JPH04341328A - キャリヤー錯体含有薄膜およびその製造法 - Google Patents

キャリヤー錯体含有薄膜およびその製造法

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JPH04341328A
JPH04341328A JP11475891A JP11475891A JPH04341328A JP H04341328 A JPH04341328 A JP H04341328A JP 11475891 A JP11475891 A JP 11475891A JP 11475891 A JP11475891 A JP 11475891A JP H04341328 A JPH04341328 A JP H04341328A
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JP
Japan
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membrane
oxygen
carrier complex
film
thin film
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JP11475891A
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English (en)
Inventor
Yuichi Ono
裕一 大野
Masanori Ikeda
正紀 池田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大気中から酸素を分離
、濃縮または希薄化するための酸素分離用のキャリヤー
錯体含有薄膜およびその製造方法に関する。さらに詳し
くは、エチレン性不飽和二重結合を有する基を複数個有
するモノマーの重合体と、ピリジンおよびイミダゾール
から選ばれた少なくとも1種類の含窒素置換基を有する
ポリマーが、相互貫入網目構造を形成している膜状組成
物中に、酸素キャリヤー錯体が分散しているキャリヤー
錯体含有薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリマー膜を用いて酸素を含む混
合気体から酸素を分類、濃縮または希薄化することは行
われている。しかしながら、ポリマー膜単独で酸素を選
択性良く分離するには限界があるので、酸素を選択的に
配位する金属錯体を膜中に導入して酸素の選択性を高め
る試みが行われている。
【0003】金属錯体を導入した酸素分離膜については
、液体膜では、ベンドリサーチ社(Bend  Res
earch  Inc.)の研究者が酸素と窒素の透過
速度比で表される選択率α(O2 /N2 )が約30
の膜を特開昭59−12707号公報およびJourn
al  of  Membrane  Science
,31P.15〜89(1987)に報告しているが、
キャリヤーの劣化が起りにくい低温(−10℃)におい
ても約1カ月で50%が不活性化する。
【0004】実用的な観点からは、酸素分離膜としては
固体膜が望ましいのであるが、キャリヤー含有固体膜を
用いた酸素分離膜については、アイデアとしては古くよ
り言われているものの、実験的に促進輸送が確認された
例は極めて少ない。特に、実用上は大気中から酸素を濃
縮することが必要であり、そのためには大気中の酸素分
圧に相当する16cmHg以上で促進輸送されることが
必要であるが、このよな例は皆無といえる。
【0005】この分野では、西出、土田らが、下記化1
【0006】
【化1】
【0007】で表される、キャリヤー錯体すなわち、い
わゆるCo(II)ピケットフェンスポルフィリン〔J
ounal  of  the  American 
 Chemical  Society,100(9)
P.2761(1978)〕と1−メチルイミダゾール
をポリブチルメタクリレート中に数%分散させた固体膜
を■特開昭62−17130号公報およびMacrom
olecules,20(2)P.417(1987)
に発表している。しかし、いずれの例も膜中のピケット
フェンスポルフィリン濃度が低いために酸素分圧が低い
(0.5cmHg)場合はα(O2 /N2 )=10
〜16が示されているものの、実用的な酸素供給分圧で
ある大気中の酸素分圧(16cmHg)ではα(O2 
/N2 )は4.1以上の値は示されていない。
【0008】キャリヤー含有固体膜中のキャリヤー錯体
量を増加して固体膜中での酸素飽和値を増加すれば、1
6cmHg以上の酸素分圧の場合でもα(O2 /N2
 )は向上すると考えられる。しかし、キャリヤー錯体
を高濃度で含有する固体膜では、膜の強度が低下してし
まうので、固体膜単独での酸素分離膜としての使用は困
難である。
【0009】また、酸素分離膜において、透過速度を向
上するためには膜厚を薄くすることが必要である。その
ため、単独でも強度を有する膜を製造するか、多孔質膜
を基膜として、この上にキャリヤー錯体を高濃度に含有
する固体膜の薄膜を形成して、酸素分離活性層を有する
複合膜を製造することが必要となる。従来、ガス分離用
の超薄膜製膜技術としては、水面展開法および非対称膜
