JPH04339234A - 海底の泥試料採集容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、海底の泥中に存在す
る微生物等の調査および研究のために、海底から採集さ
れた泥試料を収容するための容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】深海における海底の泥中に存在する微生
物等の調査および研究のために、深海用潜水艇を使用し
て、海底の泥試料を採集することが行われている。この
ような泥試料の採集に当たり必要なことは、潜水艇の１
回の潜水作業によって、海底の複数箇所からそれぞれ泥
試料を採集し、採集された泥試料の一定量を、海底の圧
力と同一の圧力を維持した状態で収容し、且つ、このよ
うな採集および収容作業を、潜水艇に設けられた１つの
マニピユレーターで行い得ることである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような、海底から
採集された一定量の泥試料を収容するための容器は、従
来殆ど開発されておらず、従って、従来は、例えば、採
集容器を低圧のガス容器に接続し、ガス容器の弁を開い
て、試料を採集容器内に吸引することからなる、圧力差
による吸引採集装置、または、小型のハンドポンプによ
って容器内に試料を採集し収容する装置等のような、汎
用の装置が使用されている。しかしながら、上述した従
来の汎用の装置では、潜水艇の１回の潜水作業によって
、海底の複数箇所の泥試料を、各々一定量、海底の圧力
と同一の圧力を維持した状態で収容することはできない
。

【０００４】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、潜水艇の１回の潜水作業によって、海底の複
数箇所から採集された泥試料を、各々一定量、海底の圧
力と同一の圧力を維持した状態で収容し得る、泥試料採
集容器を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段〕本発明者等
は、上述した問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
泥試料の一定量を収容するための複数個の試料容器、お
よび、前記複数個の試料容器の各々内の圧力を一定に保
つためのアキュムレータを、垂直軸の回りを回動可能な
容器内に収容し、前記容器の上端開口を覆う固定のカバ
ーに設けられた供給孔を通して、前記複数個の試料容器
内に順次泥試料を供給すれば、海底の複数箇所の泥試料
を、各々一定量、海底の圧力と同一の圧力を維持しなが
ら、適確に収容し得ることを知見した。 【０００６】この発明は、上記知見に基づいてなされた
ものであって、この発明の容器は、海底から採取された
泥試料の一定量を収容するための、中間部にボール弁を
備えた、上端が開口する複数個の試料容器と、前記複数
個の試料容器の各々内の圧力を一定に保つための、ガス
チャージ弁および均圧弁が取り付けられたアキュムレー
タと、前記複数個の試料容器および前記アキュムレータ
を収納するための、不動の垂直軸の回りを、前記複数個
の試料容器および前記アキュムレータと共に一定ピッチ
で回動可能な容器と、そして、前記容器の上端開口を覆
う、前記複数個の試料容器内への泥試料の供給孔を有す
る、前記垂直軸に固定されたカバーとからなることに特
徴を有するものである。

【０００７】次ぎに、この発明を、図面を参照しながら
説明する。図１は、この発明の装置の１実施態様を示す
部分概略縦断面図、図２は、その蓋体を取り外した状態
の概略縦断面図、図３は、図２のＡ−Ａ線矢視図、図４
は、図２のＢ−Ｂ線矢視図である。図面に示すように、
この発明の装置は、海底から採取された泥試料の一定量
を収容するための、同一円周上に９０°ピッチで配置さ
れた３個の試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃと、試料容器１Ａ
，１Ｂ，１Ｃの各々内の圧力を一定に保ためのアキュム
レータ２と、試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃおよびアキュム
レータ２を収納するための容器３と、容器３の上端開口
を覆うカバー４とからなっている。

【０００８】台座５の中心には、垂直軸６の下端が固定
されている。容器３は、その底面３ａの中心が垂直軸６
に貫挿され、垂直軸６の回りを回動可能に台座５上に載
置されている。７は、容器３を回動させるためのラチエ
ット付きレバーであり、レバー７の操作によって、容器
３は、ラチエット機構により、４５°ピッチで垂直軸６
の回りを回動する。

