６にはモリブデン等からなる平板状電
極を用い、陰，陽極間には放電を狭窄させるための小穴
６が設けてある。それぞれの電極はニッケル等の金属板
で遮蔽されている。上記構成の放電管に直流電圧を印加
し放電を発生させ、放電が狭窄された小穴部で重水素ガ
スが発光し紫外線が放射される。

【０００９】遮蔽箱は、小穴で放電を狭窄させるための
大事な役目を果しており、陰極から放出された電子が小
穴を通して陽極に到達される様、遮蔽箱は陽極の前後，
左右，上下６方をそれぞれの金属板で囲わなければなら
ない。従来上記陽極遮蔽箱は、図８に示すように、少な
くとも４個の部品より構成されていた。すなわち裏面お
よび側面は１個の部品を折り曲げて形成した裏面遮蔽板
１７と、前面は小穴を設けた前面遮蔽板１８からなり、
上下はそれぞれの上蓋１９および下蓋２０にてふたをし
、密閉する構造であった。

【００１０】本発明によれば、陽極構造を筒状もしくは
棒状にすることによって、遮蔽箱の部品点数を３個以下
にすることが可能となる。すなわち、裏面，側面，上下
面を１個の部品を折り曲げることによって形成可能とな
り、小穴のある前面部品をスポット溶接等により構成す
れば２個の部品にできる。

【００１１】また、筒、または棒状陽極を用いることに
よって陽極は電界強度が高い位置に固定され、陽極グロ
ーが他の場所へ移り難くなり、従ってアークがゆらがな
くなるため、紫外線出力の安定な重水素放電管が得られ
る。

【００１２】

【実施例】図１は、本発明の一実施例である重水素放電
管の電極中心部の横断面図を示す。図において１は紫外
線透過窓２を有す放電管の容器を示し、石英又は硬質ガ
ラスからなり、ステムと溶着され密閉容器となしている
。容器内には重水素ガスまたは水素ガスを数Ｔｏｒｒ封
入してある。陰極にはタングステン線からなる３重コイ
ルのフィラメント３を用い、コイルには電子放射物質が
塗布してある。４は本発明の陽極を示し、モリブデンの
筒からなる直径３ミリ，長さ１０ミリとした。陰極フィ
ラメント３と陽極４はそれぞれニッケルなど金属製の薄
い板で取り巻くような構造の遮蔽箱５で遮蔽されており
、陰極と陽極の間の隔壁には放電を狭窄するための小孔
６が設けられている。小穴の径は１ミリにした。特に陽
極は放電狭窄用小穴以外は密閉とした。従って、放電は
、陰極３から小穴６を経て、陽極４の間で発生する。小
穴による狭窄放電によつて狭窄部より強い紫外線が発生
し、光取出し窓２より放射させる。従来、陽極は平板の
１０×８ミリが用いられていたが、本発明の筒状の陽極
でも直径３ミリ，長さ１０ミリのものを使用すれば充分
電流を得ることが出来る面積である。

【００１３】図２は、本発明の陽極の断面図を示す。７
は硬質ガラスからなるステムであり、金属のリード線が
封止してある。リード線には筒状の陽極４が溶接によっ
て固定してある。ステムと陽極の間にはリード線間の放
電を防止するため絶縁管８でリード線を被覆してあり、
陽極と絶縁管の外径は、遮蔽箱の陽極挿入穴とほぼ同一
径としてある。９は電力を供給するための導入線である
。

【００１４】図３は、本発明の実施例である遮蔽箱を示
す。遮蔽箱１０は、四方を折り曲げて箱状とし、底部に
は陽極を挿入する穴１１を設けた。穴１１は、陽極およ
び絶縁管が挿入できる最小限の穴にしてあり、遮蔽箱の
前面には、放電を狭窄するための小穴を有す隔壁板を溶
接により固定し、外部からの放電を遮断出来る構造とし
た。すなわち２個の部品で陽極の遮蔽箱が形成可能であ
り、作業の効率向上と原価の低減が図れる。

【００１５】図４は、第２の実施例を示す陽極の部分断
面図である。円筒状の穴を有する陽極１２の外側を絶縁
物１３で被覆したものである。上記のような陽極構造に
することによって陽極となる位置が円筒内に固定するた
め、陽極グローが動かず安定な光出力が得られる。

【００１６】図５は、第３の実施例を示す陽極部の部分
断面図である。陽極１４は円錐状に成形にし、電界強度
が高い電極先端が陽極として動作させる様にしたもので
ある。６は放電を狭窄させるための小穴であり、直径１
ミリの小穴が設けてある。上記実施例によれば、陽極点
が陽極先端にでき、陽極点が動かないため、前述と同様
安定な光出力がえられる。

【００１７】

【発明の効果】上記本発明の重水素放電管に於いて、筒
状もしくは棒状の陽極構造にすることによって、陽極グ
ローが一点に固定されるためアークのゆらぎが少なく、
光出力の安定な重水素放電管が得られる。また、放電路
制御用遮蔽箱の構造が簡単になり、且つ部品点数が従来
の１／２に削減できるため作業能率の向上と原価低減が
図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】重水素放電管の電極部の横断面図。

【図２】陽極の断面図。

【図３】遮蔽箱の構造。

【図４】第２の実施例を示す陽極の断面図。

【図５】第３の実施例を示す陽極の断面図。

【図６】重水素放電管の外観図。

【図７】従来例を示す電極部の構造。

【図８】従来例を示す陽極遮蔽箱の構成。

【符号の説明】

１…容器、２…光取出し窓、３…陰極、４…陽極、５…
遮蔽箱、６…放電狭窄用小穴、７…ステム、８…絶縁管
、９…導入線。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】重水素または水素ガスを封入した放電管に
   於いて、陽極構造を筒状もしくは棒状にしたことを特徴
   とした重水素放電管。
2. 【請求項２】前記陽極の外径寸法を陽極のリード線を被
   覆している絶縁管と同一径または絶縁管より小さくした
   構造としたことを特徴とした請求項１記載の重水素放電
   管。
3. 【請求項３】前記陽極を筒状にし、陽極外部を絶縁物で
   被覆した構造としたことを特徴とした請求項１記載の重
   水素放電管。
4. 【請求項４】前記棒状陽極の先端を円錐形に尖らせた陽
   極構造としたことを特徴とした請求項１記載の重水素放
   電管。