法が知られている。しかし、いずれの方法も通常は水を
用いるので、キャリヤー錯体含有固体膜を直接作製しよ
うとすると、水によるキャリヤーの劣化が避けられない
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は以上の
ような従来技術の問題点を解決した高濃度にかつ安定に
キャリヤー錯体を含有する薄膜を製造することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
ポリマー配位子を製膜、乾燥後に膜を未架橋のままキャ
リヤー錯体を導入する方法を検討したが、薄膜化すると
キャリヤー錯体導入時にポリマー配位子が溶出するため
に、ピンホールが生成することを防止することが困難で
あった。
【0012】そこで、キャリヤー錯体導入時にポリマー
配位子の溶出のおそれのない、架橋構造を有するポリマ
ー配位子薄膜の形成法を検討した。しかし、アジドやト
リメトキシシリル基などの架橋性基を分子内に有するポ
リマー配位子は、合成が複雑であり、しかも、製膜前に
ゲル化してしまい、均一薄膜を得ることはできなかった
【0013】そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果
、Interpenetrating  Networ
k(相互貫入網目構造、IPN)を利用した溶媒不溶性
薄膜の実用的な製造方法を開発し、これにより、高濃度
にかつ安定にキャリヤー錯体を含有する薄膜を製造する
ことが可能となった。本発明の方法を利用することによ
り、従来キャリヤー錯体含有膜への適用が困難であった
、水を使用する水面展開法や、非対称膜による薄膜を用
いることが可能となった。
【0014】しかも、IPN形成を用いる本発明の方法
は、ポリマー配位子に予め特殊な架橋反応性基を導入す
る必要がないため、広範な種類のポリマーに適用可能で
あり、合成も容易である。さらに、架橋方法に例えば光
架橋を用いれば、光照射によって、初めて架橋反応が進
行するのでゲル化の心配がなく、均一な薄膜が得られる
。しかも、当該膜中に酸素キャリヤー錯体を導入する時
は、当該膜はフレキシブルでポリマー配位子の運動性が
高いために、酸素キャリヤー錯体の希薄溶液(例えば0
.1%)を用いても当該膜中に酸素キャリヤー錯体が高
濃度(膜全体の約30〜50wt%)に含浸できる利点
がある。以上のように、本方法は、ハンドリングが容易
で実用的な溶媒不溶性のポリマー配位子薄膜形成方法と
言える。
【0015】すなわち、本発明は、 (1)  1)重合性基を複数個有するモノマーと、ピ
リジンおよびイミダゾールから選ばれた少なくとも1種
類の含窒素置換基を有するポリマーから成る組成物を薄
膜状に製膜した後、2)該膜中の重合性基を複数個有す
るモノマーを重合して網目構造を形成させることにより
溶媒不溶性膜を形成し、3)その後に該膜を酸素キャリ
ヤー錯体溶液と接触することを特徴とするキャリヤー錯
体含有薄膜を製造する方法 (2)  エチレン性不飽和二重結合を有する基を複数
個有するモノマーの重合体と、ピリジンおよびイミダゾ
ールから選ばれた少なくとも1種類の含窒素置換基を有
するポリマーが、相互貫入網目構造を形成している組成
物中に、酸素キャリヤー錯体が分散していることを特徴
とする、キャリヤー錯体含有薄膜。である。
【0016】以下に、本発明についてさらに詳細に説明
する。本発明において使用される重合性基を複数個有す
るモノマーは一般式(I)で表わされる。 A−(X)n ────  (I) (ただし、Aはn価の連結基であり、Aの分子量は好ま
しくは20000以下であり、より好ましくは5000
以下であり、さらに好ましくは1000以下である。n
は2以上であり、好ましくは10≧n≧2であり、より
好ましくは4≧n≧2である。
【0017】Xは互にあるいは他の化合物と反応するこ
とにより、一般式(I)の化合物が重合できる置換基で
あり、たとえば、エチレン性不飽和二重結合を有する基
、水酸基、イソシアネート基、アミノ基、エポキシ基等
が挙げられる。一般式(I)中のXは単一の基でも、複
数種類の基よりなっても良い。エチレン性不飽和二重結
合を有する基の例としては、ビニル基や一般式(II)
で表わされるものが挙げられる。
【0018】CH2 =CR1 COR2 ──── 
 (II)ただし、R1 は水素原子又はメチル基、R
2 は−O−または−NH−である。)一般式(I)の
具体例としては、 (イ)重合性基を2個有するモノマー 2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパン、2
,2−ビス〔4−(3−メタクリロキシ)−2−ヒドロ
キシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4
−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−メタクリロキシテトラエトキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロ
キシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−メタクリロキシジプロポキシフェニル)プロパン