【０００９】容器３の底面３ａ上には、取り付け板８が
、その中心を垂直軸６に貫挿した状態で固定されている
。 取り付け板８には、３個の試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃお
よびアキュムレータ２の各々の下部が、ボルトによって
固着されている。そして、３個の試料容器１Ａ，１Ｂ，
１Ｃおよびアキュムレータ２の各々の上部は、その中心
が垂直軸６に貫挿された連結板９に、ボルトによって互
いに連結されている。従って、レバー７の操作により容
器３を回動させると、容器３と共に、３個の試料容器１
Ａ，１Ｂ，１Ｃおよびアキュムレータ２も回動する。垂
直軸６の上部には、その下面が、試料容器１Ａ，１Ｂ，
１Ｃの各々の上面に接するカバー４が、容器３の上端開
口を覆うように固定されている。

【００１０】試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの各々の上端は
開口しており、その中間部にはボール弁１０が取り付け
られており、ボール弁１０によって、試料容器１Ａ，１
Ｂ，１Ｃの各々内は、上半部と下半部とに区画されてい
る。レバー１１の操作によるボール弁１０の回動によっ
て、試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの各々の中間部が開閉可
能になっている。試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの各々の、
ボール弁１０で区画された上半部内には、泥試料の採集
筒１２が挿入されている。採集筒１２の下端は開口して
おり、採集筒１２内に挿入されたフリーなピストン１３
によって、上記開口は、通常閉塞されている。

【００１１】試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの各々の下部と
、アキュムレータ２の下部とは、互いに導管１５によっ
て連結されている。アキュムレータ２内には、フリーな
ピストン１４が挿入されている。アキュムレータ２の上
部には、ガスチャージ弁１６が取り付けられており、そ
して、その下部には、均圧弁１７が取り付けられている
。このような、ガスチャージ弁１６および均圧弁１７に
よって、試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの各々内の圧力を、
海底の圧力と均しくすることができる。１８は、均圧弁
１７の開閉用のレバーである。

【００１２】容器３の上端開口を覆うカバー４には、採
取した泥試料を、試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの何れか１
つの中の採集筒１２内に供給するための、試料容器１Ａ
，１Ｂ，１Ｃの何れか１つの上端開口と合致する供給孔
１９と、試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの何れか１つの中の
、泥試料が供給された採集筒１２を、試料容器の下半部
内に押し込むための押し込み棒２０が装着された、試料
容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの何れか１つの上端開口と合致す
る押し込み孔２１と、泥試料の採取および供給用のスコ
ップ２２を収納するための、スコップ収納凹部２３とが
設けられている。

【００１３】レバー７を操作して容器３を回動させるこ
とにより、容器３内の試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの何れ
か１つを、カバー４の供給孔１９の直下に位置させ、そ
して、試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃの他の何れか１つを、
カバー４の押し込み孔２１の直下に位置させることがで
きる。押し込み棒２０には、スプリング２０ａ　が取り
付けられている。通常は、押し込み孔２１内に押し込み
棒２０が位置しているが、スプリング２０ａ　に抗して
これを下降させることにより、押し込み棒２０を、その
直下に位置する試料容器内に押し込むことができる。

【００１４】容器３の上部には、容器３を密封するため
の蓋体２４が着脱可能に取り付けられている。２５は、
容器３の上部に取り付けられた蓋体２４を容器３の上側
面に押しつけて、蓋体２４をロックし、且つ、その下端
の爪部２５ａ　が容器３の上部に係止して容器３を保持
する係止具であり、２６は、係止具２５の爪部２５ａ　
の開閉機構、そして、２７は把手である。このような蓋
体２４により、容器３を密封することによって、容器３
内を滅菌した状態に保つことができる。