、2(4−メタクリロキシエトキシフェニル)−2(4
−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2(
4−メタクリロキシジエトキシフェニル)−2(4−メ
タクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4
−メタクリロキシジプロポキシフェニル)−2(4−メ
タクリロキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2
−ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)プロ
パン、2,2−ビス(4−メタクリロキシイソプロポキ
シフェニル)プロパンおよびこれらのアクリレート、2
−ハイドロキシエチルメタクリレート、2−ハイドロキ
シプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ハイドロ
キシプロピルメタクリレートあるいはこれらのアクリレ
ートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイ
ソシアネートメチルベンゼン、4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソ
シアネート化合物との付加から得られるジアダクト、下
記化2で表わされる2つのビニルベンジル基がエーテル
結合で結合しているものも使用できる。
【0019】
【化2】
【0020】より具体的な例を下記化3に示す。
【0021】
【化3】
【0022】さらに、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジメタクリレート、ノナエチレングリコールジ
メタクリレート、テトラデカエチレングリコールジメタ
クリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネ
オペンチルグリコールジメタクリレート、プロピレング
リコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジ
メタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1
,8−オクタンジオールジメタクリレート、1,10−
デカンジオールジメタクリレートおよびこれらのアクリ
レート、2−ハイドロキシエチルメタクリレート、2−
ハイドロキシプロピルメタクリレート、3−クロロ−2
−ハイドロキシプロピルメタクリレートあるいはこれら
のアクリレートのように−OH基を有するビニルモノマ
−とヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、ジイソシアネートメチル
シクロヘキサン、イソフオロンジイソシアネート、メチ
レンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)のよう
にジイソシアネート化合物との付加から得られるジアダ
クト、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、1,2−ビ
ス(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)
エチル、ジ(2−メタクリロキシエチル)フォスフェー
ト、ジ(3−メタクリロキシプロピル)フオスフェード
、下記化4で表わされるものも使用できる。
【0023】
【化4】
【0024】(ロ)重合性基を3個有するモノマートリ
メチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロー
ルエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールト
リメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリ
レートおよびこれらのアクリレート(ハ)重合性基を4
個有するモノマー ペンタエリスリトールテトラメタクタレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネート
メチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサ
ン、イソフオロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアソート、トリメチルメキサメチレンジイソシア
ネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート
、トリレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソ
シアネート化合物とグリシドールジメタクリレートとの
付加から得られるジアダクト これらビニルモノマーは単独で用いても良いし、複数組
合わせて用いても良い。
【0025】前述の一般式(I)で表わされる重合性基
を複数個有するモノマーが、室温で粘度が極めて高いも
の、あるいは固体である場合には、低粘度の重合可能な
モノマーと組み合せて使用することもできる。本発明に
用いる光重合開始剤としては特に限定されないが例えば
、アセトフェノン系の4−フェノキシジクロロアセトフ
ェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4
−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシ
アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ
−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキ
シエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピ
ル)ケトンアリルケトン含有光開始剤(メルク社製、商
品名ダロキュアー1664)、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチ
ルチオ)フェニル〕−2−モルホリノプロパン−1など
やベンゾイン系のベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジル
ジメチルケタールなどやベンゾフェノン系のベンゾフェ
ノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル
、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェ
ノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4
′−メチルジフェニルサルファイド、3,3′−ジメチ
ル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサンソン系の
チオキサンソン、2−クロルチオキサンソン、2−メチ
ルチオキサンソン、2,4−ジメチルチオキサンソン、
イソプロピルチオキサソンソン、2,4−ジクロロチオ
キサンソン、2,4−ジエチルチオキサソン、2,4−
ジイソプロピルチオキサンソン、などがある。
【0026】さらに、α−アシロキシムエステル〔すな
わち1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2(O−
エトキシカルボニル)オキシム〕、アシルホスフィンオ
キサイドすなわち〔2,4,6−トリメチルベンゾイル
ジフェニルホスフィンオキサイド〕、メチルフェニルグ
リオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレン
キノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エ
チルアンスラキノン、4′,4′−ジエチルイソフタロ
フェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノンなどがある。これ
らは単独あるいは複数組合せて用いても良い。
【0027】光開始剤としては、例えばトリエタノール
アミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノ
ールアミン、4,4′−ジメチルアミノベンゾフェノン
、(ミヒラ−ズケトン)、4,4′−ジエチルアミノベ
ンゾフェノン、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4
−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸(π−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−
エチルヘキシル、などが使用できる。これらは単独ある
いは複数組合せて用いても良い。  本発明に用いる酸
素キャリヤー錯体は酸素を可逆的に配位できる錯体を一
般に使用できるが、例えばピケットフェンスポルフィリ
ンや、シッフ塩基金属錯体が挙げられる。
【0028】本発明において使用されるピケットフェン
スポルフィリンとは、ポルフィリン環平面に対して同じ
側に複数本の立体障害基が立った構造の錯体を表わし、
その例としては下記化5で表わされるような錯体が挙げ
られる。
【0029】
【化5】
【0030】〔式中Mは鉄、コバルト、マンガンより選
ばれる2価の遷移金属であり、鉄、コバルトが好ましく
、コバルトが特に好ましい。A1 ,A2 ,A3 お
よびA4 はそれぞれR1 ,R2 ,R3 およびR
4 とフェニル基との連結基であり、−CONH−,−
O−を表わし、−CONH−が好ましい。R1 ,R2
 ,R3 およびR4 は炭素数が3から30の炭化水
素基またはその置換体である。R1 ,R2 ,R3 
およびR4 中の炭素数は好ましくは4から21であり
、特に好ましくは4から13である。
【0031】R1 ,R2 ,R3 およびR4 がA
1 ,A2 ,A3 およびA4 に連結する部分の炭
素原子の構造は第1級、第2級、第3級炭素のいずれで
あってもよいが、分枝構造が好ましく、特に第3級炭素
構造が好ましい。なお、R1 ,R2 ,R3 および
R4 の置換基としては、炭素数が1から30、好まし