【００１５】

【作用】蓋体２４により、容器３を密封した状態で、装
置を海底に降ろした後、容器３から蓋体２４を取り外す
。容器３を回動して、図２〜４に示すように、試料容器
１Ａの上端開口を、カバー４の供給孔１９の直下に位置
させる。 均圧弁１７を開き、試料容器１Ａ内の水を排除する。試
料容器１Ａのボール弁１０は予め閉じられている。図示
しない潜水艇のマニピユレーターの操作によって、図２
に示すように、スコップ２２により採取した泥試料をカ
バー４の供給孔１９を通し、試料容器１Ａ内の採集筒１
２内に供給する。 次いで、図５に示すように、レバー７の操作によって容
器３を４５°回動する。その結果、余分の泥試料は、カ
バー４の下縁で除去される。従って、採集筒１２内に定
量の泥試料を収容することができる。

【００１６】次いで、レバー７の操作によって容器３を
更に４５°回動する。その結果、図６に概略縦断面図で
、図７に図６のＡ〜Ａ線矢視図で、図８に図６のＢ〜Ｂ
線矢視図で示すように、試料容器１Ａの上端開口は、カ
バー４の押し込み孔２１の直下に位置し、そして、試料
容器１Ｂの上端開口は、カバー４の試料供給孔１９の直
下に位置する。そこで、試料容器１Ａのボール弁１０を
開き、押し込み孔２１に取り付けられた押し込み棒２０
を操作して、泥試料が収容された採集筒１２を、試料容
器１Ａの下半部内に押し込み、次いで、ボール弁１０を
閉じる。その結果、試料容器１Ａの下半部内に押し込ま
れた採集筒１２内の泥試料は、アキュムレーター２によ
って、海底の圧力と同一の圧力に維持される。

【００１７】一方、上端開口が、カバー４の供給孔１９
の直下に位置した次の試料容器１Ｂ内には、上述したと
同様に、採集筒１２内に定量の泥試料が供給される。以
下、同様の操作によって、試料容器１Ｂ内の泥試料が供
給された採集筒１２は、試料容器１Ｂの下半部内に押し
込まれ、そして、次の試料容器１Ｃ内の採集筒１２内に
は、定量の泥試料が供給される。図９は、試料容器１Ａ
，１Ｂ，１Ｃの上述した状態を、１つの図面上に表した
説明図である。

【００１８】このようにして、定量の泥試料が供給され
た試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃは、容器３と共に海底から
引き上げられて試験室に運搬され、採集筒１２内の泥試
料が分析される。図１０は、試験室における、試料容器
１Ａ，１Ｂ，１Ｃからの泥試料の排出手段を示す説明図
である。図面に示すように、容器３内から、試料容器１
Ａ，１Ｂ，１Ｃおよびアキュムレーター２が取り出され
、その１つの試料容器１Ｃを、上端開口を下にして、希
釈ラインの受け管２８に装着する。 受け管２８の上部内面には、試料容器の上端が係止され
る段部２９、および、試料容器内の採集筒１２の上端が
係止される段部３０が形成されている。アキュムレータ
ー２の均圧弁１７には、加圧水の供給管３１が接続され
る。

【００１９】上述したように、試料容器１Ｃを受け管２
８に装着した後、試料容器１Ｃのボール弁１０を開き、
供給管３１から、均圧弁１７を通して、加圧水を試料容
器１Ｃ内に供給する。その結果、試料容器１Ｃ内の採集
筒１２は押し出されて、受け管２８の段部３０に係止さ
れ、更に、採集筒１２内のピストン１３の下降によって
、採集筒１２内の泥試料は、受け管２８内に排出される
。そして、受け管２８に接続された給水管３２から供給
される水によって、図示しない分析装置に流送される。