くは1から20のアルコキシ基、アシルオキシ基、アル
コキシカルボニル基あるいは塩素やフッ素のようなハロ
ゲン原子が挙げられる。
【0032】一般式(III)の化合物において、A1
 ,A2 ,A3 およびA4 の配向方向としてはA
1 ,A2 ,A3 およびA4 がポルフィリン環平
面に対して全て同じ側にある、いわゆるαααα体が好
ましい。一般式(III)の化合物は化1の化合物と同
様の方法またはChemistryLetters(1
983)P.1387、特開昭62−108893号公
報、特開昭62−267233号公報、特公昭61−4
7845号公報、特公昭63−5033号公報、Tet
rahedron  Letters,36  P.3
071(1969)、Journal  of  th
e  American  Chemical  So
ciety,97  P.226(1975)および同
94  P.3986(1972)等に記載の方法を応
用して合成できる。
【0033】R1 ,R2 ,R3 およびR4 の具
体例としては、−(CH2 )10−OCH3,−(C
H2 )18−OCH3 ,−C(CH3 )2 −(
CH2 )10−OH,−C(CH3 )2 −(CH
2 )18−OCH2 −C6 H6 ,−C(CH3
 )3 ,−CH(CH3 )2 ,−C(CH3 )
2 CH2 CH2 CH3 などが挙げられる。一般
式(III) の化合物の具体例としては、下記化6で
表わされる化合物である。
【0034】
【化6】
【0035】本発明において使用されるシッフ塩基金属
錯体の例としては、N,N′−ビス(サリチリデン)エ
チレンジアミン(以下、Salenという)、およびそ
の誘導体が配位した金属錯体が挙げられる。すなわち、
下記化7で表わされる錯体が使用される。
【0036】
【化7】
【0037】(式中、Mは鉄、コバルトより選ばれる2
価の金属であり、特にコバルトが好ましい。R1 ,R
2 ,R3 ,R4 ,R11,R12,R13,R1
4は独立に水素原子、炭素数1から4のアルキル基、も
しくはアルコキシ基、ニトロ基又はハロゲン原子である
。R5 ,R6 ,R7 ,R8 ,R9 ,R10は
独立に水素原子又は炭素数1から6の炭化水素基であり
、R6 ,R7 ,R8,R9 は互いに連結して脂環
式構造あるいは芳香族環構造等の環状構造をとっていて
も良い。)一般式(IV)の化合物は公知の各種の方法
で合成できるが、例えばChemical  Revi
ews,79  P.139(1979)記載の方法を
応用して合成できる。
【0038】R1 ,R2 ,R3 ,R4 ,R11
,R12,R13,R14,の具体例としては水素原子
、メチル基、メトキシ基、フッ素原子、t−ブチル基な
どが挙げられる。 一般式(IV)の具体例を下記化8に示す。
【0039】
【化8】
【0040】ただし、酸素キャリヤー錯体としては、安
定性の点から、ポルフィリン系化合物が好ましく、ピケ
ットフェンスポルフィリンが特に好ましい。本発明で使
用するピリジンおよびイミダゾールから選ばれた少なく
とも1種類の含窒素置換基を有するポリマーは固有粘度
0.1から10dl/gのものが好ましく、0.5から
8dl/gのものが更に好ましく、0.8から5dl/
gのものが特に好ましい。固有粘度は低すぎると生成し
た膜の強度が低くなり、高すぎると製膜用原液の粘度が
高くなり、薄膜の生成が困難になる。
【0041】このピリジンおよびイミダゾールから選ば
れた少なくとも1種類の含窒素置換基を有するポリマー
はポリマー配位子として使用され、例えば、ビニルピリ
ジン、ビニルイミダゾールおよび、これらの置換体の少
くとも1種類の含窒素ビニル化合物を単独あるいは共重
合することにより合成できる。上記ビニルピリジン、ビ
ニルイミダゾールおよび、これらの置換体の具体例とし
ては、1−ビニルイミダゾール、1−ビニル−2−メチ
ルイミダゾール、1−ビニル−4−メチルイミダゾール
、4−ビニルピリジンおよび2−ビニルピリジンが挙げ
られる。
【0042】本発明で使用するピリジンおよびイミダゾ
ールから選ばれた少なくとも1種類の含窒素置換基を有
するポリマーは1種類のみを使用しても良いし、複数種
類使用してもよい。これら含窒素ビニル化合物と共重合
させるビニル化合物としては、下記化9で示されるビニ
ル化合物が使用される。
【0043】
【化9】
【0044】(式中、R4 は水素原子またはメチル基
、R5 は炭素数1から8の炭化水素基またはそのフッ
素原子置換体を表し、これらはエーテル基を含んでいて
もよい。)R5 の好ましい具体例としてはメチル基、
エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシ
ル基、2−ヒドロキシエチル基、−CH(CF3 )2
 ,−CH2 CF3 ,−CH2 CH2 CF3 
,−CH2 C(CF3 )FOCF2 CF2 CF
3 が挙げられる。
【0045】また下記化10で示されるビニル化合物も
使用される。
【0046】
【化10】
【0047】(式中、R6 は水素原子またはメチル基
、R7 ,R8 はそれぞれ独立に水素原子または炭素
数1から8のアルキル基である。)R7 ,R8 の好
ましい具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基が挙げられる。 さらに下記化11で示されるビニル化合物も使用される
【0048】
【化11】
【0049】(式中R20,R21,R22,R23,
R24は独立に水素原子、炭素数1から10のアルキル
基、もしくはアルコキシル基、又はハロゲン原子等であ
る。)一般式(VII) で表わされるモノマーの例と
しては、例えばスチレン、p−t−ブチルスチレン等が
挙げられる。なお、含窒素ビニル化合物と共重合させる
ビニル化合物は、一種類のみが使用されてもよいし、複
数種類使用されてもよい。
【0050】本発明のキャリヤー錯体含有薄膜中の酸素
キャリヤー錯体濃度は通常は、5重量%〜70重量%、
好ましくは10重量%〜60重量%、特に好ましくは2
0重量%〜50重量%の範囲が使用される。具体的には
、化6に示されているピケットフェンスポルフィリンの
場合には、ピケットフェンスポルフィリンの含量として
、通常は0.05mol/kg〜0.7mol/kg、
好ましくは0.1mol/kg〜0.6mol/kg、
特に好ましくは0.2mol/kgから0.5mol/
kgの範囲が使用される。また、化8に示されているC
oSalenの場合には、CoSalenの含量として
、通常は0.15mol/kg〜2.0mol/kg、
好ましくは0.3mol/kg〜1.8mol/kg、
特に好ましくは0.6mol/kgから1.5mol/
kgの範囲が使用される。
【0051】固体膜中における酸素キャリヤー錯体濃度
が低すぎると高い酸素選択性は期待出来ないし、また高
すぎると固体膜がもろくなりヒビ割れ等の欠陥が生じや
すくなるので好ましくない。本発明のキャリヤー錯体含
有薄膜は、 1)重合性基を複数個有するモノマーと、ピリジンおよ
びイミダゾールから選ばれた少なくとも1種類の含窒素
置換基を有するポリマーから成る組成物を薄膜状に製膜
した後、2)当該膜中の重合性基を複数個有するモノマ
ーを重合することにより架橋構造を形成させ、3)当該
膜を酸素キャリヤー錯体溶液と接触することにより、製
造することができる。
【0052】また、1)重合性基を複数個有するモノマ
ーと、ピリジンおよびイミダゾールから選ばれた少なく
とも1種類の含窒素置換基を有するポリマーから成る組
成物を薄膜状に製膜した後、および、または2)該膜中
の重合性基を複数個有するモノマーを重合することによ
り架橋構造を形成させた後および、または3)該膜を酸
素キャリヤー錯体溶液と接触した後に積層して製造して
も良い。
【0053】上記製造方法において、多孔質膜上に該薄
膜を保持しても良い。本発明において薄膜状に製膜する
方法としては、既存の薄膜形成方法が用いられる。例え
ば、液面展開法、スピンコート法、キャスト法および非
対称膜法などが用いられる。本発明の膜中の重合性基を
複数個有するモノマーを重合させる方法としては、既存
の重合方法を用いることができるが、光重合による方法
が、薄膜を損傷することなく重合することができるので
好ましい。
【0054】この架橋膜を酸素キャリヤー錯体溶液と接
触させる方法としては、該膜を単独で酸素キャリヤー錯
体溶液中に浸漬しても良いし、該膜を多孔質膜に複合化
後に酸素キャリヤー錯体溶液中に浸漬しても良い。また
、上記方法において、酸素キャリヤー錯体溶液中に浸漬
する代りに、酸素キャリヤー錯体溶液を該膜上に滴下し
ても良い。
【0055】本発明で用いる溶媒としては、各成分を溶
解できる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、酸
素キャリヤー錯体用にはクロロホルム、ジクロロメタン
、トルエン、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが用
いられる。また、例えば重合性基を複数個有するモノマ
ーと、ピリジンおよびイミダゾールから選ばれた少なく
とも1種類の含窒素置換基を有するポリマーから成る組
成物を薄膜状に製膜するための溶媒としては、クロロホ
ルム、ジクロロメタン、トルエン、ジオキサン、テトロ
ヒドロフラン、メタノール、エタノールなどが用いられ
る。
【0056】
【実施例】以下、実施例によって本発明の内容を説明す
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない
。なお、以下の製膜操作は特に記載が有る場合を除き乾
燥窒素下で行った。
【0057】
【合成例1】メソーテトラ(o−ニトロフェニル)ポル
フィリン(以後“CPI”という)の合成を以下記載の
とおり行った。酢酸1lを還流させ、この中にo−ニト
ロベンズアルデヒド51.7g(0.342mol)を
加えて溶解させた。次にピロール25ml(0.36m
ol)を滴下した。還流下で20分反応後、CHCl3
 を加えて放冷した。これを水冷、続いて氷冷して結晶
を析出させた。生成した結晶を吸引濾過により濾集し、
CHCl3 で洗浄した。真空乾燥後の収量は10.2
g(0.0128mol、収率15%)であった。
【0058】
【合成例2】メソ−テトラ(o−アミノフェニル)ポリ
フィリン(以後“CP2”という)の合成を以下の記載
のとおり行った。濃塩酸210mlに合成例1で合成し