【００２０】図１１および図１２は、この発明の容器の
他の実施態様を示す概略平面図である。図１１は、容器
３内に、４個の試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄ　と、
２個のアキュムレーター２Ａ，２Ｂ　および均圧弁１７
Ａ，１７Ｂ　とが配置された装置を示している。図１２
は、容器３内に、６個の試料容器１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１
Ｄ，１Ｅ，１Ｆ　と、３個のアキュムレーター２Ａ，２
Ｂ，２Ｃおよび均圧弁１７Ａ，１７Ｂ，１７Ｃ　とが配
置された装置を示している。このように、同一円周上に
、等間隔をあけて配置された複数個の試料容器と、試料
容器の数に見合う複数個のアキュムレーターおよび均圧
弁とを組み合わすことにより、所望数の試料容器を有す
る装置を構成することができる。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
潜水艇の１回の潜水作業によって、海底の複数箇所から
採集された泥試料を、各々一定量、海底の圧力と同一の
圧力を維持しながら適確に収容し得る、工業上、有用な
効果がもたらされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の容器の１実施態様を示す部分概略縦
断面図である。

【図２】この発明の容器の、蓋体を取り外した状態の概
略縦断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線矢視図である。

【図４】図２のＢ−Ｂ線矢視図である。

【図５】この発明の容器部分を４５°回動した場合にお
ける、図２のＢ−Ｂ線矢視図である。

【図６】この発明の容器部分を９０°回動した場合の、
概略縦断面図である。

【図７】図６のＡ〜Ａ線矢視図である。

【図８】図６のＢ〜Ｂ線矢視図である。

【図９】この発明の容器の作動状態を示す説明図である
。

【図１０】この発明の容器からの泥試料の排出手段を示
す説明図である。

【図１１】この発明の容器の他の実施態様を示す概略平
面図である。

【図１２】この発明の容器の更に他の実施態様を示す概
略平面図である。

【符号の説明】

１Ａ　　試料容器　　　　　　　　　　　　　１Ｂ　　
　試料容器　　　　　　　　　　　　１Ｃ試料容器 ２　　アキュムレータ　　　　　　　　３　　容器　　
　　　　　　　　　　　　　　４　　カバー ５　　台座　　　　　　　　　　　　　　　　　　６　
　垂直軸　　　　　　　　　　　　　　７　　レバー ８　　取り付け板　　　　　　　　　　　　９　　連結
板　　　　　　　　　　　　　　１０　　ボール弁 １１　　レバー　　　　　　　　　　　　　　　　１２
　　採集筒　　　　　　　　１３　　ピストン １４　　ピストン　　　　　　　　　　　　　　１５　
　導管　　　　　　　　　　　　１６　　ガスチャージ
弁 １７　　均圧弁　　　　　　　　　　　　　　　　１８
　　レバー　　　　　　　　　　　　　　１９　　供給
孔 ２０　　押し込み棒　　　　　　　　　　　　２１　　
押し込み孔　　　　　　　　　　２２　　スコップ ２３　　スコップ収納凹部　　　　　　２４　　蓋体　
　　　　　　　　　　　　　　　２５　　係止具 ２６　　開閉機構　　　　　　　　　　　　　　２７　
　把手　　　　　　　　　　　　　　　　２８　　受け
管 ２９　　段部　　　　　　　　　　　　　　　　　　３
０　　段部　　　　　　　　　　　　　　　　３１　　
供給管 ３２　　給水管

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　海底から採取された泥試料の一定量を
   収容するための、中間部にボール弁を備えた、上端が開
   口する複数個の試料容器と、前記複数個の試料容器の各
   々内の圧力を一定に保つための、ガスチャージ弁および
   均圧弁が取り付けられたアキュムレータと、前記複数個
   の試料容器および前記アキュムレータを収納するための
   、不動の垂直軸の回りを、前記複数個の試料容器および
   前記アキュムレータと共に一定ピッチで回動可能な容器
   と、そして、前記容器の上端開口を覆う、前記複数個の
   試料容器内への泥試料の供給孔を有する、前記垂直軸に
   固定されたカバーとからなることを特徴とする、海底の
   泥試料採集容器。