てCPIを4.16g(5.23mol)溶解後、Sn
Cl2 ・2H2 Oを18.1gを加え、65〜75
℃に急速に昇温した。65〜75℃で25分反応後、3
0%アンモニア水200mlで中和した。この溶液にC
HCl3 を加えてCHCl3 層に抽出した。CHC
l3 層はエバポ濃縮し、アンモニア水で洗浄後2回水
洗した。これを無水Na2 SO4 で脱水後CHCl
3 をエバポレーターでゆっくり濃縮すると結晶が生成
した。この結晶を濾別後、メタノールで洗浄した。収量
2.8g(4.2mmol/g、収率80%)であった
。生成物のNMRスペクトルは文献〔Journal 
 ofthe  AmericanChemical 
 Society,100(9)P.2761(197
8年)〕と一致した。
【0059】
【合成例3】合成例2で合成したCP2はフェニル基の
回転による回転異性体の混合物(ポルフィリン環平面の
どちら側にアミノ基が存在するかにより、αααα−,
αααβ−,ααββ−,αβαβ−体の4種の混合物
)を含む。そこで、全てのアミノ基がポルフィリン環平
面に対して同じ側にある、いわゆるαααα体を分離し
た。
【0060】CP2  3.18gをCHCl3 に溶
解し、シリカゲルカラムに仕込んだ。まずCHCl3 
で展開した。流出液の着色が淡赤色となるまでCHCl
3 でカラムを展開した後、CHCl3 /エーテル=
1/1で着色が非常に薄くなるまで展開した。その後ア
セトン/エーテル=1/1を用いてαααα体を流出さ
せた。αααα体を含む留分をエバポレーターで乾固し
た。更にこれをCHCl3 に溶解して2段目のシリカ
ゲルカラムに仕込み、ベンゼン/エーテル=1/1で流
出液の着色が非常に薄くなるまで展開した。純粋なαα
αα体はアセトン/エーテル=1/1で溶離させた。水
浴に浸したエバポレーターで溶媒を留去して固体を得た
。収量1.22g(収率38.2%)。TLCは単一ス
ポットを示した。
【0061】
【合成例4】合成例3で得たαααα体CP2にピバリ
ン酸クロリドを反応させてαααα体メソーテトラ(o
−ピバルアミドフェニル)ポルフィリン(以後“CP3
”という)を合成した。αααα体CP2  1.22
g(1.8mmol/g)をCHCl3 22mlに溶
解後(カラム流出液をそのまま用いたときはアセトンー
エーテル溶媒となる)ピリジン0.7mlを加え、ピバ
リン酸クロリド0.7mlを温度が上がりすぎないよう
注意しながら滴下した。この混合溶液を3hrs攪拌後
、終夜放置した。反応液をエバポレーターで濃縮後アン
モニア水で洗浄し、次に2回水洗した。無水Na2 S
O4 上で乾燥後ロータリーエバポレーターが濃縮した
。これをシリカゲルカラム(CHCl3 充填)に仕込
み、CHCl3 /エーテル=4/1を展開溶媒として
精製した。 収量0.41g(0.41mmol、収率23%)。
【0062】生成したCP3は1680cm −1 に
アミドの吸収を示し、NMRの測定結果は文献〔Jou
rnal  of  the  American  
ChemicalSociety,100(9)P.2
761(1978年)〕と一致した。
【0063】
【合成例5】合成例4で得たCP3へのCoの導入を行
った。反応中にピケットが回転しないよう温度に十分注
意して反応を行った。全操作はN2 中で行った。CP
3  0.41g(0.41mmol)、無水CoCl
2 0.42g(3.2mmol)及び2,6−ルチジ
ン0.13ml(11mmol)を32mlのTHFに
溶解し、N2 下50℃で54.5時間反応させた。C
o導入の進行状況はCP3の紫外可視スペクトルの消失
と、これに対応して生成する化13で示したCP3のC
o錯体(以下“CPP”という)に基づく吸収帯(52
6,412nm)の生成を追跡してモニターした。反応
生成物をエバポレーターで十分乾燥後、ベンゼンを加え
てアルミナカラム(10cmφ×25cm、ベンゼン充
填)に仕込み、ベンゼン/エーテル溶媒で展開した。収
量0.37g(収率85%)。
【0064】上記操作をくり返して実施例に必要な量の
CPPを得た。
【0065】
【実施例1】1−ビニルイミダゾールにブチルアクリレ
ートおよびエチルメタクリレートを6:7:7の重量比
で共重合したポリマー配位子7g、光重合開始剤p−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル0.25gと2,4−ジエ
チルチオキサントン0.098gおよび、下記化12に
示す重合性基を複数個有するモノマー7gをトルエン7
00mlに溶解し、水面上に展開した。溶媒除去後も相
分離や光重合開始剤の析出の無い膜を得た。
【0066】
【化12】
【0067】この水面展開膜を窒素気流下で紫外線照射
を1hrして、しなやかで強靭な、クロロホルム不溶性
の架橋膜(膜厚約0.1μm)を得た。さらに、上記架
橋薄膜を合成例5で得た下記化13に示した酸素キャリ
ヤー錯体(CPP)0.1gをクロロホルム100ml
に溶解した溶液に浸漬したところ、高濃度(膜全体の約
50wt%)に含浸された。このように、固体膜中にキ
ャリヤーが容易に高濃度に導入されたことは、IPN構
造中のポリマー配位子の運動性が極めて高いことを示し
ており、キャリヤー含有固体膜系の分離膜に適した膜構
造を取っていると言える。
【0068】得られたキャリヤー錯体含有薄膜の紫外可
視吸収スペクトル測定を酸素下と窒素下で行った。この
膜は窒素下では424nmには吸収を示さないが、酸素
下に移すと424nmに酸素配位錯体に基づく吸収を示
した。この変化は可逆的に起こり、該錯体が酸素を可逆
的に吸脱着することを確認した。
【0069】
【化13】
【0070】
【実施例2】光重合開始剤としてベンゾフェノン0.4
8gとミヒラーズケトン0.02gを用い、下記化14
に示す重合性基を複数個有するモノマーを用い、紫外線
を2hr照射した以外は実施例1と同様に製膜を行ない
、化13に示す酸素キャリヤー錯体を高濃度(膜全体の
約30wt%)に含浸した膜を得た。この架橋膜中で化
13は安定に酸素を吸脱着した。
【0071】
【化14】
【0072】
【実施例3】ポリマー配位子として4−ビニルピリジン
とスチレンの9:1の共重合体を7g用いた以外は実施
例2と同様に製膜を行ない、化13に示す酸素キャリヤ
ー錯体を高濃度(膜全体の約30wt%)に含浸した膜
を得た。この架橋膜中で化13は安定に酸素を吸脱着し
た。
【0073】
【実施例4】実施例1と同様にして水面展開して得た薄
膜を再生セルロース製多孔膜(孔径0.2μm)上に1
0回積層した。この積層膜を実施例1の水面展開膜と同
様にして処理して化13を含有する薄膜を得た。この薄
膜を用いて、酸素分離能を測定した。
【0074】なお、薄膜の酸素分離性能の測定は以下の
ごとくして行った。即ち、ガスの透過速度の測定は測定
する当該膜の供給側と透過側の両方を真空に脱気後、供
給側に透過速度を測定すべきガスである酸素又は窒素を
76cmHgとなるまで導入し、透過側に透過してくる
ガスの量を圧力計により測定した。その結果、酸素透過
速度Qo2 は2.1×10−7(cm3 ・cm/c
m2 ・s・cmHg)、選択率α(O2 /N2 )
=9.5を示した。
【0075】
【発明の効果】本発明の、Interpenetrat
ing  Network(相互貫入網目構造、IPN
)を利用した溶媒不溶性薄膜の製膜法により,高濃度に
かつ安定にキャリヤー錯体を含有する薄膜の実用的な製
造方法が可能となった。本発明の方法を利用することに
より、従来キャリヤー錯体含有膜への適用が困難であっ
た、水を使用する水面展開法や、非対称膜による薄膜を
用いることが可能となった。
【0076】しかも、IPN形成を用いる本発明の方法
は、ポリマー配位子に予め特殊な架橋反応性基を導入す
る必要がないため、広範な種類のポリマーに適用可能で
あり、合成も容易である。さらに、架橋方法に例えば光
架橋を用いれば、光照射によって、初めて架橋反応が進
行するのでゲル化の心配がなく、均一な薄膜が得られる
。当該膜中に酸素キャリヤー錯体を導入する時、当該膜
はフレキシブルでポリマー配位子の運動性が高いために
、酸素キャリヤー錯体の希薄溶液(例えば0.1%)を
用いても当該膜中に酸素キャリヤー錯体が高濃度(膜全
体の約30〜50wt%)に含浸できる利点がある。 以上のように、本方法は、ハンドリングが容易で実用的
な溶媒不溶性のポリマー配位子薄膜形成方法と言える。
【0077】さらに、本発明の膜中で酸素キャリヤー錯
体は安定に酸素を吸脱着することが可能であり、これに
より、本発明の薄膜は高いα(O2 /N2 )でかつ
、高Qo2を示す有用な酸素分離膜として利用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  1)重合性基を複数個有するモノマー
    と、ピリジンおよびイミダゾールから選ばれた少なくと
    も1種類の含窒素置換基を有するポリマーから成る組成
    物を薄膜状に製膜した後、2)該膜中の重合性基を複数
    個有するモノマーを重合して網目構造を形成させること
    により溶媒不溶性膜を形成し、3)その後に該膜を酸素
    キャリヤー錯体溶液と接触することを特徴とするキャリ
    ヤー錯体含有薄膜を製造する方法。
  2. 【請求項2】  エチレン性不飽和二重結合を有する基
    を複数個有するモノマーの重合体と、ピリジンおよびイ
    ミダゾールから選ばれた少なくとも1種類の含窒素置換
    基を有するポリマーが、相互貫入網目構造を形成してい
    る薄膜状組成物中に、酸素キャリヤー錯体が分散してい
    ることを特徴とするキャリヤー錯体含有薄膜。
JP11475891A 1991-05-20 1991-05-20 キャリヤー錯体含有薄膜およびその製造法 Withdrawn JPH04341328A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018012459A1 (ja) * 2016-07-15 2018-01-18 シャープ株式会社 酸素分離膜

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018012459A1 (ja) * 2016-07-15 2018-01-18 シャープ株式会社 酸素分離膜

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